年下イケメンに甘やかされすぎて困ってます

波木真帆

文字の大きさ
98 / 137
番外編

バレンタイン特別企画  王道をあなたに

今日はバレンタインということでどのカップルにしようかと思いましたが、彼らに出てきてもらいました♡
楽しんでいただけると嬉しいです♡

  *   *   *


<side大智>

「ちょっと大夢くんに相談があるんだ」

昼食を終え、一息ついたタイミングでそう声をかけると

「何があったんですか?」

と真剣な顔つきで近づいてきて驚いた。

「あっ、そんな大したことじゃないんだけど……」

「いいですよ、なんでも話してください。ここで話をするってことはプライベートなことですよね? 透也くんに何かあったんですか? あっ、もしかして、日本で浮気とか?」

「浮気? いやいや、透也に限ってそんなことはないよ! 絶対に!」

大夢くんがなぜそんなことを言い出したかというと、今、透也が一週間の日程で日本に一時帰国しているからだ。

出かける直前まで行きたくない! と散々ゴネていたけれど、次期社長として大事な仕事だというのだから仕方がない。

毎日必ずテレビ電話をするからと約束をして泣く泣く出かけて行った。
そのおかげで、毎日テレビ電話で話すだけでなく、ここでは言えないようなことをしてしまっている。
でも、正直なところ俺も透也と離れて我慢できないのだから仕方がない。
できることなら仕事の都合をつけて、一緒に日本にいきたかったくらいだ。
でもどうしても外せない大事な取引先との打ち合わせが入っていて諦めたんだ。

離れていて寂しいけれど、浮気なんて心配は全くしていない。
それくらい愛されている自信はある。

「ふふっ。冗談ですよ、大智さんにベタ惚れな、あの透也くんが浮気なんかするわけないですもんね」

ニヤニヤとした笑みを向けられて、ようやく揶揄われていたということに気づいた。
仕事でもプライベートでもよく会うようになった大夢くんは仕事以外ではかなりフランクになってきた。

まぁ義兄弟として仲良くしてくれてすごくありがたいんだけど、年下なのにドキドキさせられっぱなしだ。

「それで相談ってなんですか?」

「ああ、ほら、もうすぐバレンタインだろう? ちょうど透也が帰ってくるのもバレンタインデーだし、せっかくなら何か手作りでも作ってプレゼントしたら喜んでくれるかなって」

「わぁっ! それ、すっごくいいアイディアですね!!」

「大夢くんは毎年バレンタインは祥也さんにあげてるの?」

「はい。最初の頃は頑張ってガトーショコラとか、トリュフとかせっせと作って渡してましたよ。それはそれですごく喜んでくれるし、ちゃんと食べてくれるんですけど、祥也さん……そこまで甘いものが得意ではないので、今は夕食を作ってそのままエッチに流れていくのが恒例になってます」

「えっち……そ、そう、なんだ……」

まさかそこまで赤裸々に教えてくれるとは思ってなかったからびっくりしてしまった。
でも、夫夫になって長くなるとこんな感じが普通になっていくのかな。

「透也くんなら、大智さんが甘いもの作っても喜んで食べてくれそうですけど、せっかくなら甘いものと大智さんと両方用意したらどうですか?」

「甘いものと、俺って……どういうの?」

「ふふっ。僕、いいアプリ知ってるんですよ。これ、みてください!」

そう言って、大夢くんがスマホを操作して見せてくれたのは、

<恋する子猫の狼さん>

というアプリ。

みた感じ、可愛らしい服やバッグ、美味しそうなスイーツ、それに文房具などなどいろんなものが買える万能なお買い物アプリという感じだ。

「ここで、何を買うんだ?」

「ふふっ。このアプリの右上の星マークを押すとアプリが切り替わるんです。みててください」

大夢くんが、星マークを押すと

<恋する子猫の狼さん⭐︎hot.Ver.>

と書かれたページが現れた。

「hotってまさか……」

「ふふっ。そのまさかですよ。セクシーなものがいっぱい売られてるんです」

ページをスクロールして見せてくれる画面には、可愛い着ぐるみパジャマや、レースをふんだんに使った下着、フリルいっぱいのいかにもえっちなエプロンなどの衣装ばかりではなく、いわゆる大人のおもちゃなどそっち関係で使えそうなものがいっぱい売られている。

「これで、透也くんが好きそうなのを買って、帰ってきた日に着て見せてあげたら大喜びすると思いますよ」

「で、でも、ドン引きされたらどうする? ほら、大夢くんならまだ若いし、こういうの着ても似合いそうだし祥也さんが喜ぶのもわかるけど、流石に30過ぎてる男がこんなの着て透也が喜ぶかどうか……」

「何言ってるんですか!! 透也くんが喜ばないわけないですよ!! もう、大智さんは自分の綺麗さを自覚しなさすぎです!!」

勢いよく言われて、

「は、はい。ごめん」

というしかなかった。

「ふふっ。とりあえずこのアプリインストールしてください」

言われるままにアプリをインストールすると、

「いいですか? 今日中に選んで注文してくださいね。そうしないと透也くんが帰ってくるまでに間に合いませんから」

と注意された。

「わ、わかった。ちなみに大夢くんはどんなのを買ったことがあるの?」

「僕は……これとか、あ、あとこれとか、ああ、あっちのも可愛かったですよ」

次々と教えてもらい、意外な事実を知ってしまったなと俺の方がドキドキしてしまった。

「大丈夫。祥也さんと兄弟ですから、大喜びですよ」

「だといいけど……」

まだ自信はないけれど、とにかく大夢くんのアドバイス通りに今回はやってみよう。
ダメだったら今回限りにすればいい。

頭の中がそのことでいっぱいになりながらも何とか仕事を終え、自宅でもう一度アプリと睨めっこして、ひたすら悩んだ挙句、王道を選ぶことにした。
このほうが少しはドン引きされるのも少ないかもしれない。

注文ボタンを押すのがかなり緊張したけれど、押してしまったら今度は届くまでそわそわしてしまう。
複雑な気持ちを持ちつつも、到着の日を待った。

そして、透也が帰ってくる前日、大夢くんの家で俺にでもできそうな簡単なトリュフチョコレートを教えてもらい、下手くそながらもなんとか仕上げて家に帰ってすぐに荷物が届いた。

ジャックに部屋まで運んでもらって、中身がこんなのだとバレないかと緊張したけれど、箱からは一切そんな雰囲気は見えない。

さすが大夢くん推薦のアプリだなと変なところで感心しながら、一人で箱を開けた。

「あっ、可愛い、かも……」

スマホの画面で見ていたよりもずっと可愛く見える。
かなりセクシーだけど……透也が喜んでくれたらいいな。
俺の願いはそれだけだ。

<今空港に着いたよ。すぐに帰るから待っていてくださいね。愛してます。透也>

電話する時間すら惜しいと思ってくれているようで、メッセージだけが入ってきた。

透也が自ら俺のスマホにインストールした、透也のスマホの位置情報アプリで今どこまで帰ってきているかをリアルタイムで確認できる。

俺は昨日届いたばかりの服に着替えて、透也の到着を今か今かと待っていた。

扉を開けた瞬間に、飛びつきたいけどもしかしたら迎えに行っているはずのキースが一緒かもしれない。
流石にこんな姿を透也以外に見られたら、恥ずかし過ぎて死ぬ。

だから、扉が閉まって俺の名前を読んだら出て行こう。
スマホと睨めっこしながら待っていると、透也がようやく社宅の前まで帰ってきた。

そして、すぐにガチャっと鍵を開ける音が聞こえて

「大智ーっ。ただいまーっ!!」

と透也の声が響き、ドアがパタンと閉まる音が聞こえて、ようやくその時が来た。

「お、おかえり、透也」

「あっ、だい――っ!!!!!」

多分俺の顔は、未だかつてないほどに真っ赤になっているだろう。

「そ、その、かっこう……っ」

透也が茫然としながらも一生懸命絞り出した声が聞こえる。

俺が着ているのは、太ももの際までしか丈のない真っ白な総レース生地のエプロン。
透也からは、多分乳首もアソコも思いっきり透けて見えてるだろう。

透也はじっと見つめたまま微動だにしない。

ああ、やっぱりドン引きされたか……

「あ、あの……ごめん。バレンタインだからついはしゃいじゃって――わぁっ!!!」

必死に理由を説明しようとしていたら、突然透也が持っていた荷物も全て放り投げて俺を抱き上げる。

「あっ、とうや――」
「これ、俺のためなんですよね? 今日は寝室から出られないと思ってくださいね。甘い甘い大智をたっぷりいただきますよ。大智が可愛過ぎてもう我慢できません」

「――っ!!」

ギラギラとした獣のような目で見つめられた上に、そんな甘い言葉を囁かれ、俺の方がもうすでに限界を迎えそうになっていた。

透也を喜ばせるつもりが、俺が喜んでいるような気がしないでもないけれど、そこから寝室に運ばれてたっぷり数時間愛し合った。

その間ずっとエプロンは脱がされなかったから、きっと喜んでくれたんだと思いたい。

さて、来年はどうしようか……。
まだまだ試したい服はいっぱいだ。


 Happy Valentine♡



  *   *   *

透也視点、気になりますか?
そっちはかなり濃厚な※になりそうですが……需要があればぜひ♡
感想 137

あなたにおすすめの小説

イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです! 元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。 持ち主は、顔面国宝の一年生。 なんで俺の写真? なんでロック画? 問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。 頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ! ☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。