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俺の気持ちは※
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『あの、ごめんなさい……俺のせいでロベールさんの一生を台無しにしてしまって……』
『ヒロ、それは違うよ。君は私のために薬を飲ませようとしてくれたんだ。それはヒロの中に私への深い思いがあったってことだろう? それともヒロは誰にでもああやって飲ませるのか?』
『えっ……』
ロベールさんにそこを突かれて言葉に詰まった。
そういえば、なんで俺……あんなことを……。
あの時はロベールさんが熱を出していると思ったらそれしか考えられなかった。
薬を飲ませたい一心だったけど、考えてみたらそうだ。
あれがもし、佑さんだったら?
姉さんや俺たちにずっとよくしてくれて、幼い時からずっとお世話になっている佑さんが熱を出して苦しそうにしていたら?
それでも俺は口移しで薬飲ませた?
答えは多分……いや、絶対ノーだ。
10年以上も支えてもらっている佑さんなのに。
口移しなんて考えることもなかっただろう。
それなのに、ロベールさんには躊躇いなんてなかった。
それどころか、自分から進んでやったんだ。
それって……俺も、実はロベールさんのこと惹かれてるとか?
いやいやいや、嘘だろっ。
『ふふっ。ヒロも私への気持ちに気づいたんだろう? 顔が赤くなってる』
『――っ、そ、んな……こと――んんっ!』
俺は熱くなった自分の頬に触れながら必死で否定しようとしたけれど、ロベールさんの柔らかな唇にキスされて何も考えられなくなった。
「んんっ……んっ……んっ」
それどころか、スッと滑り込んできたロベールさんの舌に口内を弄ばれて吸いつかれて絡みつかれて……何が何だかわからないけれど、もっとして欲しい衝動に駆られる。
クチュクチュと唾液の混じり合う音が寝室に響き、俺は恥ずかしくなった。
自分がこんなにも淫らな音をさせるようなキスをして、しかも、昨日会ったばかりの男性と、それを全く嫌だと思っていないことに。
濃厚なキスが終わり、唇が離れると俺はそのままロベールさんに倒れ込んでしまった。
『ああ、ヒロ。可愛い。君は私のフィアンセに間違いないよ』
『ロベールさん、俺……』
『ヒロが嫌がっていないのが何よりの証拠。そうだろう?』
確かにそうだ。
全然嫌な気はしない。
それにこんな濃厚なキスをしておいて、今更ロベールさんと離れるなんてできるわけない。
俺はロベールさんにぐったりと身を預けながら小さく頷いた。
『あの、でも……フィアンセって、俺……これからどうしたら?』
『もちろん、私たちはフィアンセになったのだから一緒に暮らすことになるな』
『一緒に、暮らす……?』
『ああ、だから2人の新居にふさわしい家を買おうか』
『あ、いや、でも……俺、両親が残してくれた家があって……』
『そうなのか……それは大切にしないといけないな。じゃあ、私もそこに一緒に住めば問題解決だな』
『えっ……うちに?』
『ダメか?』
『いえ、ダメじゃないですけど……普通の小さな家ですよ』
『ふふっ。そんなの問題ないよ。私はヒロと一緒に住めるならそれで幸せだよ』
「わっ」
俺はそのままロベールさんに抱き寄せられてまたキスされてしまった。
ロベールさんの温もりに包まれ、
『愛しているよ、ヒロ』
と甘い愛の言葉を囁かれ、俺はもう抵抗はしなかった。
心の奥底にはほんの少し心配事があったけれど、今はそれを考えないようにした。
軽い朝食を作ってロベールさんと一緒に食事をとり、そろそろこの別荘から出ないといけない時間になった頃、ロベールさんがどこかへ電話をかけ始めた。
ーすぐに車を回すよう手配してくれ。
ただそれだけを告げ、電話を切ると
『ヒロ、車を呼んだからそれで一緒に君の家に戻ろう』
と言われた。
『送っていただけるのは嬉しいですけど、ロベールさんは先に病院に行って足を診てもらったほうがいいですよ。俺は自分で電車で帰りますから』
『何言っているんだ、私の大切なフィアンセをこんなところから1人で帰らせるなんてできるはずがないだろう!
それに病院に行くならヒロについてきてもらって私の状態を通訳してもらえたら助かるんだが……』
そう言われてそれもそうかと思った。
『じゃあ、一緒についていきます。足の具合も気になるし……』
『やっぱりヒロは優しいな。私の可愛いスイートハート』
パチンとウインクされて、ドキッとしてしまった。
いちいち行動がカッコ良すぎて困る。
それからしばらく経って、外に車がやってきた気配がした。
『ヒロ、車が来たみたいだ』
『あ、ロベールさん。無理しないで俺に掴まってください』
俺はロベールさんを支えながら外に出ると、
「えっ? 何、この大きな車……」
普通の車の2台分以上はありそうな真っ白の大きな車が停まっていて、運転手さんが扉の前でピシッと立ってこっちを見ていた。
『どうしたんだ、ヒロ?』
思わず日本語が出ちゃったから、俺の呟きはロベールさんには理解できなかったみたいだ。
『いえ、あまりにも大きな車でびっくりしちゃって……。これってリムジンってやつですか?』
『ああ、私は身体が大きいからね、ゆったりくつろげるような大きな車が好きなんだ』
『大きな車が好きって……』
それにしたって、いやいや……これはデカすぎだろう。
海外赴任で日本に来たって言ってたからてっきり外資系のサラリーマンかなんかだと思ってたのに、こんな大きな車電話一本で呼び出して、しかも正装の運転手さん付だし……ロベールさんって一体何者?
『ヒロ、それは違うよ。君は私のために薬を飲ませようとしてくれたんだ。それはヒロの中に私への深い思いがあったってことだろう? それともヒロは誰にでもああやって飲ませるのか?』
『えっ……』
ロベールさんにそこを突かれて言葉に詰まった。
そういえば、なんで俺……あんなことを……。
あの時はロベールさんが熱を出していると思ったらそれしか考えられなかった。
薬を飲ませたい一心だったけど、考えてみたらそうだ。
あれがもし、佑さんだったら?
姉さんや俺たちにずっとよくしてくれて、幼い時からずっとお世話になっている佑さんが熱を出して苦しそうにしていたら?
それでも俺は口移しで薬飲ませた?
答えは多分……いや、絶対ノーだ。
10年以上も支えてもらっている佑さんなのに。
口移しなんて考えることもなかっただろう。
それなのに、ロベールさんには躊躇いなんてなかった。
それどころか、自分から進んでやったんだ。
それって……俺も、実はロベールさんのこと惹かれてるとか?
いやいやいや、嘘だろっ。
『ふふっ。ヒロも私への気持ちに気づいたんだろう? 顔が赤くなってる』
『――っ、そ、んな……こと――んんっ!』
俺は熱くなった自分の頬に触れながら必死で否定しようとしたけれど、ロベールさんの柔らかな唇にキスされて何も考えられなくなった。
「んんっ……んっ……んっ」
それどころか、スッと滑り込んできたロベールさんの舌に口内を弄ばれて吸いつかれて絡みつかれて……何が何だかわからないけれど、もっとして欲しい衝動に駆られる。
クチュクチュと唾液の混じり合う音が寝室に響き、俺は恥ずかしくなった。
自分がこんなにも淫らな音をさせるようなキスをして、しかも、昨日会ったばかりの男性と、それを全く嫌だと思っていないことに。
濃厚なキスが終わり、唇が離れると俺はそのままロベールさんに倒れ込んでしまった。
『ああ、ヒロ。可愛い。君は私のフィアンセに間違いないよ』
『ロベールさん、俺……』
『ヒロが嫌がっていないのが何よりの証拠。そうだろう?』
確かにそうだ。
全然嫌な気はしない。
それにこんな濃厚なキスをしておいて、今更ロベールさんと離れるなんてできるわけない。
俺はロベールさんにぐったりと身を預けながら小さく頷いた。
『あの、でも……フィアンセって、俺……これからどうしたら?』
『もちろん、私たちはフィアンセになったのだから一緒に暮らすことになるな』
『一緒に、暮らす……?』
『ああ、だから2人の新居にふさわしい家を買おうか』
『あ、いや、でも……俺、両親が残してくれた家があって……』
『そうなのか……それは大切にしないといけないな。じゃあ、私もそこに一緒に住めば問題解決だな』
『えっ……うちに?』
『ダメか?』
『いえ、ダメじゃないですけど……普通の小さな家ですよ』
『ふふっ。そんなの問題ないよ。私はヒロと一緒に住めるならそれで幸せだよ』
「わっ」
俺はそのままロベールさんに抱き寄せられてまたキスされてしまった。
ロベールさんの温もりに包まれ、
『愛しているよ、ヒロ』
と甘い愛の言葉を囁かれ、俺はもう抵抗はしなかった。
心の奥底にはほんの少し心配事があったけれど、今はそれを考えないようにした。
軽い朝食を作ってロベールさんと一緒に食事をとり、そろそろこの別荘から出ないといけない時間になった頃、ロベールさんがどこかへ電話をかけ始めた。
ーすぐに車を回すよう手配してくれ。
ただそれだけを告げ、電話を切ると
『ヒロ、車を呼んだからそれで一緒に君の家に戻ろう』
と言われた。
『送っていただけるのは嬉しいですけど、ロベールさんは先に病院に行って足を診てもらったほうがいいですよ。俺は自分で電車で帰りますから』
『何言っているんだ、私の大切なフィアンセをこんなところから1人で帰らせるなんてできるはずがないだろう!
それに病院に行くならヒロについてきてもらって私の状態を通訳してもらえたら助かるんだが……』
そう言われてそれもそうかと思った。
『じゃあ、一緒についていきます。足の具合も気になるし……』
『やっぱりヒロは優しいな。私の可愛いスイートハート』
パチンとウインクされて、ドキッとしてしまった。
いちいち行動がカッコ良すぎて困る。
それからしばらく経って、外に車がやってきた気配がした。
『ヒロ、車が来たみたいだ』
『あ、ロベールさん。無理しないで俺に掴まってください』
俺はロベールさんを支えながら外に出ると、
「えっ? 何、この大きな車……」
普通の車の2台分以上はありそうな真っ白の大きな車が停まっていて、運転手さんが扉の前でピシッと立ってこっちを見ていた。
『どうしたんだ、ヒロ?』
思わず日本語が出ちゃったから、俺の呟きはロベールさんには理解できなかったみたいだ。
『いえ、あまりにも大きな車でびっくりしちゃって……。これってリムジンってやつですか?』
『ああ、私は身体が大きいからね、ゆったりくつろげるような大きな車が好きなんだ』
『大きな車が好きって……』
それにしたって、いやいや……これはデカすぎだろう。
海外赴任で日本に来たって言ってたからてっきり外資系のサラリーマンかなんかだと思ってたのに、こんな大きな車電話一本で呼び出して、しかも正装の運転手さん付だし……ロベールさんって一体何者?
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