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嬉しい傷
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腕の中にいた悠真が身動ぎ、私も一緒に目を覚ました。
だが、悠真の反応が知りたくてそのまま寝たフリを続けてみた。
「――っ、えっ? なんで、裸??」
悠真の戸惑う声が聞こえる。焦る声すら愛おしい。
「う、うーん」
わざと声を上げてみると、悠真はハッとして口を押さえた。
きっと私を起こさないようにと気遣ったのだろう。
私を見つめる悠真の視線を感じるが、ここでバレるわけにはいかない。
そのまま静かにしていると、大きなため息が聞こえてきた。
もしかして私とこうなったことを後悔しているのでは……そんな恐ろしい思いが一瞬よぎったが、昨夜の悠真の様子を思い出せばそんなことは絶対にないと言い切れる。
だとすればさっきのため息は?
緊張しながら悠真の視線を浴び続けていると、悠真の細くて長い指が私の頬を撫でる。
「こんなに素敵な人が私の恋人だなんて……夢じゃないのかな」
恍惚とした表情でそんなことを言い、そんな可愛いことをされて我慢などできるわけがない。
「もう、悠真は朝からなんと可愛いことを言ってくれるんですか?」
「い、伊織さん……起きてたんですか?」
「悠真が可愛くて起きてしまいました」
「可愛いだなんて、そんな……」
「こらこら、私の愛しい恋人を貶すのは悠真でも許しませんよ」
「ひゃ――っん」
お仕置きとばかりに悠真の可愛らしい小さな剥き出しの尻を優しく撫でると、昨夜を彷彿とさせるような甘い声をあげる。
「悠真の肌は本当に吸い付くように滑らかで気持ちがいいですね」
「そんな……あ、あの……なんで私たち裸なんですか?」
「理由を聞きたいですか?」
意味深な笑顔を見せると、悠真の顔が一気に赤くなる。
「えっ……あの、その……大丈夫です」
さらに白い肌を赤らめて恥ずかしそうに私の胸元に顔を隠す。
「悠真にもわかりましたか? 悠真の綺麗な肌にずっと触れていたかったんですよ」
「……あの、」
悠真がまだ顔を赤く染めたまま、私を見上げる。
キスをねだるようなその顔も可愛くて、キスを奪いたくなってしまう。
「悠真、どうしました?」
「あの、伊織さん……私の身体が……好きですか?」
「もちろんです。この吸い付いてくる肌もハリがあってしなやかな身体も何もかも好きです。ですが……一番好きなのは、悠真自身です。もう悠真は私だけのものです。誰にも触れさせません」
私の言葉に悠真の顔がふっと綻ぶ。
「伊織さん……私も、伊織さんが大好きです。ずっと独占してください」
「ああ、もうっ。あなたという人はどこまで私を翻弄させるのですか」
「えっ? 私、そんな……」
「愛してますよ。悠真、一生私だけのものです。そして、私もあなただけのものですよ」
腕の中にいる悠真をぎゅっと抱きしめる。
「はい。伊織さんは私だけのものですね」
悠真はまだほんのりと赤い顔で嬉しそうに笑顔を見せてくれた。
「あの、私……お風呂に?」
「いえ、お風呂は悠真と一緒に入る楽しみに取っておこうと、シャワーだけで身体を清めておきました。お風呂に入りますか?」
「はい。ここに泊まると明るい時に入るのが好きなんです」
「悠真はここに泊まったことが?」
「ええ。社長のところで昨夜のようにお酒を飲ませてもらった後は、家に帰るのは危ないからとここに泊めさせてくれるんです」
なるほど。確かに酔っ払った悠真を一人で帰らせるのは危ない。
ただでさえ狙われやすいというのに、酒が入ると無防備さに拍車がかかるからな。
倉橋さんに守ってもらっていたと思えば嬉しいことなのだが、離れとはいえ一緒に泊まっていたのかと思うと少し嫉妬してしまう自分がいる。
我ながらここまで狭量になってしまうとは思ってもみなかった。
「伊織さん、どうしました?」
「いえ、なんでもありません。お風呂に行きましょうか」
「はい。――ったた!」
私の腕の中から起きあがろうとした悠真が痛そうに眉を顰めた。
やはり私が昨日激しくしすぎたせいだ。
「悠真。無理しないでください。私が昨日、理性を飛ばしてしまったもので……悠真の身体が辛いのは私のせいですから」
「そんな……私は、この痛みですら嬉しいですよ。伊織さんが私のことをここまで愛してくださった証ですから」
「くっ!!」
にっこりと聖母のような微笑みを見せる悠真に私は一気に昂ってしまうそうだったけれど、ここで悠真を押し倒しては鬼畜と罵られても仕方がない。
私は必死に自分の昂りに言い聞かせながら、悠真を抱きかかえた。
「わっ――」
驚いて首にしがみついてくる悠真の可愛さにやられそうになる。
「今日は私がしっかりとお世話しますから安心してください」
お世話という言葉に悠真は恥ずかしそうにしながらも頷いてくれた。
そのまま風呂場に入って思い出した。
「そういえば、五右衛門風呂でしたね。湯を温めなければ……」
しかし、浴槽をみると、どう見ても暖かそうな湯が湧いている。
一体どういうことだ?
「気づかれましたか? ここのお風呂、見た目は五右衛門風呂の体ですけど、自動でお風呂が沸いた状態を保ってくれるんです」
「えつ……じゃあ、倉橋さんは……」
「最初から私たちをここに泊めるおつもりだったんでしょうね」
「悠真は最初から気づいていたのではないですか?」
何度もここに泊まっているのなら知らないわけがない。
「はい。伊織さんと泊まりたかったので……でも、今度は私の家に泊まってくださいね」
にっこりと微笑む悠真への愛おしさが募る。
「ええ、もちろんですよ!!」
しっかりと抱きしめて、この手を絶対に話さないと誓った。
「伊織さん、湯船に入ってみましょうか」
「そうですね」
私は悠真を抱いたまま、湯をさっとかけそのまま湯船に入った。
湯の中に完全に身体を浸かると、なにやらピリッとした痛みを感じた。
「伊織さん? どうかしましたか?」
私が一瞬眉を顰めたことに気付いたのだろう。
悠真が心配そうに見つめてくるので、隠さないほうがいいだろう。
「何かちょっと背中がピリッとしただけです。特に問題は……」
「でも……心配です。背中見せてください」
悠真は私の肩越しに顔を乗り出し、私の背に目を向けた。
「あっ……」
「何かありましたか?」
「あの、腫れてます。痛そうな線が何本も入って……うっすら血が滲んでいるところも……」
線?
何本も?
その瞬間、私の頭の中にある記憶が甦った。
――ああ、いお、りさん……っ、いお、りさん……す、きぃ……
悠真が気持ちよさそにイく瞬間、背中にピリッと痛みが走ったんだ。
なるほど、そういうことか。
「それなら、なんの問題もありません」
「えっ? でも……」
「それは悠真が感じてくれた証ですから。私にとっては勲章のようなものですよ」
「感じた……証? 勲章?」
悠真は全くわかっていなかったようだが、ふとその考えに行き着いたようで、一気に顔を赤らめた。
「あの、私……私が、伊織さんに……傷を?」
悠真は半分泣きそうな顔をしているが申し訳なく思う必要なんてどこにもない。
「悠真、顔をよく見せてください。私は、悠真が感じてくれて嬉しいんですよ。あなたのつけてくれた傷をみるたびにあの時のことを思い出せますから……」
それがこの幸せの証なのだから。
「伊織さん……愛してます」
可愛い悠真の告白にここから一瞬にして昂った私が、悠真の嬌声を風呂中に響かせることになったのは言うまでもない。
だが、悠真の反応が知りたくてそのまま寝たフリを続けてみた。
「――っ、えっ? なんで、裸??」
悠真の戸惑う声が聞こえる。焦る声すら愛おしい。
「う、うーん」
わざと声を上げてみると、悠真はハッとして口を押さえた。
きっと私を起こさないようにと気遣ったのだろう。
私を見つめる悠真の視線を感じるが、ここでバレるわけにはいかない。
そのまま静かにしていると、大きなため息が聞こえてきた。
もしかして私とこうなったことを後悔しているのでは……そんな恐ろしい思いが一瞬よぎったが、昨夜の悠真の様子を思い出せばそんなことは絶対にないと言い切れる。
だとすればさっきのため息は?
緊張しながら悠真の視線を浴び続けていると、悠真の細くて長い指が私の頬を撫でる。
「こんなに素敵な人が私の恋人だなんて……夢じゃないのかな」
恍惚とした表情でそんなことを言い、そんな可愛いことをされて我慢などできるわけがない。
「もう、悠真は朝からなんと可愛いことを言ってくれるんですか?」
「い、伊織さん……起きてたんですか?」
「悠真が可愛くて起きてしまいました」
「可愛いだなんて、そんな……」
「こらこら、私の愛しい恋人を貶すのは悠真でも許しませんよ」
「ひゃ――っん」
お仕置きとばかりに悠真の可愛らしい小さな剥き出しの尻を優しく撫でると、昨夜を彷彿とさせるような甘い声をあげる。
「悠真の肌は本当に吸い付くように滑らかで気持ちがいいですね」
「そんな……あ、あの……なんで私たち裸なんですか?」
「理由を聞きたいですか?」
意味深な笑顔を見せると、悠真の顔が一気に赤くなる。
「えっ……あの、その……大丈夫です」
さらに白い肌を赤らめて恥ずかしそうに私の胸元に顔を隠す。
「悠真にもわかりましたか? 悠真の綺麗な肌にずっと触れていたかったんですよ」
「……あの、」
悠真がまだ顔を赤く染めたまま、私を見上げる。
キスをねだるようなその顔も可愛くて、キスを奪いたくなってしまう。
「悠真、どうしました?」
「あの、伊織さん……私の身体が……好きですか?」
「もちろんです。この吸い付いてくる肌もハリがあってしなやかな身体も何もかも好きです。ですが……一番好きなのは、悠真自身です。もう悠真は私だけのものです。誰にも触れさせません」
私の言葉に悠真の顔がふっと綻ぶ。
「伊織さん……私も、伊織さんが大好きです。ずっと独占してください」
「ああ、もうっ。あなたという人はどこまで私を翻弄させるのですか」
「えっ? 私、そんな……」
「愛してますよ。悠真、一生私だけのものです。そして、私もあなただけのものですよ」
腕の中にいる悠真をぎゅっと抱きしめる。
「はい。伊織さんは私だけのものですね」
悠真はまだほんのりと赤い顔で嬉しそうに笑顔を見せてくれた。
「あの、私……お風呂に?」
「いえ、お風呂は悠真と一緒に入る楽しみに取っておこうと、シャワーだけで身体を清めておきました。お風呂に入りますか?」
「はい。ここに泊まると明るい時に入るのが好きなんです」
「悠真はここに泊まったことが?」
「ええ。社長のところで昨夜のようにお酒を飲ませてもらった後は、家に帰るのは危ないからとここに泊めさせてくれるんです」
なるほど。確かに酔っ払った悠真を一人で帰らせるのは危ない。
ただでさえ狙われやすいというのに、酒が入ると無防備さに拍車がかかるからな。
倉橋さんに守ってもらっていたと思えば嬉しいことなのだが、離れとはいえ一緒に泊まっていたのかと思うと少し嫉妬してしまう自分がいる。
我ながらここまで狭量になってしまうとは思ってもみなかった。
「伊織さん、どうしました?」
「いえ、なんでもありません。お風呂に行きましょうか」
「はい。――ったた!」
私の腕の中から起きあがろうとした悠真が痛そうに眉を顰めた。
やはり私が昨日激しくしすぎたせいだ。
「悠真。無理しないでください。私が昨日、理性を飛ばしてしまったもので……悠真の身体が辛いのは私のせいですから」
「そんな……私は、この痛みですら嬉しいですよ。伊織さんが私のことをここまで愛してくださった証ですから」
「くっ!!」
にっこりと聖母のような微笑みを見せる悠真に私は一気に昂ってしまうそうだったけれど、ここで悠真を押し倒しては鬼畜と罵られても仕方がない。
私は必死に自分の昂りに言い聞かせながら、悠真を抱きかかえた。
「わっ――」
驚いて首にしがみついてくる悠真の可愛さにやられそうになる。
「今日は私がしっかりとお世話しますから安心してください」
お世話という言葉に悠真は恥ずかしそうにしながらも頷いてくれた。
そのまま風呂場に入って思い出した。
「そういえば、五右衛門風呂でしたね。湯を温めなければ……」
しかし、浴槽をみると、どう見ても暖かそうな湯が湧いている。
一体どういうことだ?
「気づかれましたか? ここのお風呂、見た目は五右衛門風呂の体ですけど、自動でお風呂が沸いた状態を保ってくれるんです」
「えつ……じゃあ、倉橋さんは……」
「最初から私たちをここに泊めるおつもりだったんでしょうね」
「悠真は最初から気づいていたのではないですか?」
何度もここに泊まっているのなら知らないわけがない。
「はい。伊織さんと泊まりたかったので……でも、今度は私の家に泊まってくださいね」
にっこりと微笑む悠真への愛おしさが募る。
「ええ、もちろんですよ!!」
しっかりと抱きしめて、この手を絶対に話さないと誓った。
「伊織さん、湯船に入ってみましょうか」
「そうですね」
私は悠真を抱いたまま、湯をさっとかけそのまま湯船に入った。
湯の中に完全に身体を浸かると、なにやらピリッとした痛みを感じた。
「伊織さん? どうかしましたか?」
私が一瞬眉を顰めたことに気付いたのだろう。
悠真が心配そうに見つめてくるので、隠さないほうがいいだろう。
「何かちょっと背中がピリッとしただけです。特に問題は……」
「でも……心配です。背中見せてください」
悠真は私の肩越しに顔を乗り出し、私の背に目を向けた。
「あっ……」
「何かありましたか?」
「あの、腫れてます。痛そうな線が何本も入って……うっすら血が滲んでいるところも……」
線?
何本も?
その瞬間、私の頭の中にある記憶が甦った。
――ああ、いお、りさん……っ、いお、りさん……す、きぃ……
悠真が気持ちよさそにイく瞬間、背中にピリッと痛みが走ったんだ。
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「それなら、なんの問題もありません」
「えっ? でも……」
「それは悠真が感じてくれた証ですから。私にとっては勲章のようなものですよ」
「感じた……証? 勲章?」
悠真は全くわかっていなかったようだが、ふとその考えに行き着いたようで、一気に顔を赤らめた。
「あの、私……私が、伊織さんに……傷を?」
悠真は半分泣きそうな顔をしているが申し訳なく思う必要なんてどこにもない。
「悠真、顔をよく見せてください。私は、悠真が感じてくれて嬉しいんですよ。あなたのつけてくれた傷をみるたびにあの時のことを思い出せますから……」
それがこの幸せの証なのだから。
「伊織さん……愛してます」
可愛い悠真の告白にここから一瞬にして昂った私が、悠真の嬌声を風呂中に響かせることになったのは言うまでもない。
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