異世界で陵辱され自ら死を選んだ僕が生まれ変わって国王さまに激甘に溺愛されました

波木真帆

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番外編

私への贈り物

<sideサミュエル>

「サム、お仕事終わった?」

「ああ、今日の仕事は終わったよ。迎えにきてくれたのか?」

「はい。話がしたくて待ちきれなくてきちゃいました」

「――っ!! ああ、もうマオが可愛すぎて困るな」

嬉しそうに執務室に入ってきて、私のそばに駆け寄ってくるマオが愛おしくてたまらない。

女神のような微笑みを見せるマオを抱きしめて唇を奪い、ソファーに腰を下ろした。
そのままマオと愛し合いたいが、話をしたいと言って私の元まで来てくれたマオの気持ちを無駄にはしたくない。

溢れる欲望を必死に抑えて、軽い口付けだけで我慢した。

「それで、マオ。私に話とはなんだ?」

「あの……ジョエルさんがこの前働いた給金をくださったんです。それをサイラスさんからいただいて……だから、これでサムに何か贈り物をしたくて……何か欲しいものはない?」

マオは持っていた三枚の金貨を私に見せた。

「これで、何をどれだけ買えるのか全くわからないけれど、サムが欲しいものに足りなかったらまた働いて……」

「いや、これだけあればなんでも買えるよ」

「えっ? そうなの?」

マオは今まで金には触れることなく生きてきたようだ。
だから、何がどれほどするのかも知らないし、私もマオには知らせるつもりはなかった。
なんせ、私がマオのために用意しているものは、この世界にある最高級品ばかりだからだ。

庶民なら何世代に渡って一生遊んで暮らせる額は優に超えている。

それでも決してマオが非難されることがないのは、マオが存在しているだけでこのリスティア王国が豊かな国になるからだ。現にマオが私とこの城で愛を育むようになってから、国民たちの生活に潤いが出たのだから。
だから国民たちはマオに感謝こそすれ、非難など絶対にあり得ない。マオはそれだけ大事な存在なのだ。

金貨一枚で三ヶ月は遊んで暮らせると言われている。それが三枚ならあらかたのものは買えるだろう。
だが、マオからの贈り物か……。

考えたこともなかったな。

そもそも贈り物の件は一緒に働くということで終わりになったとばかり思っていたが、マオは忘れていなかったのだな。

「ねぇ、サム。何か欲しいものはない?」

「そうだな……。私の欲しいものはもうすでに手に入れているからな」

「それって?」

「マオに決まっているだろう? マオを私のものにできただけで幸せなのだ。それ以上にマオからの贈り物など勿体無い」

「でも、僕……サムにしてもらってばかりじゃ申し訳なくて……」

ああ、マオはこういう子なのだ。いつでも私のことを考えてくれる。

私にはマオ以外望むものはないが、マオの気持ちも大切にしたい。
さて、どうするか……。


ああ、そうだ! あれがあったな。

「マオ。一つだけ欲しいものがあった。それを叶えてはくれぬか?」

「本当? サムが欲しいならなんでも言って! 僕が叶えてあげる!!」

「そうか、ならマオの名前が欲しい」

「僕の、名前? それって、どういうこと?」

「マオが名前を貼り絵にして私の身体に刻みたいのだ」

「えっ? でも、貼り絵は一生消えないんだよ? いいの?」

「ああ、もちろん! 一生消えないからこそ欲しいのだ。頼む、マオ。私の願いを叶えてくれぬか?」

「サム……じゃあ、僕もサムの名前を刻みたい。いい?」

「――っ!! もちろんだ!! すぐに貼り絵の準備をさせよう!」

すぐにサイラスに、私たちの部屋に貼り絵の用意をさせ、お互いに紙に自分の名前を書き込んだ。

「サム、どこに貼る?」

「それはもちろん、ここだよ」

私は心臓を指した。そこしかない。

「私の命はマオのものだからな」

「じゃあ、僕もそこにする」

可愛らしいハートの形の中にマオの名前が刻まれて、私の胸に貼り付けられる。

「サム、可愛い!」

「もうこれで私は名実共にマオのものだな」

私の名前もマオに胸に刻む。綺麗に付いた私の名をマオは嬉しそうに見つめていた。

「サム……嬉しい」

「ああ、私も嬉しいよ」

「それであのお金のことなんだけど……」

「ああ、それなら一つ考えていることがある」

「うん、僕も思ってた。きっと同じだと思う」

「そうか?」

「うん。あのお金を孤児院に寄付したい。そして、子どもたちに少しでも幸せを感じてもらえたらいいなって……」

「マオっ! やはり私たちは一心同体だな。私もそう思っていたところだ」

きっとジョエルはこうなることをわかっていたのだろう。なんせ神の声を聞くことができるのだからな。

こうして私たちはお互いの愛を深めつつ、幼い子どもたちに幸せを贈ることができた。
これによりリスティア王国内において、マオが女神のごとく崇め奉られることになったことはいうまでもない。
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