180 / 296
第三章
二人の部屋で
しおりを挟む
<sideルーディー>
もうそろそろ一時間が経とうとしている。
これなら迎えに行ってもいいだろう。
ああ、早くアズールに会いたい。
「クレイ、マクシミリアン、愛しい夫を迎えに行くとしよう。それでは父上」
もっとアズールたちと喋りたかったと言い出しそうな父上をその場に残し、クレイとマクシミリアンと共にアズールたちのいる部屋に向かった。
「どんな話をしていたのか、ドキドキしますね」
「ふふっ。ティオはきっとアズールから質問攻めにあったことだろう。だが、それも家族と認めている証拠だ。ティオがアズールに質問されるままに話していたとしても許してやれ」
「はい。それは承知しております」
まぁ、クレイとしては複雑だろう。
あれだけ可愛がっていたアズールに自分の閨事情が筒抜けになっているのかもしれないのだからな。
部屋の扉を叩くとすぐに扉が開いた。
なぜか爺の腕の中にアズールがすっぽりとおさまったまま出迎えられ、つい威嚇を放ってしまうが
「ルーっ!!」
私の姿を見て、嬉しそうに飛び込んでくる可愛らしいアズールの姿に威嚇は一瞬にして霧散した。
「お兄さまとマックスも一緒だ! お迎えに来たの?」
「ああ、そうだ。そろそろ時間だと思ってな。それにしてもアズール、なぜ爺に抱きかかえられていたのだ?」
可愛いアズールと爺に何かがあるとは全く思ってはいない。
しかもクレイもヴェルナーも一緒の空間にいるのだから心配も何もしていないが、なぜ抱きかかえられていたのか、その理由を知りたいと思うのは伴侶として当然のことだろう。
「あのね、爺に聞きたいことがあって腕の中にぴょんしたの」
「アズールが爺に聞きたいこと? それはなんだ?」
「あの、ルーディーさまっ! それは――」
爺に尋ねた瞬間、ヴェルナーが慌てて止めようとしたのを遮るようにアズールが満面の笑みを向けながら、口を開いた。
「爺はおっきぃのを口に咥えられるより、中をゴリゴリ擦りながら蜜を吐き出す方が好きなのかなって聞きたかったの」
「ぶほっ!!」
「げほっ!!」
「ぐほっ!!」
突然のアズールの明け透けな言葉に私も、そしてクレイとマクシミリアンも驚きのあまり吹き出してしまった。
「? ルー? どうしたの? 大丈夫?」
ああーっと頭を押さえるヴェルナーと顔を赤くしているティオ、そして居た堪れない表情の爺が見えるが、私の腕の中にいるアズールには私たちがなぜこうなっているのかわからないようだ。
口よりも中が良いかなんて、まさか爺にそんなことを聞くとはな……。
世界広しといえどもアズールだけだろう。
実の孫であるマクシミリアンも聞かないだろうし、いや、聞きたくもないか。
「い、いや。なんでもない。その答えは後でゆっくり聞くとしよう。クレイとティオはそろそろ公爵家に帰らなければいけないそうだ」
「ああ、そうなんだ」
私のいうことを全く疑うこともない。
本当にアズールは素直だから助かるな。
「ヴェルナー、もう今日の護衛はいいぞ。マクシミリアンも来ているから一緒に帰るといい」
「はい。ありがとうございます。それでは失礼いたします」
バタバタとみんな急いで部屋から出て行って、さっきまで大所帯だった部屋はあっという間にアズールと二人だけの空間に戻った。
「それでどうだった? 有意義に過ごせたか?」
「うん。楽しかった。ティオがお兄さまの相手だなんて本当に嬉しい」
「ふふっ。そうか。それで、アズールはどうしてあの質問を爺にしたんだ?」
とりあえず話を聞いてどうしてその流れになったのか把握しておかねばな。
「あのね、アズールとティオがおっきぃのを口に咥えたって話になったの。そうしたら、ヴェルはそんなことしたことないっていうから、もしかしたら口に咥えたりするのは相手が狼さんだけで、熊さんはしないのが普通なのかなって気になっちゃったの。だから爺に……」
「なるほど。そういうことか。それで爺はなんと言ってくれた?」
「うーんと、結局は人によるけど、爺はどっちも好きって言ってた」
「そ、そうか……」
あまり率先して知りたくはない情報だったが、まぁいい。
「ヴェルナーのことは何か言っていたか?」
「ヴェルが年上だし、上官だから咥えさせることに抵抗があるんじゃないかって言っていたよ」
「なるほど、さすが爺だな。孫のことがよくわかっている」
「そうなの?」
「ああ。だがこれから変わるかもしれないぞ」
そういうと、アズールは
「また話を聞くのが楽しみだね」
と笑っていた。
さて、次に話を聞いたらどんな話が聞けるのだろうな。
もうそろそろ一時間が経とうとしている。
これなら迎えに行ってもいいだろう。
ああ、早くアズールに会いたい。
「クレイ、マクシミリアン、愛しい夫を迎えに行くとしよう。それでは父上」
もっとアズールたちと喋りたかったと言い出しそうな父上をその場に残し、クレイとマクシミリアンと共にアズールたちのいる部屋に向かった。
「どんな話をしていたのか、ドキドキしますね」
「ふふっ。ティオはきっとアズールから質問攻めにあったことだろう。だが、それも家族と認めている証拠だ。ティオがアズールに質問されるままに話していたとしても許してやれ」
「はい。それは承知しております」
まぁ、クレイとしては複雑だろう。
あれだけ可愛がっていたアズールに自分の閨事情が筒抜けになっているのかもしれないのだからな。
部屋の扉を叩くとすぐに扉が開いた。
なぜか爺の腕の中にアズールがすっぽりとおさまったまま出迎えられ、つい威嚇を放ってしまうが
「ルーっ!!」
私の姿を見て、嬉しそうに飛び込んでくる可愛らしいアズールの姿に威嚇は一瞬にして霧散した。
「お兄さまとマックスも一緒だ! お迎えに来たの?」
「ああ、そうだ。そろそろ時間だと思ってな。それにしてもアズール、なぜ爺に抱きかかえられていたのだ?」
可愛いアズールと爺に何かがあるとは全く思ってはいない。
しかもクレイもヴェルナーも一緒の空間にいるのだから心配も何もしていないが、なぜ抱きかかえられていたのか、その理由を知りたいと思うのは伴侶として当然のことだろう。
「あのね、爺に聞きたいことがあって腕の中にぴょんしたの」
「アズールが爺に聞きたいこと? それはなんだ?」
「あの、ルーディーさまっ! それは――」
爺に尋ねた瞬間、ヴェルナーが慌てて止めようとしたのを遮るようにアズールが満面の笑みを向けながら、口を開いた。
「爺はおっきぃのを口に咥えられるより、中をゴリゴリ擦りながら蜜を吐き出す方が好きなのかなって聞きたかったの」
「ぶほっ!!」
「げほっ!!」
「ぐほっ!!」
突然のアズールの明け透けな言葉に私も、そしてクレイとマクシミリアンも驚きのあまり吹き出してしまった。
「? ルー? どうしたの? 大丈夫?」
ああーっと頭を押さえるヴェルナーと顔を赤くしているティオ、そして居た堪れない表情の爺が見えるが、私の腕の中にいるアズールには私たちがなぜこうなっているのかわからないようだ。
口よりも中が良いかなんて、まさか爺にそんなことを聞くとはな……。
世界広しといえどもアズールだけだろう。
実の孫であるマクシミリアンも聞かないだろうし、いや、聞きたくもないか。
「い、いや。なんでもない。その答えは後でゆっくり聞くとしよう。クレイとティオはそろそろ公爵家に帰らなければいけないそうだ」
「ああ、そうなんだ」
私のいうことを全く疑うこともない。
本当にアズールは素直だから助かるな。
「ヴェルナー、もう今日の護衛はいいぞ。マクシミリアンも来ているから一緒に帰るといい」
「はい。ありがとうございます。それでは失礼いたします」
バタバタとみんな急いで部屋から出て行って、さっきまで大所帯だった部屋はあっという間にアズールと二人だけの空間に戻った。
「それでどうだった? 有意義に過ごせたか?」
「うん。楽しかった。ティオがお兄さまの相手だなんて本当に嬉しい」
「ふふっ。そうか。それで、アズールはどうしてあの質問を爺にしたんだ?」
とりあえず話を聞いてどうしてその流れになったのか把握しておかねばな。
「あのね、アズールとティオがおっきぃのを口に咥えたって話になったの。そうしたら、ヴェルはそんなことしたことないっていうから、もしかしたら口に咥えたりするのは相手が狼さんだけで、熊さんはしないのが普通なのかなって気になっちゃったの。だから爺に……」
「なるほど。そういうことか。それで爺はなんと言ってくれた?」
「うーんと、結局は人によるけど、爺はどっちも好きって言ってた」
「そ、そうか……」
あまり率先して知りたくはない情報だったが、まぁいい。
「ヴェルナーのことは何か言っていたか?」
「ヴェルが年上だし、上官だから咥えさせることに抵抗があるんじゃないかって言っていたよ」
「なるほど、さすが爺だな。孫のことがよくわかっている」
「そうなの?」
「ああ。だがこれから変わるかもしれないぞ」
そういうと、アズールは
「また話を聞くのが楽しみだね」
と笑っていた。
さて、次に話を聞いたらどんな話が聞けるのだろうな。
284
あなたにおすすめの小説
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
最終17位でした!応援ありがとうございます!
あらすじ
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
美人なのに醜いと虐げられる転生公爵令息は、婚約破棄と家を捨てて成り上がることを画策しています。
竜鳴躍
BL
ミスティ=エルフィードには前世の記憶がある。
男しかいないこの世界、横暴な王子の婚約者であることには絶望しかない。
家族も屑ばかりで、母親(男)は美しく生まれた息子に嫉妬して、徹底的にその美を隠し、『醜い』子として育てられた。
前世の記憶があるから、本当は自分が誰よりも美しいことは分かっている。
前世の記憶チートで優秀なことも。
だけど、こんな家も婚約者も捨てたいから、僕は知られないように自分を磨く。
愚かで醜い子として婚約破棄されたいから。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
婚約破棄で追放された悪役令息の俺、実はオメガだと隠していたら辺境で出会った無骨な傭兵が隣国の皇太子で運命の番でした
水凪しおん
BL
「今この時をもって、貴様との婚約を破棄する!」
公爵令息レオンは、王子アルベルトとその寵愛する聖女リリアによって、身に覚えのない罪で断罪され、全てを奪われた。
婚約、地位、家族からの愛――そして、痩せ衰えた最果ての辺境地へと追放される。
しかし、それは新たな人生の始まりだった。
前世の知識というチート能力を秘めたレオンは、絶望の地を希望の楽園へと変えていく。
そんな彼の前に現れたのは、ミステリアスな傭兵カイ。
共に困難を乗り越えるうち、二人の間には強い絆が芽生え始める。
だがレオンには、誰にも言えない秘密があった。
彼は、この世界で蔑まれる存在――「オメガ」なのだ。
一方、レオンを追放した王国は、彼の不在によって崩壊の一途を辿っていた。
これは、どん底から這い上がる悪役令息が、運命の番と出会い、真実の愛と幸福を手に入れるまでの物語。
痛快な逆転劇と、とろけるほど甘い溺愛が織りなす、異世界やり直しロマンス!
僕の、しあわせ辺境暮らし
* ゆるゆ
BL
雪のなか3歳の僕を、ひろってくれたのは、やさしい16歳の男の子でした。
ふたりの、しあわせな辺境暮らし、はじまります!
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる