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四人での楽しいお風呂 <side晴>
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<side晴>
ようやく待ちに待った露天風呂タイムがやってきた。このコテージで美味しい食事を食べた後は、やっぱりこれが楽しみでたまらなかった。
一度部屋に行って、着替えを持って行こうと思っていたら、隆之さんから水着を着るように言われてお風呂に入るのに? と驚いたけれど、他人の裸をみたり、自分の裸を他人に見せてはいけないというオーナー一族の決まりがあると教えてくれた。
オーナーと理玖はもう恋人同士だから他人じゃないからお互いに裸でお風呂に入ってもいいけれど、僕たちが一緒の時はダメだってことだ。
せっかくの温泉に水着で入るなんて……とちょっと寂しい気もするけれど、ドイツに住んでいるおじいちゃんたちはそんな一族の決まりはなくても、公共の温泉に水着で入るのはドイツでは当たり前だって言ってたし、そういうものなんだろうなと理解するしかない。
だって、その決まりを破ったせいで理玖がオーナー一族に認められないなんてことがあったら大変だもんね。理玖にはオーナーとずっと幸せでいてもらいたいもん。
短パンの水着の上からお揃いの半袖のラッシュガードを羽織って、隆之さんと露天風呂に向かうとまだ理玖とオーナーの姿はない。先に掛け湯をして温泉に入ると、じわじわと身体に温泉の温かさが染み渡ってものすごく気持ちがいい。
少し深めの温泉だけど、隆之さんの膝に乗せてもらったら、高さもちょうどいい。
外気に当たる部分はほんのり涼しさを感じるのが露天風呂の醍醐味。いい天気だったから、星もものすごく綺麗に見えるし、最高だ。
ああーっ、水着でも構わないって思うくらいに気持ちがいい。
理玖とオーナーも早くこないかなーと思っていると、
『お待たせーっ!』
と楽しそうな理玖の声が聞こえた。
『ああ、もう入ってる!』
『理玖たちが遅いからだよ。でも、その水着よく似合ってる! 理玖とオーナーお揃いなんだね』
『そうなんだよ、俺もびっくりしてさ。でも香月たちもお揃いなんだろ?』
『うん、ラッシュガードはお揃いだけど、下は違うよ。ほら――わっ!!』
その場で立ち上がって見せようとすると、隆之さんが僕を抱きかかえたまま立ち上がった。
『隆之さんっ』
『こっちの方が見やすいだろう?』
『ははっ。ユキ。さすがだな。だが、湯の中で無理して転ぶなよ』
『晴を抱きかかえたまま転んだりしないよ、絶対に』
そう言ってくれる隆之さんの言葉にものすごく安心できた。だって、隆之さんはいつだって僕を守ってくれるもん。
『ははっ。確かにな。私だって、リクを抱きかかえたら絶対にころびもしないし、落としもしないよ』
オーナーも自信たっぷりにそう言い切ると、さっと理玖を抱きかかえた。
『わっ! もう、びっくりするよ』
『ははっ、ごめんごめん』
『すっごく気持ちがいいよ。理玖とオーナーも早く!』
『ああ、すぐ行くよ』
理玖はオーナーに抱きかかえられたまま、掛け湯をしに向かい、僕たちはまたお湯の中に浸かった。
『急に立ち上がって怖かったか?』
『ううん、隆之さんに抱っこされて怖いと思ったことはないですよ』
『そうか、それならよかった』
『でも、この温泉……本当にすごく気持ちがいいですね。ちょうどこの時期でよかったかも』
『ああ、そうだな。ここは雪も積もるから雪を見ながらも温泉もいいが、やはり寒すぎるから体調を崩しそうだからな。温泉に慣れてないアルには今くらいの季節がちょうどよかったよ』
『そうですね』
僕たちに向かって降り注いできそうな星たちの下で、一緒に温泉に入れる幸せを感じていると、
『仲間に入れてー』
と理玖がオーナーと一緒にやってきた。
『うわっ、あったかい!! うーん、じわじわくる!!』
『僕と同じ感想だ!』
『でもこれしかないよな』
『うんうん、だよね』
『アル、気持ちいい?』
『ああ、最高だよ。リクと一緒だから尚更気持ちがいい』
『――っ、もう、アルったら』
なんだか理玖のほっぺたが急に赤くなった気がするけど、きっと温泉のせいだな。
『私ごとで、みんなに水着を着せてしまってすまないな』
オーナーが申し訳なさそうに僕たちに声をかけるけど、そんなの謝る必要なんてない。
『みんなで楽しく入れればいいので、水着でも変わらないですよ。ねぇ、理玖』
『ああ、俺もアルの一族の決まりを初めて聞いたから驚いたけど、ずっと受け継がれてきた決まりはちゃんと守らないといけないもんな。アル、これからも他に何か決まりがあるのなら早めに教えてよ。俺、アルの一族に認めてもらえるようにちゃんと守るから』
『リク……っ、ああ、嬉しいよ。ありがとう!!』
これって、なんだか理玖からオーナーへの結婚の約束みたいに聞こえるけど……。でも二人が幸せそうだからいいか。
たっぷりと岩風呂を堪能して、そろそろ暑くなってきた。
『そろそろ一度出たほうがいいんじゃないか?』
『そうだな、特に俺たちは早くから入ってたし』
『脱衣所にレモン水置いてるから、飲んでおいたほうがいい』
『ああ、アル。助かるよ、ありがとう。じゃあ、先に出るよ』
『ユキ、今日はこのままもう寝室に入るだろう?』
『そうだな、そうしようか』
『じゃあ、おやすみ』
隆之さんとオーナーが話をしているうちにもうこのまま寝室に入ることが決まってしまったみたいだ。
この後、みんなでゲームとかできるかな……とか思ってたけど、まぁ仕方がない。
きっとオーナーは車も運転してくれたし、疲れているんだろうし。
『じゃあ、理玖。おやすみ!』
僕も理玖に声をかけると、隆之さんは満足そうに僕を抱きかかえたままお風呂から出て、脱衣所に向かった。
ようやく待ちに待った露天風呂タイムがやってきた。このコテージで美味しい食事を食べた後は、やっぱりこれが楽しみでたまらなかった。
一度部屋に行って、着替えを持って行こうと思っていたら、隆之さんから水着を着るように言われてお風呂に入るのに? と驚いたけれど、他人の裸をみたり、自分の裸を他人に見せてはいけないというオーナー一族の決まりがあると教えてくれた。
オーナーと理玖はもう恋人同士だから他人じゃないからお互いに裸でお風呂に入ってもいいけれど、僕たちが一緒の時はダメだってことだ。
せっかくの温泉に水着で入るなんて……とちょっと寂しい気もするけれど、ドイツに住んでいるおじいちゃんたちはそんな一族の決まりはなくても、公共の温泉に水着で入るのはドイツでは当たり前だって言ってたし、そういうものなんだろうなと理解するしかない。
だって、その決まりを破ったせいで理玖がオーナー一族に認められないなんてことがあったら大変だもんね。理玖にはオーナーとずっと幸せでいてもらいたいもん。
短パンの水着の上からお揃いの半袖のラッシュガードを羽織って、隆之さんと露天風呂に向かうとまだ理玖とオーナーの姿はない。先に掛け湯をして温泉に入ると、じわじわと身体に温泉の温かさが染み渡ってものすごく気持ちがいい。
少し深めの温泉だけど、隆之さんの膝に乗せてもらったら、高さもちょうどいい。
外気に当たる部分はほんのり涼しさを感じるのが露天風呂の醍醐味。いい天気だったから、星もものすごく綺麗に見えるし、最高だ。
ああーっ、水着でも構わないって思うくらいに気持ちがいい。
理玖とオーナーも早くこないかなーと思っていると、
『お待たせーっ!』
と楽しそうな理玖の声が聞こえた。
『ああ、もう入ってる!』
『理玖たちが遅いからだよ。でも、その水着よく似合ってる! 理玖とオーナーお揃いなんだね』
『そうなんだよ、俺もびっくりしてさ。でも香月たちもお揃いなんだろ?』
『うん、ラッシュガードはお揃いだけど、下は違うよ。ほら――わっ!!』
その場で立ち上がって見せようとすると、隆之さんが僕を抱きかかえたまま立ち上がった。
『隆之さんっ』
『こっちの方が見やすいだろう?』
『ははっ。ユキ。さすがだな。だが、湯の中で無理して転ぶなよ』
『晴を抱きかかえたまま転んだりしないよ、絶対に』
そう言ってくれる隆之さんの言葉にものすごく安心できた。だって、隆之さんはいつだって僕を守ってくれるもん。
『ははっ。確かにな。私だって、リクを抱きかかえたら絶対にころびもしないし、落としもしないよ』
オーナーも自信たっぷりにそう言い切ると、さっと理玖を抱きかかえた。
『わっ! もう、びっくりするよ』
『ははっ、ごめんごめん』
『すっごく気持ちがいいよ。理玖とオーナーも早く!』
『ああ、すぐ行くよ』
理玖はオーナーに抱きかかえられたまま、掛け湯をしに向かい、僕たちはまたお湯の中に浸かった。
『急に立ち上がって怖かったか?』
『ううん、隆之さんに抱っこされて怖いと思ったことはないですよ』
『そうか、それならよかった』
『でも、この温泉……本当にすごく気持ちがいいですね。ちょうどこの時期でよかったかも』
『ああ、そうだな。ここは雪も積もるから雪を見ながらも温泉もいいが、やはり寒すぎるから体調を崩しそうだからな。温泉に慣れてないアルには今くらいの季節がちょうどよかったよ』
『そうですね』
僕たちに向かって降り注いできそうな星たちの下で、一緒に温泉に入れる幸せを感じていると、
『仲間に入れてー』
と理玖がオーナーと一緒にやってきた。
『うわっ、あったかい!! うーん、じわじわくる!!』
『僕と同じ感想だ!』
『でもこれしかないよな』
『うんうん、だよね』
『アル、気持ちいい?』
『ああ、最高だよ。リクと一緒だから尚更気持ちがいい』
『――っ、もう、アルったら』
なんだか理玖のほっぺたが急に赤くなった気がするけど、きっと温泉のせいだな。
『私ごとで、みんなに水着を着せてしまってすまないな』
オーナーが申し訳なさそうに僕たちに声をかけるけど、そんなの謝る必要なんてない。
『みんなで楽しく入れればいいので、水着でも変わらないですよ。ねぇ、理玖』
『ああ、俺もアルの一族の決まりを初めて聞いたから驚いたけど、ずっと受け継がれてきた決まりはちゃんと守らないといけないもんな。アル、これからも他に何か決まりがあるのなら早めに教えてよ。俺、アルの一族に認めてもらえるようにちゃんと守るから』
『リク……っ、ああ、嬉しいよ。ありがとう!!』
これって、なんだか理玖からオーナーへの結婚の約束みたいに聞こえるけど……。でも二人が幸せそうだからいいか。
たっぷりと岩風呂を堪能して、そろそろ暑くなってきた。
『そろそろ一度出たほうがいいんじゃないか?』
『そうだな、特に俺たちは早くから入ってたし』
『脱衣所にレモン水置いてるから、飲んでおいたほうがいい』
『ああ、アル。助かるよ、ありがとう。じゃあ、先に出るよ』
『ユキ、今日はこのままもう寝室に入るだろう?』
『そうだな、そうしようか』
『じゃあ、おやすみ』
隆之さんとオーナーが話をしているうちにもうこのまま寝室に入ることが決まってしまったみたいだ。
この後、みんなでゲームとかできるかな……とか思ってたけど、まぁ仕方がない。
きっとオーナーは車も運転してくれたし、疲れているんだろうし。
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僕も理玖に声をかけると、隆之さんは満足そうに僕を抱きかかえたままお風呂から出て、脱衣所に向かった。
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