11 / 58
新しいお友達
<side一花>
「一花、もうそろそろ寝ないと明日起きれなくなってしまうぞ。征哉くんに一花が挨拶しているところ見てもらえなくなってもいいのか?」
「それはやだーっ!」
「ふふっ。じゃあ、今日はもう寝るんだ」
「はーい。パパ、おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
「ママもおやすみなさい」
「ふふっ。一花、おやすみ」
パパとママにおやすみのご挨拶をして、自分の部屋に行く。
「セイくん、おやすみーっ」
僕のベッドに先にねんねしているのは、せいくんからもらったゾウさんのぬいぐるみ。
せいくんによく似ているから、同じ名前をつけちゃったんだ。
「まーちゃんもおやすみ」
パパにも買ってもらった。大きなクマのまーちゃんもねんねしてるけど、僕のベッドは広いから三人で寝ても全然大丈夫。
おっきなぬいぐるみに囲まれて、僕はあっという間に眠ってしまった。
「一花、一花」
「んーっ」
もうちょっと寝るーっ。
「ふふっ。ほら、そろそろ起きて準備しましょう。今日は入学式日和のいい天気よ」
にゅう、がくしき?
あっ!!
慌てて飛び起きると、笑顔のママが抱き止めてくれた。
「一花、今日から小学生ね。本当に大きくなったわ」
「うん。僕、一年生! 準備するー!」
「ええ。ママも一花の準備するところを見てみていいかしら?」
「いいよ。ママに見せてあげるね。こっち、こっち」
「あらあら」
ママの手を取って、ベッドの後ろにあるクローゼットに連れて行くと今日から着て行く制服がいっぱい並んでいる。
「今日は入学式だから……」
「そう、ちゃんと覚えていて偉かったわね」
淡いピンク色の上着を選ぶとママが褒めてくれた。
たくさんある制服は自分で好きに組み合わせを決めて着ていいんだけど入学式とかそういう時はこの可愛いピンクの上着を着ることになっているんだ。
白のシャツに可愛いリボンのネクタイ。
そして白いズボンが今日の入学式の格好。
「ママー、ネクタイつけられない~!!」
「ふふっ。これだけはみんな一人じゃできないの。ママにお手伝いさせてね」
「うん、ママにさせてあげるー!」
「ふふっ。嬉しいわ。さぁ、できた! じゃあ、パパに見せに行きましょうか」
「はーい!」
ママと一緒にお部屋を出て、パパがいるリビングに行くとパパはいつものようにコーヒーを美味しそうに飲んでいた。
「パパーっ!!」
「おお、一花っ!! 待ってたよーー!!」
「ふふっ。パパ見たい?」
「ああ。可愛い一花の姿を見せてくれ!」
ママの陰に隠れて顔だけ見せていたけれど、パパがそう言ってくれたから僕は嬉しくなってぴょんと飛び出した。
「パパー、どう?」
くるくるとその場で回ってみせると、パパは飛んできて、
「――っ!!! ああっ、一花っ!! なんて可愛いんだ!!!!」
と僕を抱き上げてくるくると回ってくれた。
「わぁーっ、すごいっ! すごいっ!」
「あらあら、一眞さん。危ないわ」
「ああ、ごめん。ごめん」
「一花、もう一年生だから大丈夫だよー。パパー、楽しい!」
「そうか。よかった。じゃあ、ご飯を食べて出かけるとしようか」
みんなで楽しくご飯を食べて、ピカピカのランドセルを背負って玄関に向かう。
「パパー、早く車に乗ろうー! ねぇ、ママ。一花にお友達、できるかなぁ」
「大丈夫よ。一花にはすぐにいいお友達ができるわ」
「うん、楽しみー!」
パパとママに挟まれて車に乗ると、もうウキウキが止まらなかった。
桜守まではもう少し。
ああ、早く着かないかな。
「ねぇ、ママ。新しいお友達もいるんだよね?」
「ええ。初等部から入ってくる子たちもいるから、慣れない子は優しくしてあげないとね」
「うん! 一花、がんばる!!」
僕が行く桜守はこの前まで行っていた幼稚園と初等部は同じところにある。
中等部のお兄さんたちみたいになったらまた別の場所に移るんだ。
新しいお友達にいっぱいお世話してあげようっと!
初等部の門の前で車を降りると、僕と同じ制服とピカピカのランドセルを背負った子たちがたくさん見える。
わぁーっ、この子達、みんな一年生なんだ!!
すごーい!!
あれ?
あの子……。
みたことない子だ。
不安そうな表情でお兄さんに抱っこされているみたい。
もしかして入学するのが怖いのかな?
早速僕がお世話しに行かなくちゃ!!
「ママー、僕ちょっとあの子のところに行ってくるね!」
「えっ、一花っ……」
僕はママに言ってからその子の元に駆けて行った。
「ねぇ、一緒に教室に行こう!」
「えっ? ぼく?」
「うん。一緒に行こう!」
「でも……」
やっぱり不安なのか、その子はお兄さんの腕から下りようとしない。
「大丈夫。僕がついてるから。ねっ」
そういうと、その子を抱っこしていたお兄さんが僕に笑顔で声をかけてくれた。
「誘ってくれてありがとう。桜守は初等部からだからちょっと緊張しているんだよ。この子は観月理央。よろしくね」
「理央くんかぁ。ふふっ。可愛い名前だね。僕は櫻葉一花。よろしくね」
「えっ……櫻葉ってもしかして……? あの、一花くん。お父さんとお母さんはいるかな?」
「うん。あそこにいるよー」
指をさして教えると、お兄さんはハッとした表情で頭を下げた。
もしかして、パパの知り合いなのかな?
「あの……いちかちゃんも、かわいいなまえ」
「えっ? あっ! ありがとう!! ふふっ。僕も気に入っているんだ! ねぇ、理央くん。行こう!」
「うん! 凌也さん、ぼく下りるー!」
「ああ、わかった」
お兄さんに下ろしてもらった理央くんと手を繋ぐ。
ふふっ。同じくらいちっちゃくてなんだか楽しい。
「行こっか」
「うん! 行こう! 一花くん。もうお友達だね」
「うん、理央くんはもうお友達だよ!」
僕たちは手を繋いで教室に向かった。
「一花、もうそろそろ寝ないと明日起きれなくなってしまうぞ。征哉くんに一花が挨拶しているところ見てもらえなくなってもいいのか?」
「それはやだーっ!」
「ふふっ。じゃあ、今日はもう寝るんだ」
「はーい。パパ、おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
「ママもおやすみなさい」
「ふふっ。一花、おやすみ」
パパとママにおやすみのご挨拶をして、自分の部屋に行く。
「セイくん、おやすみーっ」
僕のベッドに先にねんねしているのは、せいくんからもらったゾウさんのぬいぐるみ。
せいくんによく似ているから、同じ名前をつけちゃったんだ。
「まーちゃんもおやすみ」
パパにも買ってもらった。大きなクマのまーちゃんもねんねしてるけど、僕のベッドは広いから三人で寝ても全然大丈夫。
おっきなぬいぐるみに囲まれて、僕はあっという間に眠ってしまった。
「一花、一花」
「んーっ」
もうちょっと寝るーっ。
「ふふっ。ほら、そろそろ起きて準備しましょう。今日は入学式日和のいい天気よ」
にゅう、がくしき?
あっ!!
慌てて飛び起きると、笑顔のママが抱き止めてくれた。
「一花、今日から小学生ね。本当に大きくなったわ」
「うん。僕、一年生! 準備するー!」
「ええ。ママも一花の準備するところを見てみていいかしら?」
「いいよ。ママに見せてあげるね。こっち、こっち」
「あらあら」
ママの手を取って、ベッドの後ろにあるクローゼットに連れて行くと今日から着て行く制服がいっぱい並んでいる。
「今日は入学式だから……」
「そう、ちゃんと覚えていて偉かったわね」
淡いピンク色の上着を選ぶとママが褒めてくれた。
たくさんある制服は自分で好きに組み合わせを決めて着ていいんだけど入学式とかそういう時はこの可愛いピンクの上着を着ることになっているんだ。
白のシャツに可愛いリボンのネクタイ。
そして白いズボンが今日の入学式の格好。
「ママー、ネクタイつけられない~!!」
「ふふっ。これだけはみんな一人じゃできないの。ママにお手伝いさせてね」
「うん、ママにさせてあげるー!」
「ふふっ。嬉しいわ。さぁ、できた! じゃあ、パパに見せに行きましょうか」
「はーい!」
ママと一緒にお部屋を出て、パパがいるリビングに行くとパパはいつものようにコーヒーを美味しそうに飲んでいた。
「パパーっ!!」
「おお、一花っ!! 待ってたよーー!!」
「ふふっ。パパ見たい?」
「ああ。可愛い一花の姿を見せてくれ!」
ママの陰に隠れて顔だけ見せていたけれど、パパがそう言ってくれたから僕は嬉しくなってぴょんと飛び出した。
「パパー、どう?」
くるくるとその場で回ってみせると、パパは飛んできて、
「――っ!!! ああっ、一花っ!! なんて可愛いんだ!!!!」
と僕を抱き上げてくるくると回ってくれた。
「わぁーっ、すごいっ! すごいっ!」
「あらあら、一眞さん。危ないわ」
「ああ、ごめん。ごめん」
「一花、もう一年生だから大丈夫だよー。パパー、楽しい!」
「そうか。よかった。じゃあ、ご飯を食べて出かけるとしようか」
みんなで楽しくご飯を食べて、ピカピカのランドセルを背負って玄関に向かう。
「パパー、早く車に乗ろうー! ねぇ、ママ。一花にお友達、できるかなぁ」
「大丈夫よ。一花にはすぐにいいお友達ができるわ」
「うん、楽しみー!」
パパとママに挟まれて車に乗ると、もうウキウキが止まらなかった。
桜守まではもう少し。
ああ、早く着かないかな。
「ねぇ、ママ。新しいお友達もいるんだよね?」
「ええ。初等部から入ってくる子たちもいるから、慣れない子は優しくしてあげないとね」
「うん! 一花、がんばる!!」
僕が行く桜守はこの前まで行っていた幼稚園と初等部は同じところにある。
中等部のお兄さんたちみたいになったらまた別の場所に移るんだ。
新しいお友達にいっぱいお世話してあげようっと!
初等部の門の前で車を降りると、僕と同じ制服とピカピカのランドセルを背負った子たちがたくさん見える。
わぁーっ、この子達、みんな一年生なんだ!!
すごーい!!
あれ?
あの子……。
みたことない子だ。
不安そうな表情でお兄さんに抱っこされているみたい。
もしかして入学するのが怖いのかな?
早速僕がお世話しに行かなくちゃ!!
「ママー、僕ちょっとあの子のところに行ってくるね!」
「えっ、一花っ……」
僕はママに言ってからその子の元に駆けて行った。
「ねぇ、一緒に教室に行こう!」
「えっ? ぼく?」
「うん。一緒に行こう!」
「でも……」
やっぱり不安なのか、その子はお兄さんの腕から下りようとしない。
「大丈夫。僕がついてるから。ねっ」
そういうと、その子を抱っこしていたお兄さんが僕に笑顔で声をかけてくれた。
「誘ってくれてありがとう。桜守は初等部からだからちょっと緊張しているんだよ。この子は観月理央。よろしくね」
「理央くんかぁ。ふふっ。可愛い名前だね。僕は櫻葉一花。よろしくね」
「えっ……櫻葉ってもしかして……? あの、一花くん。お父さんとお母さんはいるかな?」
「うん。あそこにいるよー」
指をさして教えると、お兄さんはハッとした表情で頭を下げた。
もしかして、パパの知り合いなのかな?
「あの……いちかちゃんも、かわいいなまえ」
「えっ? あっ! ありがとう!! ふふっ。僕も気に入っているんだ! ねぇ、理央くん。行こう!」
「うん! 凌也さん、ぼく下りるー!」
「ああ、わかった」
お兄さんに下ろしてもらった理央くんと手を繋ぐ。
ふふっ。同じくらいちっちゃくてなんだか楽しい。
「行こっか」
「うん! 行こう! 一花くん。もうお友達だね」
「うん、理央くんはもうお友達だよ!」
僕たちは手を繋いで教室に向かった。
あなたにおすすめの小説
空港清掃員58歳、転生先の王宮でも床を磨いたら双子に懐かれ、国王に溺愛される
木風
恋愛
羽田空港で十五年、黙々と床を磨いてきた清掃員・田中幸子(58)は事故死し、没落寸前の子爵令嬢エルシアとして転生する。
婚約破棄の末に家を追われた彼女が選んだのは、王宮の清掃員――前世の技で空気まで変わるほど磨き上げていく仕事だった。
やがて母を亡くした双子王子王女に懐かれ、荒れた執務室の主である喪中の国王とも距離が縮まり……。
「泣くなら俺の胸で」――床も心も磨き直す、清掃令嬢の溺愛成り上がり。
人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます
七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。
歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。
世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。
気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
最終17位でした!応援ありがとうございます!
あらすじ
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
拾ってないのに、最上位が毎日“帰る”んですがーー飼い主じゃありません!ただの受付係です!
星乃和花
恋愛
王都ギルド受付係リナは、今日も平和に働く予定だった。
……のに。
「お腹すいた」
そう言って現れたのは、最上位の英雄レオン。
強いのに生活力ゼロ、距離感ゼロ、甘え方だけは一流。
手当てすれば「危ない」と囲い込み、
看病すれば抱きしめて離さず、
ついには――
「君が、俺の帰る場所」
拾ってない。飼ってない。
ただ世話を焼いただけなのに、英雄が毎日“帰ってくる”ようになりました。
無自覚世話焼き受付嬢 × 甘えた天然英雄の
距離感バグ甘々ラブコメ、開幕!
⭐︎火木土21:20更新ー本編8話+後日談9話⭐︎
借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます
なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。
そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。
「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」
脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……!
高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!?
借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。
冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!?
短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。
俺は夜、社長の猫になる
衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。
ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。
言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。
タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。
けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。
誘拐された公爵令嬢ですが、なぜか皇帝に溺愛されています』
富士山麓
恋愛
舞踏会で王太子から婚約破棄を告げられそうになった瞬間――
目の前に現れたのは、馬に乗った仮面の皇帝だった。
そのまま攫われた公爵令嬢ビアンキーナは、誘拐されたはずなのに超VIP待遇。
一方、助けようともしなかった王太子は「無能」と嘲笑され、静かに失墜していく。
選ばれる側から、選ぶ側へ。
これは、誰も断罪せず、すべてを終わらせた令嬢の物語。