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日本旅行編
僕も同じ
「さぁ、参拝も終わったし、お昼ご飯を食べに行こうか」
観月パパが笑顔で声をかけてくれる。
そうだ! 初詣の帰りにお蕎麦食べに行けるんだったんだ!
「パパー、お蕎麦食べに行ける?」
僕の気持ちが通じたかのように理央くんが観月パパに尋ねてくれる。
「もちろんだよ、理央。とびっきりのお店を予約しているから今からみんなで行こう!」
「わぁー! パパ、ありがとう」
理央くんが嬉しそうに観月パパに抱きつくと、すぐに観月さんがその間に割って入るのが見えた。
「ははっ。ミヅキの狭量さもかなりのものだな」
「きょうりょう?」
エヴァンの言葉の意味がすぐに理解できなくて聞き返すと、近くにいた秀吾さんがさっと僕に近づいた。
「やきもち妬いちゃってるってことだよ。観月先生、普段でも僕にもやきもち妬くんだから」
「秀吾さんにも?」
「うん。だから観月先生のお父さんにはもっとしちゃうのかな。観月先生とお父さんって似ているから」
秀吾さんは笑ってたからいつものことなのかな。
「ねぇ、エヴァンはもし僕のお父さんが生きてて、僕が理央くんみたいにお父さんに抱きつきにいったら、やきもち妬いたりする?」
「えっ? ニコラに、ユヅルが?」
「うん。お父さんだよ。やきもち妬かないよね?」
だってお父さんだもんね。
「もちろん!」
満面の笑みで返されて、やっぱりそうだよねと納得していると
「妬かないわけがないだろう」
と当然のように言われてしまった。
「えっ? 妬くの?」
「ああ、当然だよ。たとえニコラだろうと、誰だろうとユヅルを抱きしめていいのは私だけだ。小さな子ども時代ならまだ許せるが、成人したユヅルを抱きしめるのはダメだ。だからミシェルにも注意しただろう?」
お友だちのミシェルさんと、お父さんとではまた違う気もするけど……エヴァンの中では同じみたい。
「ミヅキのことを言ったが、私もユヅルのことに関しては同じくらい狭量だ。だが、これはここにいる全員が同じだと思うぞ。スオウだって、シューゴがスオウの父上に抱きつきにいったら同じように引き離すはずさ」
エヴァンがものすごく自信満々に言うからそんな気がしてきた。
そっか、みんなそう言うものなんだろうな。
でも、考えてみたら……もし、母さんが嬉しいからってエヴァンに抱きついたら……想像するだけでちょっとモヤッとしてしまうかも。そっか、僕も同じだ。
「僕も……エヴァンに誰か抱きついてたら引き離すよ」
「ユヅル! ああ、絶対にそんなことは起こり得ないが、もしそうなったら引き離してくれ。私を抱きしめていいのはユヅルだけだからな」
嬉しそうにエヴァンが僕を抱きしめる。
「そのまま車まで抱っこしてくれる?」
「もちろんだとも!!」
慣れない着物姿にちょっと疲れてわがままを言ってしまったけれど、なぜかエヴァンはものすごく嬉しそうに僕を抱きかかえた。
「あ、エヴァンも着物だけど大丈夫?」
「私はこれくらいで疲れたりしないさ」
軽々と抱きかかえられてなんだかすごく安心する。
「あー! 弓弦くん、いいなぁ」
僕がエヴァンに抱っこされているのをみたのか、羨ましそうな空良くんの声が聞こえた。
「寛人さん、僕も……」
「ああ、空良も抱っこしよう」
「わぁ、やったー!!」
空良くんのおねだりに悠木さんも嬉しそうに空良くんを抱きかかえていた。
すると、綾城さんもセルジュさんも周防さんもジョルジュさんも次々に抱きかかえ始めた。
「あー、いいなぁ。翔太、私も抱っこしてほしい」
僕たちをみて七海さんもお願いすると、夏川さんも七海さんを抱きかかえていた。
「あらあら、みんな抱っこされて。ふふ、可愛いわ」
麗花ママたちは僕たちの姿を次々に写真に撮ってくれる。
「後で写真送るわね」
「わぁー! ありがとうございます!」
着物姿でエヴァンに抱っこされた写真がもらえるのは嬉しい。
これ、スマホのロック画面の方の待ち受けにしちゃおうかな。
これもいい思い出だ。
そのままエヴァンに抱っこされて、駐車場まで向かう。
その間、たくさんの人からすごくみられたけど、この格好だし、普段はフランスに住んでるしと思ったらあんまり気にならなかった。
「あ、あの……」
突然、近づいてきた女の人が、僕の隣を歩いていた周防さんと秀吾さんに声をかけてきたのにはびっくりしたけど、立ち止まってお話ししてたみたいだったから、きっと知り合いだったんだろうな。
こんなに大勢が集まる場所で偶然知り合いに出会えるなんて本当にすごい!
後で秀吾さんに話を聞いてみようっと。
観月パパが笑顔で声をかけてくれる。
そうだ! 初詣の帰りにお蕎麦食べに行けるんだったんだ!
「パパー、お蕎麦食べに行ける?」
僕の気持ちが通じたかのように理央くんが観月パパに尋ねてくれる。
「もちろんだよ、理央。とびっきりのお店を予約しているから今からみんなで行こう!」
「わぁー! パパ、ありがとう」
理央くんが嬉しそうに観月パパに抱きつくと、すぐに観月さんがその間に割って入るのが見えた。
「ははっ。ミヅキの狭量さもかなりのものだな」
「きょうりょう?」
エヴァンの言葉の意味がすぐに理解できなくて聞き返すと、近くにいた秀吾さんがさっと僕に近づいた。
「やきもち妬いちゃってるってことだよ。観月先生、普段でも僕にもやきもち妬くんだから」
「秀吾さんにも?」
「うん。だから観月先生のお父さんにはもっとしちゃうのかな。観月先生とお父さんって似ているから」
秀吾さんは笑ってたからいつものことなのかな。
「ねぇ、エヴァンはもし僕のお父さんが生きてて、僕が理央くんみたいにお父さんに抱きつきにいったら、やきもち妬いたりする?」
「えっ? ニコラに、ユヅルが?」
「うん。お父さんだよ。やきもち妬かないよね?」
だってお父さんだもんね。
「もちろん!」
満面の笑みで返されて、やっぱりそうだよねと納得していると
「妬かないわけがないだろう」
と当然のように言われてしまった。
「えっ? 妬くの?」
「ああ、当然だよ。たとえニコラだろうと、誰だろうとユヅルを抱きしめていいのは私だけだ。小さな子ども時代ならまだ許せるが、成人したユヅルを抱きしめるのはダメだ。だからミシェルにも注意しただろう?」
お友だちのミシェルさんと、お父さんとではまた違う気もするけど……エヴァンの中では同じみたい。
「ミヅキのことを言ったが、私もユヅルのことに関しては同じくらい狭量だ。だが、これはここにいる全員が同じだと思うぞ。スオウだって、シューゴがスオウの父上に抱きつきにいったら同じように引き離すはずさ」
エヴァンがものすごく自信満々に言うからそんな気がしてきた。
そっか、みんなそう言うものなんだろうな。
でも、考えてみたら……もし、母さんが嬉しいからってエヴァンに抱きついたら……想像するだけでちょっとモヤッとしてしまうかも。そっか、僕も同じだ。
「僕も……エヴァンに誰か抱きついてたら引き離すよ」
「ユヅル! ああ、絶対にそんなことは起こり得ないが、もしそうなったら引き離してくれ。私を抱きしめていいのはユヅルだけだからな」
嬉しそうにエヴァンが僕を抱きしめる。
「そのまま車まで抱っこしてくれる?」
「もちろんだとも!!」
慣れない着物姿にちょっと疲れてわがままを言ってしまったけれど、なぜかエヴァンはものすごく嬉しそうに僕を抱きかかえた。
「あ、エヴァンも着物だけど大丈夫?」
「私はこれくらいで疲れたりしないさ」
軽々と抱きかかえられてなんだかすごく安心する。
「あー! 弓弦くん、いいなぁ」
僕がエヴァンに抱っこされているのをみたのか、羨ましそうな空良くんの声が聞こえた。
「寛人さん、僕も……」
「ああ、空良も抱っこしよう」
「わぁ、やったー!!」
空良くんのおねだりに悠木さんも嬉しそうに空良くんを抱きかかえていた。
すると、綾城さんもセルジュさんも周防さんもジョルジュさんも次々に抱きかかえ始めた。
「あー、いいなぁ。翔太、私も抱っこしてほしい」
僕たちをみて七海さんもお願いすると、夏川さんも七海さんを抱きかかえていた。
「あらあら、みんな抱っこされて。ふふ、可愛いわ」
麗花ママたちは僕たちの姿を次々に写真に撮ってくれる。
「後で写真送るわね」
「わぁー! ありがとうございます!」
着物姿でエヴァンに抱っこされた写真がもらえるのは嬉しい。
これ、スマホのロック画面の方の待ち受けにしちゃおうかな。
これもいい思い出だ。
そのままエヴァンに抱っこされて、駐車場まで向かう。
その間、たくさんの人からすごくみられたけど、この格好だし、普段はフランスに住んでるしと思ったらあんまり気にならなかった。
「あ、あの……」
突然、近づいてきた女の人が、僕の隣を歩いていた周防さんと秀吾さんに声をかけてきたのにはびっくりしたけど、立ち止まってお話ししてたみたいだったから、きっと知り合いだったんだろうな。
こんなに大勢が集まる場所で偶然知り合いに出会えるなんて本当にすごい!
後で秀吾さんに話を聞いてみようっと。
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