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4人の空間
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「お前……本当に、成瀬か?」
「わかってる。俺も驚いてるんだ。自分が一回り以上も年の離れた恋人にこうやって縋り付くなんてな……でも、真琴がいないと生きていけないのは本心だからな」
驚いている僕を離さないように抱きしめながら、一言、一言心を込めて言ってくれる優一さんの気持ちが嬉しい。
「僕も、優一さんがいないと生きていけないですよ。同じですね」
「真琴――っ!」
「わっ!」
さらにギュッと抱きしめられた時、ふと兄さんの顔が視界に入ると僕たちを見て笑っているのが見えて、急に恥ずかしくなる。
「あの、兄さんが見てます……」
優一さんの耳元でそっと囁くと、
「あっ、すみません。お兄さん。つい、真琴が可愛くて……」
と兄さんに声をかけていた。
「ふふっ。いいんですよ、成瀬さん。真琴が可愛いのはよくわかってますから」
「ちょ――っ、兄さん!」
兄さんと優一さんの会話がすごく恥ずかしい。
でも、優一さんはそんな僕を抱き寄せながら、
「確かに。可愛い真琴をお兄さんがここまで見守ってくださって感謝していますよ」
と微笑み返した。
「ふふっ。真琴のお相手が成瀬さんのような方で本当によかったです。あっ、成瀬さんの方が年上なんですから、気楽にお話しください」
「そうで――」
「いえ、悠真。成瀬が真琴くんとこれからもパートナーとして過ごしていくのなら、私たちの義弟になるわけですから、それなりの言葉遣いは必要ですよ。なぁ、成瀬。俺のことはこれからお義兄さんと呼んでくれていいぞ」
「――っ、安慶名が……お義兄さん……」
さっと会話に入り込んできた安慶名さんの言葉に優一さんはポツリと呟きながら目を丸くしていた。
今更ながらそういうことに気づいたんだろう。
「ふふっ」
「ははっ」
兄さんさんと安慶名さんが揃って笑い出す。
「成瀬、冗談だよ。お前にお義兄さんだなんて言われたら、背中がむず痒くなる」
「いや、やっぱりこういうことはしっかりしておいた方がいいですよ、お義兄さん」
「うわっ、やめてくれっ」
「ふふっ」
「ははっ」
今度は僕と優一さんが笑い声を上げた。
なんかこの4人でいると、すごく気持ちが楽になる。
こういうのってすごくいいな。
「ねぇ、兄さんと安慶名さんの馴れ初めを聞かせてよ。どうやって出会ったの?」
僕が質問を投げかけると、兄さんはさっと顔を赤らめて安慶名さんを見つめた。
安慶名さんは兄さんを見て優しく微笑みかける。
そんな絵画のような2人の表情に思わず息を呑んでしまった。
兄さんと安慶名さんって、すごくお似合いだな……。
僕も優一さんとそんなふうに見られたらいいのに。
僕はまだまだ子どもだからな……。
そっと優一さんを見上げると、
「真琴、どうした?」
すぐに僕の視線に気づいて、顔を近づけてくれる。
「優一さんって、大人でかっこいいなって……」
「年齢は確かに上だし大人だろうが、真琴を好きなだけの男だよ」
「優一さん……」
優一さんの言葉が嬉しくて見つめ合っていると、
「ふふっ。真琴と成瀬さんってすごくお似合い。ねぇ、伊織さんもそう思いませんか?」
「ええ。本当に。成瀬の重すぎる愛を真琴くんが受け止めてくれるから安心ですね」
兄さんたちの会話が聞こえてきた。
その言葉に優一さんは少し照れていたけれど、僕を見て嬉しそうに微笑んだ。
「それで、2人の馴れ初め。そろそろ教えてくれないか? 安慶名、お前も言いたいんだろう?」
優一さんが尋ねると、安慶名さんは少し照れながらも兄さんを見た。
「いいですか?」
「ええ。私たちもう家族ですから……」
「――っ、そうですね」
兄さんの家族という言葉に安慶名さんは喜びながら、2人の出会いを話してくれた。
「――で偶然同室になって出会ったんだ」
「それで、雨に濡れたお兄さんを見て恋に落ちたわけか。お前のことだから、そのまま襲ったりはしなかったんだろう?」
「――っ、ごほっ、ごほっ。成瀬、お前――っ」
「冗談だよ。だが、そんな反応すると怪しいな」
優一さんがニヤリと安慶名さんを見ると、
「成瀬さん、大丈夫ですよ。本当に伊織さん、紳士ですから。私の方からお誘いしたくらいで……」
と兄さんの爆弾発言が飛び込んできた。
「悠真――っ、それは」
「そもそも私の方が伊織さんより先に一目惚れしてたと思いますし」
「それは違います。私の方が――」
「あー、ちょっと。2人とも真琴が恥ずかしがってるんでその辺で」
優一さんの言葉で、兄さんの発言に顔を真っ赤にしていた僕に視線が集まる。
「あ――っ」
兄さんも僕の反応に自分の失言を思い出したのか、さっと顔を赤らめる。
「悠真、そんな可愛い顔を私以外に見せないでください」
「真琴も。ほら、顔を隠して」
安慶名さんと優一さんに僕たちは揃って抱きしめられ、顔が落ち着くまでしばらくそのまま安慶名さんと優一さんの会話を聞き続けていた。
「わかってる。俺も驚いてるんだ。自分が一回り以上も年の離れた恋人にこうやって縋り付くなんてな……でも、真琴がいないと生きていけないのは本心だからな」
驚いている僕を離さないように抱きしめながら、一言、一言心を込めて言ってくれる優一さんの気持ちが嬉しい。
「僕も、優一さんがいないと生きていけないですよ。同じですね」
「真琴――っ!」
「わっ!」
さらにギュッと抱きしめられた時、ふと兄さんの顔が視界に入ると僕たちを見て笑っているのが見えて、急に恥ずかしくなる。
「あの、兄さんが見てます……」
優一さんの耳元でそっと囁くと、
「あっ、すみません。お兄さん。つい、真琴が可愛くて……」
と兄さんに声をかけていた。
「ふふっ。いいんですよ、成瀬さん。真琴が可愛いのはよくわかってますから」
「ちょ――っ、兄さん!」
兄さんと優一さんの会話がすごく恥ずかしい。
でも、優一さんはそんな僕を抱き寄せながら、
「確かに。可愛い真琴をお兄さんがここまで見守ってくださって感謝していますよ」
と微笑み返した。
「ふふっ。真琴のお相手が成瀬さんのような方で本当によかったです。あっ、成瀬さんの方が年上なんですから、気楽にお話しください」
「そうで――」
「いえ、悠真。成瀬が真琴くんとこれからもパートナーとして過ごしていくのなら、私たちの義弟になるわけですから、それなりの言葉遣いは必要ですよ。なぁ、成瀬。俺のことはこれからお義兄さんと呼んでくれていいぞ」
「――っ、安慶名が……お義兄さん……」
さっと会話に入り込んできた安慶名さんの言葉に優一さんはポツリと呟きながら目を丸くしていた。
今更ながらそういうことに気づいたんだろう。
「ふふっ」
「ははっ」
兄さんさんと安慶名さんが揃って笑い出す。
「成瀬、冗談だよ。お前にお義兄さんだなんて言われたら、背中がむず痒くなる」
「いや、やっぱりこういうことはしっかりしておいた方がいいですよ、お義兄さん」
「うわっ、やめてくれっ」
「ふふっ」
「ははっ」
今度は僕と優一さんが笑い声を上げた。
なんかこの4人でいると、すごく気持ちが楽になる。
こういうのってすごくいいな。
「ねぇ、兄さんと安慶名さんの馴れ初めを聞かせてよ。どうやって出会ったの?」
僕が質問を投げかけると、兄さんはさっと顔を赤らめて安慶名さんを見つめた。
安慶名さんは兄さんを見て優しく微笑みかける。
そんな絵画のような2人の表情に思わず息を呑んでしまった。
兄さんと安慶名さんって、すごくお似合いだな……。
僕も優一さんとそんなふうに見られたらいいのに。
僕はまだまだ子どもだからな……。
そっと優一さんを見上げると、
「真琴、どうした?」
すぐに僕の視線に気づいて、顔を近づけてくれる。
「優一さんって、大人でかっこいいなって……」
「年齢は確かに上だし大人だろうが、真琴を好きなだけの男だよ」
「優一さん……」
優一さんの言葉が嬉しくて見つめ合っていると、
「ふふっ。真琴と成瀬さんってすごくお似合い。ねぇ、伊織さんもそう思いませんか?」
「ええ。本当に。成瀬の重すぎる愛を真琴くんが受け止めてくれるから安心ですね」
兄さんたちの会話が聞こえてきた。
その言葉に優一さんは少し照れていたけれど、僕を見て嬉しそうに微笑んだ。
「それで、2人の馴れ初め。そろそろ教えてくれないか? 安慶名、お前も言いたいんだろう?」
優一さんが尋ねると、安慶名さんは少し照れながらも兄さんを見た。
「いいですか?」
「ええ。私たちもう家族ですから……」
「――っ、そうですね」
兄さんの家族という言葉に安慶名さんは喜びながら、2人の出会いを話してくれた。
「――で偶然同室になって出会ったんだ」
「それで、雨に濡れたお兄さんを見て恋に落ちたわけか。お前のことだから、そのまま襲ったりはしなかったんだろう?」
「――っ、ごほっ、ごほっ。成瀬、お前――っ」
「冗談だよ。だが、そんな反応すると怪しいな」
優一さんがニヤリと安慶名さんを見ると、
「成瀬さん、大丈夫ですよ。本当に伊織さん、紳士ですから。私の方からお誘いしたくらいで……」
と兄さんの爆弾発言が飛び込んできた。
「悠真――っ、それは」
「そもそも私の方が伊織さんより先に一目惚れしてたと思いますし」
「それは違います。私の方が――」
「あー、ちょっと。2人とも真琴が恥ずかしがってるんでその辺で」
優一さんの言葉で、兄さんの発言に顔を真っ赤にしていた僕に視線が集まる。
「あ――っ」
兄さんも僕の反応に自分の失言を思い出したのか、さっと顔を赤らめる。
「悠真、そんな可愛い顔を私以外に見せないでください」
「真琴も。ほら、顔を隠して」
安慶名さんと優一さんに僕たちは揃って抱きしめられ、顔が落ち着くまでしばらくそのまま安慶名さんと優一さんの会話を聞き続けていた。
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