150 / 177
私からの贈り物
「朝から皆さん、楽しそうですね」
我々の声が聞こえてきたのか、笑顔でリビングに入ってきたのはジョルジュとリュカ。
さすがにこの二人は抱きかかえては来なかったか。
リュカもあのような衣装を身につけていたというのに、加減ができると言うのはすごいと素直に感じる。
だが、ジョルジュの方も私が早くきていたことに驚いたのか、
「私よりもエヴァンがこんなに早いことに驚いたよ」
なんていわれたが、まぁこれでもホストとしての自覚はある。
ホストとしての役目を終えた今夜はわからんがな。
そういえば、と思い出したことをミヅキとスオウに告げる。
今回、日本への帰国にはジョルジュとリュカも警備のために同行する。
フランスへ来る時は飛行機の整備を日本で行っていたため、帰航のタイミングで一緒に乗ってきてもらったから同行は無しだったのだ。
二人はパリ警視庁所属だが、我がロレーヌ家専属警備隊だから彼らの休日は私に決定権が任せられている。
ジョルジュとリュカにはいつも世話になっているし、このクリスマス休暇も我々とともに過ごしてくれたから、お礼の意味も込めて、数日羽を伸ばせばいいとジョルジュには伝えている。
リュカはきっとまだ知らないのだろうが、楽しい時間を過ごしてきてほしいものだ。
「じゃあ、軽く日本までの到着の流れを説明しておこうか」
ジョルジュがミヅキとスオウに声をかけたと同時に、セルジュたちとアヤシロたちがリビングにやってきた。
ふふっ。二人とものんびりだったが、こちらも抱きかかえられては来なかったか。
まぁ、セルジュの理由はわかっている。
色気を纏ったミシェルを皆に見せたくないだけだ。
だからこそ、必死に理性で押し留めたのだろう。
その分、明日は部屋から出てこないだろうな。
ミシェルもみんなを見送りに空港まで行きたいと思って、昨夜は我慢したのかもしれない。
二人には今回、みんなと一緒に過ごすためにバカンスを返上してくれたという恩もある。
二人にも何かお礼を考えなくてはいけないな。
ああ、日本に行くなら別行動の日を作ってやるのもいいか。
二人なら、オンセンにも入れるだろうからな。
アヤシロは部屋のなかを見回して、ユウキとソラの姿がないことにに気づくと
「ははっ。やっぱりあいつらが最後か。そうだと思ってたが、相変わらずだな」
と笑っていた。
ミヅキも
「まぁ、空良くんのあの格好を見れば、今朝一番遅くなるだろうことはわかってたけどな」
と言っていたから、二人とも最初からわかっていたのだろう。
まぁ、あれほど自分の本能のままに動けるのもいい。
言うなれば、ユウキが一番狼にふさわしいのかもしれないな。
「じゃあ、改めて日本行きの説明をしておこう」
ジョルジュがセルジュとアヤシロに声をかけると、ユヅルは邪魔になってはいけないと思ったのか
「ねぇねぇ、佳都さん、ミシェルさんもこっちでおしゃべりして待ってよう」
と声をかけ、少し離れたソファーでおしゃべりを始めた。
本当に私のユヅルは気が利くな。
ユヅルたちの様子には気を配りながらも、私は一通りジョルジュが説明するのをじっと聞いていた。
『――という流れになるが、大丈夫だな?』
『ええ。大丈夫です。問題ないですよ』
『じゃあ、ジョルジュの話が終わったところで、私からみんなに渡すものがある』
そう言って、私はポケットからいくつかのUSBを取り出した。
『ロレーヌ、これは……』
『ああ、前に話していただろう? この数日のデータだ。この中にそれぞれのすべてのデータが入っている。二人で見られるものも用意しているから、それは二人で楽しめばいい。あとのは自分たちで大切に保管するんだな』
名前の刻印をしていたそれを、それぞれに配ると皆、目を輝かせて喜んでいた。
ふふっ。
愛しい伴侶との大切なデータだ。
少し遅いが、良いクリスマスプレゼントになっただろう。
ユウキのは、後でこっそり渡しておこう。
彼が一番喜ぶだろうな。
『帰国してからの楽しみができたよ。ロレーヌ、ありがとう』
『いや、喜んでもらえて何よりだ。次は日本だな。楽しみにしているよ』
『ええ、今度は我々がホスト役として、ロレーヌたちを喜ばせてみせますよ。なぁ、周防くん』
『はい。これからしっかりと計画を立てましょう』
『ははっ。さすが日本人。遊びの計画も完璧にこなしそうだな』
なんて、笑いながら会話を楽しんでいると、
「弓弦くんは久しぶりの日本で何かやりたいこととかある?」
と言う言葉が聞こえてきた。
ユヅルに関することだけ、私の耳に入ってくるのだから私の身体は全てがユヅル仕様になっているな。
ユヅルはなんと答えるだろう。
日本でやりたいこと……ユヅルが望むなら、なんでも叶えてやりたい。
しかし、ユヅルの言葉は私の想像とは大いに違っていた。
「僕は……会いたい人がいる、かな……」
ユヅルに会いたい人がいる。
その言葉が耳に入ってきた瞬間、私は形振り構わずユヅルのもとにかけだしてしまっていた。
我々の声が聞こえてきたのか、笑顔でリビングに入ってきたのはジョルジュとリュカ。
さすがにこの二人は抱きかかえては来なかったか。
リュカもあのような衣装を身につけていたというのに、加減ができると言うのはすごいと素直に感じる。
だが、ジョルジュの方も私が早くきていたことに驚いたのか、
「私よりもエヴァンがこんなに早いことに驚いたよ」
なんていわれたが、まぁこれでもホストとしての自覚はある。
ホストとしての役目を終えた今夜はわからんがな。
そういえば、と思い出したことをミヅキとスオウに告げる。
今回、日本への帰国にはジョルジュとリュカも警備のために同行する。
フランスへ来る時は飛行機の整備を日本で行っていたため、帰航のタイミングで一緒に乗ってきてもらったから同行は無しだったのだ。
二人はパリ警視庁所属だが、我がロレーヌ家専属警備隊だから彼らの休日は私に決定権が任せられている。
ジョルジュとリュカにはいつも世話になっているし、このクリスマス休暇も我々とともに過ごしてくれたから、お礼の意味も込めて、数日羽を伸ばせばいいとジョルジュには伝えている。
リュカはきっとまだ知らないのだろうが、楽しい時間を過ごしてきてほしいものだ。
「じゃあ、軽く日本までの到着の流れを説明しておこうか」
ジョルジュがミヅキとスオウに声をかけたと同時に、セルジュたちとアヤシロたちがリビングにやってきた。
ふふっ。二人とものんびりだったが、こちらも抱きかかえられては来なかったか。
まぁ、セルジュの理由はわかっている。
色気を纏ったミシェルを皆に見せたくないだけだ。
だからこそ、必死に理性で押し留めたのだろう。
その分、明日は部屋から出てこないだろうな。
ミシェルもみんなを見送りに空港まで行きたいと思って、昨夜は我慢したのかもしれない。
二人には今回、みんなと一緒に過ごすためにバカンスを返上してくれたという恩もある。
二人にも何かお礼を考えなくてはいけないな。
ああ、日本に行くなら別行動の日を作ってやるのもいいか。
二人なら、オンセンにも入れるだろうからな。
アヤシロは部屋のなかを見回して、ユウキとソラの姿がないことにに気づくと
「ははっ。やっぱりあいつらが最後か。そうだと思ってたが、相変わらずだな」
と笑っていた。
ミヅキも
「まぁ、空良くんのあの格好を見れば、今朝一番遅くなるだろうことはわかってたけどな」
と言っていたから、二人とも最初からわかっていたのだろう。
まぁ、あれほど自分の本能のままに動けるのもいい。
言うなれば、ユウキが一番狼にふさわしいのかもしれないな。
「じゃあ、改めて日本行きの説明をしておこう」
ジョルジュがセルジュとアヤシロに声をかけると、ユヅルは邪魔になってはいけないと思ったのか
「ねぇねぇ、佳都さん、ミシェルさんもこっちでおしゃべりして待ってよう」
と声をかけ、少し離れたソファーでおしゃべりを始めた。
本当に私のユヅルは気が利くな。
ユヅルたちの様子には気を配りながらも、私は一通りジョルジュが説明するのをじっと聞いていた。
『――という流れになるが、大丈夫だな?』
『ええ。大丈夫です。問題ないですよ』
『じゃあ、ジョルジュの話が終わったところで、私からみんなに渡すものがある』
そう言って、私はポケットからいくつかのUSBを取り出した。
『ロレーヌ、これは……』
『ああ、前に話していただろう? この数日のデータだ。この中にそれぞれのすべてのデータが入っている。二人で見られるものも用意しているから、それは二人で楽しめばいい。あとのは自分たちで大切に保管するんだな』
名前の刻印をしていたそれを、それぞれに配ると皆、目を輝かせて喜んでいた。
ふふっ。
愛しい伴侶との大切なデータだ。
少し遅いが、良いクリスマスプレゼントになっただろう。
ユウキのは、後でこっそり渡しておこう。
彼が一番喜ぶだろうな。
『帰国してからの楽しみができたよ。ロレーヌ、ありがとう』
『いや、喜んでもらえて何よりだ。次は日本だな。楽しみにしているよ』
『ええ、今度は我々がホスト役として、ロレーヌたちを喜ばせてみせますよ。なぁ、周防くん』
『はい。これからしっかりと計画を立てましょう』
『ははっ。さすが日本人。遊びの計画も完璧にこなしそうだな』
なんて、笑いながら会話を楽しんでいると、
「弓弦くんは久しぶりの日本で何かやりたいこととかある?」
と言う言葉が聞こえてきた。
ユヅルに関することだけ、私の耳に入ってくるのだから私の身体は全てがユヅル仕様になっているな。
ユヅルはなんと答えるだろう。
日本でやりたいこと……ユヅルが望むなら、なんでも叶えてやりたい。
しかし、ユヅルの言葉は私の想像とは大いに違っていた。
「僕は……会いたい人がいる、かな……」
ユヅルに会いたい人がいる。
その言葉が耳に入ってきた瞬間、私は形振り構わずユヅルのもとにかけだしてしまっていた。
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています
かきんとう
恋愛
王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。
磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。
その中心に、私は立っていた。
――今日、この瞬間のために。
「エレノア・フォン・リーベルト嬢」
高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。
世継ぎは他の妃が産めばいい——子を産めない私ですが、帝の寵愛を独占して皇后になりました
由香
恋愛
後宮に入る女の価値は、ただ一つ。
——皇子を産めるかどうか。
けれど私は、産めない。
ならば——
「世継ぎは他の妃に任せます。私は、陛下に愛される女になります」
そう言い放ったその日から、すべてが狂い始めた。
毒を盛られても、捨てられず。
皇子が生まれても、選ばれたのは私だった。
「お前は、ここにいろ」
これは、子を産めない女が
ただ一つの武器“寵愛”だけで頂点に立つ物語。
そして——
その寵愛は、やがて狂気に変わる。
人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます
七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。
歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。
世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。
気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。
寂しいを分け与えた
こじらせた処女
BL
いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。
昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。
【今さら遅い】毒で声を失い公爵に捨てられた私。妹では精霊が応えず国は滅びへ。ですが隣国皇帝に溺愛される私に、今さら縋ってきても遅いです
唯崎りいち
恋愛
国一番の歌姫だった私は、妹に毒を盛られ声を失い、婚約者に捨てられた。
すべてを奪われた私を救ったのは、隣国の皇帝。
「お前の歌がなければ国は滅びる」と言われた私の歌は、精霊に届く“本物”の力を持っていて――
一方、私を追放した国は偽物の歌では加護を失い衰退。
今さら元婚約者が縋ってきても、もう遅い。
空港清掃員58歳、転生先の王宮でも床を磨いたら双子に懐かれ、国王に溺愛される
木風
恋愛
羽田空港で十五年、黙々と床を磨いてきた清掃員・田中幸子(58)は事故死し、没落寸前の子爵令嬢エルシアとして転生する。
婚約破棄の末に家を追われた彼女が選んだのは、王宮の清掃員――前世の技で空気まで変わるほど磨き上げていく仕事だった。
やがて母を亡くした双子王子王女に懐かれ、荒れた執務室の主である喪中の国王とも距離が縮まり……。
「泣くなら俺の胸で」――床も心も磨き直す、清掃令嬢の溺愛成り上がり。