ひとりぼっちになった僕は新しい家族に愛と幸せを教えてもらいました

波木真帆

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家族みんなで

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「昇、遅くなって悪かったな」

「いや、先に進めておこうと思ったんだけどメインはステーキみたいだったから、ご飯だけ先に炊いておいたよ」

「ああ、ありがとう。助かるよ」

「何かあった?」

「ああ、後で食事をしながら話をするよ。とりあえず料理を作ってしまおう」

昇に付け合わせの野菜を茹でて、サラダを作ってもらっている間にミネストローネを作り、あっという間にあとはステーキを焼くだけになった。

ご飯が炊き上がるのに合わせて肉に火を入れて、さっとソースも作り完成だ。

「絢斗、直くん。夕食にしようか」

リビングで寛いでいる二人に声をかけて、席に座らせてからメインのステーキ皿を目の前に出してやると

「わぁーっ、卓さん! 美味しそう!!」

「とってもいい匂いがします!」

と二人ともいい反応を見せてくれる。

ステーキは切り分けていないが、昇が直くんのステーキを切り分けて食べさせてやるだろう。

「さぁ、食べようか」

「はーい、いただきます!」

絢斗と直くんの嬉しそうな声を聞いて嬉しくなる。

「絢斗、何から食べる?」

「やっぱりステーキかな」

「ほら、あーんして」

「んっ、ふふっ、すっごく美味しい。このお肉、口の中で溶けていっちゃうね」

「今日はお祝いだったから、いい肉屋に寄って帰ってきて正解だったな」

「卓さんも、あーん」

「ん! 絢斗に食べさせてもらうと、さらに美味しく感じるな」

向かいでは昇も直くんにステーキを切り分けて食べさせている。
お肉を食べて幸せそうな顔を見ていると、もっともっと美味しいものを食べさせてあげたくなってくる。

これからはもう誰に遠慮することもなく、私の息子として今まで以上に愛を注ぐとしよう。

ああ、もちろん絢斗への愛は別物だが。

「それで伯父さん。さっき夕食の時に話すって言ってたのは?」

「ああ、そうだった。実は、今週の土曜日に結婚式に招待されたんだ」

「へぇ、伯父さんは知り合いも多いしそういう招待も多そうだけど、今度の土曜日ってすごく急な話だね」

「ああ。しかもな、私だけでなく家族四人で招待されたんだよ」

「えっ?」

私の言葉に一際大きな声をあげたのは直くん。
まぁ、そうだろうな。
まさか自分が結婚式に招待されるとは夢にも思っていなかっただろう。

「卓さん、家族全員ってどういうこと?」

「実はな、さっき征哉くんから連絡がきて、一花くんと結婚式を挙げることになったという話だったんだよ」

「一花ちゃんが? 昨日来た時はそんな話何もしてなかったけど、急に決まったの?」

「そうなんだよ、これには事情があってね……」

私は征哉くんから聞いた、天沢くんの事情を話して聞かせた。

「そんなことが……でも、天沢くんにしてみれば良い相手が見つかって良かったんじゃない?」

「そうだな。だから土曜日はみんなで二人の結婚式を祝いに行こう!」

「わぁー!! 僕、結婚式って初めてです!!」

直くんの嬉しそうな声に思わず笑みが溢れる。
家族で招待されるのも初めての経験に違いない。

いい旅行になりそうだな。

「どんな感じの結婚式をするのか、後で一花ちゃんに連絡しとこうかな」

「ああ、そうだ! 一番重要な話があった」

「何?」

「今回の結婚式に私たちが参列することは一花くんには内緒にしないといけないんだ」

「えっ? 内緒ってどういうこと?」

「一花くんは急な話だから、征哉くんと二人きりの結婚式だと聞かされているらしい。それで、そこに私たちや二人に縁のある人たちが駆けつけてお祝いをして一花くんを驚かせたいんだそうだ」」

「なるほど! サプライズってことだね。それ楽しそう!!」

サプライズが大好きな絢斗はこの話を聞くだけでもうすっかり喜びの表情を見せている。

「だろう? だから、一花くんには絶対に結婚式に参列すると言ってはいけないよ。もし、一花くんから土曜日に結婚式を挙げると話を聞いても、知っているように見せてもいけない。いいか、絢斗。直くん」

「うん、わかった!」
「パパ。わかりました!」

二人の頼もしい返事にホッとして、私は次なる話を進めた。

「当日は、近くに宿泊所も用意してくれているそうだから、そこにみんなで泊まるよ。帰り道には水族館もあるから寄って帰ろうか」

「ええっ!! それ、最高じゃん!!!」

結婚式よりもそっちの方に興奮しているのが昇らしい。

まぁ、それだけ直くんが喜ぶ顔がみたいってことなんだろうな。

「直くん、家族旅行に行けるね」

「家族、旅行……それに、一花さんの、結婚式も見られるなんて……僕、嬉しいです!!」

「明日は父さんたちを見送ってカールもくるし、楽しいことが続くな」

「はい! 僕、ワクワクします!!」

私の息子になってくれたからだろうか。
いつも以上に表情豊かに見える。

それほど喜んでくれているのなら、私は父として最高に幸せだ。
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