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第四章 (王城 過去編)

花村 柊   23−2※

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楽しい試食タイムを終え、ぼくはお父さんに誘われて果樹園の木々を見て回った。
フレッドはアンドリューさまと隣のレモン畑を視察中だ。

もちろん、ぼくたちの方にヒューバートさんをつけているあたり、警備に抜かりはなさそうだ。
本当なら騎士団団長のヒューバートさんは国王であるアンドリューさまを守るべきなんだろうけどね。
それくらいお父さんを大切に思ってるんだろうな。

「ねぇ、柊くん。ここのリンゴと梨はほとんどが生で食べられていて、加工するといってもジャムとかパイとかのスイーツにするくらいなんだよね。何か他に使えそうなアイディアはないかなぁ?」

「うーん、そうだなぁ……」

と考えていて思い出したことがあった。

昔、コンビニでバイトしていた時……上品そうなおばあちゃんが来て
『ホワイトリカーありますか?』って尋ねられたんだ。
でも、ぼくはホワイトリカーの意味がわからなくて、
『何に使うものですか?』って聞いたんだ。
そしたら、『リンゴをたくさんもらったものだからリンゴ酒を作ろうと思って』と詳しく教えてくれて、その時ホワイトリカーがアルコール度数の高いお酒だって知ったんだよね。

店にあるお酒を紹介したら、おばあちゃん嬉しそうに買って帰って、その時重そうだったから荷物持ちでついていったらリンゴを5つもお裾分けしてくれたんだ。
あのリンゴ今日のと同じくらい甘くて美味しかったなぁ……。

何ヶ月か後にわざわざ美味しく出来たことを報告しに来てくれたっけ。ぼくが未成年だから飲んでもらえないのが残念だって言ってた。

もし、この時代に度数の強いお酒があったら、それでリンゴ酒とか梨酒とか作れないかな?

「トーマさま、ここに焼酎とかウォッカみたいな強いお酒ってあるのかな?」

「強いお酒って……アルコール度数が高いお酒ってことだよね?
それなら、明日視察に行く街で
【イシュトゥン】っていう蒸留酒を造ってるよ。
って、ああー! そっか、そういうことだね!」

お父さんはぼくの質問でぼくが言いたいことがわかったみたいだ。さすがだね!

「なるほど! それならお酒も果物も使えるし、うまくいけばレナゼリシアの名産にもなるね。一度試しに作ってみたいな」

でも、リンゴ酒は出来上がるまでに最低でも3ヶ月はかかるって言ってた。
その時までここにいられるかわかんないしな。
それに……お酒は飲んじゃダメだって言われてるから出来上がってもまた飲めないな……。

そうだ!!

「ねぇ、トーマさま。お酢ってあるの?」

「お酢あるよ! あ、そっか。それもいいね!」

「でしょう? それならぼくも飲めるし。ふふっ」

あれからおばあちゃんとは仲良くなって、お酒の代わりにお酢でリンゴ酢を作ったとかいろいろ教えてもらったんだよね。
その時こっそりお裾分けしてもらったリンゴ酢は今度は店長に取られないように持ち帰って水で薄めながらゆっくり味わったな。
あのリンゴ酢……すっごく美味しかった。

後ろにいるヒューバートさんはぼくたちの会話の意味がわからないらしく不思議そうな顔をしていたけれど、それもまたぼくたちにとっては面白かった。
ひとしきりお父さんと話し合って大体の内容が決まったところで

「ヒューバート、アンディーのところに連れて行って」

と言って案内してもらった。

「トーマ、どうだった?」

「うん。柊ちゃんがすごくいい考えを出してくれてね――――」

お父さんがアンドリューさまとフレッド、そして侯爵さまにさっき2人で話したことを説明していく。
すると、みるみるうちに3人の顔に喜色が表れた。

「ほぉ……なるほど。フルーツで酒と酢を作る……それは面白いな。
酒の飲めないものも酢ならば楽しめるだろう。味の想像は全くつかんが……」

「そうですね。もし可能ならば、ここにいる間に試作品を作ってみて出来上がる頃にまた視察に来るというのはどうでしょう?」

「陛下と王妃さま、そして公爵さま方にまたお越しいただけるのなら、私も領民たちも喜びます。是非その方向で進めていただきたく存じます」

「そうだな……。アルフレッドたちが同行できるかはわからんが、完成の頃にまた視察に来るというのは良い考えだな」

どうやらアンドリューさまたちの反応も悪くないみたい。
うまく行くと良いよね。

帰りの馬車の中で、フレッドはぼくを抱き抱えて大きな腕ですっぽり覆った。

「フレッド、疲れちゃった?」

「いや、私の伴侶の素晴らしさに感動してたんだ」

「えっ?」

「ふふっ。シュウは知らなかっただろうが、我々の時代のレナゼリシア領の特産はフルーツ酒とフルーツ酢なんだよ。数百年の間に何度も何度も改良を重ねて、今ではオランディア屈指の特産物になっている。
それを作りだしたのがまさかシュウの考えからだったとはな」

そっか。ぼくの単なる思いつきが数百年後のオランディアまで続くなんて思いもしなかった。
きっとお父さんとアンドリューさまがレナゼリシアの人たちと試行錯誤を繰り返しながら頑張ってくれたんだろうな。

「フレッド、なんだかとっても嬉しくなるね」

「ああ、そうだな。私たちがこの時代にいた証がちゃんと残ってるということだ」

そうだ。
お父さんたちと過ごしたこの時代の思い出がちゃんと形になって残ってるんだ。
元の時代に帰ったらもう二度と会えないと思っていたけれど、痕跡はどこにでもある。
だから悲しんではいけない。
ここに居られる間は思いっきり楽しむんだ!

「シュウ、さっきの話は陛下やトーマ王妃には内緒だからな」

「うん。わかってる。みんなが努力して作らないとね」

これからレナゼリシアはどんどん発達していくことだろう。
一緒に旅に来られて本当に良かった。
ぼくはフレッドに抱きしめられながら、幸せな気持ちで侯爵家までの馬車旅を楽しんだ。


明日の視察は少し遠い場所だからと出発時間が早い。
というわけでみんなとの夕食を早めに終わらせ、ぼくたちは部屋へと戻った。

「ねぇ、フレッド。お風呂に入ろう」

そう誘いはしたものの、ここの部屋のバスルームはシャワーはあるけれど湯船はない。
ここの部屋はというより、この時代は元々湯船がある家の方が少ないらしい。
王城に設置してあるのはお父さんのためにわざわざアンドリューさまがつけてあげたからだ。
シャワーしかないから狭いし、わざわざ一緒に入らなくてもいいんだろうけど、
昨夜も一緒に入れなかったし今日はなんだか一緒に入りたい気分だなって思って誘ってみたんだ。
その後にやってみたいこともあるし……。ふふっ。

ぼくが誘うとすぐにフレッドは
『ああ、入ろう』と嬉しそうに笑って、足早にぼくの手を引きバスルームへと連れて行った。
どうやら、ぼくが心変わりしてやっぱり1人で入ると言い出さないうちに入りたいらしい。
フレッドのそういうところがすごく可愛いんだよね。

「あれ? このシャンプー。石鹸も……」

お城のぼくたちの部屋にあるものと同じだ。

「ああ、同じものをブルーノに持ってこさせたからな」

「えっ? わざわざこんなものまで王都から持ってきたの?」

「当たり前だろう。以前、王都に行く前にマクベスが話していたのを忘れたか?
シュウの肌に合うものがあるのだと。こちらの時代に来てからはトーマ王妃のものと同じ物を用意してもらっているからシュウの肌に合っているだろう?」

確かに。
親子だからその点は肌質も似ているだろうし。
そっか。これ、お父さんと同じものなんだ。
なんか嬉しいな。

「シュウ、ここに座って」

シャワーの下に置かれた椅子に腰を下ろすと、フレッドは手にいっぱい泡をつけぼくの頭を洗ってくれた。

「ふぅ。気持ちいい……フレッド。やっぱり洗うの上手だね」

「昨日もシュウの髪を洗ったが、昨日は意識がなかったからな。やっぱり意識がある方がシュウの感想が聞けていいな」

「えっ? 昨日?」

「ああ、そうか。シュウは覚えてないだろうな。昨夜、意識を飛ばしてからシュウの身体を清めるのに一緒に入ったんだ」

そっか。そうだよね。
そういえば起きたら綺麗な服着てたし、フレッドが綺麗に洗ってくれてたんだ。
それなのに昨日一緒に入れなかったから一緒に入ろうだなんて誘ったりして……なんか恥ずかしい。

「シュウ、どうした?」

「ううん。フレッドにやってもらって申し訳なかったなって……」

「ふふっ。そんなことあるわけないだろう。交わりの後にシュウを清めるのは私の至福のひとときなんだ。
お願いだから、私の楽しみを奪わないでくれ」

「ふふっ。至福のひとときなんて。大袈裟なんだから」

あまりにも必死な表情で訴えてくるフレッドが可愛くて思わず笑ってしまった。

「いや、大袈裟じゃないぞ。意識がない中でも私から離れようとしないシュウは言葉では言い表せないほど可愛らしいんだからな」

「――っ!」

意識のないときの自分の様子をバラされて急に恥ずかしさが込み上げてくる。

「そ、そうなの?」

「ああ。それは無意識でもシュウが私のことを好いてくれている証だろう?
私はそれを感じられることが本当に嬉しいんだ」

フレッドは本当に嬉しそうに話すから、恥ずかしいなって思っていた気持ちがどんどん晴れていくのがわかった。
ぼくが心からフレッドが好きなんだってフレッドにわかってもらえるならそれは嬉しいことだもんね。

お互いに髪を洗った後、次はお互いに身体を洗った。
でも、洗っているとどんどんフレッドの昂りが激しくなっていく。
このままバスルームでいちゃいちゃが始まってしまうんじゃないかと心配してしまった。
だって、ぼくにはやってみたいことがあるから。

実は今日、お父さんと2人で果樹園を回っていた時、ヒューバートさんに声が聞こえないところまで離れてもらって秘密の話をしたんだ。

あの時――

「ねぇ、トーマさま。ちょっと聞きたいことがあるんだけど……」

「誰も聞いてないし、いつも通り『お父さん』でいいよ。それでどうしたの? フレデリックさんと何かあった?」

「えっ? 何でフレッド?」

「ふふっ。だって、ぼくに相談するときはいつもフレデリックさん絡みでしょう?」

にっこり笑ってズバリ指摘されて、ぼくは少し恥ずかしかったけれど今回もそのフレッド絡みの相談なんだもん。
否定のしようもない。

「うん。実はそうなんだ。あのね、さっき――――でね、――――かもしれなくて、それで何か喜ばせてあげるにはどうしたらいいのかなって思って」

「へぇー、フレデリックさん……そうなんだ。なんか可愛いね」

「ああーっ、お父さんがフレッドのこと可愛いって言ったらダメだよ」

「ふふっ。柊くんの嫉妬? それも可愛いね。なんだか妬けちゃうな」

「えっ? 妬けちゃう?」

お父さんが妬けちゃうってどういうこと?

「だって、息子が父親に嫉妬するほどフレデリックさんのことが好きってことでしょう?」

「あっ、そっか……。へへっ、なんか恥ずかしい」

ぼくの笑いに釣られるようにお父さんと2人顔を見合わせて笑った。

そして、お父さんはぐっとぼくに身体を寄せ耳元で囁いた。

「あのね、ここだけの話。アンディーもなんだよね。
多分、自分たちが大きいから僕たちみたいなタイプが可愛くて仕方ないんだと思うよ。
あっ、アンディーのことはフレデリックさんには内緒ね。
アンディーの威厳がなくなっちゃうと困るから。ふふっ。
それでね、そういう時は――――ってしてあげると、喜ぶよ」

「ええーっ? ――で?」

「ふふっ。一度試してみてごらん。前からもいいんだけど後ろからね、しがみつくようにしてもいいかも」

「しがみつく……なるほどー!! わかった! 頑張ってみる!」


って、お父さんに教えてもらったことを早速試してみたかったんだよね。
せっかくこの前積極的に行こうって思ってたのに、昨日はぐずぐずになって訳わかんなくなるまで蕩かされちゃったし……。


「シュウ……何を考えてる? 私のことだけ考えてくれ」

いや、フレッドとの夜のことを考えてたんだけど……。
でもそれをいうわけにはいかないし。

フレッドの手がぼくの乳首に触れようとするから、ぼくは急いで

「フレッド……ここじゃ、やだ……。ベッド、行こう?」

とお願いすると、フレッドはギュンと中心を思いっきり昂らせながら、矢のような速さでぼくを抱きかかえ脱衣所へと戻った。
大きなバスタオルでぼくをてるてる坊主のように包み込み、髪と身体を手際良く拭いてから、用意してあるローブを羽織ることもなく、ぼくはてるてる坊主のまま、そしてフレッドはタオルを腰に巻いただけの状態で寝室へと向かった。

フレッドはぼくをベッドの中央に座らせるとぼくの後頭部にそっと手を添え、まずは唇を重ね合わせた。

ああ、やっぱりフレッドとのキスは気持ちがいい。
下唇を甘噛みされるとドキドキする。
自然と口が開いてフレッドの舌を誘い込んでしまう。
フレッドの肉厚で柔らかい舌がぼくの上顎や歯列をなぞりぼくの舌と絡み合うたびにクチュクチュと唾液が混じり合う。

「……ふぅ……んっ……ん」

舌先を吸いつかれるたびに身体がビクビクと反応してしまって気持ちいい。
もっともっと深いところまで舐め尽くして……とねだってしまいそうになる。

ああ、ダメだ……このままキスされ続けたらまたフレッド主導になってしまう。
今日はぼくが積極的に頑張るって決めたのに……。
そう思っているのに、フレッドのキスが気持ち良すぎてつい流されてしまいそうになる。
ぼくはキスの気持ちよさに酔いしれながらも、フレッドの頬を両手で挟みゆっくりと唇を離した。

キスをしながらそのまま押し倒そうとしていたフレッドはぼくの突然の行動に驚いていた。

『ど……』
何か言いかけたフレッドの唇に指を当てて、

「ふふっ。今日はぼくの番だよ」

とにっこり笑って言うと何故かフレッドは驚きの表情を浮かべたまま、一瞬動きを止めた。

ぼくはその隙にフレッドが腰に巻いていたタオルをさっと剥ぎ取った。
見ると、フレッドの大きなモノはバスルームで見た時よりもずっとずっと大きく天を向いてそそり立っていた。

フレッドが興奮してくれていることが嬉しくて、もっともっと昂らせてみたくなって、ぼくは自分の身体を包んでいた大きなバスタオルの裾をゆっくりとあげていく。

すると、ぼくの露わになっていく太ももにフレッドの視線が突き刺さるのがわかった。
ふふっ。やっぱりフレッドはぼくの足が好きなんだ。

だったら、お父さんが教えてくれたようにやってみたらきっと喜んでくれるよね。
ふふっ。今よりもっと興奮するフレッドを思い浮かべるだけで嬉しくてたまらなくなる。

ぼくは見せつけるようにゆっくりと足を伸ばし、フレッドの大きな昂りに足の指を這わせた。

「な――っ!」

驚くフレッドを尻目に指を精一杯広げて挟みこみ刺激を与えていくと、

「……ゔっ……んっ」

とフレッドは口を押さえながら必死に耐えているようだった。
うーん、可愛い声を聞かせてくれたらいいのに……。

「我慢しないで。ねぇ、もっと気持ち良くなって……」

そう声をかけて、今度は両足の土踏まずの窪みに合わせて、フレッドのモノを挟んで上下に擦ってみると、

「……ああっ、シュウ……そ、それは……だ、めだ……」

と身体を震わせ、身体を捩りながら逃げようとする。

「ふふっ。逃げちゃ、だぁめ……」

ぼくは咄嗟に足の裏の窪みで先端を円を描くように撫で回してみると、すでに溢れていた蜜がぬちゅぬちゅと音を立てる。

「くぅ……っ」

蜜のおかげで滑りが良くなり、感度が余計上がったようだ。
ぼくはもう片方の足の裏にも蜜を擦り付け、両足でまた挟んで上下に擦ってみた。

「……シュ、シュウ……もう、だめ……だ」

フレッドの切羽詰まった声に可愛いと思ってしまう。
足からフレッドの大きなモノがビクビクと震えるのを感じ、もうすぐイきそうなのかなと思った瞬間、

――後ろからしがみつくのもいいよ。

とお父さんから言われたのを思い出した。

そうだ、それもやってみたい。
そんな衝動に駆られて、ぼくは上下に擦っていた足をさっと離した。
限界が近かったフレッドはたまったものじゃないだろうというのはぼくでもわかる。
ごめんね、それでも試してみたかったんだ。
だってフレッドにもっと気持ちよくなってほしい。

「……シュ、シュウ……?」

何が起こったのかわからない表情でぼくをみるフレッドの背後にさっと回り、おんぶのようにフレッドにしがみついた。

「えっ……? シュウ?」

ぼくは驚いているフレッドの腰に両手両足を回し、後ろからフレッドの大きな昂りに絡みついた。
両足の土踏まずでモノを挟みながら、両手で先端を弄ると

「くっ……ぅ……んっ」

フレッドは耐えながらも可愛い声を上げた。

「ふふっ。フレッド、気持ちいい?」

「あ、ああ……良すぎ、て……おかし、くなり……そうだ」

その言葉が嬉しくて、両手両足を使って刺激を与えていると、

「……ああっ、も、う……イく……」

フレッドのモノからビュクッビュクッビュルと蜜が弾け飛んだ。
と同時にぼくの足に温かいモノが流れ落ちる感覚がした。

あっ、フレッドの蜜が足にかかったんだ……。
ちょっと勿体無いと思ってしまったのは仕方ないよね。
だって、アレ、甘くて本当に美味しいんだもん。

「はぁっ、はぁっ」

フレッドはイったあと、ほんの少し息が乱れていたけれどすぐにぼくに向き直り、

「今度は私の番だな」

とニヤリと不敵な笑みを浮かべた。

おもむろにフレッドの蜜がかかったぼくの足を持ち上げ、指を口に含んだ。

えっ? フレッドが……ぼくの足の指を舐めてる?

驚くぼくにみせつけるように、フレッドはピチャピチャと音を立てて指を舐めていく。
それが本当にいやらしくて目を背けたいのに何故か見入ってしまう。
さっきぼくの口内を蹂躙していたフレッドの肉厚で大きな舌が、ぼくの足の指を一本ずつ口に含んで舐め尽くし、指の間をペロペロと舐め、土踏まずさえも舐め尽くしていく。
くすぐったいのに気持ちよくてたまらない。

「自分の蜜を舐めるのは躊躇いがあるが、シュウの足にかかっているとなれば話は別だな。
シュウの足は甘くて本当に美味しい。たまらないな」

「……んんっ……んっ」

ぼくはフレッドに足を丹念にしゃぶりあげられ、興奮しまくっていた。
いつの間にかぼくを覆っていたバスタオルもなくなり、フレッドの目の前にぼくの興奮したモノが見えてしまっている。

「シュウも気持ちよくなってきたみたいだな」

「……んっ、フレ、ッドに……なめ、られるの……きもちいぃ……」

フレッドは笑みを浮かべると、足からふくらはぎへとそのまま舌を這わせていく。
あっという間に膝裏まで舐め上げられて、ぼくはあまりの快感におかしくなりそうだった。
けれど、フレッドの手がしっかりと足を押さえつけていて身を捩ることもできない。

「ああ……っん、んっ……」

フレッドの舌はそのままぼくの太ももまで上がってきた。
さっきフレッドに見せつけていた太ももを舐められてる……そう思うだけでぼくの中心はどんどん昂っていく。
ああ、もっとフレッドに触って欲しい……舐めて欲しい……そんな思いだけが込み上げてくる。
すると、急に太ももに時々チクッチクッと痛みが走った。

何……?

そっと太ももに目をやると、紅い花がたくさん散っていた。

あっ、キスマーク……。
そっか。キスマークってこんなところにもできるんだ。
そんなことを考えていると、フレッドの舌がとうとうぼくの昂りの近くまでやってきた。
やっと舐めてもらえる……そう思ったのに、フレッドの舌は周りを這うばかりで全然ぼくのモノには触れてくれない。
ぼくのモノはフレッドに触れて、舐めてもらえるのを期待してヒクヒクと震え蜜を垂らしているというのに。

なんで?

フレッドはぼくのそんな気持ちを知ってか知らずか、周りを舐めた後おへその辺りに舌を這わせ始めた。

「やぁ……っ、フレ、ッド……いじわる、しないで……なめて……」

「シュウ、どこを舐めたらいいんだ? 教えてくれ」

どこを……?
ぼくが言うの?

「そ、そんなの……言え、ない……」

ぼくが恥ずかしくて断ると、フレッドはニヤリと笑って

「じゃあ、舐められないな」

とまたおへそのあたりを舐めてくる。

ぼくのモノからはダラダラと蜜が溢れてきているのに、フレッドはそれに見向きもしない。
このままじゃ本当に舐めてもらえないかも……。
そんなのやだ……。

「フレ、ッド……なめ、て……おねがい……お、ちんちん……なめて……」

フレッドにそう懇願すると

「ふふっ。可愛い。ああ、シュウの願いを聞いてやろうな」

と言ってぼくのモノへ顔を近づけた。

「ああ、甘い蜜がこんなに……」

フレッドは舌でこぼれ落ちた蜜をぺろっと掬い取り、

「やっぱりシュウの蜜が最高だな」

と美味しそうに味わい続ける。
その間もずっとぼくのモノからは蜜がじわりと溢れてくる。

「フレッド……はや、く……」

「ああ、悪かった」

フレッドは大きな口を開けてパクリとぼくのモノを咥え込んで大きな舌で包み込んだ。
ぺろぺろと吸いつかれじゅぽじゅぽと擦り上げられて、あまりの気持ちよさにおかしくなってしまいそうだ。

「……ひゃ……ぁん、あっ……ん」

フレッドは喘ぎ声をあげるぼくをみながら、嬉しそうに咥え続ける。

「だ、め……っ、もう……イっ、ちゃう……」

そう声が出た時には、フレッドの口の中に蜜を吐き出してしまっていた。
フレッドはそれを美味しそうにごくごくと飲み、ぼくの先端を舌で弄って最後の一滴までちゅうちゅうと吸いだして飲み干していた。

「シュウ、美味しかったよ」

満面の笑みでぼくを見るフレッドに、ぼくは
『はぁはぁ』と息を乱しながら

「ずるいよ……フレッド。ぼくもフレッドの蜜舐めたかった」

と文句を言うと、フレッドは『ふふっ』と笑って、

「じゃあまた続きは明日だな。明日はシュウが何をしてくれるか楽しみにしておくよ」

と言って、ぼくをぎゅっと抱きしめた。

ふぅ。ぼくの主導で終わるのはまだまだ時間がかかりそうだ。
でも、今日はフレッドをちゃんと気持ちよくさせられたからいいか。
うん。そういうことにしておこう。
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