10 / 79
初めての嫉妬と幸せな目覚め
しおりを挟む
「悠真のご家族は皆さん、宮古島にいらっしゃるのですか?」
「父が数年前に他界して、今は母と祖母が宮古島でマンゴー農家をやっています。あと、8つ下の大学生の弟がいるのですが、大学に通うために東京に住んでいますよ」
「えっ? 弟さんがいらっしゃるんですか?」
「はい。今、桜城大学の3年生です。あ、伊織さんの後輩ですね」
「それは奇遇ですね」
「弟……真琴というんですが、真琴が無事に桜城大学に通えているのは実は社長のおかげなんです」
「倉橋さんの?」
「はい。真琴が桜城大学に行きたいって言い出した時、宮古島を直撃した台風で栽培していたマンゴーが全滅してしまって……。今までの蓄えで借金こそせずに済みましたけど、新しくビニールハウス畑を作り直したりする費用が嵩んで真琴を東京に行かせるのが難しくなったんです。でも、社長がビニールハウス再建の投資を率先してしてくださった上に、うちの実家のマンゴー農園を浅香さんのイリゼホテルの専属農園として契約してくれるよう話を通してくださったんです」
「それはすごいですね」
「はい。おかげでうちの農園の経営も以前よりも順調になりました。それに、東京にある社長の持っているマンションの一室を真琴のために格安で貸してくださることになって……だから私は、社長には足を向けて寝られないんですよ」
「そうだったんですね。でも、倉橋さんがそこまでしてくださるのも、悠真がK.Yリゾートになくてはならない人材だと思っているからこそではないですか?」
「ふふっ。そうだといいんですけど」
「倉橋さんが以前仰ってたんです。私がこうやって東京と沖縄を行ったり来たりして仕事を順調に進められるのも優秀な社員がいてくれるおかげだと。それは悠真のことでしょう?」
「社長がそんなことを?」
「はい。その時は悠真のことを知りませんでしたから、そんな優秀な社員に恵まれて倉橋さんは羨ましいなと思うだけでしたが、今は悠真と倉橋さんの関係に妬いてしまいそうです」
悠真が実家と弟さんの恩返しも兼ねて、倉橋さんと大好きなK.Yリゾートのために必死で働いているのはわかったが、なんとなく悠真と倉橋さんの間に私には入り込む余地のない深い絆のようなものが見えた気がして嫉妬のようなものが湧き上がっていた。
今回の件もそうだ。
悠真が問題を抱えていることにいち早く気づき、さりげなく見守って……。
悠真にそんな気がなくとも倉橋さんの方は悠真に気があったりするのではないだろうか?
距離の近い2人だけに気になって仕方がない。
「ふふっ。社長は私にとって確かに恩人ではありますが、彼に恋愛感情のようなものを抱いたことは一度もないですよ。
もちろん、社長も私にはそんな気なんてさらさらないでしょうし。私が心から惹かれたのは伊織さんだけです」
「悠真……」
悠真の真剣な表情に私は自分が恥ずかしくなった。
自分が嫉妬に駆られた上に、こんな愚かなことを発してしまった自分が本当に恥ずかしい。
「すみません。どう悠真のことになると自分でもわからない感情が込み上げてきて……」
「いえ、嬉しいですよ。伊織さんが嫉妬してくださるなんて……愛されてるって実感しますね。ふふっ」
ああ、もう……どうしてこの人は……。
私の欲しい言葉を言ってくれるのだろう。
彼が好きだ、愛している。
その思いがとどまることなく溢れていく。
「悠真……愛しています」
「私も伊織さんのこと……愛しています」
悠真が潤んだ瞳で私を見上げながら愛の言葉を告げてくれたのが嬉しくて、私はゆっくりと彼の唇に自分のそれを重ね合わせた。
もう軽く重ねるだけのキスでは満足できなくて、何度も何度も唇を喰み角度を変え悠真の唇を味わった。
そっと私の胸に添えられた彼の小さな手が可愛くてたまらず、私はそっと手を重ね合わせた。
私たちは淡い月の光に照らされながら、しばらくの間甘いキスに酔いしれていた。
翌朝、目を覚ました私は隣に眠る美しい人の存在に歓喜した。
ああ、昨日のことはやはり夢ではなかったのだ。
倉橋さんの電話を受けてからたった半日で私の人生は大きく変わってしまった。
これほどまでに朝の目覚めが幸せだった日はない。
私の腕の中ですやすやと寝息を立てる悠真が私の恋人になってくれたなんて。
――私も伊織さんのこと……愛しています
彼のこの言葉が何度も何度も頭の中でリフレインする。
あの時の喜びが込み上げてきて、思わず腕の中にいる彼をぎゅっと抱きしめてしまった。
「う、うーん」
私の胸元に顔を擦り付けながら猫のように身動ぐ彼が可愛くて見入ってしまっていると、彼の目がゆっくりと開き綺麗な瞳が現れた。
彼の美しい瞳に今朝初めて映ったのが自分の顔であることに途轍もない幸せを感じながら
「悠真、おはよう」
と満面の笑みで声をかけると、一瞬ニコッと笑顔を浮かべた後でパチパチと何度か瞬きをして
「――っ!」
と息を詰まらせながら悠真はパッと顔を赤らめた。
そして私の胸元に顔を隠すとややくぐもった声で
「あの……おはよう、ございます……」
と言ってくれた。
「どうしたんですか? 可愛い顔を見せてください」
「――っ、可愛い、だなんてそんな……私、昨日は酔ってて、伊……伊織さんに色々と恥ずかしいことをしてしまって……」
「もしかして……私に愛していると言ってくれたことを後悔してるんですか?」
酔った上での戯れだとそう言われたのだと思って、幸せだった気持ちがガラガラと崩れていくのがわかる。
悲しみに打ちひしがれながら後悔してるのかと尋ねると、
「そ、そんなことっ!! あるはずがありません!! 私はあなたが……」
必死な形相で一生懸命伝えようとしてくれている彼にホッとしつつも、一瞬でも奈落の底へと落とされたのが悔しかった。
だから、
「あなたが……なんですか?」
「その……伊織さんのことを愛してます……」
意地悪だとわかっていながら続きを促すと、彼は涙を潤ませ顔を赤らめながら私への思いを告げ、再び私の胸元へと顔を隠してしまった。
「ああ……悠真。すみません。意地悪をしてしまいました。
私も悠真を愛しています。だから、可愛い顔を隠さないでください」
ぎゅっと抱きしめながら彼の綺麗な髪にキスをすると、悠真はゆっくりと顔を上げて
「……怒って、ませんか?」
と小さな声で尋ねてきた。
「怒るだなんて……悠真が私の腕の中にいてくれるだけで、私はこんなにも幸せだというのに……あなたの気持ちを一瞬でも疑った私こそ悠真に怒られます」
「私……自分があんなに甘える人だなんて初めて知って……急に昨夜のことが甦ってきて恥ずかしくなっただけです。
伊織さんとのこと、後悔なんてしてません……」
「わかっています、悠真。私が臆病になっていただけなんです……。許してくれますか?」
「……許しません」
「えっ?」
「キス、してくれないと……許しません」
真っ赤な顔をしてそう言ってくれる悠真が愛おしくて、私は何度も彼にキスを贈った。
「父が数年前に他界して、今は母と祖母が宮古島でマンゴー農家をやっています。あと、8つ下の大学生の弟がいるのですが、大学に通うために東京に住んでいますよ」
「えっ? 弟さんがいらっしゃるんですか?」
「はい。今、桜城大学の3年生です。あ、伊織さんの後輩ですね」
「それは奇遇ですね」
「弟……真琴というんですが、真琴が無事に桜城大学に通えているのは実は社長のおかげなんです」
「倉橋さんの?」
「はい。真琴が桜城大学に行きたいって言い出した時、宮古島を直撃した台風で栽培していたマンゴーが全滅してしまって……。今までの蓄えで借金こそせずに済みましたけど、新しくビニールハウス畑を作り直したりする費用が嵩んで真琴を東京に行かせるのが難しくなったんです。でも、社長がビニールハウス再建の投資を率先してしてくださった上に、うちの実家のマンゴー農園を浅香さんのイリゼホテルの専属農園として契約してくれるよう話を通してくださったんです」
「それはすごいですね」
「はい。おかげでうちの農園の経営も以前よりも順調になりました。それに、東京にある社長の持っているマンションの一室を真琴のために格安で貸してくださることになって……だから私は、社長には足を向けて寝られないんですよ」
「そうだったんですね。でも、倉橋さんがそこまでしてくださるのも、悠真がK.Yリゾートになくてはならない人材だと思っているからこそではないですか?」
「ふふっ。そうだといいんですけど」
「倉橋さんが以前仰ってたんです。私がこうやって東京と沖縄を行ったり来たりして仕事を順調に進められるのも優秀な社員がいてくれるおかげだと。それは悠真のことでしょう?」
「社長がそんなことを?」
「はい。その時は悠真のことを知りませんでしたから、そんな優秀な社員に恵まれて倉橋さんは羨ましいなと思うだけでしたが、今は悠真と倉橋さんの関係に妬いてしまいそうです」
悠真が実家と弟さんの恩返しも兼ねて、倉橋さんと大好きなK.Yリゾートのために必死で働いているのはわかったが、なんとなく悠真と倉橋さんの間に私には入り込む余地のない深い絆のようなものが見えた気がして嫉妬のようなものが湧き上がっていた。
今回の件もそうだ。
悠真が問題を抱えていることにいち早く気づき、さりげなく見守って……。
悠真にそんな気がなくとも倉橋さんの方は悠真に気があったりするのではないだろうか?
距離の近い2人だけに気になって仕方がない。
「ふふっ。社長は私にとって確かに恩人ではありますが、彼に恋愛感情のようなものを抱いたことは一度もないですよ。
もちろん、社長も私にはそんな気なんてさらさらないでしょうし。私が心から惹かれたのは伊織さんだけです」
「悠真……」
悠真の真剣な表情に私は自分が恥ずかしくなった。
自分が嫉妬に駆られた上に、こんな愚かなことを発してしまった自分が本当に恥ずかしい。
「すみません。どう悠真のことになると自分でもわからない感情が込み上げてきて……」
「いえ、嬉しいですよ。伊織さんが嫉妬してくださるなんて……愛されてるって実感しますね。ふふっ」
ああ、もう……どうしてこの人は……。
私の欲しい言葉を言ってくれるのだろう。
彼が好きだ、愛している。
その思いがとどまることなく溢れていく。
「悠真……愛しています」
「私も伊織さんのこと……愛しています」
悠真が潤んだ瞳で私を見上げながら愛の言葉を告げてくれたのが嬉しくて、私はゆっくりと彼の唇に自分のそれを重ね合わせた。
もう軽く重ねるだけのキスでは満足できなくて、何度も何度も唇を喰み角度を変え悠真の唇を味わった。
そっと私の胸に添えられた彼の小さな手が可愛くてたまらず、私はそっと手を重ね合わせた。
私たちは淡い月の光に照らされながら、しばらくの間甘いキスに酔いしれていた。
翌朝、目を覚ました私は隣に眠る美しい人の存在に歓喜した。
ああ、昨日のことはやはり夢ではなかったのだ。
倉橋さんの電話を受けてからたった半日で私の人生は大きく変わってしまった。
これほどまでに朝の目覚めが幸せだった日はない。
私の腕の中ですやすやと寝息を立てる悠真が私の恋人になってくれたなんて。
――私も伊織さんのこと……愛しています
彼のこの言葉が何度も何度も頭の中でリフレインする。
あの時の喜びが込み上げてきて、思わず腕の中にいる彼をぎゅっと抱きしめてしまった。
「う、うーん」
私の胸元に顔を擦り付けながら猫のように身動ぐ彼が可愛くて見入ってしまっていると、彼の目がゆっくりと開き綺麗な瞳が現れた。
彼の美しい瞳に今朝初めて映ったのが自分の顔であることに途轍もない幸せを感じながら
「悠真、おはよう」
と満面の笑みで声をかけると、一瞬ニコッと笑顔を浮かべた後でパチパチと何度か瞬きをして
「――っ!」
と息を詰まらせながら悠真はパッと顔を赤らめた。
そして私の胸元に顔を隠すとややくぐもった声で
「あの……おはよう、ございます……」
と言ってくれた。
「どうしたんですか? 可愛い顔を見せてください」
「――っ、可愛い、だなんてそんな……私、昨日は酔ってて、伊……伊織さんに色々と恥ずかしいことをしてしまって……」
「もしかして……私に愛していると言ってくれたことを後悔してるんですか?」
酔った上での戯れだとそう言われたのだと思って、幸せだった気持ちがガラガラと崩れていくのがわかる。
悲しみに打ちひしがれながら後悔してるのかと尋ねると、
「そ、そんなことっ!! あるはずがありません!! 私はあなたが……」
必死な形相で一生懸命伝えようとしてくれている彼にホッとしつつも、一瞬でも奈落の底へと落とされたのが悔しかった。
だから、
「あなたが……なんですか?」
「その……伊織さんのことを愛してます……」
意地悪だとわかっていながら続きを促すと、彼は涙を潤ませ顔を赤らめながら私への思いを告げ、再び私の胸元へと顔を隠してしまった。
「ああ……悠真。すみません。意地悪をしてしまいました。
私も悠真を愛しています。だから、可愛い顔を隠さないでください」
ぎゅっと抱きしめながら彼の綺麗な髪にキスをすると、悠真はゆっくりと顔を上げて
「……怒って、ませんか?」
と小さな声で尋ねてきた。
「怒るだなんて……悠真が私の腕の中にいてくれるだけで、私はこんなにも幸せだというのに……あなたの気持ちを一瞬でも疑った私こそ悠真に怒られます」
「私……自分があんなに甘える人だなんて初めて知って……急に昨夜のことが甦ってきて恥ずかしくなっただけです。
伊織さんとのこと、後悔なんてしてません……」
「わかっています、悠真。私が臆病になっていただけなんです……。許してくれますか?」
「……許しません」
「えっ?」
「キス、してくれないと……許しません」
真っ赤な顔をしてそう言ってくれる悠真が愛おしくて、私は何度も彼にキスを贈った。
294
あなたにおすすめの小説
ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる
cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。
「付き合おうって言ったのは凪だよね」
あの流れで本気だとは思わないだろおおお。
凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?
【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話
降魔 鬼灯
BL
ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。
両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。
しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。
コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
【bl】砕かれた誇り
perari
BL
アルファの幼馴染と淫らに絡んだあと、彼は医者を呼んで、私の印を消させた。
「来月結婚するんだ。君に誤解はさせたくない。」
「あいつは嫉妬深い。泣かせるわけにはいかない。」
「君ももう年頃の残り物のオメガだろ? 俺の印をつけたまま、他のアルファとお見合いするなんてありえない。」
彼は冷たく、けれどどこか薄情な笑みを浮かべながら、一枚の小切手を私に投げ渡す。
「長い間、俺に従ってきたんだから、君を傷つけたりはしない。」
「結婚の日には招待状を送る。必ず来て、席につけよ。」
---
いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。
私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、
一部に翻訳ソフトを使用しています。
もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、
本当にありがたく思います。
借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます
なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。
そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。
「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」
脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……!
高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!?
借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。
冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!?
短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
病弱の花
雨水林檎
BL
痩せた身体の病弱な青年遠野空音は資産家の男、藤篠清月に望まれて単身東京に向かうことになる。清月は彼をぜひ跡継ぎにしたいのだと言う。明らかに怪しい話に乗ったのは空音が引き取られた遠縁の家に住んでいたからだった。できそこないとも言えるほど、寝込んでばかりいる空音を彼らは厄介払いしたのだ。そして空音は清月の家で同居生活を始めることになる。そんな空音の願いは一つ、誰よりも痩せていることだった。誰もが眉をひそめるようなそんな願いを、清月は何故か肯定する……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる