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浬さんしか見えない※微
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「尊の存在が私の邪魔になることなんて何もないよ。だから何も気にせず、私を受け入れてくれないか?」
「本当に、気にしないでいいんですか?」
「ああ。むしろ尊がいてくれないと一ノ宮グループが潰れてしまうよ」
「えっ! 潰れる? どうして?」
「私が生きていけないからだよ。尊なしで過ごすなんて無理だ」
「――っ!!」
俺がいないと生きていけないだなんて……。
ここまで言われてもう拒むなんてできないじゃないか。
「だから、頼む。私を受け入れてくれ。決して不自由はさせない。一生大切にするから」
「浬さん……俺……」
やっぱり俺……浬さんが好きみたいだ。
でも好きだとか愛してるとか気持ちを伝えようと思っても上手く言える気がしない。
どうやったら俺の気持ちを伝えられるだろう……。
悩んでいる間にも浬さんの表情に不安の色が見える。
ここまで言ってくれているのに、反応なしじゃ流石に不安にもなるよな。
俺だって、ここまで気持ちを伝えて相手から何の反応もなしじゃ不安でたまらないだろう。
でも今まで告白されたことはあってもしたことは一度もない。
そんな俺が気持ちを伝えるにはもうこれしかない。
俺は意を決して、何も言わずに浬さんに顔を近づけそのまま唇を重ねた。
「――っ!!」
突然の俺からのキスに浬さんが驚いているのがわかる。
でもそれ以上に、触れ合った唇の感触がなんとも言えないほど嬉しい。
俺の気持ちが届けばいい。
ただ重ねるだけの子どものようなキスだけど好きだという気持ちを込めて、そしてゆっくりと離した。
「浬さんが、好きです……」
ようやく口にできた言葉は中学生の告白のようなシンプルなものだったけれど、目を丸くしていた浬さんの顔が一気に赤くなり強く抱きしめられた。
「ああ、もう!! なんでこんなに可愛いんだ!!」
「えっ、あの……」
「尊……私も好きだよ。愛してる……このまま、君が欲しい……」
「浬さん……」
「いい?」
ギラギラと欲情を孕んだ目で見つめられて、身体の奥がずくんと疼くのがわかった。
きっと俺はそっちだ。どう考えたって、浬さんを抱くなんてできない。
でもさっき温泉でチラリと見えたあの大きなモノが俺の中に入るのは正直言って、怖くないと言えば嘘になる。
でも……今は怖さより身体の奥のこの疼きをなんとかしてほしくてたまらなかった。
それでも言葉にするのはちょっと恥ずかしくて、俺は小さく頷いた。
「尊……」
「んっ……」
俺の顔を覗き込むように浬さんの顔が近づいてきて、そのまま唇が重なった。
けれどさっき俺がしたような重ねるだけのものでは終わらない。
下唇を何度も喰まれたかと思ったら、舌で唇をノックされる。
その刺激に誘われるように唇を開くとすぐに肉厚な舌が滑り込んできた。
俺とは違って流石に慣れている様子に少しショックを受けながらも、浬さんの上手なキスにただただ翻弄されるばかり。
舌を絡めあってどちらのものともわからない唾液が交わり、それを当然のように飲み干して、それが幸せだと思う日が来るなんて思ってもなかった。
何度も絡めあい、吸い付いてゆっくりと唇が離れていく。
その激しいキスに俺は力が抜けてしまい、浬さんに身を委ねた。
「可愛い……尊の全身に、キスしたい……」
「いいよ……好きに、して……いっぱい、気持ちよくして……」
もう相手が社長とも考えていない。
ただ快楽に身を委ねているだけ。
「尊……」
嬉しそうな声で名前を呼ばれてもう一度唇が重なったと思ったら、そのまま首筋に顔を埋められる。
チュッと音が聞こえたと同時にチクっと小さな痛みを感じた。
「あ、それ……」
「勝手につけてごめん。でもどうしても尊が私のものだという証をつけたかったんだ」
「いいよ。いっぱいつけて……」
「――っ!!」
俺の言葉に子どものような満面の笑みをみせて、嬉しそうに俺の身体に花びらを落としていく。
モテまくっていたであろう一ノ宮グループの新社長が、男の俺の身体の虜になっている。
でもまだ足りない。
今までの恋人を全て忘れ去るくらいに、俺の身体に嵌まってくれたらいい。
俺はもう、浬さんしか見えないんだから……。
「本当に、気にしないでいいんですか?」
「ああ。むしろ尊がいてくれないと一ノ宮グループが潰れてしまうよ」
「えっ! 潰れる? どうして?」
「私が生きていけないからだよ。尊なしで過ごすなんて無理だ」
「――っ!!」
俺がいないと生きていけないだなんて……。
ここまで言われてもう拒むなんてできないじゃないか。
「だから、頼む。私を受け入れてくれ。決して不自由はさせない。一生大切にするから」
「浬さん……俺……」
やっぱり俺……浬さんが好きみたいだ。
でも好きだとか愛してるとか気持ちを伝えようと思っても上手く言える気がしない。
どうやったら俺の気持ちを伝えられるだろう……。
悩んでいる間にも浬さんの表情に不安の色が見える。
ここまで言ってくれているのに、反応なしじゃ流石に不安にもなるよな。
俺だって、ここまで気持ちを伝えて相手から何の反応もなしじゃ不安でたまらないだろう。
でも今まで告白されたことはあってもしたことは一度もない。
そんな俺が気持ちを伝えるにはもうこれしかない。
俺は意を決して、何も言わずに浬さんに顔を近づけそのまま唇を重ねた。
「――っ!!」
突然の俺からのキスに浬さんが驚いているのがわかる。
でもそれ以上に、触れ合った唇の感触がなんとも言えないほど嬉しい。
俺の気持ちが届けばいい。
ただ重ねるだけの子どものようなキスだけど好きだという気持ちを込めて、そしてゆっくりと離した。
「浬さんが、好きです……」
ようやく口にできた言葉は中学生の告白のようなシンプルなものだったけれど、目を丸くしていた浬さんの顔が一気に赤くなり強く抱きしめられた。
「ああ、もう!! なんでこんなに可愛いんだ!!」
「えっ、あの……」
「尊……私も好きだよ。愛してる……このまま、君が欲しい……」
「浬さん……」
「いい?」
ギラギラと欲情を孕んだ目で見つめられて、身体の奥がずくんと疼くのがわかった。
きっと俺はそっちだ。どう考えたって、浬さんを抱くなんてできない。
でもさっき温泉でチラリと見えたあの大きなモノが俺の中に入るのは正直言って、怖くないと言えば嘘になる。
でも……今は怖さより身体の奥のこの疼きをなんとかしてほしくてたまらなかった。
それでも言葉にするのはちょっと恥ずかしくて、俺は小さく頷いた。
「尊……」
「んっ……」
俺の顔を覗き込むように浬さんの顔が近づいてきて、そのまま唇が重なった。
けれどさっき俺がしたような重ねるだけのものでは終わらない。
下唇を何度も喰まれたかと思ったら、舌で唇をノックされる。
その刺激に誘われるように唇を開くとすぐに肉厚な舌が滑り込んできた。
俺とは違って流石に慣れている様子に少しショックを受けながらも、浬さんの上手なキスにただただ翻弄されるばかり。
舌を絡めあってどちらのものともわからない唾液が交わり、それを当然のように飲み干して、それが幸せだと思う日が来るなんて思ってもなかった。
何度も絡めあい、吸い付いてゆっくりと唇が離れていく。
その激しいキスに俺は力が抜けてしまい、浬さんに身を委ねた。
「可愛い……尊の全身に、キスしたい……」
「いいよ……好きに、して……いっぱい、気持ちよくして……」
もう相手が社長とも考えていない。
ただ快楽に身を委ねているだけ。
「尊……」
嬉しそうな声で名前を呼ばれてもう一度唇が重なったと思ったら、そのまま首筋に顔を埋められる。
チュッと音が聞こえたと同時にチクっと小さな痛みを感じた。
「あ、それ……」
「勝手につけてごめん。でもどうしても尊が私のものだという証をつけたかったんだ」
「いいよ。いっぱいつけて……」
「――っ!!」
俺の言葉に子どものような満面の笑みをみせて、嬉しそうに俺の身体に花びらを落としていく。
モテまくっていたであろう一ノ宮グループの新社長が、男の俺の身体の虜になっている。
でもまだ足りない。
今までの恋人を全て忘れ去るくらいに、俺の身体に嵌まってくれたらいい。
俺はもう、浬さんしか見えないんだから……。
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