ウブで真面目な理学療法士の初恋のお相手はセレブなイケメン敏腕秘書でした

波木真帆

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独り占めしたい

明日の予定もある。動けなくなっては困る。
だから決して激しくはしない。
そう自分に言い聞かせるが、ようやく二人っきりになれた解放感が尚孝さんを興奮させているようだ。
私を全身で誘ってくれる。それが嬉しい。

尚孝さんを抱きかかえたまま、ベッドに腰を下ろす。

「ゆいと、さん……」

恍惚とした表情で妖艶に私の名前を呼ぶ。
誘われるように唇を重ねながら、尚孝さんの服を脱がした。
服に隠されていた、シルクのように滑らかな肌に手のひらを滑らせる。
背中を撫でると、重なり合った唇から尚孝さんの甘い声が漏れた。

ゆっくり唇を離すと、私の胸にもたれかかってきた。
しかし、すぐに私を見上げて、「服を脱いで」と強請ってくる。
その少し拗ねたような表情がたまらなく可愛くてすぐにいうことを聞いてしまう。

「見ててください」

見せつけるように服を脱ぐと、嬉しそうに見つめてくれる。
私の裸などもう何度も見ただろうに、いつでも嬉しそうにしてくれる。
まぁ、私も尚孝さんの裸を見ると興奮が抑えられないのだから同じか。

あっという間に半裸を晒すと笑顔で手を伸ばしてくる。
尚孝さんは体質上あまり筋肉がつきにくいから、今の私の身体が理想なのだそうだ。

――もちろん、身体だけじゃなく唯人さんが全部僕の理想です……

初めて私の身体が理想だと教えてくれた時、頬を染めながらそう言ってくれたのを思い出す。
愛しい人に自分の理想だと言われて嬉しくないわけがない。

あの日から、私は必ず仕事場で鍛える時間を作るようにしている。
今ではそれを毎日のルーティーンに入れているくらいだ。

あくまでも今のままを維持できるように、決してこれ以上筋肉をつけすぎてマッチョになりすぎないように、しっかり計算しながら鍛えている。
そのおかげか、寝ている時も尚孝さんは無意識のままに私の身体に抱きついて嬉しそうに笑ってくれる。
それが最高に嬉しい。

「私の裸、気に入っていますか?」

嬉しそうに腹筋を撫でる尚孝さんに声をかけると笑顔で見上げてくれる。

「唯人さんの、全てが好きです……」

「尚孝さん……」

必死に理性と闘いながら、もう一度尚孝さんの唇を奪う。
そしてそのままベッドに押し倒した。

キスをしながら、手早くズボンと下着を脱がせて、自分の残りの服も脱ぎ捨てた。
お互いに生まれたままの姿になりベッドに横たわる。

「まだここに着いたばかりですから、今日は少しだけにしましょうね。そうでないと一週間、ベッドから離れられなくなりそうです」

正直に告げると、尚孝さんは笑って私に抱きついてくる。

「それじゃあ、一度だけでいいので奥まで気持ち良くしてください……」

「くっ!」

尚孝さんは私を煽らせる天才だな。
もうこれは天性の才能と言っていい。

私は一度だけと心に刻み込みつつ、尚孝さんに煽られるがままに最奥を穿ち、たっぷりと欲望の蜜を注ぎ込んだ。

気づけば尚孝さんは眠ってしまっていたが、これは旅疲れから来ているものだろう。
抱きかかえて風呂場に連れて行き、身体を清めてからもう一つの寝室の広いベッドに尚孝さんを寝かせた。

パソコンを開き、明日の結婚式の最終チェックだけを終わらせて私もベッドに入った。

明日の夜は私のつまになっている尚孝さんの身体を抱きしめながら眠りについた。


「ん……っ」

尚孝さんが目を覚ますのを感じて、寝たふりをしながらそっと様子を窺った。

尚孝さんは私がまだ眠っていると思って、自分から嬉しそうに抱きついたり、私の頬を撫でたりと可愛いことをしてくれる。

「今日から一週間も唯人さんを独り占めできるなんて幸せ……」

ポツリと呟いた声があまりにも嬉しそうで、我慢ができなかった。

「私も尚孝さんを独占できて幸せですよ」

ギュッと抱きしめると、「ひゃっ」と可愛い声が聞こえた。

「ゆい、とさん……おきてたんですか?」

「ええ。可愛い尚孝さんを堪能してました。私を独占していいですよ」

「唯人さん……」

私を煽る尚孝さんはあんなにも妖艶なのに、今の恥じらう尚孝さんはなにも知らない乙女のようだ。

「そういえば、あの入国審査官に独占欲がどうとか話しましたか?」

「えっ……あの、それは……」

独占という話が出て、ふとあの時のやりとりを思い出して尋ねてみたのだが、尚孝さんはなぜか一気に顔を赤らめた。
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