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番外編
ラーチャプルック
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秀吾の話に出てきたランチのお店でのお話です。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
大手企業のビルやオフィスが立ち並ぶ道路から一つ中に入った綺麗な花屋さんの隣にある、タイ料理カフェ『ラーチャプルック』ここが私の仕事場だ。
スイーツを充実させているから比較的女性のお客さんが多いけれど、ランチにはカオマンガイやガパオライス、マッサマンカレーなどボリュームたっぷりなものを揃えているからか、男性客も割と入ってきてくれる。
もちろん一番人気のメニューはトムヤムクン。
シェフは本国でタイ料理を学んできた生粋のタイ人だから、この店から少し離れたタイの大使館の人たちも頻繁に食べにきてくれるくらい本格的だ。
「あっ! 来た!!」
最近、密かに待ち焦がれているお客さんたちが今日は来てくれた!
長身のイケメンと可愛い男の子の二人組。
長身のイケメンの方はこの辺では割と有名。
すぐ近くにある弁護士事務所の弁護士さんだ。
おそらく所長さんだろう。
そして、その所長弁護士さんが毎回連れてきてくれるのが、可愛い男の子。
兄弟にしては少し年齢が離れすぎだし、顔も似ていない。
だけど、ものすごく仲がいい。
みんなは二人の関係に気づいているかどうかわからないけれど、私は二人が恋人同士だと知っている。
だってねぇ……。
ああ、イケメンに溺愛される可愛い男の子。
最高じゃない!!
思わず叫びそうになるのを必死に抑える。
ああ、彼らに出会えただけで今日一日いいことがありそうな気がする。
いや、会えただけでもはや良いことがあったってことよね。うん。
「いらっしゃいませ。こちらへどうぞ」
待ち構えてすぎて怖がらせるともう二度ときてくれないかもしれないから、あくまでも冷静を装って声をかける。
二人の席はいつも同じ。
中庭が綺麗に見え、尚且つ、店内の他の席から見えにくくゆったりと過ごせる特等席。
初めて来てくれた時からの店長の指示で、どんなにお客さんがいっぱいでもその席には彼ら以外案内しないようにしている。
それをわかってくれているからか、長身のイケメンさんはそれから頻繁にうちのカフェに来てくれる。
もう店長グッジョブ!!
「ご注文がお決まりになりましたらお呼びください」
マニュアル通りに声を掛けてその場を離れる。
でもギリギリ二人に会話が聞こえる位置だ。
絶対に邪魔はしないので、それくらいの楽しみはあってもいいよね。
「理央、今日はどれにする?」
「あの、秀吾さんが美味しいって教えてくれた牡蠣の……」
「ああ、オースワンか。じゃあ、それを食べてみようか。あとは理央が好きなカオマンガイのランチにしようか」
「はい。あ、でも凌也さんが食べたいものは……」
「理央が食べたいものが俺の食べたいものだから大丈夫だよ。他にも食べたいものがあったらあとで頼もう」
「ふふっ。凌也さん大好き!!」
ほら。私が二人が恋人同士なのを知っている理由がわかった?
長身イケメンはいつだって可愛い子の食べたいものしか頼まないし、可愛い子は長身イケメンを大好きな気持ちを隠そうともしないもの。
さっと手を上げて私を呼ぶ長身イケメン。
それがあまりにも自然で格好良くて……その時だけは少しだけ優越感に浸れるの。
いや、決して可愛い男の子から長身イケメンを奪おうとかそんな気はさらさらなくて、ただただ二人の空間に近づける権利を得られたことが嬉しいだけ。
「オースワンひとつと、カオマンガイのランチ、悪いけどこの蒸し鶏の半分は揚げに変えてもらえるかな? あと食後にブア・ローイ一つね」
「かしこまりました」
注文の確認をして、急いで厨房に注文を入れる。
たまにこういうお客さんがいるからこんな変更もうちではオッケー。
なんせ本場のシェフだからね。
「店長一推しの彼らなんで、早めにお願いしまーす!」
声をかけてしばらくすると、すぐに料理が出来上がった。
それをさっと席に運ぶ。
料理をテーブルに置くと、
「わぁー! 美味しそうっ!!」
可愛い男の子の嬉しそうな声が響く。
それだけでカフェ中が癒される。
ああ、本当に今日仕事でよかった……そうしみじみ思う。
あっ! さっと離れなくちゃ!
急いで二人のテーブルから離れると、ここからは二人だけの甘い時間。
決して邪魔をしてはいけない暗黙の時間が流れる。
だけど声だけは聞かせてほしい。
私の癒しの時間だから。
「ほら、理央。あーんして」
「んんっ! 美味しいです!!」
「榊くんのおすすめはやっぱりどれも理央の口に合っているようだな」
「はい。凌也さんも食べて。あーん」
「ああ、美味しいな。ほら、理央。こっちのも食べてみよう。蒸し鶏と揚げ鶏どっちから食べる?」
「こっちがいいです。んんーっ、おっきぃ……っ」
「ああ、ごめん、ごめん。ソースがついてしまったな。ほら、理央」
「ふふ。美味しい?」
「ああ、理央の唇に付いているソースだから余計に美味しいな」
わっ、もしかして舐めとった?
決して見てはいけないけど、声だけでも萌える。
ああ、最高~!
「理央、もうお腹いっぱいか?」
「はい」
「そうか、無理しなくていい。これ以上食べたらデザートが食べられなくなるな。デザートをお願いしようか」
その声が聞こえてすぐに厨房に声をかける。
そしてすぐにテーブルに運ぶと
「仕事が早いな、ありがとう」
と長身イケメンが声を掛けてくれた。
もしかして、こっそり声を聞いているのバレてる?
でも怒られてないから大丈夫かな?
ささっと離れて二人の様子を堪能する。
可愛い子は美味しそうにデザートを食べて……というか食べさせてもらって、長身イケメンと一緒にお店を出て行った。
ああ、次はいつ来てくれるかな。
また癒されたい~!
そう願いながら、私は仕事を続けたのだった。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
大手企業のビルやオフィスが立ち並ぶ道路から一つ中に入った綺麗な花屋さんの隣にある、タイ料理カフェ『ラーチャプルック』ここが私の仕事場だ。
スイーツを充実させているから比較的女性のお客さんが多いけれど、ランチにはカオマンガイやガパオライス、マッサマンカレーなどボリュームたっぷりなものを揃えているからか、男性客も割と入ってきてくれる。
もちろん一番人気のメニューはトムヤムクン。
シェフは本国でタイ料理を学んできた生粋のタイ人だから、この店から少し離れたタイの大使館の人たちも頻繁に食べにきてくれるくらい本格的だ。
「あっ! 来た!!」
最近、密かに待ち焦がれているお客さんたちが今日は来てくれた!
長身のイケメンと可愛い男の子の二人組。
長身のイケメンの方はこの辺では割と有名。
すぐ近くにある弁護士事務所の弁護士さんだ。
おそらく所長さんだろう。
そして、その所長弁護士さんが毎回連れてきてくれるのが、可愛い男の子。
兄弟にしては少し年齢が離れすぎだし、顔も似ていない。
だけど、ものすごく仲がいい。
みんなは二人の関係に気づいているかどうかわからないけれど、私は二人が恋人同士だと知っている。
だってねぇ……。
ああ、イケメンに溺愛される可愛い男の子。
最高じゃない!!
思わず叫びそうになるのを必死に抑える。
ああ、彼らに出会えただけで今日一日いいことがありそうな気がする。
いや、会えただけでもはや良いことがあったってことよね。うん。
「いらっしゃいませ。こちらへどうぞ」
待ち構えてすぎて怖がらせるともう二度ときてくれないかもしれないから、あくまでも冷静を装って声をかける。
二人の席はいつも同じ。
中庭が綺麗に見え、尚且つ、店内の他の席から見えにくくゆったりと過ごせる特等席。
初めて来てくれた時からの店長の指示で、どんなにお客さんがいっぱいでもその席には彼ら以外案内しないようにしている。
それをわかってくれているからか、長身のイケメンさんはそれから頻繁にうちのカフェに来てくれる。
もう店長グッジョブ!!
「ご注文がお決まりになりましたらお呼びください」
マニュアル通りに声を掛けてその場を離れる。
でもギリギリ二人に会話が聞こえる位置だ。
絶対に邪魔はしないので、それくらいの楽しみはあってもいいよね。
「理央、今日はどれにする?」
「あの、秀吾さんが美味しいって教えてくれた牡蠣の……」
「ああ、オースワンか。じゃあ、それを食べてみようか。あとは理央が好きなカオマンガイのランチにしようか」
「はい。あ、でも凌也さんが食べたいものは……」
「理央が食べたいものが俺の食べたいものだから大丈夫だよ。他にも食べたいものがあったらあとで頼もう」
「ふふっ。凌也さん大好き!!」
ほら。私が二人が恋人同士なのを知っている理由がわかった?
長身イケメンはいつだって可愛い子の食べたいものしか頼まないし、可愛い子は長身イケメンを大好きな気持ちを隠そうともしないもの。
さっと手を上げて私を呼ぶ長身イケメン。
それがあまりにも自然で格好良くて……その時だけは少しだけ優越感に浸れるの。
いや、決して可愛い男の子から長身イケメンを奪おうとかそんな気はさらさらなくて、ただただ二人の空間に近づける権利を得られたことが嬉しいだけ。
「オースワンひとつと、カオマンガイのランチ、悪いけどこの蒸し鶏の半分は揚げに変えてもらえるかな? あと食後にブア・ローイ一つね」
「かしこまりました」
注文の確認をして、急いで厨房に注文を入れる。
たまにこういうお客さんがいるからこんな変更もうちではオッケー。
なんせ本場のシェフだからね。
「店長一推しの彼らなんで、早めにお願いしまーす!」
声をかけてしばらくすると、すぐに料理が出来上がった。
それをさっと席に運ぶ。
料理をテーブルに置くと、
「わぁー! 美味しそうっ!!」
可愛い男の子の嬉しそうな声が響く。
それだけでカフェ中が癒される。
ああ、本当に今日仕事でよかった……そうしみじみ思う。
あっ! さっと離れなくちゃ!
急いで二人のテーブルから離れると、ここからは二人だけの甘い時間。
決して邪魔をしてはいけない暗黙の時間が流れる。
だけど声だけは聞かせてほしい。
私の癒しの時間だから。
「ほら、理央。あーんして」
「んんっ! 美味しいです!!」
「榊くんのおすすめはやっぱりどれも理央の口に合っているようだな」
「はい。凌也さんも食べて。あーん」
「ああ、美味しいな。ほら、理央。こっちのも食べてみよう。蒸し鶏と揚げ鶏どっちから食べる?」
「こっちがいいです。んんーっ、おっきぃ……っ」
「ああ、ごめん、ごめん。ソースがついてしまったな。ほら、理央」
「ふふ。美味しい?」
「ああ、理央の唇に付いているソースだから余計に美味しいな」
わっ、もしかして舐めとった?
決して見てはいけないけど、声だけでも萌える。
ああ、最高~!
「理央、もうお腹いっぱいか?」
「はい」
「そうか、無理しなくていい。これ以上食べたらデザートが食べられなくなるな。デザートをお願いしようか」
その声が聞こえてすぐに厨房に声をかける。
そしてすぐにテーブルに運ぶと
「仕事が早いな、ありがとう」
と長身イケメンが声を掛けてくれた。
もしかして、こっそり声を聞いているのバレてる?
でも怒られてないから大丈夫かな?
ささっと離れて二人の様子を堪能する。
可愛い子は美味しそうにデザートを食べて……というか食べさせてもらって、長身イケメンと一緒にお店を出て行った。
ああ、次はいつ来てくれるかな。
また癒されたい~!
そう願いながら、私は仕事を続けたのだった。
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