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恋人だから……
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「さぁ、食事の準備をしようか」
この家での初めての食事は、伊月くんの退院パーティー。
伊月くんが食べたいと言っていた<ミモザ>のミックスフライは昨日のうちに準備しておいたからあとは揚げるだけだ。
ご飯とパンとどちらにしようかと悩んだが、今日はとことん伊月くんの好きなものにしてあげたいと思って、小さなオムライスとコーンスープを作る予定だ。伊月くんはいつも砂川くんと美味しそうにオムライスを食べているから、<ミモザ>のミックスフライと一緒に俺のオムライスも食べて欲しいと思ったんだ。
ミモザのオムライスはとろとろ卵のものと、薄い卵を巻いたものとどちらも頼むことができるが、伊月くんの好みはもうすでに知っている。きっと喜んでくれるだろう。
伊月くんが夕食の手伝いをしてくれると言ってくれたが、今日は伊月くんが主役。
カトラリーだけ用意してもらい、あとは俺が料理をしてみるのを見ていてもらうことにした。
自炊なら手慣れているが、伊月くんが見てくれていると思うだけで俄然やる気が出る。スープとチキンライスをさっと仕上げ、ミックスフライを揚げる準備を整える。
ミックスフライを揚げながら、俺はフライパンに卵を薄く焼いた。そこにチキンライスを乗せて手早く巻いた。
同じタイミングでミックスフライも揚げ終わり、レタスを乗せた皿に盛りつける。これで完成だ。
「はい。伊月くん。どうぞ」
「――っ!! すごいっ!! ミックスフライだ!! それにオムライスも!!」
目を輝かせてくれる伊月くんが可愛くて仕方がない。
「これ……僕が、本当に食べていいんですか?」
「もちろんだよ。伊月くんのためだけに作ったんだから。退院おめでとう。二ヶ月間もよく頑張ったね」
「――っ、ありがとうございます! 慎一さん!!」
「揚げたてで熱いから、火傷しないようにね」
「はい!」
二人だし、向かい合わせに座ろうと思ったけれど、やっぱり隣に料理を並べて正解だったのかもしれない。
伊月くんと並んで座ると、伊月くんは嬉しそうにミックスフライのエビフライをフォークで刺して口に運んだ。少し大きめにしておいたエビフライは伊月くんの口にはちょっと大きかったみたいだが、パクリと先端を食べていた。
「んんっ!!」
熱かったかと心配したがその表情を見るに、きっと美味しかったんだろうと推測できた。
「このエビフライ!! すっごく美味しいです!!」
もぐもぐしてごくんと飲み込んでからキラキラと目を輝かせて言ってくれる伊月くんが可愛い。
「そんなに喜んでもらえてよかったよ。オムライスも喜んでもらえるといいな。はい、あーん」
スプーンでチキンライスと卵を掬い、伊月くんの口の前に差し出すと
「えっ、あっ、はい」
少し戸惑いながらも口を開けてくれた。
「んっ! 美味しい!!」
「よかった」
「僕、この薄い卵で巻くオムライスが好きなんです」
「知ってる」
「えっ? 僕、前に言いました?」
「いや、でも伊月くんのことならなんでも知ってるよ。俺は伊月くんの恋人だからね」
こんなことを言うと怖がられるかもしれないと思ったが、伊月くんはほんのりと頬を染めながら嬉しそうに笑ってくれた。
「僕も、慎一さんのこと……何でも知りたいです……恋人、ですから……」
「――っ、伊月くん!!」
「わっ!!」
食事中だと言うのに伊月くんへの想いが止められずに、抱きしめてしまった。
ああ、なんていい子が俺の恋人になってくれたんだろう。もう幸せすぎて怖いくらいだな。
その後も嬉しそうに俺の作ったご飯を食べる伊月くんを見ながら食事を済ませ、片付けを手伝ってくれるという伊月くんにボウルや鍋といった大物を拭きあげてもらっている間に全ての食器を食洗機にセットしてあっという間に片付けを終わらせた。
食後のデザートの手作りプリンを持って、ソファーに腰を下ろし、明日のことを話すことにした。
「明日は、これからこの家で暮らすにあたって必要なものを買いに行こう」
「必要なもの、ですか?」
「うん。当分は学校も休みだし、家で過ごす時間が多いからね」
「えっ、でも部屋には十分すぎるくらい本も勉強道具も揃ってましたよ。これ以上買ってもらうなんて……」
ああ、こういう子なんだよな、伊月くんは。無欲で自分から欲しがったりしない。
「ごめん、ちょっとカッコつけた」
「えっ?」
「恋人になった伊月くんと買い物に託けてデートしたいだけなんだ」
「――っ!!」
「一緒に、出かけてくれる?」
お願いするように見つめると伊月くんは顔を真っ赤にして
「はい。僕も、慎一さんとデート、したいです……」
といってくれた。ああ、もう!! 本当に可愛すぎる!!!
でもこれで怪しまれず、ユウさんと砂川くんとの食事会に伊月くんを連れて行けるな。
驚く顔を見るのが楽しみだ。
この家での初めての食事は、伊月くんの退院パーティー。
伊月くんが食べたいと言っていた<ミモザ>のミックスフライは昨日のうちに準備しておいたからあとは揚げるだけだ。
ご飯とパンとどちらにしようかと悩んだが、今日はとことん伊月くんの好きなものにしてあげたいと思って、小さなオムライスとコーンスープを作る予定だ。伊月くんはいつも砂川くんと美味しそうにオムライスを食べているから、<ミモザ>のミックスフライと一緒に俺のオムライスも食べて欲しいと思ったんだ。
ミモザのオムライスはとろとろ卵のものと、薄い卵を巻いたものとどちらも頼むことができるが、伊月くんの好みはもうすでに知っている。きっと喜んでくれるだろう。
伊月くんが夕食の手伝いをしてくれると言ってくれたが、今日は伊月くんが主役。
カトラリーだけ用意してもらい、あとは俺が料理をしてみるのを見ていてもらうことにした。
自炊なら手慣れているが、伊月くんが見てくれていると思うだけで俄然やる気が出る。スープとチキンライスをさっと仕上げ、ミックスフライを揚げる準備を整える。
ミックスフライを揚げながら、俺はフライパンに卵を薄く焼いた。そこにチキンライスを乗せて手早く巻いた。
同じタイミングでミックスフライも揚げ終わり、レタスを乗せた皿に盛りつける。これで完成だ。
「はい。伊月くん。どうぞ」
「――っ!! すごいっ!! ミックスフライだ!! それにオムライスも!!」
目を輝かせてくれる伊月くんが可愛くて仕方がない。
「これ……僕が、本当に食べていいんですか?」
「もちろんだよ。伊月くんのためだけに作ったんだから。退院おめでとう。二ヶ月間もよく頑張ったね」
「――っ、ありがとうございます! 慎一さん!!」
「揚げたてで熱いから、火傷しないようにね」
「はい!」
二人だし、向かい合わせに座ろうと思ったけれど、やっぱり隣に料理を並べて正解だったのかもしれない。
伊月くんと並んで座ると、伊月くんは嬉しそうにミックスフライのエビフライをフォークで刺して口に運んだ。少し大きめにしておいたエビフライは伊月くんの口にはちょっと大きかったみたいだが、パクリと先端を食べていた。
「んんっ!!」
熱かったかと心配したがその表情を見るに、きっと美味しかったんだろうと推測できた。
「このエビフライ!! すっごく美味しいです!!」
もぐもぐしてごくんと飲み込んでからキラキラと目を輝かせて言ってくれる伊月くんが可愛い。
「そんなに喜んでもらえてよかったよ。オムライスも喜んでもらえるといいな。はい、あーん」
スプーンでチキンライスと卵を掬い、伊月くんの口の前に差し出すと
「えっ、あっ、はい」
少し戸惑いながらも口を開けてくれた。
「んっ! 美味しい!!」
「よかった」
「僕、この薄い卵で巻くオムライスが好きなんです」
「知ってる」
「えっ? 僕、前に言いました?」
「いや、でも伊月くんのことならなんでも知ってるよ。俺は伊月くんの恋人だからね」
こんなことを言うと怖がられるかもしれないと思ったが、伊月くんはほんのりと頬を染めながら嬉しそうに笑ってくれた。
「僕も、慎一さんのこと……何でも知りたいです……恋人、ですから……」
「――っ、伊月くん!!」
「わっ!!」
食事中だと言うのに伊月くんへの想いが止められずに、抱きしめてしまった。
ああ、なんていい子が俺の恋人になってくれたんだろう。もう幸せすぎて怖いくらいだな。
その後も嬉しそうに俺の作ったご飯を食べる伊月くんを見ながら食事を済ませ、片付けを手伝ってくれるという伊月くんにボウルや鍋といった大物を拭きあげてもらっている間に全ての食器を食洗機にセットしてあっという間に片付けを終わらせた。
食後のデザートの手作りプリンを持って、ソファーに腰を下ろし、明日のことを話すことにした。
「明日は、これからこの家で暮らすにあたって必要なものを買いに行こう」
「必要なもの、ですか?」
「うん。当分は学校も休みだし、家で過ごす時間が多いからね」
「えっ、でも部屋には十分すぎるくらい本も勉強道具も揃ってましたよ。これ以上買ってもらうなんて……」
ああ、こういう子なんだよな、伊月くんは。無欲で自分から欲しがったりしない。
「ごめん、ちょっとカッコつけた」
「えっ?」
「恋人になった伊月くんと買い物に託けてデートしたいだけなんだ」
「――っ!!」
「一緒に、出かけてくれる?」
お願いするように見つめると伊月くんは顔を真っ赤にして
「はい。僕も、慎一さんとデート、したいです……」
といってくれた。ああ、もう!! 本当に可愛すぎる!!!
でもこれで怪しまれず、ユウさんと砂川くんとの食事会に伊月くんを連れて行けるな。
驚く顔を見るのが楽しみだ。
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