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番外編
無限の欲望
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航と友貴也の再会の翌朝の二人の会話。お話的には番外編<虹色の湖>の後編の合間のお話になります。
短いですが楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
「今日平松さんに会うの、楽しみだな」
西表で久しぶりの朝を迎えて、朝食をとりながらポツリと航が呟いた。
「それは無理だな」
「えっ? どうしてですか?」
「今日は休みをとってるから」
「そうなんですか。なんだ、残念。じゃあ明日ゆっくり話せるかな」
「いや多分、明日も休みだよ」
「えー、そうなんですか? どこか体調でも?」
二人のあんな告白を見てもやっぱりわかってないか。航も平松くんと変わらないくらい鈍感だな。
「体調はすこぶるいいが動けないだけだよ。あとは八尋さんが平松くんを外に出したがらないのも理由の一つだな。航も最初は動けなかっただろう?」
「えっ、最初はって……それって、あの……」
「わかったか?」
「は、はい」
ほんのり頬を赤らめているところを見ると、ようやく理解したようだ。
まぁ、男の欲を受け止めた身体がどうなるか、航自身も体験してわかっているからな。
俺も今は手加減を多少覚えたが、初めての時はどれだけ理性で抑えようとしても無理だった。
なんせ、ようやく出会えた運命の相手だったんだから。
八尋さんにとってそれが平松くんだったってことだ。
俺が航と出会う前に適当に相手を見つけて欲を発散させていた時も、八尋さんは誰とも遊ぶこともなかった。
呑みながら、八尋さんもたまには発散させた方がいいんじゃないかと何年か前に言ったこともあったけれど、
――今はそんな欲を感じることもない。もう枯れているのかも……
と笑っていたが、平松くんと出会って枯れていると思っていた欲は一気に息を吹き返したことだろう。
俺が航と出会って航だけにしか反応しなくなったように、八尋さんも平松くんと出会って男の欲が漲っているに違いない。
なんせ、最愛を自分のものにした今、欲望なんか無限に現れるのだから。
しかも平松くんのあの様子を見ていると、きっと無自覚に煽り続けるはず。八尋さんも大変だろう。
だから、今日は休みにしておいたが、きっと一日じゃ足りない。最低でも三日は休むつもりにしておかないとな。
「あの、祐悟さん。それって……平松さんと、八尋さんがってことですよね?」
「ああ、そうだ。昨日の告白を見ていただろう? あれでようやく恋人になったんだよ。だから、さっさと退散したんだ。お互いに想いを伝え合ったらやることは一つだからな」
「えっ、あ、はい。そう、ですね……」
「どうした?」
「いや、うまく行けばいいなと思ってたんですけど、そこまでは考えてなかったっていうか……想像つかなくて……」
「ははっ。航だって俺とたっぷり愛し合っているだろう? 同じだよ」
「ひゃぁっ!!」
航を抱きしめて、耳元で囁き、耳たぶをぺろっと舐めてやるといつもの可愛い声をあげる。
「そんな可愛い声を出してたら、航も今日休むことになるぞ」
「やっ、そんなのダメです……」
「わかってるよ、西表に来て早々、航を休ませたりしたら砂川が怖いからな。今日は一緒に出勤しないと」
「えっ? 砂川さん? どうして?」
「いや、なんでもない。ほら、続きはまた帰ってからだ」
ほんのりと頬の赤い航を少し落ち着かせてから出勤したが、砂川は航を見るなり、何か言いたげに俺を見た。
やっぱり気づかれたか……。でも航が可愛いんだから仕方がない。
砂川に文句を言われないように、さっと仕事を片付けるか。
そのおかげで今日の仕事がとてつもなく捗ったことは言うまでもない。
短いですが楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
「今日平松さんに会うの、楽しみだな」
西表で久しぶりの朝を迎えて、朝食をとりながらポツリと航が呟いた。
「それは無理だな」
「えっ? どうしてですか?」
「今日は休みをとってるから」
「そうなんですか。なんだ、残念。じゃあ明日ゆっくり話せるかな」
「いや多分、明日も休みだよ」
「えー、そうなんですか? どこか体調でも?」
二人のあんな告白を見てもやっぱりわかってないか。航も平松くんと変わらないくらい鈍感だな。
「体調はすこぶるいいが動けないだけだよ。あとは八尋さんが平松くんを外に出したがらないのも理由の一つだな。航も最初は動けなかっただろう?」
「えっ、最初はって……それって、あの……」
「わかったか?」
「は、はい」
ほんのり頬を赤らめているところを見ると、ようやく理解したようだ。
まぁ、男の欲を受け止めた身体がどうなるか、航自身も体験してわかっているからな。
俺も今は手加減を多少覚えたが、初めての時はどれだけ理性で抑えようとしても無理だった。
なんせ、ようやく出会えた運命の相手だったんだから。
八尋さんにとってそれが平松くんだったってことだ。
俺が航と出会う前に適当に相手を見つけて欲を発散させていた時も、八尋さんは誰とも遊ぶこともなかった。
呑みながら、八尋さんもたまには発散させた方がいいんじゃないかと何年か前に言ったこともあったけれど、
――今はそんな欲を感じることもない。もう枯れているのかも……
と笑っていたが、平松くんと出会って枯れていると思っていた欲は一気に息を吹き返したことだろう。
俺が航と出会って航だけにしか反応しなくなったように、八尋さんも平松くんと出会って男の欲が漲っているに違いない。
なんせ、最愛を自分のものにした今、欲望なんか無限に現れるのだから。
しかも平松くんのあの様子を見ていると、きっと無自覚に煽り続けるはず。八尋さんも大変だろう。
だから、今日は休みにしておいたが、きっと一日じゃ足りない。最低でも三日は休むつもりにしておかないとな。
「あの、祐悟さん。それって……平松さんと、八尋さんがってことですよね?」
「ああ、そうだ。昨日の告白を見ていただろう? あれでようやく恋人になったんだよ。だから、さっさと退散したんだ。お互いに想いを伝え合ったらやることは一つだからな」
「えっ、あ、はい。そう、ですね……」
「どうした?」
「いや、うまく行けばいいなと思ってたんですけど、そこまでは考えてなかったっていうか……想像つかなくて……」
「ははっ。航だって俺とたっぷり愛し合っているだろう? 同じだよ」
「ひゃぁっ!!」
航を抱きしめて、耳元で囁き、耳たぶをぺろっと舐めてやるといつもの可愛い声をあげる。
「そんな可愛い声を出してたら、航も今日休むことになるぞ」
「やっ、そんなのダメです……」
「わかってるよ、西表に来て早々、航を休ませたりしたら砂川が怖いからな。今日は一緒に出勤しないと」
「えっ? 砂川さん? どうして?」
「いや、なんでもない。ほら、続きはまた帰ってからだ」
ほんのりと頬の赤い航を少し落ち着かせてから出勤したが、砂川は航を見るなり、何か言いたげに俺を見た。
やっぱり気づかれたか……。でも航が可愛いんだから仕方がない。
砂川に文句を言われないように、さっと仕事を片付けるか。
そのおかげで今日の仕事がとてつもなく捗ったことは言うまでもない。
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