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楽しいお弁当作り
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水につけていたお米を鍋に入れ火にかけてから次の工程に取り掛かった。
「ユヅル、次は何を作る?」
「あの、卵焼きを作ります」
「卵だな、よし」
そう言って、エヴァンさんは冷蔵庫から卵が入ったカゴを取り出した。
「何個使う?」
「えっと、じゃあ4個お願いします」
手渡された卵をボウルに片手でポンと割り入れると、
「おおっ!」
『Oh la vache !』
『Très bien!』
エヴァンさんたちが声を上げた。
「な、何かおかしかったですか?」
「いや、違うよ。ユヅルの手つきがよくて驚いたんだ。シャルルもジュールも誉めているよ」
「そんなっ、ただ卵を割っただけなのに恥ずかしいです」
僕は恥ずかしさを隠すように、卵に砂糖と塩、そしてほんの少しのお醤油を入れてかき混ぜていると、
「ユヅル、これはかき混ぜるだけか?」
と尋ねられた。
「はい。綺麗に混ざるまで大変なんですけど……」
「じゃあ、私が手伝おう」
「わぁ、ありがとうございます」
ボウルを差し出すと、ものすごい勢いでかき混ぜてくれて、あっという間に卵液ができた。
「わぁっ!! エヴァンさん、すごい! さすがですね」
「そうか? ユヅルに褒められると嬉しいな」
僕は混ぜてもらったボウルを受け取り、シャルルさんが用意してくれた角形のフライパンで卵を少しずつ焼き始めた。
「ユヅル、大丈夫か? 火傷しないようにな」
「はい。気をつけます」
床に15cmくらいの台をおいてもらったおかげで、ガス台までの高さもちょうどいい。
おかげで無理なく卵焼きを作ることができた。
といっても、焼いている僕の周りにはエヴァンさんとシャルルさん、そしてぱぴーも見守ってくれていたんだけど……。
「ふぅーっ、できました!」
よかった、焦げなくて。
エヴァンさんが差し出したお皿に乗せて、切り分けた端っこの余った部分を
「エヴァンさん、味見してください」
と箸で口へと運ぶと、エヴァンさんは嬉しそうに口を開けて食べてくれた。
「おおっ! 最高に美味しいな!」
「よかった!」
卵焼きだけが心配だったんだよね。
2回分作ってかなりの量ができたから、シャルルさんとぱぴーにも食べてもらうと、
『C’est excellent!』
『C’est parfait!』
と2人とも目を輝かせていってくれた。
その表情からきっと誉めてくれているんだと思ったけど、エヴァンさんから、
「ジュールもシャルルも素晴らしい、完璧だと誉めているよ」
と教えてもらってとても嬉しかった。
「あの、エヴァンさん。シャルルさんのことはなんとお呼びしたらいいですか?」
「シャルルはそうだな。本人に聞いてみるか」
エヴァンさんがシャルルさんに尋ねると、興奮した様子でエヴァンさんと話をしているのがわかった。
どんな話してるんだろうな……。
やっぱり早く僕もフランス語覚えなきゃ!
「ユヅル、シャルルは名前で呼んでほしいそうだ」
「いいんですか?」
「ああ、本人たっての希望だからな」
それならと、
『めるしー、ぱぴー。めるしー、シャルル』
とお礼を言うと、2人とも笑顔を見せてくれた。
ちょうどいいタイミングで炊き上がったご飯を、
「あちっ、あちちっ」
と騒ぎながら、なんとかおにぎりを作り終えてようやく料理が完成した。
それをぱぴーが用意してくれたお弁当箱に詰めていく。
「あ、あの……エヴァンさん。もう一つ小さなお弁当箱ってありますか?」
「それはあるが、どうするんだ?」
「あの、お父さんのお墓に供えたくて……。僕のお弁当、お父さんにも食べて欲しいんです」
「――っ! ユヅルっ!! ああ、そうだな。ニコラにもユヅルの手料理を食べてもらおう。きっと喜ぶはずだ」
そういうと、エヴァンさんはぱぴーに声をかけた。
『C'est une excellente idée !!』
『そうだろう? 私のユヅルは本当に素晴らしいんだ』
ぱぴーから小さなお弁当箱を渡され、それにおかずとおにぎりを詰め、ようやく全てのお弁当が完成した。
「よし、じゃあ早速出かけるとするか」
ぱぴーが荷物を準備してくれている間に、僕はエヴァンさんとお着替えをして玄関へと向かった。
たくさんの荷物と共にぱぴーが玄関で待ってくれている。エヴァンさんとぱぴーが話をして、
「ユヅル、ジュールも一緒に行くぞ」
と教えてくれた。
どうやら荷物がいっぱいあるから一緒についてきてくれるらしい。
「ユヅルはアマネを頼む」
「はい。もちろんです」
僕は母さんの遺骨が入ったお骨入れを持ち、エヴァンさんとぱぴーと一緒に車に乗り込んだ。
「ユヅル、次は何を作る?」
「あの、卵焼きを作ります」
「卵だな、よし」
そう言って、エヴァンさんは冷蔵庫から卵が入ったカゴを取り出した。
「何個使う?」
「えっと、じゃあ4個お願いします」
手渡された卵をボウルに片手でポンと割り入れると、
「おおっ!」
『Oh la vache !』
『Très bien!』
エヴァンさんたちが声を上げた。
「な、何かおかしかったですか?」
「いや、違うよ。ユヅルの手つきがよくて驚いたんだ。シャルルもジュールも誉めているよ」
「そんなっ、ただ卵を割っただけなのに恥ずかしいです」
僕は恥ずかしさを隠すように、卵に砂糖と塩、そしてほんの少しのお醤油を入れてかき混ぜていると、
「ユヅル、これはかき混ぜるだけか?」
と尋ねられた。
「はい。綺麗に混ざるまで大変なんですけど……」
「じゃあ、私が手伝おう」
「わぁ、ありがとうございます」
ボウルを差し出すと、ものすごい勢いでかき混ぜてくれて、あっという間に卵液ができた。
「わぁっ!! エヴァンさん、すごい! さすがですね」
「そうか? ユヅルに褒められると嬉しいな」
僕は混ぜてもらったボウルを受け取り、シャルルさんが用意してくれた角形のフライパンで卵を少しずつ焼き始めた。
「ユヅル、大丈夫か? 火傷しないようにな」
「はい。気をつけます」
床に15cmくらいの台をおいてもらったおかげで、ガス台までの高さもちょうどいい。
おかげで無理なく卵焼きを作ることができた。
といっても、焼いている僕の周りにはエヴァンさんとシャルルさん、そしてぱぴーも見守ってくれていたんだけど……。
「ふぅーっ、できました!」
よかった、焦げなくて。
エヴァンさんが差し出したお皿に乗せて、切り分けた端っこの余った部分を
「エヴァンさん、味見してください」
と箸で口へと運ぶと、エヴァンさんは嬉しそうに口を開けて食べてくれた。
「おおっ! 最高に美味しいな!」
「よかった!」
卵焼きだけが心配だったんだよね。
2回分作ってかなりの量ができたから、シャルルさんとぱぴーにも食べてもらうと、
『C’est excellent!』
『C’est parfait!』
と2人とも目を輝かせていってくれた。
その表情からきっと誉めてくれているんだと思ったけど、エヴァンさんから、
「ジュールもシャルルも素晴らしい、完璧だと誉めているよ」
と教えてもらってとても嬉しかった。
「あの、エヴァンさん。シャルルさんのことはなんとお呼びしたらいいですか?」
「シャルルはそうだな。本人に聞いてみるか」
エヴァンさんがシャルルさんに尋ねると、興奮した様子でエヴァンさんと話をしているのがわかった。
どんな話してるんだろうな……。
やっぱり早く僕もフランス語覚えなきゃ!
「ユヅル、シャルルは名前で呼んでほしいそうだ」
「いいんですか?」
「ああ、本人たっての希望だからな」
それならと、
『めるしー、ぱぴー。めるしー、シャルル』
とお礼を言うと、2人とも笑顔を見せてくれた。
ちょうどいいタイミングで炊き上がったご飯を、
「あちっ、あちちっ」
と騒ぎながら、なんとかおにぎりを作り終えてようやく料理が完成した。
それをぱぴーが用意してくれたお弁当箱に詰めていく。
「あ、あの……エヴァンさん。もう一つ小さなお弁当箱ってありますか?」
「それはあるが、どうするんだ?」
「あの、お父さんのお墓に供えたくて……。僕のお弁当、お父さんにも食べて欲しいんです」
「――っ! ユヅルっ!! ああ、そうだな。ニコラにもユヅルの手料理を食べてもらおう。きっと喜ぶはずだ」
そういうと、エヴァンさんはぱぴーに声をかけた。
『C'est une excellente idée !!』
『そうだろう? 私のユヅルは本当に素晴らしいんだ』
ぱぴーから小さなお弁当箱を渡され、それにおかずとおにぎりを詰め、ようやく全てのお弁当が完成した。
「よし、じゃあ早速出かけるとするか」
ぱぴーが荷物を準備してくれている間に、僕はエヴァンさんとお着替えをして玄関へと向かった。
たくさんの荷物と共にぱぴーが玄関で待ってくれている。エヴァンさんとぱぴーが話をして、
「ユヅル、ジュールも一緒に行くぞ」
と教えてくれた。
どうやら荷物がいっぱいあるから一緒についてきてくれるらしい。
「ユヅルはアマネを頼む」
「はい。もちろんです」
僕は母さんの遺骨が入ったお骨入れを持ち、エヴァンさんとぱぴーと一緒に車に乗り込んだ。
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