姉が結婚した日、俺にも男の婚約者ができました

波木真帆

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凄すぎて声が出ない※

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「えっ? ここ?」

驚いてつい、日本語が出るとロベールさんもそのまま日本語で返してくれた。

「ああ、そうだよ。中に入ろう」

専用エレベーターを降りた目の前にあった大きな扉がロベールさんの部屋だと言われて驚きつつ、ロベールさんがカードキーで開けた扉をゆっくりと開いた。

「うわ――っ、これが……ホテルの部屋? っていうか、これでまだ玄関??」

扉を開けると、そこだけで一部屋はありそうな大きな玄関があり、その隣には大きな靴箱も見える。
いや、靴箱というには広すぎる。
靴のクローゼットといった方が正しいな。
一体何足並べることを想定しているのかもわからないほど広いクローゼットに驚きつつ、ふと思った。
ホテルに泊まったことは修学旅行くらいしかないけど、あの時は確か土足だった。
だからホテルって、てっきりどこでも靴のまま入るのかと思ってた。

「ロベールさん、このホテルは靴を脱いで入るの?」

「ああ、海外のロードナイトホテルは原則土足なんだが、日本では日本の風習に合わせて玄関で靴を脱ぐように設計してるんだ。だからちゃんと玄関とシューズクローゼットがあるだろう?」

「俺たちにはすごく楽だけど、慣れないと変な感じがするんじゃないの?」

「いや、意外と外国人からも好評なんだよ。衛生的だし、何より裸足が気持ちがいいんだ」

そうなんだと驚きつつ、玄関に置かれた椅子にロベールさんを座らせて靴を脱がせた。

「靴を脱ぐとだいぶ楽だな」

少し表情を緩めたロベールさんを支えながら、リビングへと続く扉を開けると、そこには想像以上の光景が広がっていた。

「え――っ、なに……?」

「ヒロ? どうした?」

とてつもなく広いリビングには一体何人座れるんだ? と思うほど大きなソファーがどっしりと置かれていて、あるべきところにあるはずの壁は全て大きな窓が嵌め込まれている。
そこからは東京を一望できるどころか、東京のシンボルでもある大きなタワーが綺麗に見える。

「……あの、リビングだけで……どれくらいの広さがあるの?」

「うーん、そうだな。確か80平米くらいか」

「80平米??? えっと……それって、50畳??? うそっ!! リビングだけで50畳??」

ああ、もう……なんだかあまりにも広すぎておかしくなりそうだ。

「どうした?」

「ううん、なんでもない」

「そうか?」

ロベールさんの不思議そうな表情を見ながら、ロベールさんをソファーに座らせた。

「あの、俺……他の部屋を見てきてもいいですか?」

「ああ、もちろんだよ。もうここはヒロの家でもあるんだから、好きに見ておいで」

にっこり笑ってくれたロベールさんにお礼を言って、まずリビングの隣にあるキッチンを見に行くと最新設備が整っていて驚いた。
料理はそこまで上手じゃないけれど、こんなにいっぱい揃っていると色々作りたくなる。
ここにいる間に料理勉強しようっと。

キッチンの隣にある扉を開けるとそこにはベッドルームがあった。
おお、ここが寝室か。
お風呂もついてる!
あ、トイレも!
ロベールさん怪我しているから、寝室にトイレあると便利だよね。
それにしてもうちと比べたら全然広い部屋だけど、あのリビングを見た後だと少し小さく感じるから不思議だな。

そんなことを思いながら、廊下に戻りその隣の扉を開けると、そこにもベッドルームが……。
しかも、さっきより少し大きめ。

ああ、そっか。なるほど。
広い部屋だしお友達を泊らせることもあるよね。
ということはここは客間ってことかな。
ここにもお風呂とトイレがある。
一部屋ごとにお風呂とトイレ完備って掃除が大変そうだな……。

「ここが最後かな?」

廊下に出て突き当たりの扉を開けると、

「うわっ、何、これ……」

あまりにも広い部屋が出てきてもう驚くしかできなかった。

そこには、さっきのリビングよりももっと広い部屋が広がっていて、何人寝られるんだ? って思うほど大きくて広いベッドとガラス張りの大きなお風呂があり、外の景色を見ながらお風呂に入れるみたいだ。

まるで王様の宮殿を覗き見したみたいなそんな感情でいっぱいになりながら、俺はふらふらとロベールさんのいるリビングへと戻った。

「ヒロ、どうだった? 気に入ったか?」

「なんか凄すぎて……声が出ない」

「? ヒロ?」

なんとなく広すぎるのが落ち着かなくなってきて、俺は座っているロベールさんの腕を絡めてピッタリと寄り添った。

「――っ、ヒロ?」

「この部屋……広すぎて離れてるのが寂しくなっちゃったので、少しの間……こうしててもいいですか?」

「くっ――! あ、ああ。もちろんだよ。私もヒロとずっとこうしていたい」

「ロベールさん……」

「なぁ、ヒロ。そろそろ、ロベールと呼んでくれないか?」

「えっ?」

「私たちはもうれっきとした婚約者なんだ。それなのに『さん付け』なんてよそよそしく感じないか?」

そう言われて確かにそうかもと思ったのは、あの、さっきの彼女が『ロベール』と呼んでいたからだ。
俺より随分と親しげにロベールさんと話をしているあの人を見てちょっと悔しかったんだ。

俺は彼女よりももっと近いところにいるんだから!
よしっ!

「……ろ、ロベール……だいすき」

「――っ!!!」

俺が意を決して思いを告げた瞬間、急にロベールの顔が真っ赤になって、

「ああ、もうっ!! ヒロがかわいすぎるっ!!!」

と困っているのか怒っているのかわからないような声をあげながら、俺をぎゅっと抱きしめた。

「あ、あの……ロベール?――んんっ!!」

ロベールの顔が近づいたと思ったら急にキスされて驚いた隙に口の中に舌が入ってきた。
舌を入れるキスはこれで何度目だっけ?

ロベールの肉厚な舌が俺の口の中をまるで生き物みたいに動き回りながら、俺の舌に絡みついたり吸い付いてきたりするのが気持ちよくて身体の奥がむずむずしてくる。
ロベールの与えてくれるキスに応えたいのに身体が熱くなってきて何も考えられなくなってしまう。
必死に追いつこうとするけれど全然間に合わなくて飲みきれない唾液が唇の端から溢れていく。
ロベールはそれを勿体無いとでもいうように舌で舐りとり最後に俺の唇をぺろっと舐めてから唇を離した。
その仕草がなんだかめちゃくちゃエロくてドキドキする。

「ロ、ベール……」

俺はロベールにキスされるようになってからかなりおかしい。
深いキスをされた後は身体に力が入らないし、何より、その……勃っちゃってるんだ。
キスだけでこんなに感じて勃たせてるなんて……俺、やっぱりおかしいのかもしれない。
こんなのロベールに知られたら気持ち悪いと思われたりしないかな?

「ヒロ……愛してるよ」

ぎゅっと抱きしめられて、力の入らない身体がロベールの身体に密着してしまう。
その時、俺の熱を持ったところがロベールの太ももに触れてしまったんだ。

「――っ!」

「んっ? ヒロ……もしかして?」

バレたっ!
軽蔑されちゃう?

俺は恥ずかしくてたまらなくなって思わず涙を浮かべてしまい、

「嫌いに、ならないで……」

と小さな声で必死に告げると

「何言ってるんだ! 私がどれだけ嬉しいかわからないか?」

と満面の笑みで抱きしめてくれた。

「えっ? 本当に?」

「ヒロが私とのキスで気持ちよくなってくれたのに、なんで嫌いになるんだ?」

「だって……俺だけこんなに反応しちゃって……恥ずかしくて……」

「ふふっ。バカだな、ヒロは」

そう言ってロベールさんは俺の手を取ると、自分のそこへと触れさせた。

「――っ!!」

布越しでもわかるほど熱く昂っているのがわかる。
しかも、

「すごっ! 何これ?! 太いし、おっきぃ!!」

自分のモノとは比べ物にならないほどの大きさに思わず撫でてしまった。

「く――っ! ヒロっ!」

「あっ、ごめんなさい……つい、おっきくて楽しくなっちゃって」

「――っ、楽しいって……それは……いい意味なのか?」

「もちろんだよ!! あの、ロベール……見てもいい??」

「――ヒロっ! 自分が何を言っているかわかってるのか?!」

「だって、俺のと違いすぎるから興味があって……ロベール、だめ?」

「ぐっ――!!」

「ねぇ、だめ?」

「み、見るだけだぞ。まだ怖がらせたくないんだ。だから、本当に見るだけだぞ!」

俺はロベールから言質をとり、意気揚々とロベールのズボンの前を寛げた。
 
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