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ほづとしのりんの場合
3 ※
しおりを挟むお尻をきゅっと掴まれて、また「あひっ」って変な声が出ちゃう。
ああ、ダメ。もうダメ。
はやく、来てよ。
ほづ……来て。
ぼくのお尻がそんな気持ちをダイレクトにほづに伝えてしまう。つまり、彼の腰のあたりに物欲しげに擦りつけている。
ほづが「ふはっ」ってちょっと笑って、次にはもうぼくの腰を両手でがっしり掴みこむ。
先端がぴたっとあてがわれて、それから──
「ん……あっ……あ、ああ……」
ずぷずぷと、ほづがぼくの内側に入ってくる。
……ああ、もういっぱいだ。
ぼくの中が、ほづのではち切れそうなぐらいにみっしりと満たされている。
固くって、熱くって。
そこからぐずぐずと、ぼくの全部が溶かされてしまいそう。
「んあ……あ、あ」
ぼくの内側がひくひく震えて、ほづのがどくんと脈打つのがわかる。ほづが後ろからぼくの首とか、肩とかにいっぱいキスをしてくれる。ときどきぴりっと痛いのは、きつく吸ったり噛んだりしているからだ。
それだって、イヤではなくて、ただ嬉しい。
今夜もいっぱい、ぼくにキスマーク、つけて欲しい。
下から揺すり上げられ始めて、初めのうちこそ声を殺しているんだけど、やがてそんなの、どうでもよくなっていく。
狭いユニットバスの中は、ぼくの蕩けきっただらしない声と、ふたりでつながった場所から聞こえるいやらしい水音で満たされる。
「ふあっ……ん、んあっ、あうんっ……」
この体勢でされてると、ぼくの足は床からしょっちゅう浮き上がる。それでもほづは何の苦もなくぼくを抱き上げたまま、激しくぼくを突き上げてくれる。
後ろからだけじゃなくて、前から抱きついたみたいな体位でも、ほづは全然平気みたいだ。確か「駅弁」って言うんだっけ?
「やっ……ほづ、んんっ……もう、っあ、あ、あああっ……!」
わざとイイところを外されたり、逆にいきなりそこを突きまくられたり。
ぼくは散々に翻弄されて、ほづにいいように啼かされる。
風呂場でそれだけ好き放題に抱かれても、まだ終わりじゃない。風呂から出て、ベッドでさらにまだ一戦。それも、一回で終わることはあんまりない。
「ほづ……ダメ、あ、ああ……ぼくっ、もう……!」
必死で「もう許して」ってお願いすると、ほづは本当にしぶしぶといった顔で「んじゃ、これで最後な」ってもう一度だけぼくをイかせる。
終わったらもう、ぼくはぐったりだ。
汚れた体を洗うために、またお風呂に入らなくちゃならないけれど、それは大抵ほづがやってくれる。ほづと比べたらかなり軽量級のぼくだから、なんとかなってるんだろうけど。
湯舟に浸かって体を優しく洗われているうちに、いつのまにか眠ってしまうことも珍しくない。
今にも瞼がくっつきそうになっているぼくを、ほづは軽々と「お姫様だっこ」なんかして、嬉しそうにベッドにつれて戻る。
小さなベッドでぎゅうっとくっつきあって、タオルケットにぐるぐるにくるまって。お互いの体を抱きしめ合って。
瞼にも、鼻先にも、ほづのキスがいっぱい落ちてくる。
(……ああ、しあわせ)
内藤くんも、きっと佐竹さんとこんな幸せな夜を過ごしているんだろうな。
内藤くんは色々不安みたいだし、あの佐竹さんが相手じゃあその気持ちもわからなくもないんだけど。
でも、佐竹さんはきっと、君が思ってるよりもずっと、君を愛してると思うよ。
だって内藤くん、とっても可愛いもの。
ぼくとは違って、心の中も男の子だからなのかなあ。
女の子にはどうしても、どこかにどろどろ、ねちねちした真っ黒で粘着質な何かがあるもんだ。だけど、内藤くんには不思議なぐらいにそれがない。
それが君のとってもいい所なのに、自分じゃほとんど気づいてないんだよね。まあ、そこもいいところなんだけど。
佐竹さんは、君のそういう良いところをいっぱい知ってて、わかってると思う。
その上で、君をめちゃくちゃ愛してる。
……きっと、そうだと思うんだよね。
ああ、困った。
ほづとの楽しい夜なのに、頭の中がまた二人の妄想でいっぱいだよ。
これ、次の同人誌のネタにならないかなあ。
今度また、ゆのぽんと考えようっと。
もう秋だし、冬の陣の締め切りだって目の前だからね。
腐女子の冬は、忙しい。
「なーにを、にやにやしてんだよ」
いきなりそばから低い声がして、ぼくはうっすらと目を開けた。
「……あ、うん。なんでもないよ」
「ほかの野郎のことだったら、タダじゃおかねえ」
台詞とは裏腹に、ほづの声も手もとても優しい。ぼくをまたぎゅうっと抱きしめて、頬に、首にキスされる。
「……んあ。くすぐったい、よ……」
「うるっせえ。……俺のことだけ、考えてろ」
「やだなあ。なに? ほづ。妬いてんの?」
「……だったら悪いか」
「ううん」
わずかに首を横に振って、ぼくはほづの頬に手をあてた。
ふふ、ちょっと髭が生えてる。ちくちくする。
ほんと男っぽいよね、ほづ。
目を閉じると、意外と睫毛が長くてびっくりする。
でもぼく、かなりはじめのうちから知ってたよ。
こんな強面で、黒っぽい服を着てることも多くて、初対面の人は思わずあとずさることも多いけど。
でも、本当は怖い奴じゃないってこと。むしろ心の中は、暑苦しいぐらい優しいってこと。
そうでなかったら、あの時きみが、ぼくを助けにあんな田舎まで来てくれたはずがないものね。
……あのとき、本当に嬉しかった。
ゆのぽんにも心から感謝してる。
君たちがいてくれなかったら、ぼくは……ぼくは多分、今ここに生きてなかっただろうと思うから。
「ほづ」
「……ん? なんだ」
かなり眠そうな声になって、ほづがうっすらと目を開ける。
ぼくはその鼻の頭に、軽くちゅっと口づけた。
「……だいすき」
ほづは黙って、しばらくぼくを見つめてた。
それからぐいとぼくを抱き寄せ、
頬と言わずおでこと言わず、
またたくさん、たくさんの、キスの雨を降らせてくれた。
了
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