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〜心を通わせたい相手 sideセオドア
カズホのトンデモ発言で私とラミロ、そしてアキラが脱力してしまう中、二人が入っていったバスルームからは楽しげな声がうっすらと漏れてくる。何を話しているかまでは聞こえないが、楽しい様子は伝わってくる。
マモルのはしゃぎっぷりを楽しめるだけで今日は満足だ。
『アキラ、二人のことは心配しないでいい。私たちは大人だ。二人が運命の相手だからといって子どもに手出しはしない。それは信頼してくれるだろう? もし、二人が私たちに襲われたと感じることがあればイギリスに到着次第、容赦無く警察に駆け込んでくれていい』
アキラは私の言葉をただ黙って真剣な様子で聞いてくれている。
『私たちにとってはようやく現れた運命の相手だ。心から大切にする。だが、我々が二人と過ごせる時間はこのイギリス滞在での二週間しかない。その間に、私はマモルと、そしてラミロはカズホと心を通わせておきたい。そうでなければ離れ離れになった後、生きる支えをなくしてしまうかもしれない。私たちにとって大切な二週間なのだ。それをどうか理解してほしい』
私がアキラに訴えるのを見守っていたラミロもゆっくりと口を開いた。
『私もセオドアもこれまで恋愛に関しては誠実に生きてきたと思っている。それこそ、ただの一度も誰とも触れ合ったことはない。その私たちが運命の相手としてカズホとマモルに惹かれたのだ。彼らは私たちにとって一生添い遂げる相手。だからこそ、彼らを泣かせることは決してしないと誓う。アキラも見ただろう? カズホもマモルも私たちと一緒に過ごしてどちらも笑顔しか見せていない。それは二人も我々に好意を持ってくれている証だ。二人が嫌がることは絶対にしない。もちろん彼らが望んだとしても未成年の間は身体を繋げないと約束するよ。アキラ、私たちを信じてほしい』
『アキラはエヴァンと先日日本で会ったと話していただろう? 彼もまた私たちと同じく、幼い彼を運命の相手としてそばに置き、見守り続けている。エヴァンの隣にいた可愛い運命の相手、ユヅルは不安そうにしていたか?』
『い、いいえ。お二人とも仲睦まじく幸せでいらっしゃいました』
『だろう? エヴァンのほうが生まれてからずっと運命の相手を前に自制しているのだ。エヴァンにできて我々にできないわけがない。この二週間は心を通わせるための期間だと思ってそっとしておいてほしい。どうだろう?』
アキラは少し考え込んだ様子を見せていたが、表情を和らげてラミロを見た。
『ラミロさまは一帆から話を聞いたかもしれませんが、一帆は真守とは異母兄弟に当たります』
『え?』
あれほど仲の良い兄弟が異母兄弟?
それは驚いたな……。だが、ラミロは驚いてはいないようだ。
一帆がそんな話までしていたとは……私が思うよりも二人の距離は近かったようだな。
『一帆の母は十六歳で無理やり嫁がされることになり、結婚前の最後の思い出に好意を持っていた一帆と真守の父親に無理やり身体を捧げ、その一度の行為で妊娠したんです。そして、お腹の命を守るために家族から逃げて一人で一帆を出産して育てていたそうです』
『えっ?』
『そんなことが……っ』
驚きの内容に私だけでなくラミロも驚いているのがわかる。
流石にそこまでは聞かされていなかったようだな。
『一帆が十歳の時に母親が病気を患い、命が潰える前に父親の存在を明かして亡くなったと聞いています。それで一帆は父を探し、彼は一帆を引き取って我が子として育てることにしたんです。そのすぐ後でした、真守が生まれたのは……。一帆は真守を心から愛して、真守も優しい一帆が好きで……あの子たちは本当に仲の良い兄弟なんです。一帆はいつも真守のことを最優先で考えているし、真守も一帆から離れたがらない。そんな二人が、セオドアさまとラミロさまに出会った途端、離れて座っても安心した表情を見せていた。だから、私にはわかっています、一帆も真守も本能でお二人を大切な相手だと思っていることを……ですから、私はこの旅行中、お二人に真守と一帆を託します』
『アキラ……ありがとう』
『アキラの期待は決して裏切らない。大切に守ると誓う』
ラミロと私の返事をしっかりと受け止めてくれたアキラは、深々と頭を下げて部屋を出ていった。
『アキラの信頼を裏切るようなことはしないようにしような』
『ああ、もちろんだ』
ラミロと二人、固く握手をして誓ったのに、風呂から出てきたマモルから最上級の愛の告白を受け、私は理性を保つのに必死になっていた。
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