ひとりぼっちになった僕は新しい家族に愛と幸せを教えてもらいました

波木真帆

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皐月とのお茶会

<side絢斗>

直くんと一緒に作ったお正月用のリース。

今までもお正月用に作ったことがないとは言わないけれど、今回作ったものはいつもとは全く違うものになった。

直くんから作ってみたいと言ってくれて、せっかくなら飾りも全て手作りにしてみるのも面白いかも……ということで二人でアイディアを出し合った。

「あやちゃんが毛糸でお花を編むのはどうですか?」

直くんからそんな案を出されて一気にやる気が出た。
直くんには私が模様を考えた水引を手作りしてもらう事にして、早速計算式を出した。
そうして始めたリース作り。

直くんの手元を見ながら、自分の手を動かしている間に可愛い紅白の椿の花が編み上がっていた。

直くんも丁寧に形作っていくから見ているのが楽しい。

あっという間に全てのパーツが出来上がって、しめ縄に飾り付けていく。

「やったー! かんせーい!」

二人で力を合わせて作り上げたリースがなんだかとても可愛く見えた。

出来上がったリースを早速みんなの家にお届け。
まず初めに行くのは皐月の家。

出迎えてくれた皐月は直くんに会えてすごく嬉しそう。
早速中に入っておしゃべりをしていると、卓さんたちが飲み物と美味しそうなパイを出してくれた。

今日のパイはりんごとさつまいものパイ。
サックサクのパイにほんのり甘い生クリームが添えられていてすごく美味しい。
直くんも目を輝かせて食べていた。

パイを半分ほど食べて、私は今日の訪問の目的のものを皐月に渡した。
直くんが綺麗にラッピングしてくれたリース。
それを皐月は宝物を取り出すように大切に開けて、中身を取り出した。

「わぁ、すごく可愛い! ねぇ、宗一郎さん見てー!」

皐月は嬉しそうにリースを掲げて志良堂教授に見せる。

「おお、これはまた素晴らしいな」

「この水引は直くんの手作りでこっちのお花は私が編んだんだよ」

「えー! 本当に絢斗、編み物得意になったんだね。直くんの飾りもすごく綺麗!」

皐月は嬉しそうに写真に撮ると、早速宗一郎さんに玄関に飾るように頼んでくれた。

「この写真、後で悠真くんと真琴くんにも送っておくね。多分二人とも驚いちゃうよ」

そう言ってカフェオレをコクっと飲み干す。

「あ、そういえば驚くって言ったらね。この前、やっと来てくれたんだよ!」

「来てくれたって、誰が?」

やっとって言ってたから悠真くんたちじゃないよね。
誰だろう?

「知成さんと一実くん」

「まだ来てなかったの?」

「そうなんだよ。絢斗が教えてくれてからすぐだったかな。絢斗と話をしてようやく一実くんも覚悟を決めたみたいで二人で揃ってうちに挨拶に来てくれたんだよ」

「覚悟って、なんの?」

「それがね、一実くん……知成さんといる時の自分を私に見られるのが恥ずかしかったみたい」

「恥ずかしい?」

それって、どういう事だろう?

「ほら、一実くん。うちのゼミにいるときはあまり感情を出さない子だったでしょう? でも知成さんといる時の一実くんってなんか可愛くてこれが自然体の一実くんなんだなってその時初めて知ったんだ。絢斗は感じなかった?」

「そういえば知成さんの名前出した時、すっごく照れてたかな。でも学校だったから抑えてたのかもね」

あの時の一実くん、可愛かったもんね。
皐月とは私以上に一実くんと長い時間一緒にいたから、そういう姿を見せるのが恥ずかしかったってことか。

「知成さんが、もうメロメロでね。ピッタリ寄り添って全然離れないの。敬介くんよりももっと溺愛している感じだよ」

ようやく見つかった最愛の人だもんね。
昇くんにまで牽制してたし。
知成さんのあんなところ初めて見たから楽しかったけど、二人がラブラブしているところをもっとみたかったんだよね。

「そうなんだー。えー、私も見たかったな」

ついつい、皐月と一実くんと知成さんの話題で盛り上がってしまった。

「あ、ごめんね。直くん、つまらなくない?」

「大丈夫です。その知成さんって、桜守の理事長先生ですよね?」

「そうそう。一実くんは直くんのクラスの担任になる予定の先生だよ。で、皐月にゼミの教え子だったんだよ」

「そうなんですね。あの先生、テストの時もすごく優しくて……あの先生のクラスになれて嬉しいです」

直くんが人見知りもせず、初対面の一実くんを怖がってなかった。
一実くんが桜守の先生になったのは本当に天職だったかもしれないな。
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