真っ白ウサギの公爵令息はイケメン狼王子の溺愛する許嫁です

波木真帆

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第二章

準備万端!!

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<sideフィデリオ(爺)>

ルーディーさまがアズールさまの入浴をお手伝いなさると決意された以上、私は徹底的に準備するしかなかった。

決して見えることのない目隠し、アズールさまの肌の感触を記憶させないための分厚い手袋、衣服を身に纏っているだけでは決して誤魔化せないルーディーさまのお大事な場所をアズールさまの目に触れさせることがないように抑えつける鋼鉄製の拘束具。
この拘束具は尻尾まですっぽりと覆うものだ。
表情よりも一番感情を露わにしてしまう尻尾が興奮して激しく動けば、あの好奇心旺盛なアズールさまのこと。
尻尾に触れてはいけないと常々ルーディーさまから注意されていたとしても思わず触れてしまうかもしれない。
運命の番である相手に尻尾を握られて我慢できる獣人などいるはずがない。
おそらく鋼鉄製の拘束具でさえも一瞬にして破壊してしまうほど理性を失ってしまうだろう。

そんな状態には絶対にさせるわけにはいかない。
それが世話役としての私の役目なのだから。

アズールさまを部屋にお一人で残すのは心配であったが、拘束具をお一人でつけることはできない。
ルーディーさまを脱衣所にお連れして、裸になっていただく。

「――っ、これは……っ」

私がルーディーさまのお世話をしていた時とは比べ物にならないほど成長なさった昂りに驚いてしまう。

「爺、その拘束具では少し小さいのではないか?」

「仕方ございません。今日は急なことでしたので、これ以上の大きなサイスがなかったのでございます。次回の場合に備えてすぐはルーディーさまの大きさに合わせてお作りいたしますので、今日はなんとかおおさめください」

「おさめろと言われてもな……くぅーっ! 苦しい! あまり抑えつけるな」

すでにこの時点で拘束具の中でいっぱいいっぱいになってしまっているが、それでもこれでやるしかない。

「とりあえずはこれで大丈夫なはずでございます。これ以上昂らせないようにお気をつけください」

「……善処する」

ルーディーさまのお返事に少し不安はあるが、ここはルーディーさまにお任せするしかない。
拘束具をつけているとわからないように上から服を着せ、目隠しをして、脱衣所にある椅子に座ってお待ちいただく。

「それではアズールさまをお連れしますので、絶対に目隠しはお取りにならないようにお願いします」

「ああ、わかっている」

一抹の不安はあったものの、私は脱衣所を出てアズールさまをお迎えに向かった。

「お待たせいたしました」

「あっ、ルーの準備できたの?」

「はい。もう目隠しもなさっておりますので、脱衣所に入られましたら、アズールさまご自身でお洋服をお脱ぎいただけますか?」

「うん。大丈夫。お母さまと入る時も服は自分で脱ぐんだよ」

「そうでございますか、それならようございました。さぁ、では脱衣所に参りましょう」

アズールさまの手を引きながら、私の脳裏をよぎるのは先ほど見たルーディーさまのお大事なところ。
こんな小さなお身体をもつアズールさまがあんなにも大きなものを受け入れることができるようになるのかと心配になってしまう。

今までのウサギ族のお方が身体の大きな狼獣人の王子と添い遂げられたとわかっているだけに、アズールさまもきっと大丈夫だと言い聞かせるが、それでもあの大きな昂りを見ると不安は隠せない。

アズールさまが成人なさるまでにあと8年。
その間にアズールさまが大きく成長なさることを祈るばかりだ。

<sideアズール>

初めてルーと一緒にお風呂に入れることになった。
一緒にお泊まりして一緒に寝られるだけで嬉しいと思っていたのに、お風呂まで一緒なんて今日はとっても幸せな日になりそう!

そう思っていたけれど、本当は僕とルーはまだ一緒にお風呂に入っちゃいけないんだって。
それが大事な決まり事なのだから守らないといけないよね。
目隠しと手袋をしてお洋服を着たままルーは僕がお風呂に入るのを手伝ってくれるだけだけど、それでもお風呂でおしゃべりだってできるもんね。

それだって一緒に入るのと同じだ。

今日はそれを楽しもう!!

僕は爺に連れられてウキウキしながら、お風呂場に入った。
扉を開けて中に入ると、もうすでにルーが目隠しをして椅子に座っていた。

「それではお洋服をお脱ぎになったら、ルーディーさまにお声かけください」

「わかったぁ、ありがとう。爺」

パタンと扉が閉まるのを待って、僕は洋服を脱ぎ始めた。

「ルー、もうすぐ脱ぎ終わるよ。今から下着を脱ぐからね。あっ!」

「どうしたんだ?! 大丈夫か?」

「うん、大丈夫。尻尾の穴に尻尾が引っかかってちょっと痛かっただけ」

「怪我はしていないか?」

「大丈夫だよ。ルー、アズール。裸んぼうになったよ」

「ぐぅーっ! そうか。じゃあ、アズール。私の手を握ってくれ」

「はーい」

ルーが伸ばした手をぎゅっと握ると、

「くっ」

少し苦しげな声をあげて立ち上がった。

「痛かった?」

「いや、大丈夫だ。気にしないでいい。じゃあ行こうか」

そういうと、目隠しをしているはずなのに、ルーは僕の手を引いてスタスタとお風呂場の中を歩いて行く。

「ルー、お目目見えてるの?」

「いや、目隠しをしているから見えてはいないよ」

「じゃあなんでそんなに歩けるの?」

「気配を感じられるんだよ。だから、転んだりしないから心配しないでいいよ」

「へぇー、すごいなあ」

「さぁ、髪から洗おう」

椅子に座ると、ルーがシャンプーを手に取って手のひらで泡立ててから髪の毛を洗い始めた。
本当に目隠ししているなんて信じられないな。

「耳に当たらないようにするからな。アズールも動かないように」

「わかったぁー」

そう返事はしたけれど、ルーが髪を洗ってくれるのがとっても気持ちが良くてつい頭を動かしてしまった。

「ひゃぁんっ!」

ルーの泡泡の手が僕の耳に触れた瞬間、身体中を何かが駆け抜けていったような刺激があった。

「あ、アズール、大丈夫か?」

「うん、身体がビリビリってして、ちょっと驚いただけ」

「ビリビリって……そうか」

「何かあるの?」

「いや、アズールは気にしないでいい。私が気をつけるよ」

そういうとルーはさらに優しく髪を洗ってくれた。

「さぁ、綺麗に洗えたよ」

ああ、もう終わっちゃった……残念だな。
そう思えるくらい、ルーに髪を洗ってもらうのは楽しかった。


  *   *   *

いつも読んでいただきありがとうございます。
近況ボードでもお知らせしていますが、夏季休暇のため明日から21日朝更新分までお休みさせていただきます。
こちらのお話は22日から連載を再開する予定ですのでどうぞご了承くださいませ。
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