異世界で陵辱され自ら死を選んだ僕が生まれ変わって国王さまに激甘に溺愛されました

波木真帆

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幸せな人生※

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「サムのお家はどこなのですか?」

「そうか。その話をしなければいけなかったな。マオ、驚かないで聞いてくれ。私はサミュエル・フォン・リスティア。このリスティア王国の次代の王となるものだ」

「えっ……ということは、僕は……王、妃? そんなっ、僕には無理ですっ!」

「心配しなくていい。マオに無理やり王妃としての仕事をしてもらおうとは全く思っていない」

「そう、なのですか?」

「ああ。マオはあくまでも私の伴侶。王妃というのは付属品にすぎない。マオは私のそばで笑顔でいてくれたらそれだけで私は幸せになれるし、国王としての仕事も頑張れる。そういうことだ」

「サムのそばにいればいい?」

「ああ、仕事中もマオがいてくれたら捗るだろうな。それだけでマオは十分王妃としての仕事を全うできるよ」

まさか、サムがこの国の王さまだなんて思わなかった。
僕なんかが王妃なんて務まるわけがない。
そう思ったけれど……僕にそばにいてくれたらいいと言ってくれた。
それなら、僕は頑張れる。
だってサムのそばにいられるんだから……。

「じゃあ、これから王都に向かうのですね」

「ああ。ここからだと一週間はかかるだろうな。マオに無理はさせないからついてきてほしい」

「はい。もちろんついていきます」

「マオ……愛しているよ」

そう言って、サムの唇が重なってくる。
肉厚で柔らかいサムの唇。
他の人がどうかは知らないけれど、サムの唇はすっごく気持ちがいい。
だからずっと重ねていたくなる。

ああ、僕……幸せだな。

「それじゃあ、行こうか」

当然のように抱きかかえられ、外に出ると、


「え――っ!」
「おおっ!!」

目の前は森のはずなのに、なぜかにぎやかな街が現れた。

「ここって一体?」

「ここは……王都ではないか。なぜ……」

「えっ? 王都? 一体……どういうこと、ですか?」

「私にもわからぬ。おおっ、マオ。後ろを見てくれ」

サムの声にふと後ろに目をやれば、たった今出てきたばかりの僕の家があった場所にはサムのお馬さんのテリーが立っているだけでその後ろにも同じようににぎやかな街が広がっている。

「――っ、な――っ! どう、して……こんな事が?」

僕もサムも何がどうなっているのかわからなくて茫然と突っ立っていると、僕たちの姿に街の人たちが気づき始めた。

「マオ、街の者たちに今、囲まれると厄介だ。状況がよくわからぬがとりあえず城に戻ろう。」

「は、はい……」

サムは僕を抱きかかえたままさっとテリーに飛び乗り、急いでお城へと向かった。
近づけば近づくほど大きなお城だ。
僕がこんなすごい場所で生活するなんて信じられないな。

お城の大きな玄関に到着すると、サムの姿を見た騎士さんが走って誰かを呼びに行った。
サムが僕を抱きかかえたままテリーから飛び降りるのと同時に黒服の人が飛び出してきて、

「ああっ! サミュエルさま! よくぞご無事でお戻りに……」

涙を流して喜んでいる。

「ああ、心配かけてすまない。お前にもいろいろと話をしておきたいのだが、すぐに部屋でマオを休ませてあげたいのだ。悪いが、詳しい話はあとにしてもらえるか?」

「このお方が……。もちろんでございます。サミュエルさまのお部屋はすぐにお使いいただけるように支度してございます」

「そうか、ありがとう。ではマオ、行こうか」

「あ、あの、僕……下ります」

抱きかかえられたままでいたことを思い出し、そう言ったのだけれど、

「私がマオと離れていたくないのだ。このままでいてくれぬか?」

とすごく悲しげな表情で言われてしまったら、これ以上言うこともできずそのまま抱きかかえられたままでいることにした。
サムは嬉しそうに僕を抱きかかえたまま、慣れた様子でお城の中を進んでいく。

ああ、本当にサムはここに住んでいるんだ。
なんだか不思議だな。

「さぁ、ここが私たちの部屋だよ」

「わぁっ!! すごいっ!!

案内されたのは太陽の光が明るく照らす、とっても広くて豪華な部屋だった。

「ふふっ。気に入ったか?」

「はい。とても」

「そうか、ならよかった。なんでも好きなものを言ってくれ。マオの欲しいものならなんでも用意するからな」

「欲しいもの……ですか?」

「ああ、何がいい? なんでも買ってやるぞ」

満面の笑みで僕を見つめるサム。
サムが僕のために言ってくれていることは十分わかるのだけど、でも僕は……

「サムが……」

「えっ?」

「僕はサムがいてくれたらそれだけで幸せですから……。欲しいのはサムだけです」

「――っ!!! マオっ!!!」

「わぁっ!!!」

サムは嬉しそうに僕をギュッと抱きしめると、

「マオ……私もマオが欲しい。だから、マオを私のものにしてもいいだろうか?」

真剣な眼差しで訴えてくる。

「えっ? 私のものって……もう、僕はサムのものですよ?」

「――っ! いや、その……だから、マオと愛し合いたいのだ……寝室で」

「し、ん…しつ……」

サムにそう言われて思い出した。

――マオ、誰かに寝室で愛し合いたいと言われたら、マオが本当に相手のことを好きなら、はいといいなさい。
だが、相手のことが嫌いなら、決して、はいと言ってはいけない。いいか? 父さんとの約束だぞ。

昔、父さんにそんな話をされたことがあった。
あの時も今もあまり意味はわからないけれど、でも僕は……サムのことが好きだ。
だから、僕は父さんとの約束を守るよ。

「マオの気持ちを聞かせてくれないか?」

「はい。寝室に……連れて行ってください」

「――っ! マオっ! 本当にいいのか?」

「はい。だって、僕はサムが好きだから……」

「マオっ!!」

サムは嬉しそうに僕を抱きかかえたまま、駆け出していくような勢いで寝室に入って行った。

「わぁっ! すごく広いベッ――んんっ!!」

僕が10人は寝られそうな広いベッドに感動して声を上げると、その声を塞ぐようにサムの唇が重なってきた。
ああ、この口付けで何回目だっけ?
もうそれすらも考えられないほど、サムの口付けの心地良さに蕩けてしまいそうになる。

サムの舌が口内を動き回るたびにクチュクチュと唾液が交わる音がする。
甘い唾液を味わっていると、ゆっくりとサムの唇が離れていった。

「マオ……愛しているよ。だから、約束する。絶対に優しくするから、私を信じてくれ……」

その言葉に頷くと、サムはもう一度僕の唇に重ねながら、さっと僕の服を脱がせていった。
サムとの口付けに酔いしれている間に僕はあっという間に素っ裸になっていて、恥ずかしさのあまり、

「サムも……脱いで、ください……僕だけは、いや……っ」

というと、サムは

「ああ、もちろんだよ」

と僕に見せつけるように服を脱ぎ始めた。

「わっ、すごい……」

あまりにも均整のとれた身体に感嘆の声が漏れてしまう。

「ふふっ。気に入ってくれたか?」

そう言いながら、サムは下着に手をかけた。

脱いだ瞬間、ブルンと大きなモノが天を向いて聳り立っているのが見えた。

「え――っ? これ……っ」

思わず、自分のモノに目を向けてあまりにも自分のモノと違いすぎてびっくりする。

「マオ、怖いか?」

「怖い? 何がですか?」

「だから、コレ・・だ。マオのと違いすぎて怖くないか?」

確かに違いすぎるのは間違いないけど、怖いかと聞かれれば、全然怖くはない。
だって、サムについているモノだもん。

「怖くはないですよ。どちらかというと……可愛いかも」

「か、可愛い?」

「はい。だって、おっきくてすごく元気そうだし、それに上の方がキラキラと光ってて。可愛くて綺麗かも」

思った通りに正直に話すと、サムはなんとも言えない表情をしながらも、

「怖がられないだけいいか……」

と言いながら、僕をベッドに横たわらせた。

サムがちゅっと唇に重ねてから、サムの唇が僕の首筋や鎖骨、胸へと下りていく。

「ひゃ――ぁっん、あっ……んっ」

サムの唇が触れるたびに、僕の口から声が漏れる。
我慢しようと思ってもどうしても出てしまう。

サムに声を聞かれるのが恥ずかしくて手で口を押さえようとすると、手を握られてしまった。

「マオの声が聞きたいんだ。だから、抑えないでくれ」

サムにそう言われれば我慢することもない。

僕は口から漏れるままに、喘ぎ続けた。

サムは胸に吸い付くと舌先で僕の乳首にイタズラをする。

「やぁ――っん、あっ……そ、こっ……だ、めぇ………っ、やぁ――っ」

「マオ、本当に嫌ならしないよ。それでいい?」

「だ、め……っ、も、っとぉ……」

サムは意地悪だ。
僕が本当に嫌だと言ってないってわかっているのに、わざわざ聞いてくる。
でも、それがサムの優しさだと僕はわかっているんだ。

――優しくするから……

最初にそう言ってくれたことをサムは守ってくれているんだ。

乳首をイタズラされていると、突然サムの手が僕のモノに優しく触れてきた。

「ひゃあっ――!! んん……っ」

サムの大きな手で全部を包み込まれて優しく扱かれる。

「ああっん、きも、ちいぃ……っ」

こんなに気持ちいいのが初めてで、僕はあっという間に蜜を溢した。

「ああ、マオ! 可愛すぎる!」

サムは嬉しそうに蜜を指で掬い取ると、ペロリと口へと運んだ。

「ああ、やっぱりマオの蜜は甘い。唾液もそうだがマオはどこもかしこも甘いのだな」

「やぁ――っ、そん、なの……きたな、ぃ………っ」

「マオはどこも綺麗だ。蜜の一滴でさえも綺麗で美味しいよ」

そういうと、サムはさっき僕が出した蜜を全て手に取り、両手に馴染ませた。

そして、そのぬるぬるになった指で僕のお尻の間をなぞっていく。

「ひゃ……っん、そ、こっ」

「いっぱいほぐしておかないとな、私のを受け入れられないかもしれないからな」

中にプツリと入れられたサムの長い指の感触に悶えながら、サムにされるがままになっていると、

「ほら、3本入った。そろそろ大丈夫だな」

嬉しそうなサムの声が聞こえた。

サムはヌルヌルになった手で自分の大きなモノを数回扱いてから、その大きなモノを僕のお尻にあてがった。

お尻の割れ目をサムの大きなモノで擦られるだけで気持ちがいい。

「挿入るぞ。力を抜いていてくれ」
そう言われて、ふぅと息を吐いた瞬間、ググッと熱い塊が僕の中に挿入りこんできた。

「ああっ……んんっ……あっん……っ!!」

身体の中に熱い楔がゆっくりと埋め込まれていくのがわかる。
でもちっとも嫌な気がしない。

それどころか身体の奥がその熱い楔が挿入ってくるのを待ち望んでいるようだ。

「ああ、マオの中が吸い付いてくる。気持ち良すぎて我慢できない!」

「さ、む……がまん、しないで……」

「くっ――!」

「ひゃああーーっんん!!!」

サムの苦しそうな顔を見たくなくて、我慢しないでと声をかけた瞬間、グチュンと大きな音を立ててサムの大きなモノに貫かれた。

「ああっ、マオっ!! 全部挿入ったぞ。なんて気持ちよさだ!!」

「さむ……すきぃ……っ」

「――っ、ああっもうっ!!!」

「ああっ、はげ、しぃ――っやぁ――っだ、めぇ……っ」

サムが突然激しく腰を動かし、ガツガツと中を硬いので擦られる。
そのあまりの気持ちよさに、僕は二度目の蜜を溢した。

「ああっマオっ! マオっ! 愛してる!! マオだけを愛してる!!!」

サムのその言葉が耳に入ってくるのと同時に、僕の身体の奥に熱いものが拡がっていく。
それがとてつもなく心地よくて、僕はそのまま意識を失った。


――マオ、本当によかった。これからあなたは一生幸せに暮らせますよ。サミュエルと永遠に幸せに……。

僕は優しい声に見守られながら、サムとこれから先の人生を楽しく幸せに過ごし、そして、死ぬ時でさえもサムに抱きしめられたまま、この世を去った。

僕は本当に幸せな人生だったな。



  *   *   *


読んでいただきありがとうございます。
なんとか5話で終わりました……というか終わらせました。
スピンオフの方が長々となってしまうとなかなか本編に戻れないので(汗)
また機会があれば続きも書こうと思っています(需要があれば)
明日から本編の方も再開する予定ですのでどうぞお楽しみに♡
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