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日本旅行編
可愛い習慣
「ユヅル、随分と部屋にこもっていたがそんなに楽しかったか?」
私の問いかけに焦った表情を見せながらも、おしゃべりをしていたと返してきた。
リオとソラにも同意を求め、嘘がつけない三人は必死に誤魔化してくる。
それがなんとも可愛くて自然と笑顔が溢れてしまう。
これ以上揶揄うのは良くないな。
この辺にしておこうかと思っていると、リオが少しモジモジしながら私とユウキに向かって声をかけてきた。
「あの……ご飯食べ終わったらまた弓弦くんと空良くんとここでおしゃべりしたいんですけど、エヴァンさんと悠木さん……許してもらえますか?」
リオのその言葉にすぐにソラとユヅルも言葉を重ねる。
「寛人さん、僕からもお願いします!」
「エヴァンさん、僕も二人と過ごしたい……いい?」
やっぱり今日中に終わらせたいと見える。
こんなにも可愛くおねだりされてはダメだなんて言えるはずないな。
私がユウキに視線を向けると、ユウキは小さく頷いた。
やはり同じ気持ちか。滅多にあることではないし、ここは好きにやらせてやるか。
「私たちも日本滞在中の予定をしっかりと話し合おうと思っていたからな。ただ、明日は朝から出かけることになっているから夜更かしはやめたほうがいいだろう。だから、そうだな……夜の11時までなら許可しよう。ミヅキ、ユウキ。いいか?」
その提案にミヅキもユウキも納得してくれた。おそらくあの調子なら11時には完成するだろう。
私たちが了承すると、ユヅルはリオとソラと手を取り合って喜んでいた。
すっかりご機嫌になった姫たちをリビングに連れていきながら、私はユヅルに、リオの部屋はそんなに楽しかったかと尋ねてみた。
「僕……お友だちの部屋に入るって初めてだったんです。だからなんだかすごく新鮮でした」
なるほど、そういうことだったか。
確かにフランスでもその経験はさせたことがなかったな。
だからこそ余計に楽しかったんだろう。
この日本で体験させてあげられて本当に良かった。
そう思っていると、後ろから
「今度は僕の家にも遊びに来てほしいなぁ」
とソラが声をかけてくれた。
その言葉にユヅルが条件反射のように行きたい! と告げると、ソラがユウキに自分の家に招待したいとねだる声が聞こえた。
もちろんユウキも私たちが行きたいといえば断らないだろう。
ソラが望んでいるなら余計に叶えてあげたいと思うだろう。
だが、日本滞在の時間は限りがある。
ソラの家に行くなら、ケイトやシューゴたちの家にもきて欲しいという話になりそうだし、しっかりと予定を立てないとどれも中途半端になってしまう。
それをどうやって伝えようかと思っていると、ユウキがソラに
「空良が理央くんの部屋でおしゃべりしている間に、しっかりと予定を立てておくさ。もし、今回無理でも次に遊びに来てもらった時でもいいんだからな」
と優しく言っていた。
ソラは次がある、その言葉に納得していたように見えた。
そうだ。私たちが日本に来るのは今回が最初で最後というわけではないのだ。
今回行けなくともまた次の機会がある。私たちはいつでも連絡の取り合える友人なのだから。
それがわかったからソラも納得してくれたのだろう。
ユヅルもソラの言葉に嬉しそうに笑っていた。
「さぁさぁ、座ってくれ。ロレーヌさんと弓弦くんはこっち。寛海たち家族はそこだ」
ダイニングルームに連れて行ってもらうとすぐにミヅキの父上が私たちの席を教えてくれた。
テーブルにはすでにたくさんの料理が並べられている。
昼に食べたおせち料理とローストビーフもあるが、それ以外にも料理が並べられている。
本当にミヅキの父上は料理が得意なようだ。
「さぁ、どうぞ」
渡されたご飯茶碗には具がたくさん入った色付きの米が盛られている。
これはなんというのだったか……。
考えていると、
「わぁ、炊き込みご飯だ!」
とユヅルの嬉しそうな声が聞こえた。
ああ、そうだ。炊き込みご飯だ。
フランスでもたまに食卓にご飯を出すように行っているが、炊き込みご飯は出してなかったな。
こんなにもユヅルが喜ぶのなら、時々出すように伝えておかねばな。これはジュールに報告だ。
その後運ばれてきたのは、モチが入っていないゾウニ。
これもゾウニと呼ぶのかはわからないが、昼見たものも同じようなものだからきっとそうなんだろう。
「やっぱり麗花の雑煮も食べて欲しくてね。うちは雑煮だけは麗花の味に決めてるんだよ。お義母さん譲りで最高に美味しいんだ」
「お昼に食べたお雑煮もすっごく美味しかったけど、ママのお雑煮もすっごく美味しいんだよ!」
そういえば、昼のゾウニの中にミヅキの母上が作ったものはなかったな。
ミヅキの父上とリオが絶賛するゾウニか。それは楽しみだ。
「ふぅー、美味しかった!」
食事を終えて、ユヅルが可愛いお腹を摩っていると、リオとソラも同じようにお腹を摩っているのが見える。
これはユヅルだけかと思っていたが、みんなするものなのか?
流石にミヅキたちはしないようだが、ユヅルもリオもソラも可愛いからいいか。
私の問いかけに焦った表情を見せながらも、おしゃべりをしていたと返してきた。
リオとソラにも同意を求め、嘘がつけない三人は必死に誤魔化してくる。
それがなんとも可愛くて自然と笑顔が溢れてしまう。
これ以上揶揄うのは良くないな。
この辺にしておこうかと思っていると、リオが少しモジモジしながら私とユウキに向かって声をかけてきた。
「あの……ご飯食べ終わったらまた弓弦くんと空良くんとここでおしゃべりしたいんですけど、エヴァンさんと悠木さん……許してもらえますか?」
リオのその言葉にすぐにソラとユヅルも言葉を重ねる。
「寛人さん、僕からもお願いします!」
「エヴァンさん、僕も二人と過ごしたい……いい?」
やっぱり今日中に終わらせたいと見える。
こんなにも可愛くおねだりされてはダメだなんて言えるはずないな。
私がユウキに視線を向けると、ユウキは小さく頷いた。
やはり同じ気持ちか。滅多にあることではないし、ここは好きにやらせてやるか。
「私たちも日本滞在中の予定をしっかりと話し合おうと思っていたからな。ただ、明日は朝から出かけることになっているから夜更かしはやめたほうがいいだろう。だから、そうだな……夜の11時までなら許可しよう。ミヅキ、ユウキ。いいか?」
その提案にミヅキもユウキも納得してくれた。おそらくあの調子なら11時には完成するだろう。
私たちが了承すると、ユヅルはリオとソラと手を取り合って喜んでいた。
すっかりご機嫌になった姫たちをリビングに連れていきながら、私はユヅルに、リオの部屋はそんなに楽しかったかと尋ねてみた。
「僕……お友だちの部屋に入るって初めてだったんです。だからなんだかすごく新鮮でした」
なるほど、そういうことだったか。
確かにフランスでもその経験はさせたことがなかったな。
だからこそ余計に楽しかったんだろう。
この日本で体験させてあげられて本当に良かった。
そう思っていると、後ろから
「今度は僕の家にも遊びに来てほしいなぁ」
とソラが声をかけてくれた。
その言葉にユヅルが条件反射のように行きたい! と告げると、ソラがユウキに自分の家に招待したいとねだる声が聞こえた。
もちろんユウキも私たちが行きたいといえば断らないだろう。
ソラが望んでいるなら余計に叶えてあげたいと思うだろう。
だが、日本滞在の時間は限りがある。
ソラの家に行くなら、ケイトやシューゴたちの家にもきて欲しいという話になりそうだし、しっかりと予定を立てないとどれも中途半端になってしまう。
それをどうやって伝えようかと思っていると、ユウキがソラに
「空良が理央くんの部屋でおしゃべりしている間に、しっかりと予定を立てておくさ。もし、今回無理でも次に遊びに来てもらった時でもいいんだからな」
と優しく言っていた。
ソラは次がある、その言葉に納得していたように見えた。
そうだ。私たちが日本に来るのは今回が最初で最後というわけではないのだ。
今回行けなくともまた次の機会がある。私たちはいつでも連絡の取り合える友人なのだから。
それがわかったからソラも納得してくれたのだろう。
ユヅルもソラの言葉に嬉しそうに笑っていた。
「さぁさぁ、座ってくれ。ロレーヌさんと弓弦くんはこっち。寛海たち家族はそこだ」
ダイニングルームに連れて行ってもらうとすぐにミヅキの父上が私たちの席を教えてくれた。
テーブルにはすでにたくさんの料理が並べられている。
昼に食べたおせち料理とローストビーフもあるが、それ以外にも料理が並べられている。
本当にミヅキの父上は料理が得意なようだ。
「さぁ、どうぞ」
渡されたご飯茶碗には具がたくさん入った色付きの米が盛られている。
これはなんというのだったか……。
考えていると、
「わぁ、炊き込みご飯だ!」
とユヅルの嬉しそうな声が聞こえた。
ああ、そうだ。炊き込みご飯だ。
フランスでもたまに食卓にご飯を出すように行っているが、炊き込みご飯は出してなかったな。
こんなにもユヅルが喜ぶのなら、時々出すように伝えておかねばな。これはジュールに報告だ。
その後運ばれてきたのは、モチが入っていないゾウニ。
これもゾウニと呼ぶのかはわからないが、昼見たものも同じようなものだからきっとそうなんだろう。
「やっぱり麗花の雑煮も食べて欲しくてね。うちは雑煮だけは麗花の味に決めてるんだよ。お義母さん譲りで最高に美味しいんだ」
「お昼に食べたお雑煮もすっごく美味しかったけど、ママのお雑煮もすっごく美味しいんだよ!」
そういえば、昼のゾウニの中にミヅキの母上が作ったものはなかったな。
ミヅキの父上とリオが絶賛するゾウニか。それは楽しみだ。
「ふぅー、美味しかった!」
食事を終えて、ユヅルが可愛いお腹を摩っていると、リオとソラも同じようにお腹を摩っているのが見える。
これはユヅルだけかと思っていたが、みんなするものなのか?
流石にミヅキたちはしないようだが、ユヅルもリオもソラも可愛いからいいか。
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