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好奇心に勝てない!
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「ほら、平松くん。行こう」
「は、はい」
自分のデスクに座ってからもなんとなく気になっていると、
「平松くん? どうかした?」
と声をかけられる。
「あ、いえ。さっき八尋さんと何を話してたんですか?」
「ふふっ。気になる?」
「えっ、いや。別にそんなこともないんですけど……」
「大丈夫、何にもないから。ねっ。それより藤乃くんが来たら、僕の家で食事会しない?」
「えっ、藤乃くんと、名嘉村さんのお家で食事会ですか?」
突然の提案に驚きしかないけれど、名嘉村さんは笑顔のまま話を続ける。
「うん。今回10日間くらい西表に滞在するらしいから、一日くらい時間空けてもらえるかなって」
それは楽しそうだけど、そもそも藤乃くんとそんなふうに過ごせる仲になれるかどうかが疑問なんだけど……。
「でも、俺……藤乃くんと仲良くなれるかどうか……」
「大丈夫だよ。もし、最初で緊張しちゃっても一緒にご飯とか食べたら話せるようになるよ。ほら、泡盛もあるし」
お酒好きで人当たりのいい名嘉村さんはそうかもしれないけど……俺はそこまでできるかわからない。
「計画だけ立てておくのもいいじゃない。急に決まったらバタバタしちゃうし。それに……平松くんも気にならない?」
「えっ? 何がですか?」
「だから、藤乃くんが社長とどんなお付き合いしてるのかなって……」
「――っ、それはっ……めちゃくちゃ気になる、かも……」
「ふふっ。だよねー! 僕もそう思う!! だから、藤乃くんと食事会していろいろ聞いちゃおうよ!」
再会した時の感じでまだどうなるかはわからないけれど、結局俺は好奇心に負けて頷いてしまっていた。
「じゃあ、今日の昼食の時でも砂川さんも一緒に食事会の計画立てよう」
「わかりました」
藤乃くんが俺と仲良くするのは無理だと思っても、名嘉村さんと砂川さんがいるなら食事会には参加してくれるかもしれないとちょっと期待してしまう。
そして、あっという間に昼食の時間。
いつものように砂川さんの部屋にお邪魔して、お弁当を広げると
「今日のお弁当もすごく手が込んでいて美味しそうですね」
と砂川さんに褒められた。
俺は一ミリも作っていないけど、八尋さんが俺のために作ってくれたのを褒められるがとっても嬉しい。
「どうぞ」
「えっ、いいんですか?」
「はい。八尋さん、いつもたくさん作ってくれるので、ぜひ食べてください」
「ふふっ。じゃあ、いただきます」
そういうと、砂川さんは甘辛だれの肉巻きをひとつとってくれた。
ああ、これすっごく美味しいからきっと気にいるはず!
「平松くんもどうぞ」
「あ、いただきます」
同じように肉系がいいかなと思って、肉団子を一個もらうと、
「これ、蓮根入りで弟が好きなんですよ」
と笑顔を見せてくれた。
「僕もいい?」
「はい。どうぞ」
名嘉村さんともおかず交換をして、お弁当タイムが始まる。
おにぎりを口にしてから、砂川さんからもらったおかずを口にすると、
「んっ! すっごく美味しいです!!」
あまりの美味しさに大きな声が出てしまった。
砂川さんの弟さん……なんだか好みが似てるかもな。
「ふふっ。実はこれも八尋さんから教えていただいたレシピなんですよ」
「えっ、そうなんですか?」
「ええ、弟に作ってあげる料理を探していたら、八尋さんが教えてくださったんです。平松くん、もうすっかり八尋さんの料理の口になってますね」
「――っ!!」
改めてそう言われると驚くけれど、考えてみればここに来てほぼ毎食八尋さんにご飯を食べさせてもらってるんだから、八尋さんの料理の口になってもおかしくないか。
八尋さんが西表にいない時でさえ、八尋さんの料理食べてたもんなぁ。
料理はもちろん。寝る時も八尋さんがいないと熟睡できなくなっているから八尋さんの家に入り浸ってるし、服を選ぶのさえ、八尋さんにしてもらってるし……もう衣食住の生活の全てを八尋さんに任せてしまっている気がする。
今更だけど、これ……やばくない?
こんなに八尋さんに依存して、そばにいられなくなったらどうしよう……。
少しずつ離れられるようにしといたほうがいいのかな……。
それがいいんだろうけど、それもちょっと辛い気がする。
「ねぇ、平松くんはどうする?」
「えっ? どうする、ってなんですか?」
「ふふっ。聞いてなかったでしょう?」
「あっ、すみません」
「いいよ。あのね、藤乃くんと食事会をするときに料理を持ち寄りにしようと思うんだけど、平松くんは何なら持って来れそうかなって話してたんだ」
「えっ、持ち寄り……」
「そう。みんなで料理を一品とか二品とか持ってきて、シェアして食べたらいいかなって」
「それはすっごく楽しそうですね。でも俺……」
料理なんて作れそうにない……そう言いかけてこの前八尋さんに教えてもらった料理を思い出した。
「あっ!! 俺、ポトフなら作れそうです!!」
「ああ、いいね! じゃあ、平松くんはポトフね。じゃあ、僕は……」
名嘉村さんと砂川さんが話をしているのを見ながらも、俺はポトフのことで頭がいっぱいになっていた。
「は、はい」
自分のデスクに座ってからもなんとなく気になっていると、
「平松くん? どうかした?」
と声をかけられる。
「あ、いえ。さっき八尋さんと何を話してたんですか?」
「ふふっ。気になる?」
「えっ、いや。別にそんなこともないんですけど……」
「大丈夫、何にもないから。ねっ。それより藤乃くんが来たら、僕の家で食事会しない?」
「えっ、藤乃くんと、名嘉村さんのお家で食事会ですか?」
突然の提案に驚きしかないけれど、名嘉村さんは笑顔のまま話を続ける。
「うん。今回10日間くらい西表に滞在するらしいから、一日くらい時間空けてもらえるかなって」
それは楽しそうだけど、そもそも藤乃くんとそんなふうに過ごせる仲になれるかどうかが疑問なんだけど……。
「でも、俺……藤乃くんと仲良くなれるかどうか……」
「大丈夫だよ。もし、最初で緊張しちゃっても一緒にご飯とか食べたら話せるようになるよ。ほら、泡盛もあるし」
お酒好きで人当たりのいい名嘉村さんはそうかもしれないけど……俺はそこまでできるかわからない。
「計画だけ立てておくのもいいじゃない。急に決まったらバタバタしちゃうし。それに……平松くんも気にならない?」
「えっ? 何がですか?」
「だから、藤乃くんが社長とどんなお付き合いしてるのかなって……」
「――っ、それはっ……めちゃくちゃ気になる、かも……」
「ふふっ。だよねー! 僕もそう思う!! だから、藤乃くんと食事会していろいろ聞いちゃおうよ!」
再会した時の感じでまだどうなるかはわからないけれど、結局俺は好奇心に負けて頷いてしまっていた。
「じゃあ、今日の昼食の時でも砂川さんも一緒に食事会の計画立てよう」
「わかりました」
藤乃くんが俺と仲良くするのは無理だと思っても、名嘉村さんと砂川さんがいるなら食事会には参加してくれるかもしれないとちょっと期待してしまう。
そして、あっという間に昼食の時間。
いつものように砂川さんの部屋にお邪魔して、お弁当を広げると
「今日のお弁当もすごく手が込んでいて美味しそうですね」
と砂川さんに褒められた。
俺は一ミリも作っていないけど、八尋さんが俺のために作ってくれたのを褒められるがとっても嬉しい。
「どうぞ」
「えっ、いいんですか?」
「はい。八尋さん、いつもたくさん作ってくれるので、ぜひ食べてください」
「ふふっ。じゃあ、いただきます」
そういうと、砂川さんは甘辛だれの肉巻きをひとつとってくれた。
ああ、これすっごく美味しいからきっと気にいるはず!
「平松くんもどうぞ」
「あ、いただきます」
同じように肉系がいいかなと思って、肉団子を一個もらうと、
「これ、蓮根入りで弟が好きなんですよ」
と笑顔を見せてくれた。
「僕もいい?」
「はい。どうぞ」
名嘉村さんともおかず交換をして、お弁当タイムが始まる。
おにぎりを口にしてから、砂川さんからもらったおかずを口にすると、
「んっ! すっごく美味しいです!!」
あまりの美味しさに大きな声が出てしまった。
砂川さんの弟さん……なんだか好みが似てるかもな。
「ふふっ。実はこれも八尋さんから教えていただいたレシピなんですよ」
「えっ、そうなんですか?」
「ええ、弟に作ってあげる料理を探していたら、八尋さんが教えてくださったんです。平松くん、もうすっかり八尋さんの料理の口になってますね」
「――っ!!」
改めてそう言われると驚くけれど、考えてみればここに来てほぼ毎食八尋さんにご飯を食べさせてもらってるんだから、八尋さんの料理の口になってもおかしくないか。
八尋さんが西表にいない時でさえ、八尋さんの料理食べてたもんなぁ。
料理はもちろん。寝る時も八尋さんがいないと熟睡できなくなっているから八尋さんの家に入り浸ってるし、服を選ぶのさえ、八尋さんにしてもらってるし……もう衣食住の生活の全てを八尋さんに任せてしまっている気がする。
今更だけど、これ……やばくない?
こんなに八尋さんに依存して、そばにいられなくなったらどうしよう……。
少しずつ離れられるようにしといたほうがいいのかな……。
それがいいんだろうけど、それもちょっと辛い気がする。
「ねぇ、平松くんはどうする?」
「えっ? どうする、ってなんですか?」
「ふふっ。聞いてなかったでしょう?」
「あっ、すみません」
「いいよ。あのね、藤乃くんと食事会をするときに料理を持ち寄りにしようと思うんだけど、平松くんは何なら持って来れそうかなって話してたんだ」
「えっ、持ち寄り……」
「そう。みんなで料理を一品とか二品とか持ってきて、シェアして食べたらいいかなって」
「それはすっごく楽しそうですね。でも俺……」
料理なんて作れそうにない……そう言いかけてこの前八尋さんに教えてもらった料理を思い出した。
「あっ!! 俺、ポトフなら作れそうです!!」
「ああ、いいね! じゃあ、平松くんはポトフね。じゃあ、僕は……」
名嘉村さんと砂川さんが話をしているのを見ながらも、俺はポトフのことで頭がいっぱいになっていた。
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