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俺にできること
「あれ? 部屋に入らないのか?」
「ちょっと持ってくるものがあるので、先に中に入っていてください」
律儀に俺が部屋の中まで入ったのを確認して、透也は自分の部屋に戻っていった。
荷物って着替えかなんかかな。
そういえば、透也の部屋に俺の着替えはたくさん用意してあるけど、こっちには透也がいくつか持ってきたやつしかないな。
俺も透也の服を買いに行こうかな。
こういう時は営業だと外で空き時間に買いに行けるから羨ましい。
俺も営業なのに、支社長として赴任したからほとんど内業ばかりだ。
あとは社内で打ち合わせとかばかりだし…。
そうだ、せっかく二日休みがあるから、外に買い物に出かけるものいいかもしれないな。
うん、楽しいかも。
なんて思っていると、玄関チャイムが鳴りモニターを確認すると透也がやけにたくさんの荷物を持ってきているのが見えた。
急いで扉を開けると、モニターで見ていた以上の荷物の多さに驚いてしまう。
「何をこんなにもってきたんだ?」
「ほとんどは食材ですね。と言っても、もう作ってあるものばかりなんですけど、タッパーに入れて持ってきたんです。これならいつでもすぐに食べられるでしょう?」
「ありがたいけど……どうして、こんなに?」
「だって……大智は、俺が隣にいないと寂しいでしょう? 俺もずっと大智と抱き合っていたいので」
「――っ、それって……」
「ふふっ。やっと気づきました?」
やっぱりあの約束は生きているみたいだ。
こんなに料理を前もって作っていたなんて……忘れてるかもなんて思ったのがバカだったな。
「こ、こっちの荷物は? 着替えか?」
「ああ、こっちは大智の大切なものですよ」
「俺の?」
「はい。この前は急なことだったので、部屋から持ってくる暇がなかったんですよね。大智の蜜を使うと、勿体無いでしょう? この週末はたっぷり大智を味わうつもりでいるので持ってきたんです」
そう言って嬉しそうに見せてくれたのはローション。
しかも10本以上ある。
「こ、こんなに?」
「ふふっ。心配しなくても今回で全部は使いませんよ。でもこっちの部屋にも置いておいたほうが大智と愛し合いたいと思った時にすぐに使えるでしょう? 俺の部屋にもこれの倍は用意しているんで大丈夫ですよ」
なんて堂々と言われて、恥ずかしくなる。
週末の約束が生きているかなんて俺が心配なんてしなくていいくらいに、もう準備万端だったみたいだ。
「ふふっ。そんなに緊張しなくていいですよ。愛し合うのはちゃんとご飯もお風呂も済ませてからですから」
「そ、そうなのか?」
「はい。だって、夜は長いんですよ。ちゃんと食べとかないと持たないでしょう?」
「――っ!!」
もしかして一晩中……?
うそ……っ。
いや、まさかな……。
ドキドキしながらも、一緒に食事の支度をする。
と言っても透也が作っている隣で箸を出したり、皿を並べたりするだけだけど。
だって、透也の手際が良すぎるから料理の手伝いはできないもんな。
あっという間に出来上がった料理を食べながら、宇佐美くんと高遠くんの話題を出してみた。
「二人ともすっかり意気投合しているみたいで、お互いがリスペクトしあっているからプロジェクトも成功しそうだよ。やっぱり宇佐美くんに無理言ってきてもらえて良かったよ」
「確かに敦己も高遠さんも仕事のやり方は似てますからね。そういえば、新しい事務員はどうでした?」
「ああ、それが驚くくらい仕事できて助かってるよ。本当に言っちゃ悪いけど、金沢さんたち数人でやっていた仕事を一人でこなしてくれる人が入ってきてくれたんだ。他の子もかなり頑張ってくれているから、みんなの仕事もかなり楽になりそうだよ」
「そうなんですね、いい人でよかったです。実はうちの事務員にも高遠さんくらい、優秀なのがいるんですよ。同期なんですけど、2年目から高遠さんが抜けた穴を一人で塞ぐくらいの勢いで頑張ってくれているんで彼も近いうちにベルンシュトルフに引き抜こうかと思っているところなんですよね」
「でも高遠くんといい、その事務員さんといい、優秀な人材ばかり引き抜いたら今度は笹川コーポレーションの方が大変になるんじゃないか?」
「それが狙いなんです。ちょっと今、あの会社を大幅に革新しようと思っていて、そのためにいろいろ動いているところなんですよね」
なるほど。
最初からそのつもりで笹川コーポレーションに入社したってことか。
まぁ、確かにちらほらと悪い噂もあったし、うちの傘下にいる以上はそういうのは全て正していかないといけないだろうしな。
「何か力になれることがあったら、言ってくれ。俺の力じゃ役に立たないかもしれないけど、協力くらいならできるから」
「ふふっ。誰よりも大智を頼りにしてますよ。役に立たないなんてそんなことないですから」
やっぱり透也は優しいな。
頼り甲斐もあるし、いつも周りからも頼りされてるんだろう。
そんな透也に俺が協力できることと言えば……やっぱり、癒しなのかな。
よし。
癒してやるか!!
そう意気込んだ俺は食事を終え、さっと片付けまで終えてしまった透也に
「あの……よかったら、一緒に……その、風呂に入らないか?」
と声をかけた。
「ちょっと持ってくるものがあるので、先に中に入っていてください」
律儀に俺が部屋の中まで入ったのを確認して、透也は自分の部屋に戻っていった。
荷物って着替えかなんかかな。
そういえば、透也の部屋に俺の着替えはたくさん用意してあるけど、こっちには透也がいくつか持ってきたやつしかないな。
俺も透也の服を買いに行こうかな。
こういう時は営業だと外で空き時間に買いに行けるから羨ましい。
俺も営業なのに、支社長として赴任したからほとんど内業ばかりだ。
あとは社内で打ち合わせとかばかりだし…。
そうだ、せっかく二日休みがあるから、外に買い物に出かけるものいいかもしれないな。
うん、楽しいかも。
なんて思っていると、玄関チャイムが鳴りモニターを確認すると透也がやけにたくさんの荷物を持ってきているのが見えた。
急いで扉を開けると、モニターで見ていた以上の荷物の多さに驚いてしまう。
「何をこんなにもってきたんだ?」
「ほとんどは食材ですね。と言っても、もう作ってあるものばかりなんですけど、タッパーに入れて持ってきたんです。これならいつでもすぐに食べられるでしょう?」
「ありがたいけど……どうして、こんなに?」
「だって……大智は、俺が隣にいないと寂しいでしょう? 俺もずっと大智と抱き合っていたいので」
「――っ、それって……」
「ふふっ。やっと気づきました?」
やっぱりあの約束は生きているみたいだ。
こんなに料理を前もって作っていたなんて……忘れてるかもなんて思ったのがバカだったな。
「こ、こっちの荷物は? 着替えか?」
「ああ、こっちは大智の大切なものですよ」
「俺の?」
「はい。この前は急なことだったので、部屋から持ってくる暇がなかったんですよね。大智の蜜を使うと、勿体無いでしょう? この週末はたっぷり大智を味わうつもりでいるので持ってきたんです」
そう言って嬉しそうに見せてくれたのはローション。
しかも10本以上ある。
「こ、こんなに?」
「ふふっ。心配しなくても今回で全部は使いませんよ。でもこっちの部屋にも置いておいたほうが大智と愛し合いたいと思った時にすぐに使えるでしょう? 俺の部屋にもこれの倍は用意しているんで大丈夫ですよ」
なんて堂々と言われて、恥ずかしくなる。
週末の約束が生きているかなんて俺が心配なんてしなくていいくらいに、もう準備万端だったみたいだ。
「ふふっ。そんなに緊張しなくていいですよ。愛し合うのはちゃんとご飯もお風呂も済ませてからですから」
「そ、そうなのか?」
「はい。だって、夜は長いんですよ。ちゃんと食べとかないと持たないでしょう?」
「――っ!!」
もしかして一晩中……?
うそ……っ。
いや、まさかな……。
ドキドキしながらも、一緒に食事の支度をする。
と言っても透也が作っている隣で箸を出したり、皿を並べたりするだけだけど。
だって、透也の手際が良すぎるから料理の手伝いはできないもんな。
あっという間に出来上がった料理を食べながら、宇佐美くんと高遠くんの話題を出してみた。
「二人ともすっかり意気投合しているみたいで、お互いがリスペクトしあっているからプロジェクトも成功しそうだよ。やっぱり宇佐美くんに無理言ってきてもらえて良かったよ」
「確かに敦己も高遠さんも仕事のやり方は似てますからね。そういえば、新しい事務員はどうでした?」
「ああ、それが驚くくらい仕事できて助かってるよ。本当に言っちゃ悪いけど、金沢さんたち数人でやっていた仕事を一人でこなしてくれる人が入ってきてくれたんだ。他の子もかなり頑張ってくれているから、みんなの仕事もかなり楽になりそうだよ」
「そうなんですね、いい人でよかったです。実はうちの事務員にも高遠さんくらい、優秀なのがいるんですよ。同期なんですけど、2年目から高遠さんが抜けた穴を一人で塞ぐくらいの勢いで頑張ってくれているんで彼も近いうちにベルンシュトルフに引き抜こうかと思っているところなんですよね」
「でも高遠くんといい、その事務員さんといい、優秀な人材ばかり引き抜いたら今度は笹川コーポレーションの方が大変になるんじゃないか?」
「それが狙いなんです。ちょっと今、あの会社を大幅に革新しようと思っていて、そのためにいろいろ動いているところなんですよね」
なるほど。
最初からそのつもりで笹川コーポレーションに入社したってことか。
まぁ、確かにちらほらと悪い噂もあったし、うちの傘下にいる以上はそういうのは全て正していかないといけないだろうしな。
「何か力になれることがあったら、言ってくれ。俺の力じゃ役に立たないかもしれないけど、協力くらいならできるから」
「ふふっ。誰よりも大智を頼りにしてますよ。役に立たないなんてそんなことないですから」
やっぱり透也は優しいな。
頼り甲斐もあるし、いつも周りからも頼りされてるんだろう。
そんな透也に俺が協力できることと言えば……やっぱり、癒しなのかな。
よし。
癒してやるか!!
そう意気込んだ俺は食事を終え、さっと片付けまで終えてしまった透也に
「あの……よかったら、一緒に……その、風呂に入らないか?」
と声をかけた。
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