163 / 211
お泊まりの夜 <中編>
前後編で終わるつもりが可愛い二人を書いちゃったので長くなりました。
前中後編で終わる予定。
楽しんでいただけると嬉しいです。
* * *
<side琳>
おしっこに行きたくなって、目が覚めた。
「あおとくん……おきてぇ……」
「んー」
いつもなら、琳が声をかけるとすぐに起きてくれるのに……。
涙が出そうになる。
「ふぇ……っ」
「琳くん、どうしたの?」
「ひぃっ」
突然名前を呼ばれてびっくりした。
「あ、ごめんね。驚かせちゃったね。直だよ」
その声に振り向くと直ちゃんがいた。
「碧斗くんと琳くんが眠ってたから、一緒に寝かせてもらってたんだ。この部屋、気持ちいいよね」
優しく抱きしめられてホッとする。
なんだか遥ちゃんと一緒にいるみたい。
「ほら、昇さんも一緒に寝てたんだよ」
そう言われて見てみると、碧斗くんの隣にパパのお友だちが寝ているのがわかる。
「ほんとだ……」
「まだ起きるには早いからねんねしようか」
「あのね、りん……おしっこ、いきたい……」
「ああ、そっか。おしっこ行きたくて起きたんだね。ちゃんと起きれて偉かったね」
頭を優しく撫でられて嬉しい。
遥ちゃんもいつもそうやってくれるんだ。
「それじゃあ一緒に行こうか」
「なおちゃんも、いっしょー?」
「もちろん。僕も行きたかったから琳くんがついてきてくれると嬉しい」
「うん! いっしょにいくー!!」
直ちゃんが琳の手を握って連れて行ってくれる。
廊下を歩くとペタペタと音がする。
「トイレ、ここだよ」
「わぁ、ほいくえんみたい!」
立っておしっこするところがちゃんとある。
そこで直ちゃんに支えてもらいながら立っておしっこすると、直ちゃんも交代でおしっこした。
「なおちゃん、おそろいー!」
「琳くんと仲良しになったね」
うん、そんな感じがする。
おてて洗って、トイレを出ると誰かの声が聞こえた。
「ひゃぁっ」
びっくりして直ちゃんの後ろに隠れた。
「おお、悪い。驚かせたかな?」
「あー、おじーちゃんもおしっこー?」
「ははっ。ちょっと喉が渇いたんだ」
「そっかー。おじーちゃんはどこでねんねしてるの?」
「ここだよ」
そう言ってすぐ近くの部屋の扉を開ける。
「わぁー、ここおじーちゃんのおへや?」
「ああ、そうだよ」
「はいりたーい!」
琳がいうとおじーちゃんは直ちゃんと琳をお部屋の中に入れてくれた。
「おじーちゃんのにおい、するー!」
「ははっ。そうか」
おじーちゃんの布団に横になるとあったかくてうとうとしてくる。
「いいよ、ここでおやすみ」
そんな声が聞こえてそのまま眠ってしまった。
<side碧斗>
「う、ん……っ」
なんだかいつもの温もりがなくなった気がして目を覚ますと、琳くんがいない。
えっ?
琳くん、どこ?
「りんくん? りんくん?」
暗い中で琳くんの名前を呼んでいると
「碧斗くん? 目が覚めたのか?」
という声が聞こえた。
振り返るとそこにはパパのお友だちがいた。
「どうした? 怖くなったか?」
「ちがーう、りんくんがいないのー」
「えっ?」
パパのお友だちがびっくりして起き上がって、ぼくの隣を見た。
「本当だ。でも大丈夫、直もいないからきっとトイレにでも行ってるんだろう」
「おしっこー?」
「そう。だから心配しないでも帰ってくるよ」
パパのお友だちはそう言ってたけど、いつまで待っても帰ってこない。
「かえってこないよー」
「おかしいな。ちょっと見てくるから碧斗くんはここで……」
「あおともいっしょにいくー!」
そういうと、パパのお友だちは「わかったよ」と言ってぼくの頭を優しく撫でてくれた。
それがパパの撫で方によく似ていたんだ。
手を繋いで一緒に部屋をでてトイレに行って見たけど、誰もいない。
「おかしいなー。ちょっとじいちゃんに聞いてみようか」
トイレの近くの部屋の前から声をかけると中から、おじーちゃんが出てきた。
「なんだ、昇。ん? 碧斗くんも一緒か」
「ああ、ごめん。寝てた?」
「いや、可愛い客人が来てたから、寝顔を見ていたよ。ほら」
そう言って中を見せてくれると、琳くんと直ちゃんが布団に寝ているのが見えた。
「二人とも天使だろう?」
琳くんを後ろから抱きしめて寝る直ちゃん。
本当だ。あの絵本に出てきた天使みたいだ。
ぼくとパパのお友だちは、可愛い二人をしばらくの間じーっと見つめてしまっていた。
前中後編で終わる予定。
楽しんでいただけると嬉しいです。
* * *
<side琳>
おしっこに行きたくなって、目が覚めた。
「あおとくん……おきてぇ……」
「んー」
いつもなら、琳が声をかけるとすぐに起きてくれるのに……。
涙が出そうになる。
「ふぇ……っ」
「琳くん、どうしたの?」
「ひぃっ」
突然名前を呼ばれてびっくりした。
「あ、ごめんね。驚かせちゃったね。直だよ」
その声に振り向くと直ちゃんがいた。
「碧斗くんと琳くんが眠ってたから、一緒に寝かせてもらってたんだ。この部屋、気持ちいいよね」
優しく抱きしめられてホッとする。
なんだか遥ちゃんと一緒にいるみたい。
「ほら、昇さんも一緒に寝てたんだよ」
そう言われて見てみると、碧斗くんの隣にパパのお友だちが寝ているのがわかる。
「ほんとだ……」
「まだ起きるには早いからねんねしようか」
「あのね、りん……おしっこ、いきたい……」
「ああ、そっか。おしっこ行きたくて起きたんだね。ちゃんと起きれて偉かったね」
頭を優しく撫でられて嬉しい。
遥ちゃんもいつもそうやってくれるんだ。
「それじゃあ一緒に行こうか」
「なおちゃんも、いっしょー?」
「もちろん。僕も行きたかったから琳くんがついてきてくれると嬉しい」
「うん! いっしょにいくー!!」
直ちゃんが琳の手を握って連れて行ってくれる。
廊下を歩くとペタペタと音がする。
「トイレ、ここだよ」
「わぁ、ほいくえんみたい!」
立っておしっこするところがちゃんとある。
そこで直ちゃんに支えてもらいながら立っておしっこすると、直ちゃんも交代でおしっこした。
「なおちゃん、おそろいー!」
「琳くんと仲良しになったね」
うん、そんな感じがする。
おてて洗って、トイレを出ると誰かの声が聞こえた。
「ひゃぁっ」
びっくりして直ちゃんの後ろに隠れた。
「おお、悪い。驚かせたかな?」
「あー、おじーちゃんもおしっこー?」
「ははっ。ちょっと喉が渇いたんだ」
「そっかー。おじーちゃんはどこでねんねしてるの?」
「ここだよ」
そう言ってすぐ近くの部屋の扉を開ける。
「わぁー、ここおじーちゃんのおへや?」
「ああ、そうだよ」
「はいりたーい!」
琳がいうとおじーちゃんは直ちゃんと琳をお部屋の中に入れてくれた。
「おじーちゃんのにおい、するー!」
「ははっ。そうか」
おじーちゃんの布団に横になるとあったかくてうとうとしてくる。
「いいよ、ここでおやすみ」
そんな声が聞こえてそのまま眠ってしまった。
<side碧斗>
「う、ん……っ」
なんだかいつもの温もりがなくなった気がして目を覚ますと、琳くんがいない。
えっ?
琳くん、どこ?
「りんくん? りんくん?」
暗い中で琳くんの名前を呼んでいると
「碧斗くん? 目が覚めたのか?」
という声が聞こえた。
振り返るとそこにはパパのお友だちがいた。
「どうした? 怖くなったか?」
「ちがーう、りんくんがいないのー」
「えっ?」
パパのお友だちがびっくりして起き上がって、ぼくの隣を見た。
「本当だ。でも大丈夫、直もいないからきっとトイレにでも行ってるんだろう」
「おしっこー?」
「そう。だから心配しないでも帰ってくるよ」
パパのお友だちはそう言ってたけど、いつまで待っても帰ってこない。
「かえってこないよー」
「おかしいな。ちょっと見てくるから碧斗くんはここで……」
「あおともいっしょにいくー!」
そういうと、パパのお友だちは「わかったよ」と言ってぼくの頭を優しく撫でてくれた。
それがパパの撫で方によく似ていたんだ。
手を繋いで一緒に部屋をでてトイレに行って見たけど、誰もいない。
「おかしいなー。ちょっとじいちゃんに聞いてみようか」
トイレの近くの部屋の前から声をかけると中から、おじーちゃんが出てきた。
「なんだ、昇。ん? 碧斗くんも一緒か」
「ああ、ごめん。寝てた?」
「いや、可愛い客人が来てたから、寝顔を見ていたよ。ほら」
そう言って中を見せてくれると、琳くんと直ちゃんが布団に寝ているのが見えた。
「二人とも天使だろう?」
琳くんを後ろから抱きしめて寝る直ちゃん。
本当だ。あの絵本に出てきた天使みたいだ。
ぼくとパパのお友だちは、可愛い二人をしばらくの間じーっと見つめてしまっていた。
あなたにおすすめの小説
人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます
七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。
歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。
世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。
気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。
空港清掃員58歳、転生先の王宮でも床を磨いたら双子に懐かれ、国王に溺愛される
木風
恋愛
羽田空港で十五年、黙々と床を磨いてきた清掃員・田中幸子(58)は事故死し、没落寸前の子爵令嬢エルシアとして転生する。
婚約破棄の末に家を追われた彼女が選んだのは、王宮の清掃員――前世の技で空気まで変わるほど磨き上げていく仕事だった。
やがて母を亡くした双子王子王女に懐かれ、荒れた執務室の主である喪中の国王とも距離が縮まり……。
「泣くなら俺の胸で」――床も心も磨き直す、清掃令嬢の溺愛成り上がり。
悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています
かきんとう
恋愛
王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。
磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。
その中心に、私は立っていた。
――今日、この瞬間のために。
「エレノア・フォン・リーベルト嬢」
高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。
【完結】好きな人の待ち受け画像は僕ではありませんでした
鳥居之イチ
BL
————————————————————
受:久遠 酵汰《くおん こうた》
攻:金城 桜花《かねしろ おうか》
————————————————————
あることがきっかけで好きな人である金城の待ち受け画像を見てしまった久遠。
その待ち受け画像は久遠ではなく、クラスの別の男子でした。
上北学園高等学校では、今SNSを中心に広がっているお呪いがある。
それは消しゴムに好きな人の前を書いて、使い切ると両想いになれるというお呪いの現代版。
お呪いのルールはたったの二つ。
■待ち受けを好きな人の写真にして3ヶ月間好きな人にそのことをバレてはいけないこと。
■待ち受けにする写真は自分しか持っていない写真であること。
つまりそれは、金城は久遠ではなく、そのクラスの別の男子のことが好きであることを意味していた。
久遠は落ち込むも、金城のためにできることを考えた結果、
金城が金城の待ち受けと付き合えるように、協力を持ちかけることになるが…
————————————————————
この作品は他サイトでも投稿しております。
運命の番は僕に振り向かない
ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。
それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。
オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。
ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。
ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。
ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。
ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。
完結しました!ありがとうございました。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
運命じゃない人
万里
BL
旭は、7年間連れ添った相手から突然別れを告げられる。「運命の番に出会ったんだ」と語る彼の言葉は、旭の心を深く傷つけた。積み重ねた日々も未来の約束も、その一言で崩れ去り、番を解消される。残された部屋には彼の痕跡はなく、孤独と喪失感だけが残った。
理解しようと努めるも、涙は止まらず、食事も眠りもままならない。やがて「番に捨てられたΩは死ぬ」という言葉が頭を支配し、旭は絶望の中で自らの手首を切る。意識が遠のき、次に目覚めたのは病院のベッドの上だった。