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コーヒータイム
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ただの思いつきで書いたお話。
サラッと読んでいただけると嬉しいです♡
* * *
<side松井>
「いやー、さっきの子。可愛かったよな。あれ、新卒かな? あの子なら、男でもイケるわ俺」
「まーたお前の悪いところ出てるぞ。確かに可愛かったけど、あんな可愛いのに相手がいないわけないだろ。手を出したらとんでもない目に遭わされるぞ」
「そんなことあるわけないだろとは言えないところが怖いな。あれだけ可愛かったらありそうだ」
「だから、あんなのには手を出さないほうが身のためだぞ。あんなのに手を出すのは何にも考えてないただのバカだよ」
「まぁな。あれは近くで愛でるだけで終わらせておいた方が身のためだな。でもほんと目の保養にはなったよ」
「それはあるな」
そこそこイケメンの社会人二人が俺の横を通り過ぎながら、そんな会話をしていた。
俺と桐生ほどではないが、あれほどのランクならそこまで躊躇わずに声をかけてもうまくいきそうだが、そこまで心配するほどの相手か……。
そこまでの相手は俺の頭には一人しか思いつかないが、まさかこんなところで会うはずない。
あの子は営業事務だって言ってたし、昼間に外を出歩くことも今はほとんどないと話していた。
それも桐生が上司に直談判して外には出さないように話をつけたって言ってたし。
あの会社、本当に桐生とあの子で回ってるんじゃないかっていうくらい融通がきく会社だ。
だからこそ、こんな時間にあの子がいるわけないし、いるとしたら桐生も一緒にいるはず。
そう思ったけれど、なんとなく胸騒ぎがしてあの二人がやってきた方向に駆け出した。
何もなければいい。
そう願いながら走っていると、
「あれ? 松井さん?」
と少し離れた木陰から焦っている俺とは対照的に長閑な声が聞こえた。
その声のする方に視線を向けると、いなければいいと願っていた彼が大きな木の下でほんのりと頬を染めて汗を拭っていた。
「くっ――!!」
汗を拭いているだけなのにこの色気……。
桐生、あいつ! やりすぎだぞと文句を言いたくなる。
周りにいる男たちも、その色気に惑わされぼーっと見惚れてしまっている。
本当にバカな男が寄ってこなくてよかった。
それに比べたらまだ見惚れているだけの方がましだろう。
とりあえずどうしてこんなところにいるのか聞かなきゃな。
「楓さん! どうしてこんなところに? 事務だから外に出ないんじゃなかった?」
「そうなんですけど、実は桐生の後輩が取引先に行くのに大事な資料を忘れていって……それがないと話にもならないから、急いでいって届けてきたんです」
「ああ、なるほど。そういうことか。それでこのこと、桐生は知ってるの?」
「いえ、桐生は今朝から埼玉のイベントに駆り出されて行っているんですよ。だから、後輩も気を抜いて忘れ物しちゃったのかもしれません。俺もちゃんと声をかけてやればよかったんですけど、他の資料作りで忙しくて……」
「それで楓さんが出てきたのか。でも危ないよ」
「危ない? ああ、熱中症なら大丈夫です。もう少し行った先にあるカフェでコーヒーを飲んで帰ろうと思っていたので」
「えっ? カフェでコーヒー? それは桐生とよく行く店?」
「いえ。届けに向かっている時に見つけて初めて見た店だったので、試してみようかと思って。美味しかったら桐生を連れて行こうかなって。まぁ、営業で外に出ていることが多いんで、桐生ならとっくに知っているかもしれないんですけど」
楓さんが行ったことないのはわかるけど、会社からそこまで離れていないのに、桐生が連れて行かない店。
美味しいなら桐生が絶対に連れていっているはずだよな。
これは絶対にそこには連れて行かないほうがよさそうだ。
「ねぇ、コーヒーならおすすめの店があるんだけど。ここから割と近いし、そっちに行かない?」
「えっ、でも松井さんはお仕事いいんですか?」
「ああ、俺もちょうど休憩しようと思っていたんだ」
「それならぜひご一緒させてください!」
その言葉にホッとしながら、俺はその店に楓さんを連れていった。
もちろん、ポケットの中で片手で操作して、桐生にメッセージを送ることは忘れずに。
「ここですか? とっても雰囲気のいいお店ですけど、知らなかったな」
「ああ、つい最近オープンしたばかりで穴場なんだ」
「へぇー、でもほんといい感じ」
「これから食事も増やす予定なんだけど、今はまだコーヒーとパウンドケーキだけしかないんだ」
「パウンドケーキ! 俺、好きです!!」
「――っ!!」
パウンドケーキのことを言われているだけなのに、反応してしまうくらいに楓さんは可愛い。
でもこんなのあいつに見られたらやばいな。
「じゃ、じゃあ入ろうか」
中に入るとちょうど隙間時間だったのか、他に客の姿は見えない。
よかった。
「いらっしゃいませ――あら? あなた、来てくれたのね」
「ああ、お客さんも連れてきたよ」
「えっ? お知り合いですか?」
「ああ、ここの店主。俺の妻なんだ。ずっとカフェをオープンさせるのが夢だったらしくて、友人と二人で開店させたんだ。ここの宣伝は俺が担当しているよ」
「それはすごいですね。松井さんが宣伝してくれるなら、すぐに軌道に乗りますよ」
「ありがとうございます。あの、もしかして、楓さん、ですか?」
「はい。楓と申します」
「わぁー! やっぱり!!! じゃあ、あの桐生くんの?」
「えっ? あ、はい。そうです」
「きゃーっ!! ずっと会いたかったんです!!! あの桐生くんが溺愛している姫を」
「姫ってそんな……っ」
はぁーっ、やっぱりなぁ……。
こうなると思ったから連れてきたくはなかったんだけど……。
あのカフェに行くよりはマシだからな。
「綾乃、盛り上がるのはその辺にして早くコーヒーとパウンドケーキを頼む。俺も楓さんも仕事に戻らないといけないんだから」
「あ、はーい! すぐに用意します!」
そう言ってキッチンに戻る綾乃は上機嫌なままだ。
「ごめん、楓さん。うちの、桐生が誰も好きになれなかった頃から知ってるから、桐生の変わり具合知ったら会いたいってずっと言っててさ」
「そうなんですね。でも好意的に見てもらえるならよかったです」
笑顔を見せる楓さんの脳裏には以前、突撃してきた桐生の元カノのことが浮かんでいるんだろう。
かなり口汚く罵っていたと聞いているし、それを考えれば綾乃の方が確かにまだいいかもしれない。
「お待たせしましたー」
「わぁ! 美味しそう!!」
「これ、お土産。桐生くんと一緒にどうぞ」
「いいんですか?」
「是非是非! で、私もちょっと休憩」
そう言って綾乃は自分の分のコーヒーを持ってきて、俺の隣に座った。
「お前、いいのか?」
「いいの。ちょうど忙しい時間も終わったし、それに、あなたと二人っきりでコーヒー飲んでたなんて桐生くんが知ったらきっと嫉妬するわよ」
「そんなコーヒーくらいで……」
楓さんはそう言っていたけれど、それは有り得る。確実に。
これは絶対に綾乃の言うことを聞いておいた方がよさそうだ。
「あの、じゃあいただきます。んっ!! 美味しいっ!!」
「「――っ!!!」」
楓さんの美味しそうな顔を真正面から見て、俺も綾乃も可愛いと言う言葉をグッと堪えるのに必死になっていた。
「どうかしたんですか?」
「いや、なんでも――」
「楓っ!!」
バーン! と勢いよく扉が開かれたと思ったら、あいつのでかい声が店中に響き渡った。
「えっ? なんで、桐生?」
「松井からここのカフェに来てるって連絡もらったのが会社の近くだったから飛んできたんだ。なんで松井と――」
「そうなんだ! この時間に桐生に会えて嬉しい!!」
「――っ、楓!!」
俺への怒りを見せていたけれど、楓さんの一言で一気にそれも霧散したようだ。
それどころか嬉しそうに楓さんの隣に座ると、楓さんからコーヒーを飲ませてもらい、上機嫌になっている。
「はぁーっ、本当に桐生くん変わったわ……。でもすごく幸せそうだから邪魔しないでおきましょう」
綾乃の言葉でそっと席から離れたが、すっかり二人の世界になっている桐生と楓さんは気づいていないようだ。
まぁでも友人の幸せな様子を見るのは嬉しいものだ。
「あなたもよく頑張ったわね!」
綾乃に久しぶりに褒められて、俺もまた上機嫌になっていた。
サラッと読んでいただけると嬉しいです♡
* * *
<side松井>
「いやー、さっきの子。可愛かったよな。あれ、新卒かな? あの子なら、男でもイケるわ俺」
「まーたお前の悪いところ出てるぞ。確かに可愛かったけど、あんな可愛いのに相手がいないわけないだろ。手を出したらとんでもない目に遭わされるぞ」
「そんなことあるわけないだろとは言えないところが怖いな。あれだけ可愛かったらありそうだ」
「だから、あんなのには手を出さないほうが身のためだぞ。あんなのに手を出すのは何にも考えてないただのバカだよ」
「まぁな。あれは近くで愛でるだけで終わらせておいた方が身のためだな。でもほんと目の保養にはなったよ」
「それはあるな」
そこそこイケメンの社会人二人が俺の横を通り過ぎながら、そんな会話をしていた。
俺と桐生ほどではないが、あれほどのランクならそこまで躊躇わずに声をかけてもうまくいきそうだが、そこまで心配するほどの相手か……。
そこまでの相手は俺の頭には一人しか思いつかないが、まさかこんなところで会うはずない。
あの子は営業事務だって言ってたし、昼間に外を出歩くことも今はほとんどないと話していた。
それも桐生が上司に直談判して外には出さないように話をつけたって言ってたし。
あの会社、本当に桐生とあの子で回ってるんじゃないかっていうくらい融通がきく会社だ。
だからこそ、こんな時間にあの子がいるわけないし、いるとしたら桐生も一緒にいるはず。
そう思ったけれど、なんとなく胸騒ぎがしてあの二人がやってきた方向に駆け出した。
何もなければいい。
そう願いながら走っていると、
「あれ? 松井さん?」
と少し離れた木陰から焦っている俺とは対照的に長閑な声が聞こえた。
その声のする方に視線を向けると、いなければいいと願っていた彼が大きな木の下でほんのりと頬を染めて汗を拭っていた。
「くっ――!!」
汗を拭いているだけなのにこの色気……。
桐生、あいつ! やりすぎだぞと文句を言いたくなる。
周りにいる男たちも、その色気に惑わされぼーっと見惚れてしまっている。
本当にバカな男が寄ってこなくてよかった。
それに比べたらまだ見惚れているだけの方がましだろう。
とりあえずどうしてこんなところにいるのか聞かなきゃな。
「楓さん! どうしてこんなところに? 事務だから外に出ないんじゃなかった?」
「そうなんですけど、実は桐生の後輩が取引先に行くのに大事な資料を忘れていって……それがないと話にもならないから、急いでいって届けてきたんです」
「ああ、なるほど。そういうことか。それでこのこと、桐生は知ってるの?」
「いえ、桐生は今朝から埼玉のイベントに駆り出されて行っているんですよ。だから、後輩も気を抜いて忘れ物しちゃったのかもしれません。俺もちゃんと声をかけてやればよかったんですけど、他の資料作りで忙しくて……」
「それで楓さんが出てきたのか。でも危ないよ」
「危ない? ああ、熱中症なら大丈夫です。もう少し行った先にあるカフェでコーヒーを飲んで帰ろうと思っていたので」
「えっ? カフェでコーヒー? それは桐生とよく行く店?」
「いえ。届けに向かっている時に見つけて初めて見た店だったので、試してみようかと思って。美味しかったら桐生を連れて行こうかなって。まぁ、営業で外に出ていることが多いんで、桐生ならとっくに知っているかもしれないんですけど」
楓さんが行ったことないのはわかるけど、会社からそこまで離れていないのに、桐生が連れて行かない店。
美味しいなら桐生が絶対に連れていっているはずだよな。
これは絶対にそこには連れて行かないほうがよさそうだ。
「ねぇ、コーヒーならおすすめの店があるんだけど。ここから割と近いし、そっちに行かない?」
「えっ、でも松井さんはお仕事いいんですか?」
「ああ、俺もちょうど休憩しようと思っていたんだ」
「それならぜひご一緒させてください!」
その言葉にホッとしながら、俺はその店に楓さんを連れていった。
もちろん、ポケットの中で片手で操作して、桐生にメッセージを送ることは忘れずに。
「ここですか? とっても雰囲気のいいお店ですけど、知らなかったな」
「ああ、つい最近オープンしたばかりで穴場なんだ」
「へぇー、でもほんといい感じ」
「これから食事も増やす予定なんだけど、今はまだコーヒーとパウンドケーキだけしかないんだ」
「パウンドケーキ! 俺、好きです!!」
「――っ!!」
パウンドケーキのことを言われているだけなのに、反応してしまうくらいに楓さんは可愛い。
でもこんなのあいつに見られたらやばいな。
「じゃ、じゃあ入ろうか」
中に入るとちょうど隙間時間だったのか、他に客の姿は見えない。
よかった。
「いらっしゃいませ――あら? あなた、来てくれたのね」
「ああ、お客さんも連れてきたよ」
「えっ? お知り合いですか?」
「ああ、ここの店主。俺の妻なんだ。ずっとカフェをオープンさせるのが夢だったらしくて、友人と二人で開店させたんだ。ここの宣伝は俺が担当しているよ」
「それはすごいですね。松井さんが宣伝してくれるなら、すぐに軌道に乗りますよ」
「ありがとうございます。あの、もしかして、楓さん、ですか?」
「はい。楓と申します」
「わぁー! やっぱり!!! じゃあ、あの桐生くんの?」
「えっ? あ、はい。そうです」
「きゃーっ!! ずっと会いたかったんです!!! あの桐生くんが溺愛している姫を」
「姫ってそんな……っ」
はぁーっ、やっぱりなぁ……。
こうなると思ったから連れてきたくはなかったんだけど……。
あのカフェに行くよりはマシだからな。
「綾乃、盛り上がるのはその辺にして早くコーヒーとパウンドケーキを頼む。俺も楓さんも仕事に戻らないといけないんだから」
「あ、はーい! すぐに用意します!」
そう言ってキッチンに戻る綾乃は上機嫌なままだ。
「ごめん、楓さん。うちの、桐生が誰も好きになれなかった頃から知ってるから、桐生の変わり具合知ったら会いたいってずっと言っててさ」
「そうなんですね。でも好意的に見てもらえるならよかったです」
笑顔を見せる楓さんの脳裏には以前、突撃してきた桐生の元カノのことが浮かんでいるんだろう。
かなり口汚く罵っていたと聞いているし、それを考えれば綾乃の方が確かにまだいいかもしれない。
「お待たせしましたー」
「わぁ! 美味しそう!!」
「これ、お土産。桐生くんと一緒にどうぞ」
「いいんですか?」
「是非是非! で、私もちょっと休憩」
そう言って綾乃は自分の分のコーヒーを持ってきて、俺の隣に座った。
「お前、いいのか?」
「いいの。ちょうど忙しい時間も終わったし、それに、あなたと二人っきりでコーヒー飲んでたなんて桐生くんが知ったらきっと嫉妬するわよ」
「そんなコーヒーくらいで……」
楓さんはそう言っていたけれど、それは有り得る。確実に。
これは絶対に綾乃の言うことを聞いておいた方がよさそうだ。
「あの、じゃあいただきます。んっ!! 美味しいっ!!」
「「――っ!!!」」
楓さんの美味しそうな顔を真正面から見て、俺も綾乃も可愛いと言う言葉をグッと堪えるのに必死になっていた。
「どうかしたんですか?」
「いや、なんでも――」
「楓っ!!」
バーン! と勢いよく扉が開かれたと思ったら、あいつのでかい声が店中に響き渡った。
「えっ? なんで、桐生?」
「松井からここのカフェに来てるって連絡もらったのが会社の近くだったから飛んできたんだ。なんで松井と――」
「そうなんだ! この時間に桐生に会えて嬉しい!!」
「――っ、楓!!」
俺への怒りを見せていたけれど、楓さんの一言で一気にそれも霧散したようだ。
それどころか嬉しそうに楓さんの隣に座ると、楓さんからコーヒーを飲ませてもらい、上機嫌になっている。
「はぁーっ、本当に桐生くん変わったわ……。でもすごく幸せそうだから邪魔しないでおきましょう」
綾乃の言葉でそっと席から離れたが、すっかり二人の世界になっている桐生と楓さんは気づいていないようだ。
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