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私だけのために
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<sideマイルズ>
シェフのルディがトモキさまのために作り上げたのはたくさんの野菜で作られたポタージュスープ。
柔らかなパンを浸してお召し上がりになれば、身体にも優しく栄養もバッチリだ。
だが、ここの食事がトモキさまに合うかどうかが問題だ。
私は少し悩んで、トモキ様と一緒に来られたあのお方の存在を思い出した。
あのお方に味見をしていただいたらどうだろうか?
きっとあのお方なら、この食事をトモキさまが召し上がることができるかどうかをご存知のはずだ。
あれから少し時間が経っていることだし、もうそろそろ目をお覚ましになった頃だろう。
あのお方の様子も確認しておきたいしと理由をつけて、私はあのお方のいらっしゃる客間へと向かった。
扉を叩くと、何の反応もない。
あのお方がまだ眠っていらしてもジョバンニさまがいらっしゃるはずだが……。
もしかしたらどこかに行っていらっしゃるのか?
珍しい。
ジョバンニさまからどこかへ行かれるなら必ず私にお声掛けくださるのに。
そう思いながら、もう一度だけ扉を叩くとようやく扉が開いたと思ったら少し慌てた様子のジョバンニさまの姿が見えた。
「マイルズ、どうした?」
「あのお方がそろそろお目覚めになったのではないかと思いまして……あの、ジョバンニさま、どうかなさいましたか?」
「ど、どうかとは、なんだ?」
「いえ。少しお顔が赤いように見受けられましたのでお熱でもお有りかと……」
「――っ、い。いや。大丈夫だ。心配には及ばぬ」
ジョバンニさまがこんなに焦っておられるところを見たことがない。
もしかしたら私はお二人の邪魔をしてしまったのかもしれないな。
「出過ぎたことを申し上げまして、失礼いたしました」
「気にすることはない。用事はそれだけか?」
これ以上邪魔をしてはいけないと、何も告げずに部屋を後にしようと思ったが、そう尋ねられてはお答えしないわけにはいかない。
「ああ、いえ。トモキさまのお食事をお作りしたのですが、あのお方にトモキさまのお口に合うかどうかお伺いしようと思いまして参じました。ですがお邪魔になっては――」
「私でよければお手伝いさせてください」
突然、私の言葉に被さるようにジョバンニさまの後方から頼もしい声が聞こえた。
「タツオミさん、お身体に障ります」
「いいえ。私は健康にだけは自信がありますから。それにトモキの好みの味なら私の方がよくわかっていますし」
「タツオミさん……」
「あ、いいえ。違いますよ。私はあちらでは飲食店を経営していまして、トモキに賄いをよく食べさせていたもので……ですから個人的に作っていたわけではないのです。ジョバンニさん、信じてください」
このお方はタツオミさまと仰るのか。
タツオミさまが何やら誤解でも解こうとするように必死にジョバンニさまに説明をなさると、ジョバンニさまは不安げなお顔を一気に綻ばせた。
「ふふっ。大丈夫です、わかっていますから。ですが、今度は私のために作ってくださいますか?」
「ええ、もちろんですとも。ぜひジョバンニさんにも召し上がっていただきたいです」
「ふふっ。嬉しいです」
なんだ、この甘々なご様子は……。
クリスティアーノさまとトモキさま以上に仲睦まじい様子だ。
本当に私はお二人の邪魔をしてしまったのかもしれない。
<sideジョバンニ>
「――っ!!」
熱い吐息を感じながら、甘い蕩けるような口付けを交わしていると、突然部屋の扉が叩かれ身体がビクッと震えた。
別に悪いことをしているわけでもないのに、なぜか焦ってしまうのは何故だろう……。
「ジョバンニさん……」
「タツオミさん、誰が来たのか確認して参ります」
思いが通じ合ったばかりだというのに離れ難いけれど、ここは自宅ではない。
流石に無視をするわけにもいかず、慌てて扉を開けるとそこにいたのはマイルズだった。
努めて冷静を装って受け答えをしたつもりだったが、早々に顔が赤いのに気づかれてしまい、慌てて誤魔化しだが、勘のいいマイルズのことだ。
私が何をしていたか察しているかもしれない。
タツオミさんと会う前にマイルズを引き上げさせようと思っていたけれど、トモキさまのお食事の好みを知りたいという話が聞こえたのかタツオミさんの方からお手伝いしたいと仰った。
まだお身体も本調子でないはずなのに、トモキさまのことなら多少無理でもなさるのかと、少し嫉妬してしまいそうになるが、タツオミさんはすぐに私のこの狭量な心に気づき、誤解しないようにときちんとお話をしてくださったのだ。
その必死な様子につい笑みが溢れてしまう。
クリスティアーノ団長だけでなく、皆で守らねばすぐに儚くなってしまいそうなほど弱っていらっしゃるトモキさまのお食事を心配するのは当然なのだ。
そもそもこちらの食事も、味付けもお口に合うのかもわからない。
それをこの家のシェフに教えられるのはトモキさまのお食事を作っていらしたタツオミさんしかできないことなのだから。
私もタツオミさんのように寛大な心を持たなければ……。
それでもやはりトモキさまとタツオミさんとの関係に少し嫉妬してしまう。
私もまだまだ人間ができていないようだ。
マイルズに案内され、タツオミさんと一緒に屋敷の厨房へ向かう。
通いなれた屋敷ではあるが、厨房はあまり入った記憶がない。
だが、さすが公爵家の厨房だけあって、広々として綺麗に整頓されている。
「ここが、厨房ですか。素晴らしい道具が揃っていますね。それに包丁も鍋も全て手入れが行き届いています。ここのシェフの方は料理の腕だけでなく、料理や、道具に対する尊敬が感じられますね。こんなに素晴らしい厨房は久々に拝見しました」
タツオミさんは飲食店を経営なさっていたとお話しされていた。
だからこそ、厨房の使い方でシェフの実力もわかるのだろう。
騎士団でも大切な剣を乱雑に扱うものはすぐに辞めていく。
実力があるからこそ、自分の剣もそして相手の剣も敬意を払って大切にするものだ。
「この厨房を任されております総料理長のルディと申します。お褒めいただき光栄にございます」
シェフのルディが嬉しそうにタツオミさんに頭を下げる。
「いえいえ、本当のことを申し上げただけですから。それよりもとてもいい匂いがしていますね。それがトモキの食事ですか?」
「はい。身体にやさしいものをとのことでしたので、ポタージュスープをお作りいたしました。ご試食をお願いいたします」
ルディは小さな味見用の皿に少しスープを乗せ、タツオミさんに差し出した。
「ああ……これは美味しいですね」
「本当ですか?」
安堵のため息を漏らすルディは実に嬉しそうに見えた。
「あの、ミルクはありますか?」
「はい。こちらにございます」
タツオミさんから渡されたミルクを失礼しますと断りを入れてスープ鍋に注いだ。
レードルで混ぜてから、
「元気な方がお召し上がりになるなら、こちらのスープで十分なのですが、トモキのようにかなり弱っている場合にはミルクでもう少し緩めたほうが飲みやすいかと。それに少し味もマイルドになるでしょう? いかがですか?」
と味見用小皿に入れてルディに差し出すと、ルディは一口飲んですぐにカッと目を見開いた。
「確かにこちらの方が飲みやすいです。なるほど、とても勉強になりました。ありがとうございます」
「いえいえ、味付けは全く変えていませんので。味付けに関してはこのままで大丈夫だと思います」
マイルズはタツオミさんから合格がでたスープをすぐに団長の部屋に運んで行った。
その間、ルディはタツオミさんと楽しそうに料理談義に花を咲かせていた。
ルディは料理についてこんなにも話の合う人は今までにいなかったと喜んでいる。
それにしてもタツオミさんはこの国のシェフの中でも5本の指に入るほどの実力の持ち主だと言われているルディと同じ味覚を持っていらっしゃるのか……。
本当にいつか、私だけのために料理を作っていただきたいものだ。
シェフのルディがトモキさまのために作り上げたのはたくさんの野菜で作られたポタージュスープ。
柔らかなパンを浸してお召し上がりになれば、身体にも優しく栄養もバッチリだ。
だが、ここの食事がトモキさまに合うかどうかが問題だ。
私は少し悩んで、トモキ様と一緒に来られたあのお方の存在を思い出した。
あのお方に味見をしていただいたらどうだろうか?
きっとあのお方なら、この食事をトモキさまが召し上がることができるかどうかをご存知のはずだ。
あれから少し時間が経っていることだし、もうそろそろ目をお覚ましになった頃だろう。
あのお方の様子も確認しておきたいしと理由をつけて、私はあのお方のいらっしゃる客間へと向かった。
扉を叩くと、何の反応もない。
あのお方がまだ眠っていらしてもジョバンニさまがいらっしゃるはずだが……。
もしかしたらどこかに行っていらっしゃるのか?
珍しい。
ジョバンニさまからどこかへ行かれるなら必ず私にお声掛けくださるのに。
そう思いながら、もう一度だけ扉を叩くとようやく扉が開いたと思ったら少し慌てた様子のジョバンニさまの姿が見えた。
「マイルズ、どうした?」
「あのお方がそろそろお目覚めになったのではないかと思いまして……あの、ジョバンニさま、どうかなさいましたか?」
「ど、どうかとは、なんだ?」
「いえ。少しお顔が赤いように見受けられましたのでお熱でもお有りかと……」
「――っ、い。いや。大丈夫だ。心配には及ばぬ」
ジョバンニさまがこんなに焦っておられるところを見たことがない。
もしかしたら私はお二人の邪魔をしてしまったのかもしれないな。
「出過ぎたことを申し上げまして、失礼いたしました」
「気にすることはない。用事はそれだけか?」
これ以上邪魔をしてはいけないと、何も告げずに部屋を後にしようと思ったが、そう尋ねられてはお答えしないわけにはいかない。
「ああ、いえ。トモキさまのお食事をお作りしたのですが、あのお方にトモキさまのお口に合うかどうかお伺いしようと思いまして参じました。ですがお邪魔になっては――」
「私でよければお手伝いさせてください」
突然、私の言葉に被さるようにジョバンニさまの後方から頼もしい声が聞こえた。
「タツオミさん、お身体に障ります」
「いいえ。私は健康にだけは自信がありますから。それにトモキの好みの味なら私の方がよくわかっていますし」
「タツオミさん……」
「あ、いいえ。違いますよ。私はあちらでは飲食店を経営していまして、トモキに賄いをよく食べさせていたもので……ですから個人的に作っていたわけではないのです。ジョバンニさん、信じてください」
このお方はタツオミさまと仰るのか。
タツオミさまが何やら誤解でも解こうとするように必死にジョバンニさまに説明をなさると、ジョバンニさまは不安げなお顔を一気に綻ばせた。
「ふふっ。大丈夫です、わかっていますから。ですが、今度は私のために作ってくださいますか?」
「ええ、もちろんですとも。ぜひジョバンニさんにも召し上がっていただきたいです」
「ふふっ。嬉しいです」
なんだ、この甘々なご様子は……。
クリスティアーノさまとトモキさま以上に仲睦まじい様子だ。
本当に私はお二人の邪魔をしてしまったのかもしれない。
<sideジョバンニ>
「――っ!!」
熱い吐息を感じながら、甘い蕩けるような口付けを交わしていると、突然部屋の扉が叩かれ身体がビクッと震えた。
別に悪いことをしているわけでもないのに、なぜか焦ってしまうのは何故だろう……。
「ジョバンニさん……」
「タツオミさん、誰が来たのか確認して参ります」
思いが通じ合ったばかりだというのに離れ難いけれど、ここは自宅ではない。
流石に無視をするわけにもいかず、慌てて扉を開けるとそこにいたのはマイルズだった。
努めて冷静を装って受け答えをしたつもりだったが、早々に顔が赤いのに気づかれてしまい、慌てて誤魔化しだが、勘のいいマイルズのことだ。
私が何をしていたか察しているかもしれない。
タツオミさんと会う前にマイルズを引き上げさせようと思っていたけれど、トモキさまのお食事の好みを知りたいという話が聞こえたのかタツオミさんの方からお手伝いしたいと仰った。
まだお身体も本調子でないはずなのに、トモキさまのことなら多少無理でもなさるのかと、少し嫉妬してしまいそうになるが、タツオミさんはすぐに私のこの狭量な心に気づき、誤解しないようにときちんとお話をしてくださったのだ。
その必死な様子につい笑みが溢れてしまう。
クリスティアーノ団長だけでなく、皆で守らねばすぐに儚くなってしまいそうなほど弱っていらっしゃるトモキさまのお食事を心配するのは当然なのだ。
そもそもこちらの食事も、味付けもお口に合うのかもわからない。
それをこの家のシェフに教えられるのはトモキさまのお食事を作っていらしたタツオミさんしかできないことなのだから。
私もタツオミさんのように寛大な心を持たなければ……。
それでもやはりトモキさまとタツオミさんとの関係に少し嫉妬してしまう。
私もまだまだ人間ができていないようだ。
マイルズに案内され、タツオミさんと一緒に屋敷の厨房へ向かう。
通いなれた屋敷ではあるが、厨房はあまり入った記憶がない。
だが、さすが公爵家の厨房だけあって、広々として綺麗に整頓されている。
「ここが、厨房ですか。素晴らしい道具が揃っていますね。それに包丁も鍋も全て手入れが行き届いています。ここのシェフの方は料理の腕だけでなく、料理や、道具に対する尊敬が感じられますね。こんなに素晴らしい厨房は久々に拝見しました」
タツオミさんは飲食店を経営なさっていたとお話しされていた。
だからこそ、厨房の使い方でシェフの実力もわかるのだろう。
騎士団でも大切な剣を乱雑に扱うものはすぐに辞めていく。
実力があるからこそ、自分の剣もそして相手の剣も敬意を払って大切にするものだ。
「この厨房を任されております総料理長のルディと申します。お褒めいただき光栄にございます」
シェフのルディが嬉しそうにタツオミさんに頭を下げる。
「いえいえ、本当のことを申し上げただけですから。それよりもとてもいい匂いがしていますね。それがトモキの食事ですか?」
「はい。身体にやさしいものをとのことでしたので、ポタージュスープをお作りいたしました。ご試食をお願いいたします」
ルディは小さな味見用の皿に少しスープを乗せ、タツオミさんに差し出した。
「ああ……これは美味しいですね」
「本当ですか?」
安堵のため息を漏らすルディは実に嬉しそうに見えた。
「あの、ミルクはありますか?」
「はい。こちらにございます」
タツオミさんから渡されたミルクを失礼しますと断りを入れてスープ鍋に注いだ。
レードルで混ぜてから、
「元気な方がお召し上がりになるなら、こちらのスープで十分なのですが、トモキのようにかなり弱っている場合にはミルクでもう少し緩めたほうが飲みやすいかと。それに少し味もマイルドになるでしょう? いかがですか?」
と味見用小皿に入れてルディに差し出すと、ルディは一口飲んですぐにカッと目を見開いた。
「確かにこちらの方が飲みやすいです。なるほど、とても勉強になりました。ありがとうございます」
「いえいえ、味付けは全く変えていませんので。味付けに関してはこのままで大丈夫だと思います」
マイルズはタツオミさんから合格がでたスープをすぐに団長の部屋に運んで行った。
その間、ルディはタツオミさんと楽しそうに料理談義に花を咲かせていた。
ルディは料理についてこんなにも話の合う人は今までにいなかったと喜んでいる。
それにしてもタツオミさんはこの国のシェフの中でも5本の指に入るほどの実力の持ち主だと言われているルディと同じ味覚を持っていらっしゃるのか……。
本当にいつか、私だけのために料理を作っていただきたいものだ。
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