96 / 137
番外編
可愛い孫ができました <中編>
<side日下部崇也(祥也・透也の祖父)>
ーじいさん、大切な人ができた。
ーお前から電話して来るなんて珍しいこともあるもんだと思ったが、私に話すと言うことは一生を共にする相手ということか?
ーそう思ってもらって構わないよ。
透也のその真剣な声に彼が本気なのだと言うのがひしひしと伝わってきた。
ーそうか。それで誰なんだ?
ーじいさんもよく知っている、杉山大智さんだよ。
ーえっ? 杉山、大智って、敦己の上司のか?
ーああ。そうだよ。
杉山大智……彼は確か透也よりも年上の、しかも男だったはず。
いや、別に性別だけで結婚を反対する気など毛頭ないが、透也が結婚相手に男性を選ぶとは思っていなかった。
だが、透也が就職の際に敦己と同じ職場を希望していたことを思い出した。
あの頃から杉山くんのことを気にかけている様子だったが、あの頃は本人にも会っていなかったはず。
知らず知らずのうちに惹かれていたということだろうか。
それなら、私が反対しても無駄だろう。
いや、それどころか、反対するなら次期社長の座を降りると言い出しかねない。
それだけならまだしも、杉山くんまで連れて出て行くとも言いそうだ。
いや、透也のことだ。
確実にそうするに決まっている。
そして、私は一生敵認定されて、二人に会うことも叶わないだろうな。
そんな未来がありありと見える。
二人を失ってまで反対する意味があるか?
答えはNOだ。
元々孫たちが決めた相手を性別だけで反対することなんてしないのだ。
一生を共にしたい相手に性別なんて関係ないからな。
それよりも我が家にとって悪い人間でないかの方がよほど重要だ。
その点、杉山くんは敦己の指導を任せているだけあって何の心配もない好青年。
今更調査する必要もないほど素晴らしい人間だ。
透也には勿体無いくらいだな。
いや、そんなことをいうと透也が怒るか。
そんなことを一瞬で考えた。
ー彼ならお前の相手には申し分ないな。
ーははっ。じいさんならそう言ってくれると思ったよ。
ーそれでいつ会わせてくれるんだ?
ーそれが、今ちょっと問題が起こっていて……
ー問題? それはなんだ?
ー詳しいことは解決したら話をするよ。磯山さんにも協力を頼むことになるかもしれないんだけど、じいさんは許可してくれるか?
ーそんなことに私の許可はいらないさ。好きにしたらいい。
ーありがとう。問題が解決したらすぐにじいさんにも会わせるから。
ーああ、わかった。楽しみにしているよ。
そんな話をしてから数ヶ月。
透也からの連絡をじっと待ち続けていたが、何の音沙汰もない。
磯山くんにそれとなく尋ねてみたが、問題は疾うに解決したようだ。
彼の後輩たちが透也の力になってくれたようだな。
それなら、連絡が来てもいいだろうに。
まさか忘れているのではあるまいな?
L.A支社の様子をそれとなく調べれば、透也はほとんど杉山くんと行動を共にして楽しい時間を過ごしているらしい。
だが、二人がL.A支社に行ってから業績が鰻登りなのだから何もいえないが。
私へ紹介することも忘れて楽しんでいると思うと面白くはない。
痺れを切らして、直接会いに行くことにした。
透也に電話をかけ、週末にL.Aに行くことを伝えてさっさと電話を切ってやった。
どう返してくるかと思ったが、当日空港まで杉山くんを連れて迎えに来てくれるという。
よし!
最初からこうしていればよかった。
今度の週末はL.Aで私の一緒に楽しい時間を過ごすとするか。
長い飛行時間も楽しみがあると思えばどうってこともない。
寝ている間に到着したようなものだ。
年甲斐もなくウキウキしながら到着ゲートに向かえば、
「あっ、会長!!」
と可愛らしい声が飛んでくる。
ああ、こんな出迎えをされたのはいつぶりだろうか。
飛び上がりそうなほど嬉しくなりながら、杉山くんの元に駆け寄ると、私を労ってくれる言葉をかけてくれる。
ああ、本当に可愛い。
透也、よくぞ彼を射止めてくれたと褒めてやりたいくらいだ。
私と杉山くんが仲良く話しているのを遮るように透也が声をかけてくる。
もう少しゆっくりと話していたいが、周りの視線も気になる。
周りからの邪な視線が杉山くんに注がれているのは面白くない。
私と透也で守るように杉山くんを連れて駐車場に向かった。
透也が荷物を積んでいる間にさっさと杉山くんと後部座席に座る。
案の定文句を言ってきたが、ここまで待たされたんだ。
少しくらいわがままを言ってもいいだろう。
杉山くんとの会話を楽しみながら、車は走り出した。
ルームミラーから透也の視線を感じるが、それは放っておくとしよう。
ーじいさん、大切な人ができた。
ーお前から電話して来るなんて珍しいこともあるもんだと思ったが、私に話すと言うことは一生を共にする相手ということか?
ーそう思ってもらって構わないよ。
透也のその真剣な声に彼が本気なのだと言うのがひしひしと伝わってきた。
ーそうか。それで誰なんだ?
ーじいさんもよく知っている、杉山大智さんだよ。
ーえっ? 杉山、大智って、敦己の上司のか?
ーああ。そうだよ。
杉山大智……彼は確か透也よりも年上の、しかも男だったはず。
いや、別に性別だけで結婚を反対する気など毛頭ないが、透也が結婚相手に男性を選ぶとは思っていなかった。
だが、透也が就職の際に敦己と同じ職場を希望していたことを思い出した。
あの頃から杉山くんのことを気にかけている様子だったが、あの頃は本人にも会っていなかったはず。
知らず知らずのうちに惹かれていたということだろうか。
それなら、私が反対しても無駄だろう。
いや、それどころか、反対するなら次期社長の座を降りると言い出しかねない。
それだけならまだしも、杉山くんまで連れて出て行くとも言いそうだ。
いや、透也のことだ。
確実にそうするに決まっている。
そして、私は一生敵認定されて、二人に会うことも叶わないだろうな。
そんな未来がありありと見える。
二人を失ってまで反対する意味があるか?
答えはNOだ。
元々孫たちが決めた相手を性別だけで反対することなんてしないのだ。
一生を共にしたい相手に性別なんて関係ないからな。
それよりも我が家にとって悪い人間でないかの方がよほど重要だ。
その点、杉山くんは敦己の指導を任せているだけあって何の心配もない好青年。
今更調査する必要もないほど素晴らしい人間だ。
透也には勿体無いくらいだな。
いや、そんなことをいうと透也が怒るか。
そんなことを一瞬で考えた。
ー彼ならお前の相手には申し分ないな。
ーははっ。じいさんならそう言ってくれると思ったよ。
ーそれでいつ会わせてくれるんだ?
ーそれが、今ちょっと問題が起こっていて……
ー問題? それはなんだ?
ー詳しいことは解決したら話をするよ。磯山さんにも協力を頼むことになるかもしれないんだけど、じいさんは許可してくれるか?
ーそんなことに私の許可はいらないさ。好きにしたらいい。
ーありがとう。問題が解決したらすぐにじいさんにも会わせるから。
ーああ、わかった。楽しみにしているよ。
そんな話をしてから数ヶ月。
透也からの連絡をじっと待ち続けていたが、何の音沙汰もない。
磯山くんにそれとなく尋ねてみたが、問題は疾うに解決したようだ。
彼の後輩たちが透也の力になってくれたようだな。
それなら、連絡が来てもいいだろうに。
まさか忘れているのではあるまいな?
L.A支社の様子をそれとなく調べれば、透也はほとんど杉山くんと行動を共にして楽しい時間を過ごしているらしい。
だが、二人がL.A支社に行ってから業績が鰻登りなのだから何もいえないが。
私へ紹介することも忘れて楽しんでいると思うと面白くはない。
痺れを切らして、直接会いに行くことにした。
透也に電話をかけ、週末にL.Aに行くことを伝えてさっさと電話を切ってやった。
どう返してくるかと思ったが、当日空港まで杉山くんを連れて迎えに来てくれるという。
よし!
最初からこうしていればよかった。
今度の週末はL.Aで私の一緒に楽しい時間を過ごすとするか。
長い飛行時間も楽しみがあると思えばどうってこともない。
寝ている間に到着したようなものだ。
年甲斐もなくウキウキしながら到着ゲートに向かえば、
「あっ、会長!!」
と可愛らしい声が飛んでくる。
ああ、こんな出迎えをされたのはいつぶりだろうか。
飛び上がりそうなほど嬉しくなりながら、杉山くんの元に駆け寄ると、私を労ってくれる言葉をかけてくれる。
ああ、本当に可愛い。
透也、よくぞ彼を射止めてくれたと褒めてやりたいくらいだ。
私と杉山くんが仲良く話しているのを遮るように透也が声をかけてくる。
もう少しゆっくりと話していたいが、周りの視線も気になる。
周りからの邪な視線が杉山くんに注がれているのは面白くない。
私と透也で守るように杉山くんを連れて駐車場に向かった。
透也が荷物を積んでいる間にさっさと杉山くんと後部座席に座る。
案の定文句を言ってきたが、ここまで待たされたんだ。
少しくらいわがままを言ってもいいだろう。
杉山くんとの会話を楽しみながら、車は走り出した。
ルームミラーから透也の視線を感じるが、それは放っておくとしよう。
あなたにおすすめの小説
イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした
天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです!
元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。
持ち主は、顔面国宝の一年生。
なんで俺の写真? なんでロック画?
問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。
頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ!
☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。