運命の出会いは空港で 〜クールなイケメン社長は無自覚煽りの可愛い子ちゃんに我慢できない

波木真帆

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番外編

エッフェル塔からの眺め

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夜だが思った以上に観光客の姿がある。
ライトアップされたエッフェル塔の美しさに魅了されているのだろうが、それ以上に美しいパリの街並みを一望できるのだから当然か。

今度は昼間にも航と登ってみたいものだな。

「祐悟さん、すごく綺麗ですね!」

「そうだな。航とこの景色を見られて嬉しいよ」

自然と甘い言葉が吐いて出るのは愛しい航が俺のそばでずっと笑顔を見せてくれているからだろう。

「あ、祐悟さん。あそこ、見て!」

航が指さしたのはセーヌ川の中にある島。

「あそこ、一際広い区画にものすごく大きな家がありますよ。あれって個人宅なのかなー? お城みたい!」

視線を向ければ確かに大きな家がある。
あそこはサン・ルイ島。パリでも屈指の高級住宅街だ。
そこであれほどの大豪邸を構える家は彼しかない。

「近々あの家に行くよ」

「えっ? 祐悟さん、どういうこと?」

「あの家は俺の顧客の家だよ。航もロレーヌ総帥の名前は知っているだろう?」

「あ、うん。日本人の男の子と結婚したって」

「そうそう。そのロレーヌ総帥に今回フランスに行くと話したらぜひ俺の大事な伴侶を連れて遊びにきてくれと言われたからクリスマスプレゼントのミッションが終わったら会いに行く予定なんだ。航、一緒に行ってくれるだろう?」

「それはもちろん祐悟さんと一緒なら……でも、大事な顧客さんの家に俺が行ってもいいの?」

航にはK.Yリゾート以外の仕事についてはあまり詳しくは話していない。
だが、俺の仕事の原動力は航だ。

航がいなければこれほど改良を熱心にすることもなかったし、次々に新たなものを開発することもなかった。

全ては航を守るため。
そのために作ったものが、同じように伴侶を溺愛する顧客たちに支持されているだけだ。

ロレーヌ総帥はとりわけ俺の開発したものを気に入ってくれていて、トイレタリー商品やローションは切らすことなく定期的に購入してくれている。
それだけでなく高性能GPSは改良するたびに購入依頼が来るし、あの大豪邸内だけでなく、ロレーヌ一族所有の城にもマルチアングル死角なしカメラを購入してくれた。設置費用も合わせればかなり莫大な金額になったが、ロレーヌ家にとっては微々たるものらしい。

それほどまでに彼がいろいろな点に金をかけるのは全て愛しい伴侶のためだ。

一年前に結婚を発表した相手は、十八歳の日本人男性だった。
伯父であるニコラロレーヌの一粒種と出会い、恋に落ち、結婚まで漕ぎ着けた。

その彼との結婚を全世界に公表したのも溺愛する彼を全力で守るため。
彼の外出には必ず同行し、片時も離れることはない。

それほど愛している彼を守るために選んでくれたものが、同様に航を溺愛する俺が開発したものだったというわけだ。

俺もなかなかに狭量だと思っていたが、ロレーヌ総帥の狭量っぷりはすごいものがある。
時には彼からこのような商品は作れないかと打診されることもある。
それは伴侶を守るためとはいえ、かなり束縛するものだが俺は航相手だと考えて凝りに凝ったものを仕上げた。
するとこの上なく大喜びし、満足してくれる。

かなり金額もかかるが、彼はそれをヨーロッパの社交界で話をしてくれるのだ。
もちろん、彼が信頼した相手にだけだが。
そのおかげでヨーロッパのハイクラスの中で特にトップ10に入るような当主たちが新たに顧客になった。

彼らが顧客になってから俺の資産の増加は止まることを知らない。
だがそれは全て航あってのものだから、俺の資産は航の資産だ。

航は自分が世界一の大金持ちだとは一ミリも知らない。
だが知ったとしてもおそらく今の航が変わることはない。
それは自信をもって言える。

「もちろんだよ。航が一緒じゃないと会うつもりはないよ。まぁあちらが航に会いたいといっているんだから心配することはない」

「そっか。それじゃあ一緒に行く! でも祐悟さんの友達や知り合い以外に紹介されるのって初めてだから緊張するな」

「ははっ。大丈夫。きっとロレーヌ総帥の伴侶とも仲良くなれるよ」

同じ日本人だし、久々の日本語に喜んでくれるだろう。
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