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莉斗への良からぬ企み
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「きゃーっ、青葉くん。本当に来てくれたんだぁ。來々嬉しい~っ!!」
約束の時間より5分ほど遅れて店に入ると、入ってすぐに場所で待ち兼ねていた來々とかいう女が早速声をかけてきた。
村中、こんな奴がいいのかよ。
スッと視線を向けると、奥の席に座り、項垂れている村中の姿が見える。
あーあ、やっぱりな。
最初っから莉斗狙いでお前なんて眼中にないじゃないか。
こんなやつに莉斗を触れさせたくない。
清らかで純粋な莉斗が穢れてしまう。
俺は莉斗の腕に絡み付こうとするその女との間にサッと割り込んで、
「こんな入口で騒いでたら迷惑だから、中に入ろうか。ほら、莉斗いくよ」
と莉斗の手をひき、女をその場に置いて村中のいる席へと向かった。
そっと後ろに視線を向けると、悔しそうな表情で俺を睨みつけている女が見えた。
やっぱりあれが本性か。
今日の集まったのは俺と莉斗、村中の3人と、村中が狙っている來々とかいう女を合わせた女7人。
こんな男女比の違う合コン、おかしいだろ。
あっちの幹事の女が俺たちから飲み物の注文を聞き、店員へと伝えて戻ってきてから、挨拶っぽいことを始めた。
「紫蘭女学館2年の早乙女麻由です。四ノ宮くんと青葉くんが来てくれるってなったのでお友達の中でも可愛い子たちを集めてきました。今日はいっぱい楽しみましょう」
幹事の女がそんなことを言っているがどこが可愛いんだ?
正直言って莉斗よりも可愛い女なんて1人もいないんだが……。
まぁ、それは最初からわかっていたことだけど。
大体村中のやつ、紫蘭女学館のお嬢さまは清楚で大人しくて……とか言ってなかったか?
ここに集まった女たち、どれも肉食獣のような目で俺と莉斗を見ているが気づいていないのか?
特にあの來々。
何か危ないことを計画してそうだ。
早くなんとか理由つけて出た方がいいな。
莉斗が危ない。
村中が店員に合図をすると、すでに注文していたらしい料理が次々に運ばれてくる。
とりあえず莉斗が食事を楽しみにしているから、食事したら連れて帰るか。
頭の中でいろんなことをシミュレーションしながら考えていると、莉斗の目の前にいた女がパスタを皿に盛って莉斗に手渡そうとしているのが視界に入ってきた。
「青葉くぅん、どうぞぉ~」
「悪いけど、莉斗はオイルパスタは苦手なんだ」
気持ちの悪い声で莉斗に手渡そうとしているパスタ皿をサッと取り、村中の前に置いてやった。
「ほら、莉斗。こっちのパスタ好きなやつだろ」
そう言って、魚介のトマトパスタをサッと盛って莉斗の前に置いてやると、
「湊介、サンキュ」
とフワッと可愛い笑顔を見せる。
その笑顔を見た女たちが一気に色めきたった。
くそっ、俺だけの笑顔なのに。
「青葉くん、好きな食べ物ってなに?」
「莉斗は俺と分けて食べる唐揚げが好きだよな?」
「ああーっ、確かに。唐揚げ一個が大きいから1人じゃ食べられないんだよな」
「……へぇーっ、じゃ、じゃあ、青葉くんの趣味は何? 休日は何して過ごしてるの?」
「莉斗は大体俺と過ごしてるよな? 映画見に行ったり、スイーツ食べに行ったり、遊園地も好きだよな」
「そうそう、湊介がいろんな場所知ってて連れてってくれるからほぼ毎週出掛けてるな」
「そう、なんだ……」
「あ、あの……青葉くんって莉斗って名前なんだね。可愛いっ。私も莉斗って呼んでいい?」
はぁっ? ふざけんな。
莉斗って呼んでいいのは俺だけなんだよ。
「だ――」
「悪いけど、湊介以外のやつに名前で呼ばれたくないんだ。名前で呼び合うのは家族と湊介だけって決めてるから」
「莉斗……」
俺が断るよりも先に莉斗が断ってくれた。
しかも家族と俺以外には名前で呼ばれたくないってはっきりと。
それって俺のことを家族同然だって思ってくれてるってことでいいんだよな?
俺はずっと恋人だって思ってるけど、莉斗は俺にそれ以上の感情を持ってくれてるってことでいいんだよな?
「なぁ、湊介。俺たちもう5年近く付き合ってるから家族同然だもんな」
「あ、ああ。そうだな」
まさかこんなところで莉斗が恋人宣言、いや家族宣言してくれるとは思っても見なかったな。
というか、莉斗が俺をそう思ってくれてると自覚してるなんてな。
てっきり親友としか見られてないと思い込んでた。
そうか……莉斗に自覚あったのか。
なら、少しくらい先に進んでも良さそうだよな。
「なぁ、湊介。俺、そろそろデザート選んでくる」
莉斗が立ち上がろうとすると、少し足元が覚束ない。
軽いやつしか呑ませてないはずだけど、俺が知らない間に呑んでた?
歩かせるのは危ないけど、肉食獣が群がるここに置いていく方がもっと危ない。
「俺も一緒に行くよ!」
俺は莉斗の腰を抱いて、スイーツが置かれている場所へと向かった。
「莉斗、どれにする?」
「俺、チーズケーキとぉ~、あのチョコのやつ。それから、イチゴ乗ってるやつも」
「ふふっ。相変わらずその3種類好きだよな」
「湊介も好きだろっ。一緒に食べよう」
こんなにも自然に一緒に食べようと誘ってくれる莉斗が本当に可愛いと思った。
そっと席へと戻ると、俺たちが戻ってきていることに気づいていない女たちが部屋の隅にかたまってヒソヒソと話をしているのが聞こえてきた。
「ねぇ、話が違うじゃん。四ノ宮くんと青葉くんを引き離して、さっさと寝かせてそっちの3人ずつでホテル連れてくって計画だったでしょ。あの男だけが寝ちゃっても意味ないじゃん」
見れば、村中が1人机に突っ伏して寝ている。
ああ、やっぱりな。
かわいそうに、村中。やっぱり眼中にないじゃないか。
「せっかくここの店員に色仕掛けで買収して、男たちの酒を強めにしてもらったのに」
「だって、四ノ宮くんが青葉くんから離れないんだもん。ねぇ、お酒に薬入れちゃおうよ」
「そうしよ、そうしよ。さっきのあの店員呼ぼうよ」
なるほど。そういうわけか。
莉斗があれくらいで酔うわけないと思ったんだ。
悪いけど、こんなのがわかった以上もう莉斗をここにいさせるわけにはいかない。
パッと莉斗に目を向けると、ケーキも食べずして俺に寄りかかったまますっかり夢の中だ。
明日美味しいケーキ食べさせてやるからな。
俺は莉斗を抱き寄せたまま、そっと女どものところに行き
「君たちの今の話全部聞かせてもらったから。勝手に強い酒飲ませてホテル連れ込むって犯罪だってわかってる?
その上薬? 本当やばいな、お前ら。俺たちは帰るから。もう俺たちに近寄らないでくれ」
と一気に言い放って、持っていたケーキ皿をテーブルに置き莉斗をお姫さま抱っこで抱きかかえた。
「おい、村中!! 俺たち帰るぞ!!」
まだ寝ぼけ眼の村中を叩き起こして、
「これ、俺たちの会費1万円な。置いていくぞ! いいな!」
と机の上に2人分の金を置いた。
「うーん? 会費?」
まだ寝ぼけている村中と村中の世話をしてくれていたらしい幹事の早乙女さんに、
「俺たちが帰る理由はあいつらに聞いてくれ」
と部屋の隅にかたまっている女たちを指差して俺と莉斗の2人分の荷物を持って部屋を出ようとした。
すると、後ろから、
「ちょっと待ってよ!」
と声がかけられた。
見ると、莉斗を狙ってた來々という女が仁王立ちでこっちを見ている。
「良からぬことを計画してた君が俺たちに何の用?」
「私にそんな口聞いていいの?」
「どういう意味かな、それは?」
「私のおじいちゃまは四ノ宮さんのお父さまの会社のメインバンクの頭取なの。
私にそんな態度したっておじいちゃまが知ったらどうするかしら? ふふっ。
お父さまとの会社との取引を停止するかも。そうなったらお父さまの会社はどうなるかしら?
倒産どころじゃ済まないかもね。それが嫌だったら、大人しく私たちについてきなさいよ!」
「ああ、なるほどね。君がやけに偉そうにしてると思ったら、あの銀行の頭取の孫なのか」
「偉そうって、失礼ね。本当に偉いんだから、うちのおじいちゃまは」
「國枝頭取は確かに偉いんだろうが、お前は関係ないだろう。
それにな、大事なところを忘れてるぞ」
「な、何よっ」
「うちのメインバンクはアメリカだ。君のおじいさんの銀行と取引してやってるのは、國枝頭取がどうしてもと頭を下げてきたからだよ」
「う、うそっ! そんなことあるわけが――」
「そう思うのは勝手だけどな、うちとの取引が停止したら、確実に君のおじいさんのクビが吹っ飛ぶだろうな。それくらいうちとの取引はおじいさんの銀行にとっては死活問題なんだよ。残念だったな。君のその不遜な態度は國枝頭取に直々に話しておくから。それに……」
「な、なに……? まだあるの?」
「これが一番重要だよ。莉斗は、うちの両親には俺以上に可愛がられてるんだ。そんな莉斗に良からぬことを企てたことは絶対に許さないから覚悟しとくんだな。周りのお前らも同罪だからな」
冷たく低い声でそう言い放つと、女たちはガタガタと身体を震えさせその場に崩れ落ちた。
俺は莉斗を抱きかかえてそのまま店を出てすぐに家の車を呼び、今の報告をするために実家へと戻った。
約束の時間より5分ほど遅れて店に入ると、入ってすぐに場所で待ち兼ねていた來々とかいう女が早速声をかけてきた。
村中、こんな奴がいいのかよ。
スッと視線を向けると、奥の席に座り、項垂れている村中の姿が見える。
あーあ、やっぱりな。
最初っから莉斗狙いでお前なんて眼中にないじゃないか。
こんなやつに莉斗を触れさせたくない。
清らかで純粋な莉斗が穢れてしまう。
俺は莉斗の腕に絡み付こうとするその女との間にサッと割り込んで、
「こんな入口で騒いでたら迷惑だから、中に入ろうか。ほら、莉斗いくよ」
と莉斗の手をひき、女をその場に置いて村中のいる席へと向かった。
そっと後ろに視線を向けると、悔しそうな表情で俺を睨みつけている女が見えた。
やっぱりあれが本性か。
今日の集まったのは俺と莉斗、村中の3人と、村中が狙っている來々とかいう女を合わせた女7人。
こんな男女比の違う合コン、おかしいだろ。
あっちの幹事の女が俺たちから飲み物の注文を聞き、店員へと伝えて戻ってきてから、挨拶っぽいことを始めた。
「紫蘭女学館2年の早乙女麻由です。四ノ宮くんと青葉くんが来てくれるってなったのでお友達の中でも可愛い子たちを集めてきました。今日はいっぱい楽しみましょう」
幹事の女がそんなことを言っているがどこが可愛いんだ?
正直言って莉斗よりも可愛い女なんて1人もいないんだが……。
まぁ、それは最初からわかっていたことだけど。
大体村中のやつ、紫蘭女学館のお嬢さまは清楚で大人しくて……とか言ってなかったか?
ここに集まった女たち、どれも肉食獣のような目で俺と莉斗を見ているが気づいていないのか?
特にあの來々。
何か危ないことを計画してそうだ。
早くなんとか理由つけて出た方がいいな。
莉斗が危ない。
村中が店員に合図をすると、すでに注文していたらしい料理が次々に運ばれてくる。
とりあえず莉斗が食事を楽しみにしているから、食事したら連れて帰るか。
頭の中でいろんなことをシミュレーションしながら考えていると、莉斗の目の前にいた女がパスタを皿に盛って莉斗に手渡そうとしているのが視界に入ってきた。
「青葉くぅん、どうぞぉ~」
「悪いけど、莉斗はオイルパスタは苦手なんだ」
気持ちの悪い声で莉斗に手渡そうとしているパスタ皿をサッと取り、村中の前に置いてやった。
「ほら、莉斗。こっちのパスタ好きなやつだろ」
そう言って、魚介のトマトパスタをサッと盛って莉斗の前に置いてやると、
「湊介、サンキュ」
とフワッと可愛い笑顔を見せる。
その笑顔を見た女たちが一気に色めきたった。
くそっ、俺だけの笑顔なのに。
「青葉くん、好きな食べ物ってなに?」
「莉斗は俺と分けて食べる唐揚げが好きだよな?」
「ああーっ、確かに。唐揚げ一個が大きいから1人じゃ食べられないんだよな」
「……へぇーっ、じゃ、じゃあ、青葉くんの趣味は何? 休日は何して過ごしてるの?」
「莉斗は大体俺と過ごしてるよな? 映画見に行ったり、スイーツ食べに行ったり、遊園地も好きだよな」
「そうそう、湊介がいろんな場所知ってて連れてってくれるからほぼ毎週出掛けてるな」
「そう、なんだ……」
「あ、あの……青葉くんって莉斗って名前なんだね。可愛いっ。私も莉斗って呼んでいい?」
はぁっ? ふざけんな。
莉斗って呼んでいいのは俺だけなんだよ。
「だ――」
「悪いけど、湊介以外のやつに名前で呼ばれたくないんだ。名前で呼び合うのは家族と湊介だけって決めてるから」
「莉斗……」
俺が断るよりも先に莉斗が断ってくれた。
しかも家族と俺以外には名前で呼ばれたくないってはっきりと。
それって俺のことを家族同然だって思ってくれてるってことでいいんだよな?
俺はずっと恋人だって思ってるけど、莉斗は俺にそれ以上の感情を持ってくれてるってことでいいんだよな?
「なぁ、湊介。俺たちもう5年近く付き合ってるから家族同然だもんな」
「あ、ああ。そうだな」
まさかこんなところで莉斗が恋人宣言、いや家族宣言してくれるとは思っても見なかったな。
というか、莉斗が俺をそう思ってくれてると自覚してるなんてな。
てっきり親友としか見られてないと思い込んでた。
そうか……莉斗に自覚あったのか。
なら、少しくらい先に進んでも良さそうだよな。
「なぁ、湊介。俺、そろそろデザート選んでくる」
莉斗が立ち上がろうとすると、少し足元が覚束ない。
軽いやつしか呑ませてないはずだけど、俺が知らない間に呑んでた?
歩かせるのは危ないけど、肉食獣が群がるここに置いていく方がもっと危ない。
「俺も一緒に行くよ!」
俺は莉斗の腰を抱いて、スイーツが置かれている場所へと向かった。
「莉斗、どれにする?」
「俺、チーズケーキとぉ~、あのチョコのやつ。それから、イチゴ乗ってるやつも」
「ふふっ。相変わらずその3種類好きだよな」
「湊介も好きだろっ。一緒に食べよう」
こんなにも自然に一緒に食べようと誘ってくれる莉斗が本当に可愛いと思った。
そっと席へと戻ると、俺たちが戻ってきていることに気づいていない女たちが部屋の隅にかたまってヒソヒソと話をしているのが聞こえてきた。
「ねぇ、話が違うじゃん。四ノ宮くんと青葉くんを引き離して、さっさと寝かせてそっちの3人ずつでホテル連れてくって計画だったでしょ。あの男だけが寝ちゃっても意味ないじゃん」
見れば、村中が1人机に突っ伏して寝ている。
ああ、やっぱりな。
かわいそうに、村中。やっぱり眼中にないじゃないか。
「せっかくここの店員に色仕掛けで買収して、男たちの酒を強めにしてもらったのに」
「だって、四ノ宮くんが青葉くんから離れないんだもん。ねぇ、お酒に薬入れちゃおうよ」
「そうしよ、そうしよ。さっきのあの店員呼ぼうよ」
なるほど。そういうわけか。
莉斗があれくらいで酔うわけないと思ったんだ。
悪いけど、こんなのがわかった以上もう莉斗をここにいさせるわけにはいかない。
パッと莉斗に目を向けると、ケーキも食べずして俺に寄りかかったまますっかり夢の中だ。
明日美味しいケーキ食べさせてやるからな。
俺は莉斗を抱き寄せたまま、そっと女どものところに行き
「君たちの今の話全部聞かせてもらったから。勝手に強い酒飲ませてホテル連れ込むって犯罪だってわかってる?
その上薬? 本当やばいな、お前ら。俺たちは帰るから。もう俺たちに近寄らないでくれ」
と一気に言い放って、持っていたケーキ皿をテーブルに置き莉斗をお姫さま抱っこで抱きかかえた。
「おい、村中!! 俺たち帰るぞ!!」
まだ寝ぼけ眼の村中を叩き起こして、
「これ、俺たちの会費1万円な。置いていくぞ! いいな!」
と机の上に2人分の金を置いた。
「うーん? 会費?」
まだ寝ぼけている村中と村中の世話をしてくれていたらしい幹事の早乙女さんに、
「俺たちが帰る理由はあいつらに聞いてくれ」
と部屋の隅にかたまっている女たちを指差して俺と莉斗の2人分の荷物を持って部屋を出ようとした。
すると、後ろから、
「ちょっと待ってよ!」
と声がかけられた。
見ると、莉斗を狙ってた來々という女が仁王立ちでこっちを見ている。
「良からぬことを計画してた君が俺たちに何の用?」
「私にそんな口聞いていいの?」
「どういう意味かな、それは?」
「私のおじいちゃまは四ノ宮さんのお父さまの会社のメインバンクの頭取なの。
私にそんな態度したっておじいちゃまが知ったらどうするかしら? ふふっ。
お父さまとの会社との取引を停止するかも。そうなったらお父さまの会社はどうなるかしら?
倒産どころじゃ済まないかもね。それが嫌だったら、大人しく私たちについてきなさいよ!」
「ああ、なるほどね。君がやけに偉そうにしてると思ったら、あの銀行の頭取の孫なのか」
「偉そうって、失礼ね。本当に偉いんだから、うちのおじいちゃまは」
「國枝頭取は確かに偉いんだろうが、お前は関係ないだろう。
それにな、大事なところを忘れてるぞ」
「な、何よっ」
「うちのメインバンクはアメリカだ。君のおじいさんの銀行と取引してやってるのは、國枝頭取がどうしてもと頭を下げてきたからだよ」
「う、うそっ! そんなことあるわけが――」
「そう思うのは勝手だけどな、うちとの取引が停止したら、確実に君のおじいさんのクビが吹っ飛ぶだろうな。それくらいうちとの取引はおじいさんの銀行にとっては死活問題なんだよ。残念だったな。君のその不遜な態度は國枝頭取に直々に話しておくから。それに……」
「な、なに……? まだあるの?」
「これが一番重要だよ。莉斗は、うちの両親には俺以上に可愛がられてるんだ。そんな莉斗に良からぬことを企てたことは絶対に許さないから覚悟しとくんだな。周りのお前らも同罪だからな」
冷たく低い声でそう言い放つと、女たちはガタガタと身体を震えさせその場に崩れ落ちた。
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