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撮影の始まり < side晴>
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「晴、どうした?」
起き上がりベッドに腰掛けたまま隆之さんが尋ねてくる。
隣にピッタリと座るその体温が心地良い。
「あの、僕……変な顔してなかった?」
「ふふっ。なんだ、そんなこと気にしてたのか?」
「だって……」
「晴はいつでもどんな時だって可愛いに決まってるだろ」
そう言って満面の笑みで僕の髪を撫でる。
そんな隆之さんの優しさに僕はどんどん甘えてしまうんだ。
だめだなぁ。こんなのが続いたら僕……
「どうした? 撮影が心配になったのか?」
「ううん、違うよ。ただ……」
「んっ?」
「隆之さん優しすぎるから、隆之さん無しじゃ生活できなくなりそうだなって……」
僕の言葉に一瞬驚いた顔をしていた隆之さんだったけど、すぐに嬉しそうに
「なら、よかった」
と僕を抱きしめた。
「よかったってどういうこと?」
「晴を俺無しじゃ生活できないようにするのが俺の夢だからな。晴は俺のそばでずっと笑顔でいてくれたらいいんだ。何も心配なんてさせないよ」
まるでプロポーズのような言葉に、僕は思わず顔を赤らめた。
「いいか、晴。どんなことがあっても俺は晴の味方だし、どんなことからでも守ってみせる。だから、晴は何も気にせずにいつもの晴でいてくれたらいい。何も心配しなくていいよ」
あっ、これって……
――絶対に成功させなきゃっていうプレッシャーが強くて怖くてたまらなくなってた
僕の心配してたことを全部わかっていてくれるようなそんな隆之さんの言葉に目の前がパーッと明るくなった気がした。
あの日、桜木部長と話して覚悟はできたつもりだったけれど、撮影の日を迎えて緊張がまたやってきたのは自分でもわかってた。
隆之さんはそんな僕の様子に気がついて、僕を抱きしめながら眠ってくれたんだろうか?
そのために朝からこうやって優しい言葉をかけてくれて、僕の不安を取り除いてくれようとしてくれたんだろうか?
でもさっきのプロポーズみたいな言葉はこの撮影のため……とかじゃないよね?
あれは隆之さんの本心だよね?
どうしよう、聞きたいけど……もし違ったら?
いや、なんでも言葉にしないと間違った選択をしてしまうかもしれない!
ここはうやむやにしてたらだめだよね。
「晴、何が心配なんだ?」
僕がずっと黙ったまま隆之さんを見つめているから心配になったらしい。
隆之さんが僕の顔を覗き込んでくれるその眼差しがとても優しい。
「さっきの……」
「んっ?」
「さっきの、隆之さんの夢……もうとっくに叶ってます」
「えっ?」
「僕はもうとっくに隆之さん無しじゃ生きていけない状態になってますよ。だから、責任とってくれますか?」
真剣な表情で隆之さんを見つめると、隆之さんはいよいよ目を丸くして微動だにしない。
「隆之さん??」
その問いかけに隆之さんは急にガバッと手を広げて僕を自分の胸の中に抱き込んだ。
「わぁっ!」
今までにないほど強くぎゅっと抱き込まれて痛いくらいだ。
でもなんだろう、痛みよりも何よりも嬉しさの方が何倍も多い。
「晴、さっきの言葉本当か? 責任ならどれだけでもとってやる。俺はもう絶対に晴を離さないぞ!」
少し涙ぐんだような隆之さんの言葉に僕もまた涙をこぼしながら、
「はい。離さないでください」
というと、隆之さんは嬉しそうに僕の唇にキスしてくれた。
大切なCM撮影の日が僕にとって最も大切な日になっちゃったな。
ふふっ。週末の旅行が楽しみだ。
今日、理玖にこっそり今のこと話しちゃおうかな。
撮影スタジオの駐車場に到着すると、すでにオーナーの車が止めてあった。
でも中には人の気配がない。
多分もう中に入っているんだろう。
「もう理玖たち来ているみたいだね。僕たち遅くなっちゃったのかな?」
「いいや、入りの時間にはまた早いくらいなはずだよ。ほら、まだ10分前だ」
僕に見せてくれた時計は確かに8時50分を差していた。
「おそらくアルが理玖の撮影する場所が気になって早く着きすぎただけじゃないか」
「ふふっ。そうかも。オーナー、すごく気にしているみたいだったから」
「アルも相当過保護だからな。じゃあ俺たちも行くか」
隆之さんはそういうとさっと運転席から出て僕の扉を開けてくれた。
「晴の綺麗な指が怪我でもしたら大変だからな」
そんなことを言いながら僕に手を差し出してくれる隆之さんはまるで王子さまのようだ。
少し照れながらもそっと指を置くと、隆之さんは嬉しそうに優しく握ってスタジオまで僕をエスコートしてくれた。
「うわっ、すごいっ!!」
スタジオの中に入ると、昔見ていたCMのセットがそっくりそのままもうすでに組まれていて、一瞬にしてテレビで見ていたあのCMが甦ってきた。
うわぁあ、本当にあれを撮影するんだ。
しかも僕がそれに出られるなんて!
緊張となんともいえない高揚感が僕を包み込む。
このCMにでようかどうかを悩んでいた時に、おじいちゃんに電話をした時のことがフッと頭の中に甦ったのはこのセットを見たからだろう。
――ハル……よく聞きなさい。私もハルもそのパンが大好きだったろう? でもね、そのハセガワさんとやらは我々以上にそのパンに愛しているんじゃないのか? その彼が愛しているパンのCMにハルがぴったりだと思ったのなら、その気持ちが全てなんじゃないのか? 彼は妥協や惰性でハルをCMに出るよう頼んだわけじゃないだろう? ハルが自分なんかなんて言っていたら、ハルを選んでくれた彼も見下げることになるんじゃないのか?
そのときにおじいちゃんにかけられた言葉は今でも僕の心に深く刻まれている。
成功するかどうかのプレッシャーの中でここのところ気持ちが上がったり下がったりかなり不安定になってしまっているけれど、長谷川さんが僕を選んでくれたことだけは否定してはいけないんだ。
僕には隆之さんも理玖もオーナーもそして、桜木部長も長谷川さんもテオドールさんもみんなみんなついててくれてる。
今日は理玖と一緒に思いっきり楽しんでやるんだ!!!
「香月~!!!」
このセットを見て改めてそう決意を固めたところで、スタジオの奥から理玖が駆け寄ってきた。
「早かったね、何をしてたの?」
「ああ、アルがスタジオの中をちゃんと確認しておきたいっていうから一緒に見回ってたんだ。ほら、前に香月が大変な目にあったことがあっただろう? だからそれを心配してアルがチェックしてくれてたんだ。これで安心して撮影に入れるだろう?」
「そっか。ありがとう。これで撮影に集中できるね。理玖も頑張ってよ」
「アルが練習に付き合ってくれたからさ、多分すぐに撮り終わると思うよ。香月が足を引っ張らなきゃな」
いたずらっ子のような笑顔でそんなことを言ってくる理玖の明るさに僕はどんどん引き込まれて気がつけば僕は笑顔でいっぱいになっていた。
「香月くん、戸川くん。おはよう。ここに居たのか。今日はよろしく! 早瀬さんも今日はよろしくお願いします」
声をかけられ振り向くとそこにはフェリーチェの長谷川さんの姿があった。
「おはようございます。ようやく撮影ですね。頑張りましょう」
長谷川さんの一番近くにいた隆之さんがそう声をかけると、長谷川さんはもちろんですよ! とテンション高く答えていた。
隆之さんの挨拶が終わったのを見計らって
「長谷川さん、おはようございます」
と声をかけると同じタイミングで理玖も一緒に挨拶をしていた。
合わせたわけでもないのに一言一句違わずに2人一緒に挨拶をすると、長谷川さんは嬉しそうに笑って
「うん、息ぴったりだね! 撮影もその調子で頼むよ」
と僕たちの肩をポンポンと叩いて、
「私はまだちょっと準備が残っているから、2人は先に着替えとメイクを済ませておいて。準備終わったらスタッフみんなに紹介して撮影始めるからね。それじゃあ、また後で」
と言って慌ただしく去っていった。
「俺も手伝ってくるから、晴は理玖から離れないようにな。理玖、頼むよ」
隆之さんはそういうと、僕の頭をポンと叩いて長谷川さんの後を追うように走っていった。
「早瀬さんは相変わらず香月ファーストだな」
「ふふっ。そう?」
「それにしても長谷川さん……すげぇ忙しそうだけど、顔は笑ってたな」
「うん。ずっと復活させたいって言ってた商品の撮影だから力入ってるんじゃないのかな。これであの時のリベンジできるって張り切ってるのかも」
「そうか……じゃあ、俺たち頑張らないとな!」
「うん。僕、ずっと不安だったけど、撮影場所で理玖見つけてからちょっと不安が消えたんだ。だから一緒に出てくれることになったの、僕が一番喜んでると思う」
「俺だって、香月が一緒じゃなきゃ断ってたよ。香月と一緒だからやれそうって思ったし」
少し照れた様子でそう話してくれる理玖を見て、ああ、僕は本当に恵まれてるなって思った。
「香月く~ん! 戸川く~ん! こっちにお願いしま~す!!」
少し離れた場所から声をかけてくれているのは、リュウールのポスター撮影の時もお世話になった衣装の棚橋さん。
理玖と2人で急いで彼女の元に駆け寄ると棚橋さんは
「香月くん、久しぶりね。相変わらず可愛いわ。戸川くんは初めましてよね。香月くんとは仲が良いお友達だって聞いてるけど、やっぱりお友達同士可愛いのね、2人一緒にいると眼福だわ」
となぜか僕たちを上から下までじっくりとみて、にこやかな笑顔を浮かべている。
「香月、この人……大丈夫か?」
と理玖は僕の耳元で心配そうに囁いているけど、ふふっ。大丈夫だよ。
前も僕のことを天使だ、なんだって言ってたけど用意してくれた服はイメージにぴったりの服だったし、きっと今日もあのCMにぴったりのものを用意してくれているはずだ。
起き上がりベッドに腰掛けたまま隆之さんが尋ねてくる。
隣にピッタリと座るその体温が心地良い。
「あの、僕……変な顔してなかった?」
「ふふっ。なんだ、そんなこと気にしてたのか?」
「だって……」
「晴はいつでもどんな時だって可愛いに決まってるだろ」
そう言って満面の笑みで僕の髪を撫でる。
そんな隆之さんの優しさに僕はどんどん甘えてしまうんだ。
だめだなぁ。こんなのが続いたら僕……
「どうした? 撮影が心配になったのか?」
「ううん、違うよ。ただ……」
「んっ?」
「隆之さん優しすぎるから、隆之さん無しじゃ生活できなくなりそうだなって……」
僕の言葉に一瞬驚いた顔をしていた隆之さんだったけど、すぐに嬉しそうに
「なら、よかった」
と僕を抱きしめた。
「よかったってどういうこと?」
「晴を俺無しじゃ生活できないようにするのが俺の夢だからな。晴は俺のそばでずっと笑顔でいてくれたらいいんだ。何も心配なんてさせないよ」
まるでプロポーズのような言葉に、僕は思わず顔を赤らめた。
「いいか、晴。どんなことがあっても俺は晴の味方だし、どんなことからでも守ってみせる。だから、晴は何も気にせずにいつもの晴でいてくれたらいい。何も心配しなくていいよ」
あっ、これって……
――絶対に成功させなきゃっていうプレッシャーが強くて怖くてたまらなくなってた
僕の心配してたことを全部わかっていてくれるようなそんな隆之さんの言葉に目の前がパーッと明るくなった気がした。
あの日、桜木部長と話して覚悟はできたつもりだったけれど、撮影の日を迎えて緊張がまたやってきたのは自分でもわかってた。
隆之さんはそんな僕の様子に気がついて、僕を抱きしめながら眠ってくれたんだろうか?
そのために朝からこうやって優しい言葉をかけてくれて、僕の不安を取り除いてくれようとしてくれたんだろうか?
でもさっきのプロポーズみたいな言葉はこの撮影のため……とかじゃないよね?
あれは隆之さんの本心だよね?
どうしよう、聞きたいけど……もし違ったら?
いや、なんでも言葉にしないと間違った選択をしてしまうかもしれない!
ここはうやむやにしてたらだめだよね。
「晴、何が心配なんだ?」
僕がずっと黙ったまま隆之さんを見つめているから心配になったらしい。
隆之さんが僕の顔を覗き込んでくれるその眼差しがとても優しい。
「さっきの……」
「んっ?」
「さっきの、隆之さんの夢……もうとっくに叶ってます」
「えっ?」
「僕はもうとっくに隆之さん無しじゃ生きていけない状態になってますよ。だから、責任とってくれますか?」
真剣な表情で隆之さんを見つめると、隆之さんはいよいよ目を丸くして微動だにしない。
「隆之さん??」
その問いかけに隆之さんは急にガバッと手を広げて僕を自分の胸の中に抱き込んだ。
「わぁっ!」
今までにないほど強くぎゅっと抱き込まれて痛いくらいだ。
でもなんだろう、痛みよりも何よりも嬉しさの方が何倍も多い。
「晴、さっきの言葉本当か? 責任ならどれだけでもとってやる。俺はもう絶対に晴を離さないぞ!」
少し涙ぐんだような隆之さんの言葉に僕もまた涙をこぼしながら、
「はい。離さないでください」
というと、隆之さんは嬉しそうに僕の唇にキスしてくれた。
大切なCM撮影の日が僕にとって最も大切な日になっちゃったな。
ふふっ。週末の旅行が楽しみだ。
今日、理玖にこっそり今のこと話しちゃおうかな。
撮影スタジオの駐車場に到着すると、すでにオーナーの車が止めてあった。
でも中には人の気配がない。
多分もう中に入っているんだろう。
「もう理玖たち来ているみたいだね。僕たち遅くなっちゃったのかな?」
「いいや、入りの時間にはまた早いくらいなはずだよ。ほら、まだ10分前だ」
僕に見せてくれた時計は確かに8時50分を差していた。
「おそらくアルが理玖の撮影する場所が気になって早く着きすぎただけじゃないか」
「ふふっ。そうかも。オーナー、すごく気にしているみたいだったから」
「アルも相当過保護だからな。じゃあ俺たちも行くか」
隆之さんはそういうとさっと運転席から出て僕の扉を開けてくれた。
「晴の綺麗な指が怪我でもしたら大変だからな」
そんなことを言いながら僕に手を差し出してくれる隆之さんはまるで王子さまのようだ。
少し照れながらもそっと指を置くと、隆之さんは嬉しそうに優しく握ってスタジオまで僕をエスコートしてくれた。
「うわっ、すごいっ!!」
スタジオの中に入ると、昔見ていたCMのセットがそっくりそのままもうすでに組まれていて、一瞬にしてテレビで見ていたあのCMが甦ってきた。
うわぁあ、本当にあれを撮影するんだ。
しかも僕がそれに出られるなんて!
緊張となんともいえない高揚感が僕を包み込む。
このCMにでようかどうかを悩んでいた時に、おじいちゃんに電話をした時のことがフッと頭の中に甦ったのはこのセットを見たからだろう。
――ハル……よく聞きなさい。私もハルもそのパンが大好きだったろう? でもね、そのハセガワさんとやらは我々以上にそのパンに愛しているんじゃないのか? その彼が愛しているパンのCMにハルがぴったりだと思ったのなら、その気持ちが全てなんじゃないのか? 彼は妥協や惰性でハルをCMに出るよう頼んだわけじゃないだろう? ハルが自分なんかなんて言っていたら、ハルを選んでくれた彼も見下げることになるんじゃないのか?
そのときにおじいちゃんにかけられた言葉は今でも僕の心に深く刻まれている。
成功するかどうかのプレッシャーの中でここのところ気持ちが上がったり下がったりかなり不安定になってしまっているけれど、長谷川さんが僕を選んでくれたことだけは否定してはいけないんだ。
僕には隆之さんも理玖もオーナーもそして、桜木部長も長谷川さんもテオドールさんもみんなみんなついててくれてる。
今日は理玖と一緒に思いっきり楽しんでやるんだ!!!
「香月~!!!」
このセットを見て改めてそう決意を固めたところで、スタジオの奥から理玖が駆け寄ってきた。
「早かったね、何をしてたの?」
「ああ、アルがスタジオの中をちゃんと確認しておきたいっていうから一緒に見回ってたんだ。ほら、前に香月が大変な目にあったことがあっただろう? だからそれを心配してアルがチェックしてくれてたんだ。これで安心して撮影に入れるだろう?」
「そっか。ありがとう。これで撮影に集中できるね。理玖も頑張ってよ」
「アルが練習に付き合ってくれたからさ、多分すぐに撮り終わると思うよ。香月が足を引っ張らなきゃな」
いたずらっ子のような笑顔でそんなことを言ってくる理玖の明るさに僕はどんどん引き込まれて気がつけば僕は笑顔でいっぱいになっていた。
「香月くん、戸川くん。おはよう。ここに居たのか。今日はよろしく! 早瀬さんも今日はよろしくお願いします」
声をかけられ振り向くとそこにはフェリーチェの長谷川さんの姿があった。
「おはようございます。ようやく撮影ですね。頑張りましょう」
長谷川さんの一番近くにいた隆之さんがそう声をかけると、長谷川さんはもちろんですよ! とテンション高く答えていた。
隆之さんの挨拶が終わったのを見計らって
「長谷川さん、おはようございます」
と声をかけると同じタイミングで理玖も一緒に挨拶をしていた。
合わせたわけでもないのに一言一句違わずに2人一緒に挨拶をすると、長谷川さんは嬉しそうに笑って
「うん、息ぴったりだね! 撮影もその調子で頼むよ」
と僕たちの肩をポンポンと叩いて、
「私はまだちょっと準備が残っているから、2人は先に着替えとメイクを済ませておいて。準備終わったらスタッフみんなに紹介して撮影始めるからね。それじゃあ、また後で」
と言って慌ただしく去っていった。
「俺も手伝ってくるから、晴は理玖から離れないようにな。理玖、頼むよ」
隆之さんはそういうと、僕の頭をポンと叩いて長谷川さんの後を追うように走っていった。
「早瀬さんは相変わらず香月ファーストだな」
「ふふっ。そう?」
「それにしても長谷川さん……すげぇ忙しそうだけど、顔は笑ってたな」
「うん。ずっと復活させたいって言ってた商品の撮影だから力入ってるんじゃないのかな。これであの時のリベンジできるって張り切ってるのかも」
「そうか……じゃあ、俺たち頑張らないとな!」
「うん。僕、ずっと不安だったけど、撮影場所で理玖見つけてからちょっと不安が消えたんだ。だから一緒に出てくれることになったの、僕が一番喜んでると思う」
「俺だって、香月が一緒じゃなきゃ断ってたよ。香月と一緒だからやれそうって思ったし」
少し照れた様子でそう話してくれる理玖を見て、ああ、僕は本当に恵まれてるなって思った。
「香月く~ん! 戸川く~ん! こっちにお願いしま~す!!」
少し離れた場所から声をかけてくれているのは、リュウールのポスター撮影の時もお世話になった衣装の棚橋さん。
理玖と2人で急いで彼女の元に駆け寄ると棚橋さんは
「香月くん、久しぶりね。相変わらず可愛いわ。戸川くんは初めましてよね。香月くんとは仲が良いお友達だって聞いてるけど、やっぱりお友達同士可愛いのね、2人一緒にいると眼福だわ」
となぜか僕たちを上から下までじっくりとみて、にこやかな笑顔を浮かべている。
「香月、この人……大丈夫か?」
と理玖は僕の耳元で心配そうに囁いているけど、ふふっ。大丈夫だよ。
前も僕のことを天使だ、なんだって言ってたけど用意してくれた服はイメージにぴったりの服だったし、きっと今日もあのCMにぴったりのものを用意してくれているはずだ。
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