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番外編
みんなで見守ろう!
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あの猥褻医師の事件解決のその後のお話。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<side将臣>
「ただいま」
お義父さんと一緒に大きな仕事を片付けて愛しい秀吾が待つ自宅に帰ると、
「将臣! おかえり! どうだった?」
秀吾がいつも以上に勢いよく玄関に駆けつけてくれた。
今日の勢いがすごいのは、緑川先生のお孫さんで、磯山先生の甥っ子である昇くんの最愛の人が事件に関わっていたから、その後のことが知りたいからだ。俺は、早く秀吾の顔が見たかったから出迎えてくれるのは嬉しいけれど、目的が俺じゃないというのは些か嫉妬してしまう。でもわかっている。今回のは特に胸糞悪い事件だったから。
小学生以下の幼い子に性的興奮を覚える男が小児科医になり、まだ抵抗もできないような幼い子に診療と称して猥褻行為を行なっていた。そればかりか、実母が猥褻医師とグルになって自分の息子を差し出していたというのだから鬼畜の所業としか言いようがない。
しかもその被害者があの磯山先生の溺愛している息子さんで、昇くんの最愛の人だなんて……。
ただでさえ、母親が誘拐犯ということで辛い思いをしていたのに、彼自身もひどいトラウマを植え付けられていたなんて可哀想すぎる。
あまりにも彼の育ってきた環境が不憫すぎて、今回、猥褻医師を逮捕するのに関わった人全てが犯人とその母親に対して怒りの感情でいっぱいになっていた。けれど、法律に関わる人間として、どんなに悪人でも手を出してはいけない。それがわかっているから、怒りを必死に理性で抑えて逮捕した。
猥褻医師を確実に実刑にするために集められた膨大な証拠のおかげで、マル被は反論のしようもなくすぐに送致されるだろう。少なくとも十五年は出てこれないはずだが、大事なのは出てきたあとだ。
しかし、それは倉橋さんが責任を持って彼に近づかないようにすると約束してくれた。
それは彼の実母も同じ。被害者の彼にとって一生会わなくていい存在の二人だ。
倉橋さんがどうするかその後の詳しい話は知らないが、犯罪行為はないということだけは確かだ。
出所したその足で本人の意思をしっかりと確認して書類も交わした上で、そいつらに適した仕事先を紹介するそうだから、何の問題もない。
俺たちにできることは全部やった。
あとは、彼……直純くんの周りにいる大人たち、もちろん昇くんも一緒に、直純くんを守ってあげることだけだ。
幸いにも今の彼の周りには優しい人がたくさんいる。
緑川教授の父上である緑川先生もこのタイミングでアフリカから戻られてきたのも何かの導きのように感じられる。
直純くんはこれからいっぱい幸せになってもらいたい。
そして、いつか昇くんと幸せな姿を見せてもらいたいものだ。
そんな気持ちを込めて、俺は秀吾に笑顔を向けた。
「ああ、全てうまくいったよ。奴は逮捕したし、実刑は確実だ。出てきてももう二度と会うことはないよ」
「そう、なんだ……よかったぁ……」
俺の言葉に身体の力が抜けて膝から崩れ落ちそうになったのをさっと抱き留めた。
「そんなに心配だったか?」
「ううん。将臣とお父さんが揃ってたら絶対大丈夫だって思ってたけど、でも……」
「ごめん、意地悪言ったな。秀吾は直純くんと昇くんが心配だったんだろう?」
「うん……。将臣から昇くんの話を聞いて、二人の初々しい付き合いを密かに応援してたから。まさか直純くんがそんなひどい目に遭ってたなんて……しかもそのトラウマを聞き出したのが昇くんだなんて……辛かっただろうにすごく頑張ったんだろうなって……逮捕されても心の傷が消えるわけじゃないだろうけど、もう二度と会うことがないってだけでもホッとするだろうなって……」
秀吾の心からの気持ちが伝わってくる。話を聞いてから秀吾は自分のことのように胸を痛めていたんだ。
「彼は今まで辛い環境にいたのは間違いない。でも、今は心から守ってくれる人がいっぱいいるから大丈夫だよ。秀吾は緑川先生の嬉しそうな顔を実際に見たんだろう?」
「うん。帰りがけに可愛い孫の写真を見せてあげるって、メロメロの表情だったよ」
「あの先生をそんなふうにしてしまう子だよ。大丈夫、もう心配はいらないよ」
「そうだね。将臣、頑張ってくれてありがとう」
秀吾の唇が俺の唇に重なる。
ああ、ようやく秀吾の唇を味わえた。
「頑張ってきたから、今日はお風呂でもしたい」
「将臣ったら……っ!」
「ダメか?」
「いいよ。じゃあご飯食べてからね。今日は将臣の好きなハンバーグだから」
「やった!」
俺は秀吾を抱きかかえてリビングに飛び込んだ。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<side将臣>
「ただいま」
お義父さんと一緒に大きな仕事を片付けて愛しい秀吾が待つ自宅に帰ると、
「将臣! おかえり! どうだった?」
秀吾がいつも以上に勢いよく玄関に駆けつけてくれた。
今日の勢いがすごいのは、緑川先生のお孫さんで、磯山先生の甥っ子である昇くんの最愛の人が事件に関わっていたから、その後のことが知りたいからだ。俺は、早く秀吾の顔が見たかったから出迎えてくれるのは嬉しいけれど、目的が俺じゃないというのは些か嫉妬してしまう。でもわかっている。今回のは特に胸糞悪い事件だったから。
小学生以下の幼い子に性的興奮を覚える男が小児科医になり、まだ抵抗もできないような幼い子に診療と称して猥褻行為を行なっていた。そればかりか、実母が猥褻医師とグルになって自分の息子を差し出していたというのだから鬼畜の所業としか言いようがない。
しかもその被害者があの磯山先生の溺愛している息子さんで、昇くんの最愛の人だなんて……。
ただでさえ、母親が誘拐犯ということで辛い思いをしていたのに、彼自身もひどいトラウマを植え付けられていたなんて可哀想すぎる。
あまりにも彼の育ってきた環境が不憫すぎて、今回、猥褻医師を逮捕するのに関わった人全てが犯人とその母親に対して怒りの感情でいっぱいになっていた。けれど、法律に関わる人間として、どんなに悪人でも手を出してはいけない。それがわかっているから、怒りを必死に理性で抑えて逮捕した。
猥褻医師を確実に実刑にするために集められた膨大な証拠のおかげで、マル被は反論のしようもなくすぐに送致されるだろう。少なくとも十五年は出てこれないはずだが、大事なのは出てきたあとだ。
しかし、それは倉橋さんが責任を持って彼に近づかないようにすると約束してくれた。
それは彼の実母も同じ。被害者の彼にとって一生会わなくていい存在の二人だ。
倉橋さんがどうするかその後の詳しい話は知らないが、犯罪行為はないということだけは確かだ。
出所したその足で本人の意思をしっかりと確認して書類も交わした上で、そいつらに適した仕事先を紹介するそうだから、何の問題もない。
俺たちにできることは全部やった。
あとは、彼……直純くんの周りにいる大人たち、もちろん昇くんも一緒に、直純くんを守ってあげることだけだ。
幸いにも今の彼の周りには優しい人がたくさんいる。
緑川教授の父上である緑川先生もこのタイミングでアフリカから戻られてきたのも何かの導きのように感じられる。
直純くんはこれからいっぱい幸せになってもらいたい。
そして、いつか昇くんと幸せな姿を見せてもらいたいものだ。
そんな気持ちを込めて、俺は秀吾に笑顔を向けた。
「ああ、全てうまくいったよ。奴は逮捕したし、実刑は確実だ。出てきてももう二度と会うことはないよ」
「そう、なんだ……よかったぁ……」
俺の言葉に身体の力が抜けて膝から崩れ落ちそうになったのをさっと抱き留めた。
「そんなに心配だったか?」
「ううん。将臣とお父さんが揃ってたら絶対大丈夫だって思ってたけど、でも……」
「ごめん、意地悪言ったな。秀吾は直純くんと昇くんが心配だったんだろう?」
「うん……。将臣から昇くんの話を聞いて、二人の初々しい付き合いを密かに応援してたから。まさか直純くんがそんなひどい目に遭ってたなんて……しかもそのトラウマを聞き出したのが昇くんだなんて……辛かっただろうにすごく頑張ったんだろうなって……逮捕されても心の傷が消えるわけじゃないだろうけど、もう二度と会うことがないってだけでもホッとするだろうなって……」
秀吾の心からの気持ちが伝わってくる。話を聞いてから秀吾は自分のことのように胸を痛めていたんだ。
「彼は今まで辛い環境にいたのは間違いない。でも、今は心から守ってくれる人がいっぱいいるから大丈夫だよ。秀吾は緑川先生の嬉しそうな顔を実際に見たんだろう?」
「うん。帰りがけに可愛い孫の写真を見せてあげるって、メロメロの表情だったよ」
「あの先生をそんなふうにしてしまう子だよ。大丈夫、もう心配はいらないよ」
「そうだね。将臣、頑張ってくれてありがとう」
秀吾の唇が俺の唇に重なる。
ああ、ようやく秀吾の唇を味わえた。
「頑張ってきたから、今日はお風呂でもしたい」
「将臣ったら……っ!」
「ダメか?」
「いいよ。じゃあご飯食べてからね。今日は将臣の好きなハンバーグだから」
「やった!」
俺は秀吾を抱きかかえてリビングに飛び込んだ。
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