異世界で陵辱され自ら死を選んだ僕が生まれ変わって国王さまに激甘に溺愛されました

波木真帆

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必ず見つけて見せる!

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読んでいただきありがとうございます。
3話くらいで終わる予定だったのですが……サミュエル視点が長くなりもしかしたら5話くらいになるかもしれません(汗)
楽しんでいただけると嬉しいです♡


  *   *   *


ああ……っ、神が……。
神が私に再びチャンスをお与えくださった。

一人で彼を探しに行けと、そうお命じになったのだ。

ということは、彼はこの国に必ずいる。
私はどれだけ月日をかけようとも必ず私一人の力で彼を探すと誓う!!

この国のどこかで私の到着を待ってくれているのかもしれない彼の元に早く行かなければ。

私は気力を振り絞って、崩れた壁穴の隙間に隠していた牢の鍵を取り出し、固く閉ざしていた牢の扉を開け外に出た。

筋力が落ち、歩行もままならない足を必死に前へと送り出し一歩一歩階段を下りて行く。

途轍もないほどの時間をかけ、ようやく塔の入り口に辿り着いた。
全体重をかけ、ギイッと重い扉を開けると眩しい光が入ってきた。

ずっと暗闇で過ごしていた私にとってはあまりにも眩しすぎる太陽の光だが、身体がこの光を欲しているのがわかる。
全身を包み込むような暖かな光を感じながらよろよろと塔から出た。

「サミュエルさまっ!」

私の名を呼ぶその声にゆっくりと顔を向けるとそこには専属医師のジョエルの姿があった。

「……あ……っ、な、ぜ……こ、こに……?」

塔で過ごしている間、声を発することもなかったから声帯も衰えているようだ。
声を振り絞るが聞こえているのかどうか……。

「サミュエルさま。声帯を傷つけてしまいますのでお声はお出しにならないで下さい。私にも神からのお告げがあったのです。サミュエルさまに最後のチャンスを与えたのだと。ですから、塔からお出になると思い馳せ参じました。さぁ、とにかくお身体を休ませましょう。お話はそれからです」

私はすぐにでも彼を探しに行きたかったが、ジョエルの言う通りだ。
このままでは途中で行き倒れてしまうだろう。

私が来ることを待っていてくれているだろう彼に、これ以上辛い思いなどさせたくない。

一日も早く彼の元にいけるように体調を整えなければ。

「た、の、む……」

そう言って私はジョエルに寄りかかったまま、もう身体を動かすこともできなくなっていた。

気がついた時には自室のベッドに横たわっていた。

身体を清められたらしく、久々に身体がすっきりとしている。
口の中に残る苦味でどうやら薬も飲ませてくれたのだと分かった。

「お目覚めでございますか? お声も少しは出るようになっていらっしゃるでしょう?」

「ジョエル……お前がここまで連れてきてくれたのか?」

「はい。サイラス殿にもお手伝いいただきましたが」

「そうか、ありがとう。礼を言う」

「いいえ、早速ですがサミュエルさまがお手に握りしめていらっしゃった、あの指輪のことについてお伺いしたいのですが……」

「ああっ!! あの指輪はどこにある?」

神より授かった、彼を探すための大切な指輪!
あれは今どこに?

「ふふっ。いまもまだサミュエルさまがしっかりとお持ちですよ。身体を清めるときに外しておこうと思いましたが、ギュッと握りしめてお離しになりませんでしたから」

そう言われて手を広げると、手のひらにくっきりと跡をつけて指輪が現れた。

「ああ、よかった……」

心からの言葉が漏れると、ジョエルはもう一度その指輪について尋ねてきた。

「それはもしや神からの?」

「ああ、そうだ。この指輪にピッタリと嵌まるものを私は探しに行かなければならぬ」

「では、私もお供いたします」

「いや、神からは己の力だけで探すようにと言われている。他の者の力は借りぬ」

「この広い国中をサミュエルさまがたったお一人でお探しになるのですか?」

「ああ、どこかで私が探しに来るのを待ってくれている彼を必ずこの手で探してみせる」

私の強い決意にジョエルは納得し、早く体調が整うようにと薬を調合してくれた。

それから10日後、栄養のある食事と適度な運動を重ね、すっかり良くなった私はようやく彼を探す旅に出かけることにした。

とはいえ、この広いリスティア王国でどこを目指せばいいのか見当もつかない。
こうなればしらみつぶしに探すしかないだろう。

愛馬・テリーに乗り、次々と町を回った。
数え切れないほどの人間と出会ったが、胸に通した指輪にはなんの変化も現れなかった。

だが、一つの町を探し終えればその分、彼に近づくのだと諦めもせず私はひたすらに彼を探して走り続けた。


彼を探しに王都を出てもう半年ほどが経っただろうか、残す町はあと3分の1にまで減っていた。
この残りの町のどこかに彼がいる。
逸る気持ちを抑えながら、次の町へ向かうために森へと入った。

この森を抜けたところに大きな町がある。
そこに彼はいるだろうか……。


ドドーーンっ!!

ヒヒーーンっ!!!

どうやら雷が近くに落ちたようだ。
その途轍もない大きな音にテリーが驚き、パニックを起こしたテリーは私を振り落とさんばかりに暴れながら鬱蒼とした森の奥深くに駆け入ってしまった。

「テリーっ!! ドウドウ! 落ち着くんだ!!!」

必死に手綱をコントロールしてテリーを落ち着けようとするが、一向に静まる気配はない。

すると、フッと目の前に小動物のような影が見えた。
あ――っ! あれは……子ども?
このままではテリーにぶつかってしまう。
そうなればひとたまりもないだろう。

「危ないっ!!」

私は咄嗟にテリーから飛び降り、その子を腕の中に抱えた。
ゴロゴロと草木の中を転がって身体中至る所に痛みを感じるが、私などどうなってもいい。

この小さな命さえ守れたらそれでいいんだ。


「いたたたっ!」

「大丈夫か? どこか怪我はないか? どこが痛い?」

慌てて腕の中にいるその子の身体をじっくりと調べると膝から少し血が出ている。
おそらく転げ回った時に草木に当たってしまったのだろう。

「ああ……っ、血が出てしまっている。怪我をさせてしまって本当に申し訳ない」

急いで彼を膝に乗せ、ポケットから包帯がわりのハンカチを出して応急処置を施していると、小さな手が私の手をそっと握る。

その温かく優しい手になんとも言えない感情が込み上げる。

「あ……っ」

声をかけようとしたその時、

「僕よりもあなたの方が痛そうですよ。ほら、ここ……血がでてます」

彼の手がそっと私の頬に触れる。

「――っ!」

キュッと胸の奥が締め付けられるような感覚に驚いてしまう。
なんだ、この気持ちは?

「あの、大丈夫ですか?」

「あ、ああ。大丈夫、鍛えているから私のことは気にしないでいい。それよりも君の方が心配なんだ。怪我をさせたくなかったのに、こんなに綺麗な肌を傷つけて申し訳ない」

「そんな……っ、ただの擦り傷ですから」

「いや、こんな小さな傷でも人を死に至らしめることもあるのだ。油断は禁物だぞ。こんなに美しい君に傷をつけてしまった詫びをしなければ……。ご両親はどちらにいらっしゃるのだ?」

そう尋ねると、彼の目からツーッと涙がこぼれ落ちた。

「りょ、うしんは……ぐすっ、きのう……はやり、やまいで……うっ……っ」

「――っ!! ああ、なんとっ!」

悲しみの涙を流す彼を思い切り抱きしめ、

「辛かったろう。悲しい時は思い切り泣けばいい。私がついている。君の辛さがなくなるまで、私がずっとそばにいよう」

そういうと、彼はよほど心細かったのだろう。
身体を震わせながら、小さく頷いてくれた。
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