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サンタさんに会いたい!
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『Tu es l’amour de ma vie』
耳元で滑らかなフランス語が聞こえる。
エヴァンさんが大好きな僕の言葉。
ふふっ。エヴァンさんがこれを囁くときは僕に言ってほしいとき。
辿々しいフランス語の僕の言葉が可愛いと言ってくれた時から比べると発音も上手になったけど、相変わらずねだってきてくれるのが嬉しい。
『Tu es ラムール de マ ヴィ』
息を落ち着けながらそういうと、エヴァンさんは満面の笑みで僕にキスをしてそのままお風呂場へと連れて行ってくれた。
「あっ、サンタさんの衣装が汚れちゃってる……佳都さんに怒られちゃうかな……」
「大丈夫、汚したのは私だ。責任とってこの衣装は買い取ろう」
「でも……」
「ケイトはそんなことで怒る子じゃないだろう? 私がちゃんとアヤシロにも話しておくからユヅルは心配しないでいい」
「はい」
エヴァンさんがそう言ってくれると安心する。
身体を綺麗に清められて、エヴァンさんの選んでくれた服に着替え終わると、エヴァンさんはパピーを部屋に呼んだ。
フランス語でなにやら話をしている。
滑らかすぎて全部は理解できないけど、みんながなにをしているのかを尋ねているみたいだ。
「ユヅル、ミヅキとリオ、ユウキとソラがコンサバトリーでお茶をしているようだぞ。行ってみるか?」
コンサバトリーは大きな窓に囲まれていて、寒い冬でも外の景色を楽しみながらお茶をすることができるこのお屋敷の中でも僕が気に入っている場所だ。
温室みたいに暖かいから、お花もいっぱい咲いていて部屋中にいい香りが漂っているのも僕は好きなんだよね。
「わぁ! 行きたい!!」
「じゃあ、行こうか」
そう言ってエヴァンさんは僕を抱きかかえた。
「あっ、自分で歩けますよ」
「階段で転んだら大変だからな」
正直さっきので少し足が疲れていたから抱っこされて助かるけれど、みんなのところに行くのに抱きかかえられてるのってどうなの?
「でも……理央くんたちに変に思われないかな?」
「ははっ。そんなことを気にしていたのか。心配することはない」
エヴァンさんにそうキッパリ言われるとそれもそうかと思ってしまう。
パピーに案内されて、コンサバトリーに行くと空良くんと理央くんはお菓子を食べながら楽しそうに話をしているのが見えた。
その隣で観月さんたちも楽しそうに話をしている。
ああ、やっぱり仲良いんだな。
「理央くん!、空良くん!」
「あっ、弓弦くん!!」
二人がさっと駆け出して僕たちの元にやってくる。
本当にこの二人、双子みたいで可愛いな。
「休憩終わったの?」
「えっ、あ……うん。ごめんね、待たせちゃって」
休憩って言われて恥ずかしくなるけど、なにをしていたかまではわからないよね? 多分……。
「ふふっ。いいよ。それよりも弓弦くんたちのヴァイオリン、すっごく上手だった!! ねぇ、理央くん」
「うん。僕も聞いたことある曲ばっかりですっごく楽しかったよ」
「本当? よかった。もう、間違えないか緊張しちゃった」
「ええー、緊張してるようには全然見えなかったよ。弓弦くんがすっごく楽しそうに弾いてたから僕もすごく楽しかったし」
―弓弦、ヴァイオリンはね……自分の感情が素直に出るものなの。誰かを思いながら弾けばその思いは必ず相手に届く。そういう不思議な楽器なのよ。
母さんの言葉が頭の中に甦ってくる。
やっぱりヴァイオリンって楽しいな。
「弓弦、椅子に座ってゆっくり話したらいい。ジュールに飲み物と新しいお菓子を持って来させよう」
「あっ、ありがとう。エヴァンさん」
ずっと抱きかかえられたまま、理央くんたちとおしゃべりしちゃってた。
エヴァンさんも観月さんたちとおしゃべりしたいよね。
エヴァンさんは僕を椅子に座らせると、観月さんたちのいる隣のテーブルに向かった。
それを見送りながら、
「ねぇ、二人でなんのお話してたの?」
と尋ねると二人は嬉しそうに笑って教えてくれた。
「このお屋敷のどこからサンタさんが入ってくるのかなって、考えてたんだ」
「えっ? サンタさんが?」
「そう! 凌也さんが教えてくれたんだ。フランスでは18歳でもサンタさんがクリスマスプレゼントを持ってきてくれるんだって。だから、ここにも来てくれるはずだって。弓弦くんは知らなかったの?」
「知らなかった……サンタさんが、本当に?」
「凌也さんは嘘ついたりしないよ」
そう自信満々に言い切る理央くんを見ていると、そうなんだと思ってしまう。
でも、本当にサンタさんがきてくれるのかな……。
なんだかドキドキしてきちゃった。
「本当なんだから! ねぇ、凌也さぁーん!」
理央くんが観月さんに呼びかけると、三人揃ってこっちに来てくれた。
「理央、どうした?」
「ここにサンタさん、来てくれるんですよね?」
「えっ……」
「ソリに乗ってプレゼント持ってきてくれるんですよね?」
理央くんが少し心配そうに尋ねると、
「ああ、そうだ。ちゃんと持ってきてくれるから心配しないでいいよ。リオくんだけでなく、ソラくんにもユヅルにも……みんなに持ってきてくれるから安心しなさい」
とエヴァンさんが笑顔でそう返してくれた。
その瞬間、理央くんは花が綻んだように満面の笑みを浮かべて僕たちを見た。
「よかったね、みんなサンタさんに会えるよ!!」
「うん、すっごく楽しみになってきた!!」
「ああ、サンタさん……早く来ないかな」
エヴァンさんは絶対に嘘はつかない。
それがわかっているから、僕はサンタさんに会えるのが楽しみでたまらなくなっていた。
耳元で滑らかなフランス語が聞こえる。
エヴァンさんが大好きな僕の言葉。
ふふっ。エヴァンさんがこれを囁くときは僕に言ってほしいとき。
辿々しいフランス語の僕の言葉が可愛いと言ってくれた時から比べると発音も上手になったけど、相変わらずねだってきてくれるのが嬉しい。
『Tu es ラムール de マ ヴィ』
息を落ち着けながらそういうと、エヴァンさんは満面の笑みで僕にキスをしてそのままお風呂場へと連れて行ってくれた。
「あっ、サンタさんの衣装が汚れちゃってる……佳都さんに怒られちゃうかな……」
「大丈夫、汚したのは私だ。責任とってこの衣装は買い取ろう」
「でも……」
「ケイトはそんなことで怒る子じゃないだろう? 私がちゃんとアヤシロにも話しておくからユヅルは心配しないでいい」
「はい」
エヴァンさんがそう言ってくれると安心する。
身体を綺麗に清められて、エヴァンさんの選んでくれた服に着替え終わると、エヴァンさんはパピーを部屋に呼んだ。
フランス語でなにやら話をしている。
滑らかすぎて全部は理解できないけど、みんながなにをしているのかを尋ねているみたいだ。
「ユヅル、ミヅキとリオ、ユウキとソラがコンサバトリーでお茶をしているようだぞ。行ってみるか?」
コンサバトリーは大きな窓に囲まれていて、寒い冬でも外の景色を楽しみながらお茶をすることができるこのお屋敷の中でも僕が気に入っている場所だ。
温室みたいに暖かいから、お花もいっぱい咲いていて部屋中にいい香りが漂っているのも僕は好きなんだよね。
「わぁ! 行きたい!!」
「じゃあ、行こうか」
そう言ってエヴァンさんは僕を抱きかかえた。
「あっ、自分で歩けますよ」
「階段で転んだら大変だからな」
正直さっきので少し足が疲れていたから抱っこされて助かるけれど、みんなのところに行くのに抱きかかえられてるのってどうなの?
「でも……理央くんたちに変に思われないかな?」
「ははっ。そんなことを気にしていたのか。心配することはない」
エヴァンさんにそうキッパリ言われるとそれもそうかと思ってしまう。
パピーに案内されて、コンサバトリーに行くと空良くんと理央くんはお菓子を食べながら楽しそうに話をしているのが見えた。
その隣で観月さんたちも楽しそうに話をしている。
ああ、やっぱり仲良いんだな。
「理央くん!、空良くん!」
「あっ、弓弦くん!!」
二人がさっと駆け出して僕たちの元にやってくる。
本当にこの二人、双子みたいで可愛いな。
「休憩終わったの?」
「えっ、あ……うん。ごめんね、待たせちゃって」
休憩って言われて恥ずかしくなるけど、なにをしていたかまではわからないよね? 多分……。
「ふふっ。いいよ。それよりも弓弦くんたちのヴァイオリン、すっごく上手だった!! ねぇ、理央くん」
「うん。僕も聞いたことある曲ばっかりですっごく楽しかったよ」
「本当? よかった。もう、間違えないか緊張しちゃった」
「ええー、緊張してるようには全然見えなかったよ。弓弦くんがすっごく楽しそうに弾いてたから僕もすごく楽しかったし」
―弓弦、ヴァイオリンはね……自分の感情が素直に出るものなの。誰かを思いながら弾けばその思いは必ず相手に届く。そういう不思議な楽器なのよ。
母さんの言葉が頭の中に甦ってくる。
やっぱりヴァイオリンって楽しいな。
「弓弦、椅子に座ってゆっくり話したらいい。ジュールに飲み物と新しいお菓子を持って来させよう」
「あっ、ありがとう。エヴァンさん」
ずっと抱きかかえられたまま、理央くんたちとおしゃべりしちゃってた。
エヴァンさんも観月さんたちとおしゃべりしたいよね。
エヴァンさんは僕を椅子に座らせると、観月さんたちのいる隣のテーブルに向かった。
それを見送りながら、
「ねぇ、二人でなんのお話してたの?」
と尋ねると二人は嬉しそうに笑って教えてくれた。
「このお屋敷のどこからサンタさんが入ってくるのかなって、考えてたんだ」
「えっ? サンタさんが?」
「そう! 凌也さんが教えてくれたんだ。フランスでは18歳でもサンタさんがクリスマスプレゼントを持ってきてくれるんだって。だから、ここにも来てくれるはずだって。弓弦くんは知らなかったの?」
「知らなかった……サンタさんが、本当に?」
「凌也さんは嘘ついたりしないよ」
そう自信満々に言い切る理央くんを見ていると、そうなんだと思ってしまう。
でも、本当にサンタさんがきてくれるのかな……。
なんだかドキドキしてきちゃった。
「本当なんだから! ねぇ、凌也さぁーん!」
理央くんが観月さんに呼びかけると、三人揃ってこっちに来てくれた。
「理央、どうした?」
「ここにサンタさん、来てくれるんですよね?」
「えっ……」
「ソリに乗ってプレゼント持ってきてくれるんですよね?」
理央くんが少し心配そうに尋ねると、
「ああ、そうだ。ちゃんと持ってきてくれるから心配しないでいいよ。リオくんだけでなく、ソラくんにもユヅルにも……みんなに持ってきてくれるから安心しなさい」
とエヴァンさんが笑顔でそう返してくれた。
その瞬間、理央くんは花が綻んだように満面の笑みを浮かべて僕たちを見た。
「よかったね、みんなサンタさんに会えるよ!!」
「うん、すっごく楽しみになってきた!!」
「ああ、サンタさん……早く来ないかな」
エヴァンさんは絶対に嘘はつかない。
それがわかっているから、僕はサンタさんに会えるのが楽しみでたまらなくなっていた。
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