年下イケメンに甘やかされすぎて困ってます

波木真帆

文字の大きさ
22 / 133

熱くて硬い

しおりを挟む
複雑な気持ちでお風呂を出ると、明らかに新品の下着と、綺麗に洗濯されたTシャツと短パンが置かれていた。

Tシャツと短パンは透也くんのだろうけど、下着をわざわざ買ってきてくれたんだろうか?
それともこれも透也くんの?

いや、でもサイズは俺のサイズだからやっぱり買ってきてくれたんだろう。
お礼言ってお金渡さないとな。

さっと下着を穿くといつもより肌触りがいいことに気づく。
もしかしてこれ、ものすごく良いやつなんじゃない?

うわー、こんな下着初めてだ。
これ、大切にしないとな。

そして、ドキドキしながらTシャツを手に取った。
ああ、これ……透也くんっぽいな。

そう思ってしまうほど、彼が着ているカッコいい姿が容易に想像できた。

思わず、そのTシャツの匂いを嗅いでしまう。
綺麗に洗濯されているから、洗剤だか柔軟剤だかの香りがするけれど、それに混ざって透也くんの匂いが仄かに漂ってきて、鼻腔をくすぐる。

ああ、やっぱりこの匂い安心するな。

――っ!!

Tシャツを嬉しそうに嗅いでいる姿が鏡越しに目に入って、なんだか変態チックに見える。
不審者丸出しの姿に慌ててTシャツを着ると、

「うわぁ、大きいだろうなとは思ってたけど、こんなに違うんだな」

半袖Tシャツの身幅も丈も袖も全てが大きい。
そりゃあ大学生に間違われるわけだよ……。

初対面の時を思い出しながら、笑ってしまう。

まさか自分よりも5つも年上だとは思わなかったんだろうな。
あの時の驚いた透也くん、可愛かったな。

って、なんだ……。

俺、あの時からもう透也くんのことが気になってたんじゃないか。

今頃そんなことを思い出す。

そうか……俺は最初から、透也くんに惹かれていたんだな。

自分の気持ちに気づいて、ようやく今までのこともわかるなんて俺は鈍感だ。

これからはもっと、自分の気持ちを素直に出して言ったほうがいいのかもしれないな。


そう思いながら、バスルームを出て透也くんのいるリビングに向かう。
その途中で、

「あっ、いい匂い」

キッチンから途轍もなく美味しそうな匂いが漂ってきて、吸い寄せられてしまう。

「あっ、ちょうどよかった。そろそろ呼びに――っ!!!」

魚焼きグリルから魚を取り出した透也くんが、俺の声に気づいてこっちを向いた瞬間、びっくりした表情で固まってしまった。

「えっ? 何? どうした?」

何かあったのかと慌てて駆け寄ると、

「あ、あの……だ、大智さん……っ、なんで、短パン……」

と声を震わせながら聞いてくる。

短パン? って、ああ。そっか。

「ちょっと暑かったし、Tシャツの裾が長いから穿かなくてもいいかなと思ったんだけど、ダメだったか?」

「い、いえ。だめっていうか……」

「んっ?」

透也くんが何を焦っているのかも分からず、首を傾げながら尋ねると、

「くっ――!! ああっ、もうっ!! 大智さん、をどうしたいんですか?」

と苦しげな表情を浮かべながら近づいてきた。

透也くんから、初めて『俺』という言葉が出てきて、驚きつつもなんとなく嬉しい俺と違って、透也くんは

「はぁーーーっ」

と大きなため息を吐きながら俺を抱きしめる。

「なんだ? どうしたんだ?」

「大智さん……今、あなたがどんなに艶めかしい格好で俺の前に出てきたか、わかってますか?」

「えっ? なま、めかしい?」

「こんな綺麗な足見せて、俺が興奮しないとでも思ってるんですか?」

「透也、くんが……興奮? うそ……っ」

「言ったでしょう? 俺は大智さんが好きなんですよ。そんな相手がこんな色っぽい格好で現れたら、興奮しないわけないでしょう?」

「――っ!!」

ギュッと抱きしめられている俺のお腹に熱くて硬いものが押し当てられる。
透也くんのズボンとTシャツ越しなのに、その熱さも硬さも何もかも感じられる。

「俺をこれ以上興奮させないために、短パン穿いてください。わかりましたか?」

俺はあまりのことに言葉も出せずに、頭だけ動かして返事を返すと、

「ふふっ、わかってくれたらいいんです。俺、急いで風呂入ってくるので、少し待っててくださいね」

「ちょ、待っ――!」

透也くんは引き止める間もなく、バスルームに入っていった。

いつもなら、俺が声をかけたらすぐに戻ってきてくれるのに……。
そう思ったけれど、熱く硬いものを押し当てられた感触を思い出してハッとした。

もしかして、今お風呂場で……。

「――っ!!」

淫らな想像をしてしまって顔が赤くなる。
俺はそれを隠すように、テーブルに置いてあった冷たいレモン水をグラスにたっぷりと注ぎ、一気に飲み干した。
しおりを挟む
感想 128

あなたにおすすめの小説

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです! 元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。 持ち主は、顔面国宝の一年生。 なんで俺の写真? なんでロック画? 問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。 頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ! ☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。

本気になった幼なじみがメロすぎます!

文月あお
BL
同じマンションに住む年下の幼なじみ・玲央は、イケメンで、生意気だけど根はいいやつだし、とてもモテる。 俺は失恋するたびに「玲央みたいな男に生まれたかったなぁ」なんて思う。 いいなぁ玲央は。きっと俺より経験豊富なんだろうな――と、つい出来心で聞いてしまったんだ。 「やっぱ唇ってさ、やわらけーの?」 その軽率な質問が、俺と玲央の幼なじみライフを、まるっと変えてしまった。 「忘れないでよ、今日のこと」 「唯くんは俺の隣しかだめだから」 「なんで邪魔してたか、わかんねーの?」 俺と玲央は幼なじみで。男同士で。生まれたときからずっと一緒で。 俺の恋の相手は女の子のはずだし、玲央の恋の相手は、もっと素敵な人であるはずなのに。 「素数でも数えてなきゃ、俺はふつーにこうなんだよ、唯くんといたら」 そんな必死な顔で迫ってくんなよ……メロすぎんだろーが……! 【攻め】倉田玲央(高一)×【受け】五十嵐唯(高三)

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
「普通を探した彼の二年間の物語」 幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

おすすめのマッサージ屋を紹介したら後輩の様子がおかしい件

ひきこ
BL
名ばかり管理職で疲労困憊の山口は、偶然見つけたマッサージ店で、長年諦めていたどうやっても改善しない体調不良が改善した。 せっかくなので後輩を連れて行ったらどうやら様子がおかしくて、もう行くなって言ってくる。 クールだったはずがいつのまにか世話焼いてしまう年下敬語後輩Dom × (自分が世話を焼いてるつもりの)脳筋系天然先輩Sub がわちゃわちゃする話。 『加減を知らない初心者Domがグイグイ懐いてくる』と同じ世界で地続きのお話です。 (全く別の話なのでどちらも単体で読んでいただけます) https://www.alphapolis.co.jp/novel/21582922/922916390 サブタイトルに◆がついているものは後輩視点です。 同人誌版と同じ表紙に差し替えました。 表紙イラスト:浴槽つぼカルビ様(X@shabuuma11 )ありがとうございます!

借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます

なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。 そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。 「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」 脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……! 高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!? 借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。 冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!? 短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。

処理中です...