74 / 177
メインイベントの始まり
「というか、俺たちのものまであるみたいだが……」
ジョルジュが興奮気味に話している。
その横で将臣も頬を高揚させている。
「なんだ、夫夫で普段、あんなのは着せないのか?」
「ばかっ、着せるわけないだろっ! なぁ、マサオミもそうだろう?」
「えっ? あ、はい。そうですね……ですが、かなりグッときますね。これを機会に増えそうな気もします」
「ははっ。さすが若いだけあるな。いいんじゃないか、周防くんたちはかなり長い時間を一緒に過ごしているのだから、ああいうアイテムを使って、今までと違う興奮を味わうのも」
「確かに。君たちの間にマンネリなんてことはないだろうが、いつもと違う愛し方もそれはそれで刺激になるだろう」
「は、はい。そう、ですね……」
私やユウキにそんなことを言われてマサオミは少し照れている様子だが、視線はずっとあの下着を持ったシュウゴに向いているのだから、やはり興奮しているのだろう。
ケイトの贈り物は我々だけでなく、すでに夫夫となった者たちの情欲を沸き立てるものになったようだ。
『ところで、アレの準備はどうなっている?』
フランス語で尋ねたのは万が一、ユヅルたちに聞かれても気づかれないようにするためだ。
『ちょっと待ってくれ。ちょうど今、最終確認をするところだ』
ジョルジュに尋ねると、ジョルジュはイヤホンで何やらやりとりを始めた。
『エヴァン、大丈夫だ。いつ始めてくれて構わないよ』
『père noëlは大丈夫か?』
『ああ、今までの人生で一番の大役だと張り切っていたぞ。香水まで変えて変装していたからな』
『ああ、それはいい。匂いは割と気づかれやすいものだからな。特にリオくんはそういうことに聡そうだ。そうだろう? ミヅキ』
『確かにそれはありますね。臭いだけでなく、音にもかなり敏感ですよ。それくらい追い詰められていた生活をしていたんでしょう』
その表情に少し後悔のようなものが見える。
きっともっと早く出会っていればと思っているのだろう。
だが、それは私も同じだ。
『これまでのことを嘆いても変えようがない。だから、これからはミヅキが心穏やかに過ごせるようにしてやればいいんだ。私もユヅルに対して、いつもそう思っているよ』
『はい。そうですね』
『さぁ、クリスマスパーティーのメインイベントだ。みんなもpère noëlの素晴らしい演技を楽しんでくれ』
そう言って、私はユヅルのそばに近づき、プレゼント交換も無事に終わりホッとした様子のユヅルの耳元で囁いた。
「そろそろ二つ目のクリスマスツリーを見せて、みんなを驚かせるぞ」
「わぁっ! そうだった!」
どうやらたくさんの贈り物で頭がいっぱいになっていたようだが、そんなところも可愛らしい。
ツリーが外にあるからみんなをあの大きな窓のところに誘導するようにと頼むと、ユヅルは外にツリーが? と目をぱちくりさせて驚いていた。
2つ目のツリーがあることは知らせていたが、どんなものかまではユヅルも知らないのだからこの反応も当然だろう。
ユヅルは少し興奮した様子だったが、冷静にリオたちに声をかけ、予定通り庭が一望できる大きな窓の前に連れてきてくれた。
ふふっ。これでいい。
準備は整った。
本来ならば、この庭の向こうには他の屋敷や道路の灯りを感じるものだが、今日は光もなく何も見えない。
それは闇に紛れさせるためのシートがこの庭一帯を覆っているからだ。
これで外からの灯りは全て遮断することができる。
ユヅルたちは窓に齧り付き、外の景色を見ようと一生懸命だが今、この大きな窓からは真っ暗闇しか見えない。
あれ?
と不思議そうな声が上がった瞬間、私の合図とともに庭に用意した大きな大きなクリスマスツリーが一斉に電飾を灯した。
かなりの時間を要して飾り付けられた大きなクリスマスツリーを見て、ユヅルたちはそれぞれ感嘆の声をあげる。
ふふっ。
まずは第一弾、喜んでくれているようだ。
「エヴァンさん、窓を開けてもいいですか?」
目を輝かせて喜びを表しているユヅルに風邪を引かないようにと言ってさっきの贈り物で出てきた揃いのコートを着せると、あまりの可愛さに思わず声が出そうになった。
それを必死に抑えながら、リオたちの着替えも待っていると、あまりにも可愛いものたちの集まりにおかしくなってしまいそうになる。
なんだ、ここは?
天国か?
そう思ってしまうほど、この揃いのコートを着た7人は可愛すぎるのだ。
ああ、このコートを贈ってくれたユウキの母君にはしっかりとお礼をしておかねばな。
後でユウキの母君の好きなものでも聞いておこうかと心に留めておいた。
ジョルジュが興奮気味に話している。
その横で将臣も頬を高揚させている。
「なんだ、夫夫で普段、あんなのは着せないのか?」
「ばかっ、着せるわけないだろっ! なぁ、マサオミもそうだろう?」
「えっ? あ、はい。そうですね……ですが、かなりグッときますね。これを機会に増えそうな気もします」
「ははっ。さすが若いだけあるな。いいんじゃないか、周防くんたちはかなり長い時間を一緒に過ごしているのだから、ああいうアイテムを使って、今までと違う興奮を味わうのも」
「確かに。君たちの間にマンネリなんてことはないだろうが、いつもと違う愛し方もそれはそれで刺激になるだろう」
「は、はい。そう、ですね……」
私やユウキにそんなことを言われてマサオミは少し照れている様子だが、視線はずっとあの下着を持ったシュウゴに向いているのだから、やはり興奮しているのだろう。
ケイトの贈り物は我々だけでなく、すでに夫夫となった者たちの情欲を沸き立てるものになったようだ。
『ところで、アレの準備はどうなっている?』
フランス語で尋ねたのは万が一、ユヅルたちに聞かれても気づかれないようにするためだ。
『ちょっと待ってくれ。ちょうど今、最終確認をするところだ』
ジョルジュに尋ねると、ジョルジュはイヤホンで何やらやりとりを始めた。
『エヴァン、大丈夫だ。いつ始めてくれて構わないよ』
『père noëlは大丈夫か?』
『ああ、今までの人生で一番の大役だと張り切っていたぞ。香水まで変えて変装していたからな』
『ああ、それはいい。匂いは割と気づかれやすいものだからな。特にリオくんはそういうことに聡そうだ。そうだろう? ミヅキ』
『確かにそれはありますね。臭いだけでなく、音にもかなり敏感ですよ。それくらい追い詰められていた生活をしていたんでしょう』
その表情に少し後悔のようなものが見える。
きっともっと早く出会っていればと思っているのだろう。
だが、それは私も同じだ。
『これまでのことを嘆いても変えようがない。だから、これからはミヅキが心穏やかに過ごせるようにしてやればいいんだ。私もユヅルに対して、いつもそう思っているよ』
『はい。そうですね』
『さぁ、クリスマスパーティーのメインイベントだ。みんなもpère noëlの素晴らしい演技を楽しんでくれ』
そう言って、私はユヅルのそばに近づき、プレゼント交換も無事に終わりホッとした様子のユヅルの耳元で囁いた。
「そろそろ二つ目のクリスマスツリーを見せて、みんなを驚かせるぞ」
「わぁっ! そうだった!」
どうやらたくさんの贈り物で頭がいっぱいになっていたようだが、そんなところも可愛らしい。
ツリーが外にあるからみんなをあの大きな窓のところに誘導するようにと頼むと、ユヅルは外にツリーが? と目をぱちくりさせて驚いていた。
2つ目のツリーがあることは知らせていたが、どんなものかまではユヅルも知らないのだからこの反応も当然だろう。
ユヅルは少し興奮した様子だったが、冷静にリオたちに声をかけ、予定通り庭が一望できる大きな窓の前に連れてきてくれた。
ふふっ。これでいい。
準備は整った。
本来ならば、この庭の向こうには他の屋敷や道路の灯りを感じるものだが、今日は光もなく何も見えない。
それは闇に紛れさせるためのシートがこの庭一帯を覆っているからだ。
これで外からの灯りは全て遮断することができる。
ユヅルたちは窓に齧り付き、外の景色を見ようと一生懸命だが今、この大きな窓からは真っ暗闇しか見えない。
あれ?
と不思議そうな声が上がった瞬間、私の合図とともに庭に用意した大きな大きなクリスマスツリーが一斉に電飾を灯した。
かなりの時間を要して飾り付けられた大きなクリスマスツリーを見て、ユヅルたちはそれぞれ感嘆の声をあげる。
ふふっ。
まずは第一弾、喜んでくれているようだ。
「エヴァンさん、窓を開けてもいいですか?」
目を輝かせて喜びを表しているユヅルに風邪を引かないようにと言ってさっきの贈り物で出てきた揃いのコートを着せると、あまりの可愛さに思わず声が出そうになった。
それを必死に抑えながら、リオたちの着替えも待っていると、あまりにも可愛いものたちの集まりにおかしくなってしまいそうになる。
なんだ、ここは?
天国か?
そう思ってしまうほど、この揃いのコートを着た7人は可愛すぎるのだ。
ああ、このコートを贈ってくれたユウキの母君にはしっかりとお礼をしておかねばな。
後でユウキの母君の好きなものでも聞いておこうかと心に留めておいた。
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています
かきんとう
恋愛
王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。
磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。
その中心に、私は立っていた。
――今日、この瞬間のために。
「エレノア・フォン・リーベルト嬢」
高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。
運命の番は僕に振り向かない
ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。
それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。
オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。
ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。
ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。
ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。
ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。
完結しました!ありがとうございました。
人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます
七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。
歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。
世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。
気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。
寂しいを分け与えた
こじらせた処女
BL
いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。
昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。
『お前の針仕事など誰でもできる』——なら社交界のドレスの裏地を、めくってごらんなさい
歩人
ファンタジー
「地味な針仕事しかできない令嬢は要らない」——公爵家の嫡男にそう言い渡された伯爵令嬢ティナは、
裁縫道具だけを持って屋敷を出た。その翌週、社交界が凍りつく。王妃の夜会服も、公爵令嬢の舞踏会
ドレスも、第一王女の外交用ローブも——仕立てた職人が消えたのだ。しかもティナが十年かけて縫った
全てのドレスの裏地には、二重縫いで隠された署名が残されていて——。
辺境の小さな仕立て屋で穏やかに暮らすティナの元に、王都から使者がやってくる。
世継ぎは他の妃が産めばいい——子を産めない私ですが、帝の寵愛を独占して皇后になりました
由香
恋愛
後宮に入る女の価値は、ただ一つ。
——皇子を産めるかどうか。
けれど私は、産めない。
ならば——
「世継ぎは他の妃に任せます。私は、陛下に愛される女になります」
そう言い放ったその日から、すべてが狂い始めた。
毒を盛られても、捨てられず。
皇子が生まれても、選ばれたのは私だった。
「お前は、ここにいろ」
これは、子を産めない女が
ただ一つの武器“寵愛”だけで頂点に立つ物語。
そして——
その寵愛は、やがて狂気に変わる。
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
最終17位でした!応援ありがとうございます!
あらすじ
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。