突然やってきたイケメン騎士団長と甘々同棲生活始まりました

波木真帆

文字の大きさ
46 / 81

二人のために

しおりを挟む
「あの……」

「んっ? トモキ、どうした? 気になることがあったらなんでもニコラスに聞くといい」

「はい。あの……交わり、ってなんですか?」

「「えっ……?」」

「さっき、話してましたよね? 僕の体力に合わせて、とか……。僕が何かするんですか?」

なんの話をしているのか全くわからないとでもいう表情で、私たちに問いかけてくるトモキに私もニコラスもなんて声をかけていいのかわからず、ただただ茫然とトモキを見つめるしかできなかった。

「あの、僕……おかしなことを言っちゃいましたか?」

「あ、いや――っ、違うんだ」

悪いことでも言ってしまったのかと悲しげな表情をするトモキに誤解させてはいけないと慌てて声をかけたものの、正直なんと説明していいのかわからない。

医師として勉強していたから生理現象としては勃起することも精液を出すことも知っていると言っていたから、交わりもてっきり知識として知っているのではないかと思っていたのだ。
彼方では交わりという言い方をしないだけなのかもしれないが、たとえ、男女の交わりは知っていても、男同士の交わりを知らない可能性は十二分にある。

とすれば、やはりそこから説明すべきか……。

だが、困ったことに愚息をすでにみられているのだ。
あの凶悪なほどに昂ったモノを、しかもあの時見た以上に大きくなってしまう可能性のあるモノをトモキの小さな尻で一つになるために全てを受け入れてもらうことが交わりなのだと教えて、了承してくれるだろうか?

いくら挿入はいるように優しくほぐしてからと説明しても、トモキの細い腕ほどもある愚息を受け入れるのに恐怖がないわけがない。

交わりについてトモキを怖がらせないようにどう説明すべきか……。
そう悩んで私はいい考えを思いついた。

「ニコラス、ジョバンニを呼んでくれ。できれば、タツオミも一緒に」

そういうとニコラスは私の意図を感じ取ったのか、すぐに二人を呼びに行ってくれた。

「あの、クリスさん……どうしてジョバンニさんとマスターを?」

「先ほどの質問に答える前に、二人に少し話をしてもらおうと思ってな」

「話、ですか?」

「ああ。トモキ、一緒に話を聞いてくれるか?」

「はい」

トモキはどうして二人を呼んだのか、いまいちわからないと言った様子だったが二人が来るまで、大人しく待っていてくれた。


<sideジョバンニ>

今日は午前中訓練のため騎士団に出向き、午後は溜まりまくっている事務仕事を公爵家の客間に運んでもらった。
午後の事務仕事はタツオミにも手伝ってもらって作業を進めていくと実に効率的なやり方を教えてもらい、いつもの半分ほどの時間で終わらせることができた。

「こんなに早く終わったのはタツオミのおかげです」

「ふふっ。ジョバンニの仕事が早く終わって、二人で過ごす時間が増えるのなら嬉しい限りですよ」

「私もです。あの、トモキさまのご体調も回復なさってきたようですし、団長の了承を得られたらそろそろ私の家で一緒に暮らしませんか?」

「えっ?! ジョバンニの家で? いいんですか?」

「もちろんです。公爵家での生活ほどは豪華ではありませんが不自由はさせませんよ。それに、団長と一つ屋根の下にいるといつ呼び出されそうで心配ですから……」

「ふふっ。私はジョバンニと一緒ならどこでもついていきますよ。でも、そうですね。確かにクリスさんの屋敷にお世話になったままだといつジョバンニを連れて行かれるか心配ですね」

「タツオミ……。今のうちに寝室に……」

タツオミの瞳に情欲の色が見えて、寝室へと誘うと

「ジョバンニ……っ」

噛み付くような口付けをされた。
ああ、タツオミの激しくも甘い口付けにすぐに昂ってしまいそう。

思わず声をあげそうになった瞬間、客間の扉が叩かれた。

何事かと思っていると

「ジョバンニさま。クリスティアーノさまがお呼びでございます」

と扉の外から声が聞こえてきた。

「タツオミ……」

「仕方ないですね」

「ごめんなさい……」

「いいんですよ、でも夜は離しませんから……」

「んっ!」

耳元で甘く囁かれるだけで身体の奥が疼いてしまう。
私はもうすっかり身も心もタツオミのものになってしまったようだ。

必死にいつもの顔に戻し息を整えてから扉を開けると、ニコラスは私の顔を見てすぐに

「お邪魔してしまい申し訳ございません」

と頭を下げた。
どうやら何をしていたか、ニコラスにはもう気づかれてしまったようだ。

「それで、団長はどういったご用件なのですか?」

「それが……」

言いにくそうにニコラスが話し始めたことに私は驚いてしまった。
トモキさまは確か成人は超えていらっしゃるはずだ。
それなのに、交わりを知らない?

「タツオミ……そんなことがあるのですか?」

あまりにも不思議で尋ねてみると、タツオミも戸惑った表情をしていたけれど、

「彼方ではそういう閨教育といったものはなく、自分で知識を深めていくものなのですが、智己の場合は……その、そういったことに興味がなかったのでしょう。交わりという言葉自体も彼方では使いません。セックスやエッチ、もしくは性交と呼ぶのが一般的ですが、基本的には男女の仲でのことであって、男同士のこととなるとさらに知識を持つ者は少なくなるでしょうね」

と教えてくれた。

「なるほど……そういうことですか」

ニコラスはタツオミの言葉に深く納得しているようだ。

「それで団長は私を呼んでどうする気なのでしょう?」

「できればタツオミさまもご一緒にきていただきたいとのことでしたので、その……ジョバンニさまから、男同士のあれこれをトモキさまにご説明いただきたいのではと存じます」

「――っ!!」

それは私がタツオミとすでに交わっていて、トモキさまと同じ立場だとわかった上で話をしてほしいということなのだろう。
全て知られているというのは恥ずかしいが、事実だから仕方がない。

まぁ、団長の気持ちもわかる。
トモキさまから考えても、同じ立場の者からの話の方が理解は早いかもしれない。

タツオミさまが心配なさっているトモキさまのことでもあるし、ここは私がひと肌脱いで差し上げるべきでしょうね。

「わかりました。すぐに参ります。タツオミも一緒にいってくださいますか?」

「はい。もちろんです、あなたを一人にはしません」

タツオミの優しさに触れながら、私とタツオミは急いで団長とトモキさまのいる部屋に向かった。
しおりを挟む
感想 45

あなたにおすすめの小説

この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜

COCO
BL
「ミミルがいないの……?」 涙目でそうつぶやいた僕を見て、 騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。 前世は政治家の家に生まれたけど、 愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。 最後はストーカーの担任に殺された。 でも今世では…… 「ルカは、僕らの宝物だよ」 目を覚ました僕は、 最強の父と美しい母に全力で愛されていた。 全員190cm超えの“男しかいない世界”で、 小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。 魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは── 「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」 これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。 ★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

貧乏Ωが御曹司αの将来のために逃げた話。

ミカン
BL
オメガバース

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました! 最終17位でした!応援ありがとうございます! あらすじ 魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

処理中です...