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可愛い義兄から学ぶ
「大智さん、顔真っ赤ですよ」
「まさかそんな意味があるなんて知らなかったから……」
「ふふ。じゃあ、これから透也くんのネクタイつけるのはやめておきますか?」
「えっ……やめる? いや、それは……」
今日も透也のネクタイをつけてる。
これをやめる……?
仕事中に視界に入るだけでやる気が出てたのに。
これをやめる……?
「無理かも……」
「ふふっ。ですよね。だって、大智さん、透也くんのネクタイつけてきた日はすっごく嬉しそうで仕事が捗っているみたいですもんね。毎日透也くんのネクタイにした方が仕事的にも、大智さんの精神的にもいいんじゃないですか?」
「そう、かな……?」
「はい。実を言うと、僕のネクタイもほとんど祥也さんに選んでもらったものか、祥也さんからの貰い物なんですよ。だから、ネクタイにそんな意味があると言うのも祥也さんに教えてもらったんです。だから、一緒ですよ」
「えっ……そうなのか?」
「ふふっ。祥也さんも透也くんもお互い同じことをやってるなんてきっと知らないですよ。こういうところ兄弟って似るんですかね」
いたずらっ子のような笑みを浮かべながら頷く大夢くんを見て思わず笑ってしまう。
「束縛系の嫉妬深い彼氏を持つとお互いに大変だな」
「ふふっ。そうですね。でもそれが全然嫌じゃないんだから困ったものですよね」
「ふふっ。たしかにそうだな」
ずっとゲイだってことは隠さないといけないと思っていたのに、こんな冗談を言い合える相手ができるなんて思いもしなかったな。
しかもそれが義兄弟になる相手だなんて……。
これも全部透也と出会えて、透也が俺のことを好きになってくれたおかげだな。
宇佐美くんも上田先生という恋人ができたことだし――はっきりとは聞いていないが、今日の様子だとおそらくそうだろう――大夢くんと宇佐美くんと三人で恋人の話なんかもできるようになるかもしれないな。
そうだよ。
考えてみたら、宇佐美くんと透也と祥也さんとは再従兄弟なんだし、広く考えれば親戚になるんじゃないか?
そうしたら、たとえ宇佐美くんが日本に帰国したとしても繋がりが消えることはないだろう。
これを知ったら、宇佐美くんと離れるのを寂しがっていた大夢くんはきっと喜ぶだろうな。
俺の口から勝手にいうべきことではないから今日は話はしないけれど、宇佐美くんが帰国するまでには俺が透也と付き合っていることをちゃんと自分の口で伝えよう。
こっちにきてすぐに内緒にしちゃったから、まだ言えずにいたんだよな。
多分薄々はわかってるんだと思うけど、きっと宇佐美くんも気を遣って俺には何も聞かずにいてくれたんだろうと思う。
だから、宇佐美くんのことを聞く前にまず俺のことを打ち明けよう!
きっとこれからさらに楽しくなるだろうな。
「大夢、いつまでそっちで話をしているんだ? もうすぐ夕食ができるぞ」
「あ、はーい。すみません、大智さん。僕お手伝いしてきますね。結局今日は泊まっていってくれるんですよね?」
「ああ。お言葉に甘えて泊めさせてもらうよ。夕食の準備なら、俺も手伝おうか?」
「大丈夫ですよ、多分もうできていると思うんで。ほら、束縛系の嫉妬深い彼氏なのでひとりぼっちで寂しくなってしまったのかもしれません」
「ふふっ。確かにそうかも。じゃあ、早く行ってあげて」
「はい。大智さんはのんびりしててくださいね」
そう言いながら、キッチンにいる祥也さんの元へ駆けていく。
祥也さんが小皿を大夢くんの口元に持って行っているのが見える。
ふふっ、仲良く味見か。
楽しそうだな。
そういえば、大夢くんは祥也さんの修行していたお店で働いていたって言ってたっけ。
ってことは、大夢くんも料理が上手だったりするんだろうか。
いいなぁ、広いキッチンで一緒に料理……。
俺は透也が作っている間、一人でのんびり風呂に入ったりしているからな……。
やっぱり恋人になったなら、一緒に料理して、お風呂も一緒に入るものだよな。
よし。今日は徹底的に祥也さんと大夢くんの様子を勉強させてもらおう。
「大智さん、ここに座ってください」
キッチンのすぐ近くに置いてあるダイニングテーブルに呼ばれて、案内された席に座ると
「うわぁーっ!! 美味しそうっ!!」
和食、中華、イタリアンとたくさんの料理が並んでいる。
「こんな短時間にこれだけの料理を作ったんですか?」
「ふふっ。大夢が今日は絶対に大智さんを誘うと言っていたから、昨日から仕込んでおいたものもあるんだ。今日は休みだったから他にもいろいろ作ってみたんだが料理が無駄にならなくてよかった。大夢、頑張ったな」
「はい。褒めてください」
「ふふっ。いい子だ。大夢」
頭を撫でられて嬉しそうにしている大夢くんと、おねだりされて嬉しそうな祥也さん。
なるほど……これは良さそう。
今日は本当にいい勉強になりそうだな。
「まさかそんな意味があるなんて知らなかったから……」
「ふふ。じゃあ、これから透也くんのネクタイつけるのはやめておきますか?」
「えっ……やめる? いや、それは……」
今日も透也のネクタイをつけてる。
これをやめる……?
仕事中に視界に入るだけでやる気が出てたのに。
これをやめる……?
「無理かも……」
「ふふっ。ですよね。だって、大智さん、透也くんのネクタイつけてきた日はすっごく嬉しそうで仕事が捗っているみたいですもんね。毎日透也くんのネクタイにした方が仕事的にも、大智さんの精神的にもいいんじゃないですか?」
「そう、かな……?」
「はい。実を言うと、僕のネクタイもほとんど祥也さんに選んでもらったものか、祥也さんからの貰い物なんですよ。だから、ネクタイにそんな意味があると言うのも祥也さんに教えてもらったんです。だから、一緒ですよ」
「えっ……そうなのか?」
「ふふっ。祥也さんも透也くんもお互い同じことをやってるなんてきっと知らないですよ。こういうところ兄弟って似るんですかね」
いたずらっ子のような笑みを浮かべながら頷く大夢くんを見て思わず笑ってしまう。
「束縛系の嫉妬深い彼氏を持つとお互いに大変だな」
「ふふっ。そうですね。でもそれが全然嫌じゃないんだから困ったものですよね」
「ふふっ。たしかにそうだな」
ずっとゲイだってことは隠さないといけないと思っていたのに、こんな冗談を言い合える相手ができるなんて思いもしなかったな。
しかもそれが義兄弟になる相手だなんて……。
これも全部透也と出会えて、透也が俺のことを好きになってくれたおかげだな。
宇佐美くんも上田先生という恋人ができたことだし――はっきりとは聞いていないが、今日の様子だとおそらくそうだろう――大夢くんと宇佐美くんと三人で恋人の話なんかもできるようになるかもしれないな。
そうだよ。
考えてみたら、宇佐美くんと透也と祥也さんとは再従兄弟なんだし、広く考えれば親戚になるんじゃないか?
そうしたら、たとえ宇佐美くんが日本に帰国したとしても繋がりが消えることはないだろう。
これを知ったら、宇佐美くんと離れるのを寂しがっていた大夢くんはきっと喜ぶだろうな。
俺の口から勝手にいうべきことではないから今日は話はしないけれど、宇佐美くんが帰国するまでには俺が透也と付き合っていることをちゃんと自分の口で伝えよう。
こっちにきてすぐに内緒にしちゃったから、まだ言えずにいたんだよな。
多分薄々はわかってるんだと思うけど、きっと宇佐美くんも気を遣って俺には何も聞かずにいてくれたんだろうと思う。
だから、宇佐美くんのことを聞く前にまず俺のことを打ち明けよう!
きっとこれからさらに楽しくなるだろうな。
「大夢、いつまでそっちで話をしているんだ? もうすぐ夕食ができるぞ」
「あ、はーい。すみません、大智さん。僕お手伝いしてきますね。結局今日は泊まっていってくれるんですよね?」
「ああ。お言葉に甘えて泊めさせてもらうよ。夕食の準備なら、俺も手伝おうか?」
「大丈夫ですよ、多分もうできていると思うんで。ほら、束縛系の嫉妬深い彼氏なのでひとりぼっちで寂しくなってしまったのかもしれません」
「ふふっ。確かにそうかも。じゃあ、早く行ってあげて」
「はい。大智さんはのんびりしててくださいね」
そう言いながら、キッチンにいる祥也さんの元へ駆けていく。
祥也さんが小皿を大夢くんの口元に持って行っているのが見える。
ふふっ、仲良く味見か。
楽しそうだな。
そういえば、大夢くんは祥也さんの修行していたお店で働いていたって言ってたっけ。
ってことは、大夢くんも料理が上手だったりするんだろうか。
いいなぁ、広いキッチンで一緒に料理……。
俺は透也が作っている間、一人でのんびり風呂に入ったりしているからな……。
やっぱり恋人になったなら、一緒に料理して、お風呂も一緒に入るものだよな。
よし。今日は徹底的に祥也さんと大夢くんの様子を勉強させてもらおう。
「大智さん、ここに座ってください」
キッチンのすぐ近くに置いてあるダイニングテーブルに呼ばれて、案内された席に座ると
「うわぁーっ!! 美味しそうっ!!」
和食、中華、イタリアンとたくさんの料理が並んでいる。
「こんな短時間にこれだけの料理を作ったんですか?」
「ふふっ。大夢が今日は絶対に大智さんを誘うと言っていたから、昨日から仕込んでおいたものもあるんだ。今日は休みだったから他にもいろいろ作ってみたんだが料理が無駄にならなくてよかった。大夢、頑張ったな」
「はい。褒めてください」
「ふふっ。いい子だ。大夢」
頭を撫でられて嬉しそうにしている大夢くんと、おねだりされて嬉しそうな祥也さん。
なるほど……これは良さそう。
今日は本当にいい勉強になりそうだな。
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