わがまま公爵令息が前世の記憶を取り戻したら騎士団長に溺愛されちゃいました

波木真帆

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番外編

ドキドキの初対面 おまけ話 デーヴィッド&レジー

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先日のお話で書ききれなかったところをおまけ話として追加しました。
楽しんでいただけると嬉しいです♡


  *   *   *

<sideレジー>

――おめでとうございます。ご懐妊されていますよ。

夢にまで見た言葉をかけられて、頭の中が真っ白になった。

私のお腹の中に……デーヴとの子がいる。
あれだけ望んでいたのに、いざお腹の中にできたと知ると、信じられない思いでいっぱいになっていた。

あまりの突然の出来事に現実なのか、わからなくなっていたんだろう。
一人でその事実を認識することもできなくて、早くデーヴに聞いてもらいたかった。

セス殿にお願いしてデーヴを呼んで来てもらう間、私は手の震えが止まらなかった。

「レジーさん? 大丈夫?」

「あの……デーヴは、喜んでくれるでしょうか?」

「もちろんだよ。ウィルも僕以上に喜んでくれたし。デーヴィッドさんも同じだと思うな」

「は、はい。そうですね。でも、本当に子どもが来てくれるなんて、嬉しすぎて信じられなくて……」

「うん。わかるよ。でも、大丈夫。デーヴィッドさんを見たらすぐに安心できるから」

きっとルカさまも今の私と同じように子を宿した時、同じように喜びと不安が入り混じった不思議な感情を抱いたのだろう。
これは同じ経験をしたものにしか感じられない感情だ。

「こうして可愛らしい赤ちゃんを出産なさったルカさまがそばにいらっしゃると、本当に心強いです。これからも不安なときは相談に来てもいいですか?」

「もちろん。僕たちは義理とはいえ、兄弟なんだからいつでもおしゃべりしにきて。ふふっ。そういえば、僕のお腹に赤ちゃんがいるってわかったのもレジーさんとおしゃべりをしてすぐだったんだよ。もしかしたら二人で話していると落ち着くのかもね」

「えっ、そうだったのですね。そう仰っていただけるととっても嬉しいです。私もルカさまとお話しするのはとても安心します」

「リヒトも随分レジーさんのことを気に入ったみたいだし、いつでも遊びに来て。レジーさんなら約束なしで来てくれて構わないから」

「はい。ルカさま……ありがとうございます」

リヒトくんをトントンと寝かしつけをしながら、そんな話をしてデーヴが来てくれるのを待った。


急いで駆けつけてきてくれたデーヴが自分の想像していたよりも何十倍もの喜びを見せてくれて、私はこの上ない幸せを感じていた。


「ああ、レジー。このお腹に私たちの子がいるのですね」

自宅に帰り、デーヴはすぐに私をベッドに寝かせてくれた。
大きな手でお腹を優しく撫でられると、安心する。

「ふふっ。まだ全然わからないですけどね」

「いいですか、レジー。妊夫生活は少しの不安も感じず、穏やかな生活をしなければなりません。兄上もルカさまが子を宿していたときにジョージ医師から絶対に無理はさせないようにと強く言われたそうです。なんでも秘薬で宿った子は身体に大きな負担を与えるそうですよ」

「そんなに、大変なことなのですね」

ルカさまは私よりも遥かに小さなお身体で、そんなに大変な中お二人も育てておられたんだ。
本当に尊敬しかない。

<sideデーヴィッド>


「そうです。近いうちにジョージ医師のもとに行って詳しく診察をしてもらって、これからの生活で不安なことを全て聞いておきましょう。いいですか、決して無理はしてはいけません。食事もトイレも、もちろんお風呂もレジーのことは私が全てお世話をします」

「えっ……ですが、それでは騎士団は……」

「大丈夫です。兄上もルカさまが安定期になるまでは休みをとっておられましたから、私もそのようにいたします。陛下もアシュリー王子殿下も反対など絶対にされませんからご安心ください。レジーは元気な子を産むことだけ考えていればいいのです」

「デーヴ……」

恍惚とした目で私を見つめるレジーに思わず喉がなる。

ああ、いつもならこのままベッドに押し倒して愛を交わすのだが、今は我慢しなければな。

そういえば、子を宿している間、愛し合う行為はしても良いのだろうか?
私がいつも激しく求めてしまうから、レジーは不安になりそうだな。

だが、あの兄上があれだけの期間、ルカさまと愛し合うのを我慢できたとは思えない。
きっと妊娠中でも何か愛し合う方法でもあるのだろう。

それもジョージ医師にしっかりと聞いておくとしようか。
それまでは我慢だ。

必死に愚息に喝を入れながら、私はレジーの甘い唇に重ね合わせた。
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