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彼には内緒に
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<side卓>
かなり無理をしてもらったが、友人たちにかなり力を貸してもらって特別養子縁組成立後、すぐに戸籍謄本を発行してもらうことができた。
直くんにはこうして実際に私の実子になったと証明を見せることが何よりも安心させると思ったんだ。
少し手続きの手間は増したが当日に戸籍謄本を受け取ることができてよかった。
自宅への帰り道、お祝いにケーキでもと立ち寄った店で昇に出会った。
やはり考えることは同じなのかと笑いつつ、家族分のプリンを買って支払いを割り勘し家に向かった。
「伯父さん、明日の父さんたちの見送りとカールの迎えだけど……」
「ああ、大丈夫。問題ないよ。仕事の調整はできているし、みんなで出かけよう」
「やった!」
「直くんはもう私の息子だからな、これからは表立って守ることができるから今までよりはかなり生活しやすくなるはずだ」
「本当に伯父さんの実子になったんだね」
「ああ。だからお前が将来、直くんと共に過ごして行くのなら、お前も私の息子になるということだな」
「伯父さんがお義父さん……変な感じだけど、それはそれで嬉しいよ」
「ははっ。毅が聞いたら複雑な顔をしそうだな」
小さい頃から成長を見守ってきた昇が、まさか義理とはいえ息子になるとは思っていなかったが、直くんを託すには申し分ない相手だ。
まぁ、まだそんなことは言ってはやらないが。
これから先、直くんのためにもしっかり頑張ってもらわないとな。
自宅に戻り、声をかけると絢斗と直くんが玄関に急いでやってきた。
絢斗と帰ってきた挨拶をしつつも、そっと昇たちの方に意識を向けると、直くんが嬉しそうに昇の頬にキスをするのが見えてホッとした。
ちゃんと約束は守れているようだ。
着替えの前に、早く直くんを喜ばせたいし、ほっとさせたくてもらってきた書類を見せることにした。
折り目ひとつない戸籍謄本を出して、直くんに説明してみせると嬉しそうに笑顔を浮かべもらってきた戸籍謄本が欲しいと言い出した。
もちろん直くんのためにもらってきたものだから喜んで直くんにあげると、直くんは少し手を震わせながらそれを取り胸に抱きしめた。
それだけ磯山になって、この家族の一員になれたことが嬉しいと思ってくれたのだろう。
そう思ってくれるだけで私も嬉しい。
お祝いに買ってきた焼き菓子の箱とプリンを見せると、絢斗と直くんまるで親子のようにそっくりに喜んでいた。
やはり血筋など関係なく愛情たっぷりに一緒に生活していると似てくるものなのだと思う。
早速お祝いの夕食作りに腕を奮おうと先に着替えに自室に向かった。
さっと着替えを終わらせて、部屋を出ようとしたその時、スマホに着信が入った。
中谷くんだろうかと画面表示を見れば、そこには征哉くんの名前。
また一花くんと会わせてもらえるのだろうかと少し喜びながら電話をとった。
ーもしもし、征哉くん。
ー磯山先生、今お時間よろしいですか?
ーああ、ちょうど自室にいたところだ。問題ないよ。
ーそれならよかったです。実は、急な話なんですが、すぐの土曜日に一花と結婚式を挙げることになりまして、もしよろしければご家族揃って御参列いただきたいのですが、ご都合はいかがでしょうか?
ーえっ? 一花くんと結婚式? しかも土曜日なんて、もう数日しかないじゃないか? どうしてそんなことに?
ー話せば長くなるのですが……
そう言って征哉くんが詳しい話を教えてくれた。
征哉くんの親友で志良堂の教え子でもある、天沢陽仁くんが××県にある避暑地で日本蕎麦懐石料理店を開いたという話は聞いていたし、私と絢斗も食事に行ったこともあるが、彼の店が今度ウェディング事業に参加したところ、急遽挙式予定のカップルが婚約破棄となり、代わりに征哉くんと一花さんに白羽の矢が立ったようだ。
突然のことだから、本当に二人を祝ってくれる人だけ招待したいということで、私は喜んで参列することにした。
ーぜひ家族四人で参列させていただくよ。実は今日正式に直くんが私の実子として入籍したんだ。
ーええ! そうなんですか、おめでとうございます。ということはあちらから書類が届いたんですね。
ーああ、そうなんだ。だからすぐに手続きしてきたよ。だから家族でお祝いさせてもらうよ。
ーありがとうございます。それで、ここからが大事なことなんですが、一花には突然のことだから二人だけの挙式だと伝えています。参列者がいることは当日まで内緒にしておきたいんです。その方が、一花も喜びますから。
ーああ、なるほど。そういうことか。わかった、じゃあ直くんと絢斗にはくれぐれも一花くんには結婚式のことは話さないように伝えておくよ。
ーお手数をおかけしますが、よろしくお願いします。後ほど、詳しい場所と日時、そのほか詳細をお知らせします。それから当日は近くにあるうちの保養所で宿泊していただけますので、ぜひご家族で泊まって行かれてください。もちろん部屋は二部屋御準備いたします。部屋に露天風呂もついていますから楽しんでいただけますよ。宿泊場所の詳細も一緒にお伝えしますね。
ーおお、そうか。ありがとう。
ーそれは土曜日よろしくお願いします。
そう言って電話は切れた。
一花くんの結婚式に露天風呂のある部屋に宿泊か……。
直くんが喜びそうだが、ちょっと考えなくてはいけないな。
かなり無理をしてもらったが、友人たちにかなり力を貸してもらって特別養子縁組成立後、すぐに戸籍謄本を発行してもらうことができた。
直くんにはこうして実際に私の実子になったと証明を見せることが何よりも安心させると思ったんだ。
少し手続きの手間は増したが当日に戸籍謄本を受け取ることができてよかった。
自宅への帰り道、お祝いにケーキでもと立ち寄った店で昇に出会った。
やはり考えることは同じなのかと笑いつつ、家族分のプリンを買って支払いを割り勘し家に向かった。
「伯父さん、明日の父さんたちの見送りとカールの迎えだけど……」
「ああ、大丈夫。問題ないよ。仕事の調整はできているし、みんなで出かけよう」
「やった!」
「直くんはもう私の息子だからな、これからは表立って守ることができるから今までよりはかなり生活しやすくなるはずだ」
「本当に伯父さんの実子になったんだね」
「ああ。だからお前が将来、直くんと共に過ごして行くのなら、お前も私の息子になるということだな」
「伯父さんがお義父さん……変な感じだけど、それはそれで嬉しいよ」
「ははっ。毅が聞いたら複雑な顔をしそうだな」
小さい頃から成長を見守ってきた昇が、まさか義理とはいえ息子になるとは思っていなかったが、直くんを託すには申し分ない相手だ。
まぁ、まだそんなことは言ってはやらないが。
これから先、直くんのためにもしっかり頑張ってもらわないとな。
自宅に戻り、声をかけると絢斗と直くんが玄関に急いでやってきた。
絢斗と帰ってきた挨拶をしつつも、そっと昇たちの方に意識を向けると、直くんが嬉しそうに昇の頬にキスをするのが見えてホッとした。
ちゃんと約束は守れているようだ。
着替えの前に、早く直くんを喜ばせたいし、ほっとさせたくてもらってきた書類を見せることにした。
折り目ひとつない戸籍謄本を出して、直くんに説明してみせると嬉しそうに笑顔を浮かべもらってきた戸籍謄本が欲しいと言い出した。
もちろん直くんのためにもらってきたものだから喜んで直くんにあげると、直くんは少し手を震わせながらそれを取り胸に抱きしめた。
それだけ磯山になって、この家族の一員になれたことが嬉しいと思ってくれたのだろう。
そう思ってくれるだけで私も嬉しい。
お祝いに買ってきた焼き菓子の箱とプリンを見せると、絢斗と直くんまるで親子のようにそっくりに喜んでいた。
やはり血筋など関係なく愛情たっぷりに一緒に生活していると似てくるものなのだと思う。
早速お祝いの夕食作りに腕を奮おうと先に着替えに自室に向かった。
さっと着替えを終わらせて、部屋を出ようとしたその時、スマホに着信が入った。
中谷くんだろうかと画面表示を見れば、そこには征哉くんの名前。
また一花くんと会わせてもらえるのだろうかと少し喜びながら電話をとった。
ーもしもし、征哉くん。
ー磯山先生、今お時間よろしいですか?
ーああ、ちょうど自室にいたところだ。問題ないよ。
ーそれならよかったです。実は、急な話なんですが、すぐの土曜日に一花と結婚式を挙げることになりまして、もしよろしければご家族揃って御参列いただきたいのですが、ご都合はいかがでしょうか?
ーえっ? 一花くんと結婚式? しかも土曜日なんて、もう数日しかないじゃないか? どうしてそんなことに?
ー話せば長くなるのですが……
そう言って征哉くんが詳しい話を教えてくれた。
征哉くんの親友で志良堂の教え子でもある、天沢陽仁くんが××県にある避暑地で日本蕎麦懐石料理店を開いたという話は聞いていたし、私と絢斗も食事に行ったこともあるが、彼の店が今度ウェディング事業に参加したところ、急遽挙式予定のカップルが婚約破棄となり、代わりに征哉くんと一花さんに白羽の矢が立ったようだ。
突然のことだから、本当に二人を祝ってくれる人だけ招待したいということで、私は喜んで参列することにした。
ーぜひ家族四人で参列させていただくよ。実は今日正式に直くんが私の実子として入籍したんだ。
ーええ! そうなんですか、おめでとうございます。ということはあちらから書類が届いたんですね。
ーああ、そうなんだ。だからすぐに手続きしてきたよ。だから家族でお祝いさせてもらうよ。
ーありがとうございます。それで、ここからが大事なことなんですが、一花には突然のことだから二人だけの挙式だと伝えています。参列者がいることは当日まで内緒にしておきたいんです。その方が、一花も喜びますから。
ーああ、なるほど。そういうことか。わかった、じゃあ直くんと絢斗にはくれぐれも一花くんには結婚式のことは話さないように伝えておくよ。
ーお手数をおかけしますが、よろしくお願いします。後ほど、詳しい場所と日時、そのほか詳細をお知らせします。それから当日は近くにあるうちの保養所で宿泊していただけますので、ぜひご家族で泊まって行かれてください。もちろん部屋は二部屋御準備いたします。部屋に露天風呂もついていますから楽しんでいただけますよ。宿泊場所の詳細も一緒にお伝えしますね。
ーおお、そうか。ありがとう。
ーそれは土曜日よろしくお願いします。
そう言って電話は切れた。
一花くんの結婚式に露天風呂のある部屋に宿泊か……。
直くんが喜びそうだが、ちょっと考えなくてはいけないな。
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