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天使の挨拶
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「さて、一花は何を着ていこうか?」
「この前、パパも気に入ってくれた一花のお気に入りの服がいいー!」
「一花のお気に入りの服?」
はて。
それは何十枚もあるから一花のそれがどれを指しているのかわからんな。
「もー、パパ。一花のお気に入りはウサギさんのお耳がついた可愛い服だよ!」
「ああっ! あれか!!」
先日、家族で参加したパーティーで知り合ったClef de Coeurの蓮見社長が、一花を一目見て自身が展開を始めたばかりの子ども服の広告モデルにと頼んできた。
一花が可愛いのはわかっているが、可愛いのが世間に知られすぎると誘拐などの犯罪に遭う確率が高くなるので、これまでもどこの大きな芸能事務所からのスカウトであろうと断っていたが、今回の広告モデルは一花がやってみたいというものだからやらせてみたところ、それが空前の大ヒットとなった。
もちろん出演料はいただいたが、それ以外に一花にお礼を贈りたいと言ってきた蓮見社長に、一花の望み通りの洋服を作ってほしいと頼んだのだ。
そして、一花の要望を詰め込んだ可愛らしい服が、ウサギ耳のついた可愛い服。
あれを着た一花はさらに可愛くて、たまらなかった。
「あれは可愛すぎるから、会社にはどうかな……」
正直言ってあんなにも可愛い姿を誰にも見せたくないんだが……。
「パパ、だめ?」
「くっ――!!」
「ねぇ、だめ?」
捨てられた子犬のような目で見つけられたらダメだなんて言えるはずもない!
「ああ、わかった。それにしよう」
「わぁー! パパ、大好きっ!!」
頬にチュッと一花の柔らかな唇の感触がする。
ああ、もうこの可愛さに私は翻弄されるんだ。
ウサギ耳のついたグレーのパーカーに、丸い尻尾のついたグレーの膝丈のズボンを穿いた一花は、本物のウサギよりかわいいだろう。
私のかわいいウサギ一花を連れて、車に乗り込む。
運転手の松原がミラー越しにチラチラとこちらを窺うのは、いつもの様子と違いすぎる私に驚いているからだろう。
「松原、可愛い一花が気になるのは仕方ないが運転に集中してくれ」
「も、申し訳ございません」
「パパー。会社まではどれくらい?」
「ああ、そうだな。20分くらいかな」
「そっかぁ」
時計を読めるようになった一花の今のブームは何をしていてもあとどれくらい? と尋ねてくる。
それも一花の可愛い成長だ。
「あのお店、なんだろう?」
「わー、綺麗なお花が咲いてる!!」
「パパー、みて! 人がいっぱい並んでるよ!!」
外の景色を楽しむ一花の相手をしながらの会社への道のりはいつもとは全く違って楽しい。
いつもは景色などに目をやることもないからな。
一花の清らかな心で見る景色はなんとも素直な感想で可愛らしい。
そんな一花の相手をしていると、あっという間に会社に到着した。
今は史紀に社長として実権を持たせている身。
私は会長として大きな取引などの最終的な権限を持つが、あくまでも通常は史紀の采配に任せている。
そのため私が出勤した際の出迎えはいらないと伝えているから、私が出社しても役員たちが並んで出迎えることはない。
その分、業務がスムーズに進んだほうがいいからな。
「会長、お足元にお気をつけください」
一花を抱きかかえたまま降りる私に松原が声をかけてくれる。
「ああ、ありがとう。帰りも頼むよ」
そう声をかけ、私は静かな会社ロビーに足を踏み入れた。
「パパー。ここがパパの会社?」
「ああ、そうだよ。一花は気に入ってくれたか?」
「うん。でも、ちょっと寂しいかな。玄関にお花とかいっぱいあったらもっと綺麗だよーー!」
「そうか、ああ、確かにそうかもしれんな。じゃあ、早速史紀に伝えておこう」
会社の玄関が美しく変わるのは悪いことではない。
会社の印象も変わるならいいことだろう。
一花の素直で忌憚のない意見は、我が社に新しい風を起こしてくれるかもしれんな。
ん?
我々が来たというのに、こちらを見てもいない。
我が社の受付にこのような者がいたとはな。
私は一花を抱きかかえたまま、受付に近づき声をかけた。
「おはよう」
「か、会長っ! お、おはよう、ございますっ!!」
「受付は会社の顔だ。人が来たらすぐに顔を上げてそちらから挨拶するように」
「は、はい。申し訳ございません」
私語に夢中で挨拶を忘れるとは言語道断な受付だ。
この辺は史紀に言ってしっかりと教育し直すように伝えた方がいいな。
「パパー。どうしたの?」
「いや、挨拶がなかったから注意をしたんだよ」
「そっか。幼稚園でもあいさつは大事だって園長先生が言ってた!」
「そうだろう。一花はちゃんと挨拶できるようになろうな」
「はーい」
素直で可愛い一花を抱きかかえて、エレベーターホールへ向かう。
数人の社員たちが並んでいるのが見えて、一花は
「おはよーございまーす!」
と元気いっぱいに声をかけた。
その声に驚いて振り返った社員たちが、一瞬私を見て驚いた表情を見せたと思ったら、今度は一花を見て、目をぱちくりとさせた。
何も言葉を発さずに茫然と立ち尽くしたままの社員たちを見て、
「パパーっ、一花。あいさつできてなかった?」
と私にギュッと抱きついてきて涙目で訴えてくる。
「一花、そんなことないよ。大丈夫だ。そうだな?」
一花の背中を優しく撫でながら、最後は社員たちに向けて少し大きな声をかけると、彼らは一気にハッと我に返り、
「は、はい。おはようございます!」
「おはようございます!」
「おはようございます!!」
とあちらこちらから挨拶の声が飛んできた。
「ほら、一花。大丈夫だっただろう?」
「うん、よかったぁ……」
「ぐぅ――っ!!」
「――っ!!!」
「くっ――!!!!」
「わぁっ!!」
涙に潤んだ瞳のまま嬉しそうに笑顔を見せる一花の表情に、社員たちが次々に苦しげな声を上げて、その場に崩れ落ちていく。
その様子に一花は私にしがみついたまま、驚きの声を上げた。
「パパーっ、みんなどうしちゃったの? 大丈夫かな?」
「大丈夫、気にしないでいいよ」
「でも……」
「本当に大丈夫だ。なぁ、君たち!」
これ以上一花に心配をかけるな! と威圧を与えながら呼びかけるとそれに気づき皆その場に立ち上がった。
「ほら、大丈夫だろう?」
「ほんとだー! よかった」
「じゃあ、一花。先にエレベーターに乗ろうか」
「えっ? いいの?」
「ああ、このエレベータは行き先ごとに分かれているんだ」
「そうなんだー、すごい!!」
流石にこのまま一花と彼らを同じエレベーターに乗せるわけにはいかない。
到着したエレベータに二人で乗り込むと私は『閉』のボタンを押した。
「パパー、何階に行くの?」
「十五階だよ」
「そこにパパのお部屋があるの?」
「ああ、そうだな」
「ふみくんのお部屋もある?」
「史紀の部屋は一つ下の階にある」
「そっか、近いから一緒にお弁当が食べられるね」
「んっ? ああ、そうだな」
ふふっ。そうか、一花の中では会社でも幼稚園のようにみんな集まって食事をしていると思うのだろうな。
「だが、今日は史紀と一緒には食べないぞ」
「ええー、そうなの?」
「今日はパパの……お友達が来るからその人と一緒に食べるんだよ」
「パパのお友達? だれだれー?」
「ふふっ。ママと旅行に行った未知子さんの旦那さんで玄哉さんだよ」
「あー、あの優しいおじちゃま」
「ふふっ。そうだよ。一花も一緒に食べような」
「わーい!!」
そんな話をしている間に、あっという間に十五階までやってきてエレベータを降りた途端、一花が
「あっ! ふみくんだぁー!!」
と大きな声を上げた。
一花の視線の先に目を向けると、本当だ。史紀がエレベーターの前にいる。
その声にすぐに反応した史紀は
「あっ、会長! えっ? 一花くん? どうしてここに?」
と慌てふためきながら、私の腕に抱かれた一花と私の顔を何度も見ては信じられないと言った表情で目をぱちくりさせていた。
「この前、パパも気に入ってくれた一花のお気に入りの服がいいー!」
「一花のお気に入りの服?」
はて。
それは何十枚もあるから一花のそれがどれを指しているのかわからんな。
「もー、パパ。一花のお気に入りはウサギさんのお耳がついた可愛い服だよ!」
「ああっ! あれか!!」
先日、家族で参加したパーティーで知り合ったClef de Coeurの蓮見社長が、一花を一目見て自身が展開を始めたばかりの子ども服の広告モデルにと頼んできた。
一花が可愛いのはわかっているが、可愛いのが世間に知られすぎると誘拐などの犯罪に遭う確率が高くなるので、これまでもどこの大きな芸能事務所からのスカウトであろうと断っていたが、今回の広告モデルは一花がやってみたいというものだからやらせてみたところ、それが空前の大ヒットとなった。
もちろん出演料はいただいたが、それ以外に一花にお礼を贈りたいと言ってきた蓮見社長に、一花の望み通りの洋服を作ってほしいと頼んだのだ。
そして、一花の要望を詰め込んだ可愛らしい服が、ウサギ耳のついた可愛い服。
あれを着た一花はさらに可愛くて、たまらなかった。
「あれは可愛すぎるから、会社にはどうかな……」
正直言ってあんなにも可愛い姿を誰にも見せたくないんだが……。
「パパ、だめ?」
「くっ――!!」
「ねぇ、だめ?」
捨てられた子犬のような目で見つけられたらダメだなんて言えるはずもない!
「ああ、わかった。それにしよう」
「わぁー! パパ、大好きっ!!」
頬にチュッと一花の柔らかな唇の感触がする。
ああ、もうこの可愛さに私は翻弄されるんだ。
ウサギ耳のついたグレーのパーカーに、丸い尻尾のついたグレーの膝丈のズボンを穿いた一花は、本物のウサギよりかわいいだろう。
私のかわいいウサギ一花を連れて、車に乗り込む。
運転手の松原がミラー越しにチラチラとこちらを窺うのは、いつもの様子と違いすぎる私に驚いているからだろう。
「松原、可愛い一花が気になるのは仕方ないが運転に集中してくれ」
「も、申し訳ございません」
「パパー。会社まではどれくらい?」
「ああ、そうだな。20分くらいかな」
「そっかぁ」
時計を読めるようになった一花の今のブームは何をしていてもあとどれくらい? と尋ねてくる。
それも一花の可愛い成長だ。
「あのお店、なんだろう?」
「わー、綺麗なお花が咲いてる!!」
「パパー、みて! 人がいっぱい並んでるよ!!」
外の景色を楽しむ一花の相手をしながらの会社への道のりはいつもとは全く違って楽しい。
いつもは景色などに目をやることもないからな。
一花の清らかな心で見る景色はなんとも素直な感想で可愛らしい。
そんな一花の相手をしていると、あっという間に会社に到着した。
今は史紀に社長として実権を持たせている身。
私は会長として大きな取引などの最終的な権限を持つが、あくまでも通常は史紀の采配に任せている。
そのため私が出勤した際の出迎えはいらないと伝えているから、私が出社しても役員たちが並んで出迎えることはない。
その分、業務がスムーズに進んだほうがいいからな。
「会長、お足元にお気をつけください」
一花を抱きかかえたまま降りる私に松原が声をかけてくれる。
「ああ、ありがとう。帰りも頼むよ」
そう声をかけ、私は静かな会社ロビーに足を踏み入れた。
「パパー。ここがパパの会社?」
「ああ、そうだよ。一花は気に入ってくれたか?」
「うん。でも、ちょっと寂しいかな。玄関にお花とかいっぱいあったらもっと綺麗だよーー!」
「そうか、ああ、確かにそうかもしれんな。じゃあ、早速史紀に伝えておこう」
会社の玄関が美しく変わるのは悪いことではない。
会社の印象も変わるならいいことだろう。
一花の素直で忌憚のない意見は、我が社に新しい風を起こしてくれるかもしれんな。
ん?
我々が来たというのに、こちらを見てもいない。
我が社の受付にこのような者がいたとはな。
私は一花を抱きかかえたまま、受付に近づき声をかけた。
「おはよう」
「か、会長っ! お、おはよう、ございますっ!!」
「受付は会社の顔だ。人が来たらすぐに顔を上げてそちらから挨拶するように」
「は、はい。申し訳ございません」
私語に夢中で挨拶を忘れるとは言語道断な受付だ。
この辺は史紀に言ってしっかりと教育し直すように伝えた方がいいな。
「パパー。どうしたの?」
「いや、挨拶がなかったから注意をしたんだよ」
「そっか。幼稚園でもあいさつは大事だって園長先生が言ってた!」
「そうだろう。一花はちゃんと挨拶できるようになろうな」
「はーい」
素直で可愛い一花を抱きかかえて、エレベーターホールへ向かう。
数人の社員たちが並んでいるのが見えて、一花は
「おはよーございまーす!」
と元気いっぱいに声をかけた。
その声に驚いて振り返った社員たちが、一瞬私を見て驚いた表情を見せたと思ったら、今度は一花を見て、目をぱちくりとさせた。
何も言葉を発さずに茫然と立ち尽くしたままの社員たちを見て、
「パパーっ、一花。あいさつできてなかった?」
と私にギュッと抱きついてきて涙目で訴えてくる。
「一花、そんなことないよ。大丈夫だ。そうだな?」
一花の背中を優しく撫でながら、最後は社員たちに向けて少し大きな声をかけると、彼らは一気にハッと我に返り、
「は、はい。おはようございます!」
「おはようございます!」
「おはようございます!!」
とあちらこちらから挨拶の声が飛んできた。
「ほら、一花。大丈夫だっただろう?」
「うん、よかったぁ……」
「ぐぅ――っ!!」
「――っ!!!」
「くっ――!!!!」
「わぁっ!!」
涙に潤んだ瞳のまま嬉しそうに笑顔を見せる一花の表情に、社員たちが次々に苦しげな声を上げて、その場に崩れ落ちていく。
その様子に一花は私にしがみついたまま、驚きの声を上げた。
「パパーっ、みんなどうしちゃったの? 大丈夫かな?」
「大丈夫、気にしないでいいよ」
「でも……」
「本当に大丈夫だ。なぁ、君たち!」
これ以上一花に心配をかけるな! と威圧を与えながら呼びかけるとそれに気づき皆その場に立ち上がった。
「ほら、大丈夫だろう?」
「ほんとだー! よかった」
「じゃあ、一花。先にエレベーターに乗ろうか」
「えっ? いいの?」
「ああ、このエレベータは行き先ごとに分かれているんだ」
「そうなんだー、すごい!!」
流石にこのまま一花と彼らを同じエレベーターに乗せるわけにはいかない。
到着したエレベータに二人で乗り込むと私は『閉』のボタンを押した。
「パパー、何階に行くの?」
「十五階だよ」
「そこにパパのお部屋があるの?」
「ああ、そうだな」
「ふみくんのお部屋もある?」
「史紀の部屋は一つ下の階にある」
「そっか、近いから一緒にお弁当が食べられるね」
「んっ? ああ、そうだな」
ふふっ。そうか、一花の中では会社でも幼稚園のようにみんな集まって食事をしていると思うのだろうな。
「だが、今日は史紀と一緒には食べないぞ」
「ええー、そうなの?」
「今日はパパの……お友達が来るからその人と一緒に食べるんだよ」
「パパのお友達? だれだれー?」
「ふふっ。ママと旅行に行った未知子さんの旦那さんで玄哉さんだよ」
「あー、あの優しいおじちゃま」
「ふふっ。そうだよ。一花も一緒に食べような」
「わーい!!」
そんな話をしている間に、あっという間に十五階までやってきてエレベータを降りた途端、一花が
「あっ! ふみくんだぁー!!」
と大きな声を上げた。
一花の視線の先に目を向けると、本当だ。史紀がエレベーターの前にいる。
その声にすぐに反応した史紀は
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