溺愛されまくりの会長令息が財閥イケメンスパダリ御曹司に見初められました

波木真帆

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新しい出会い

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「みんなでお出かけー! 楽しみー!」

櫻葉会長の車の後部座席でジュニアシートに座った一花の隣に同乗させてもらって一緒に出かける。
まだ一花はこれからどこに行くのかは聞かされていないようだ。
可愛い犬を見た時の一花の反応が楽しみだな。

それにしても会長に運転してもらって私が後部座席に座るというのはなんとなく申し訳ない気もするが、車の運転が趣味だというくらい運転が好きだというのだから運転を代わるのも失礼になりそうだ。

今日は会長にお任せして、一花との時間を楽しませてもらうことにしよう。

「パパー。あとどれくらい?」

「ははっ。一花は家を出てからそればっかりだな」

「だって、楽しみなんだもん!」

これだけ楽しみにしてくれるとサプライズのしがいもあるというものだろう。

「せいくんも楽しみでしょー?」

「ああ、そうだな。どこに行くんだろうな」

一花に合わせて返事をしてやると、一花は満足そうに外の景色を眺めていた。
それからしばらくして、車は目的地に到着した。

「パパー。ここ?」

「ああ、そうだ。征哉くん、一花を降ろしてあの建物に連れてきてくれ。一花は征哉くんと手を離さないようにな」

会長はそう指示をすると、麻友子さんと先に車を降りて建物に向かった。
あらかじめ時間を指定していたのだろう。すぐに中から人が出てきた。

あ、あの人は……。
そうか、そういう繋がりだったか。
それなら会長がここを選ぶのもよくわかる。

ゆっくりと一花をジュニアシートから降ろして外に出し、手を繋ぐ。

「せいくん。ここに何があるんだろうね」

「そうだな。楽しみだな」

そんな会話をしながら建物の中に入る。
すると、一足早く中に入っていた会長が奥から出てきて私たちのもとにやってきた。

一花は会長の腕の中の可愛い犬にすぐに気づき、声を上げた。

「わぁー! わんちゃんだ! かわいいー!!」

今すぐにでも駆け寄りたい様子だが、会長との約束を守るために私の手を離そうとしない。本当にいい子だ。

会長は一花のそんな様子を見て優しく微笑みながら私たちのもとにやってきた。

「パパ、この子。すっごく可愛いね。あのおにーちゃんのわんちゃんなの?」

一花が言っているお兄ちゃんは、会長の隣にいた甲斐さんのことを言っているんだろう。

「ああ、そうだ。一花も抱っこさせてもらうか?」

「いいの? だっこしたい!」

一花が嬉しそうに腕を差し出すと、小さなミニチュアダックスフンドはそっと一花の腕に乗った。
柔らかな毛並みに一花は顔を綻ばせる。

「ふわふわだー」

幸せそうな表情でミニチュアダックスの身体に顔を擦り寄せると、ミニチュアダックスのほうも気持ち良さそうに可愛い声をあげる。まるで兄弟が戯れているような光景にこちらまで癒される。

「どうだ? 一花。この子が可愛いか?」

「うん! すっごく可愛い!」

「そうか。甲斐くん、どうかね?」

「はい。この子もすごく安心しているようです。相性はよろしいようですね」

甲斐さんのその返答に、会長は満足そうに笑みを浮かべた。

「一花。この子を我が家に迎えたいと思うのだが、どうだ?」

「えっ? でも、この子はおにーちゃんのわんちゃんなんでしょう? はなればなれはかわいそうだよ」

一花のそんな優しい言葉に会長と麻友子さん、それに甲斐さんも目を細めた。

甲斐さんは一花の目の高さに屈むと、優しく声をかけた。

「一花くん。私とこの子のことを考えてくれてありがとう。でも、この子は一花くんとこれからずっと仲良くしたいって言ってるんだ。だから、弟みたいに可愛がってもらえないかな?」

「いいのー? おにーちゃん、さみしくない?」

「時々、元気な姿を見せてくれたらいいよ」

「うん! わかったー! この子のお名前、なんていうの?」

「それが……まだ、決まってないんだ。名前つけてあげてくれないかな?」

「一花がつけていいのー?」

そんな問いに、甲斐さんと会長、そして麻友子さんも嬉しそうに頷いた。

「うーん、何にしようかなー?」

一花はじっくりと犬を眺める。そして何かを思いついたように笑った。

「わんちゃんのふわふわのきいろの毛が、一花の好きなプリンに似てるからプリンくん! せいくん、どう?」

「ははっ。プリンくんか。美味しそうで食べたくなるな」

「あー、食べちゃだめー!」

冗談を間に受けて本気になる一花がたまらなく可愛い。

「それじゃあ、フランはどうだ?」

私たちの会話を聞いて、会長が楽しそうに口を挟んだ。
なるほど、フランなら一花の意向にもぴったりだ。

「ふらん?」

「スペイン語でプリンのことだよ。それなら可愛いだろう?」

「うん! 可愛い! フランにするー!」

どうやら一花も気に入ったようだ。

「君はフランだよー。さくらばフラン! 一花の可愛い弟だからねー!」

「わふっ! わふっ!」

フランは尻尾を大きく振りながら喜びの声を上げていた。
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