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直くんの愛を知る
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<side卓>
店を出ると、直くんが昇の手を引いて毅たちの元に駆け出していった。
あの小さな身体で昇を引いて走っていく姿に私たちは圧倒されながら、直くんのしたいようにさせてやろうと四人の後ろから見守っていた。
保安検査場へ向かいながらも、直くんは必死に毅たちに言葉をかけ続ける。昇も直くんの勢いに押されながら毅たちに言葉をかけていた。そして、とうとう保安検査場の目の前についた。
「兄さん、絢斗さん。昇を頼む」
「ああ、もうすでに家族だから心配しないでいいよ」
「昇くん、勉強もしっかり頑張っているから、年が明けたらいい報告もできると思うよ」
「絢斗さんがそう仰ってくれるなら安心です」
「絢斗さん、直くんの合格が決まったら教えてね」
「もちろん! 二葉さんには直くんとメッセージ送るから毎日楽しみにしててね」
「わぁー! ありがとう!!」
私たちと笑顔で話をして、純弥くんたちとも別れの挨拶をして、毅と二葉さんは最後に昇と直くんに向かい合った
「直くん、昇。しばらく離れるけれど二人とも頑張ってね」
「昇、しっかりやるんだぞ」
二人が一番言いたいであろうことを昇に伝えるが、昇は照れくさそうに返事を返す。
まぁ高校生の息子ならこういうものだろう。
私も微笑ましく思っていたのだが、直くんはそんな昇を見つめてから毅と二葉さんに視線を向けた。
「毅パパ、ふーちゃん。あの……昇さんは、寂しくてうまく言えないだけなんです。だから、昇さんのことは心配しないでください! 僕がそばにいますから!!」
「「「えっ?」」」
直くんからの思いがけない言葉に毅たちはもちろん驚いているが、離れて立っていた私たちも全員驚きを隠せなかった。
「絢斗……今の直くんの言葉……」
「そっか……多分、自分の時のことを思い出したんだよ」
「自分の時って、父親と別れた時……?」
「うん。寂しかった時に、昇くんがそばにいてくれたから、きっと今度は自分がそばで守ってあげようと思っていたんだよ。優しいね、直くん」
絢斗の言葉に私だけでなく、純弥くんも瑠璃さんも、それに龍弥くんも納得したようだ。
「直くん、ありがとう。直くんがいてくれるから安心してフランスに行けるわ。昇をよろしくね」
二葉さんは直くんの気持ちを素直に受け取って、嬉しそうに直くんを抱きしめてから毅と二人、保安検査場に入っていった。
毅も二葉さんも安心しただろうな。
昇が一方的に直くんを好きなのではなく、昇も直くんに愛されていることを知って出発できたのだから。
直くんは二人の姿が見えなくなるまで手を振り続け、二人の姿が見えなくなってしばらくしてからその手を止めた。
昇はその直くんの行動にお礼を言っていたが、突然
「昇さん……あの、ちょっと屈んでもらっていいですか?」
という言葉に、少々不思議そうな顔をしながらも直くんのいう通りにした。
私たちもいったい何が始まるのだろうと固唾を呑んで見守っていたのだが、
「大丈夫、寂しくないですよ。僕がついてますから」
そういって、笑顔で昇の頭を優しく撫でる直くんの姿に胸を打たれた。
「卓さん……あの子、本当にいい子ですね」
「ああ、そうなんだよ。本当にいい子なんだ」
あまりにも愛情に満ち溢れた光景に、私たちはそれを邪魔しないようにその場に佇むことしかできなかったが、
「これ、後で磯山に送ってやろう。きっと喜ぶぞ」
という龍弥くんの声にさっと視線を向けると、彼は撮影したスマホを私に見せて嬉しそうに笑っていた。
「ああ、昇にはいい友達がいて助かるな」
そんな心からの声が漏れた。私たち大人が茫然と見守ることしかできなかったのに、こうしてすぐに撮影できるとは。やはり今時の子は違うなと感心してしまう。
「あっ、俺。先に到着ゲートに行ってます。父さんたちは磯山たちと一緒に来て!」
スマホの時計が見えたのか、龍弥くんは私たち大人をその場に残し、急いで駆け出していった。
「あいつは一人で騒がしいな」
「それだけカールくんが来るのが待ちきれないのよ」
「ははっ。本当に変わったな。実際に会う時が楽しみだ」
そんな純弥くんたちの言葉に、今度は私たちが二人の素晴らしい瞬間をしっかりと映像でおさめてやろうと思わずにはいられなかった。
「直くん、昇。行こうか」
「はい。パパ」
大役を果たせたような満足げな表情を見せる直くんと、直くんの優しさに感動しまくっている昇。
その二人を連れて、私たちは龍弥くんの後を追うように到着ゲートに向かった。
* * *
ちょうど気づいたので一言。今回でちょうど150話を迎えました。
一花たちのお話が長くなっているので当然ですがこちらも気付けば150話。
びっくりですがここまで読んでいただけてとっても嬉しいです♡
まだまだ続きますが最後までどうぞよろしくお願いします!!
店を出ると、直くんが昇の手を引いて毅たちの元に駆け出していった。
あの小さな身体で昇を引いて走っていく姿に私たちは圧倒されながら、直くんのしたいようにさせてやろうと四人の後ろから見守っていた。
保安検査場へ向かいながらも、直くんは必死に毅たちに言葉をかけ続ける。昇も直くんの勢いに押されながら毅たちに言葉をかけていた。そして、とうとう保安検査場の目の前についた。
「兄さん、絢斗さん。昇を頼む」
「ああ、もうすでに家族だから心配しないでいいよ」
「昇くん、勉強もしっかり頑張っているから、年が明けたらいい報告もできると思うよ」
「絢斗さんがそう仰ってくれるなら安心です」
「絢斗さん、直くんの合格が決まったら教えてね」
「もちろん! 二葉さんには直くんとメッセージ送るから毎日楽しみにしててね」
「わぁー! ありがとう!!」
私たちと笑顔で話をして、純弥くんたちとも別れの挨拶をして、毅と二葉さんは最後に昇と直くんに向かい合った
「直くん、昇。しばらく離れるけれど二人とも頑張ってね」
「昇、しっかりやるんだぞ」
二人が一番言いたいであろうことを昇に伝えるが、昇は照れくさそうに返事を返す。
まぁ高校生の息子ならこういうものだろう。
私も微笑ましく思っていたのだが、直くんはそんな昇を見つめてから毅と二葉さんに視線を向けた。
「毅パパ、ふーちゃん。あの……昇さんは、寂しくてうまく言えないだけなんです。だから、昇さんのことは心配しないでください! 僕がそばにいますから!!」
「「「えっ?」」」
直くんからの思いがけない言葉に毅たちはもちろん驚いているが、離れて立っていた私たちも全員驚きを隠せなかった。
「絢斗……今の直くんの言葉……」
「そっか……多分、自分の時のことを思い出したんだよ」
「自分の時って、父親と別れた時……?」
「うん。寂しかった時に、昇くんがそばにいてくれたから、きっと今度は自分がそばで守ってあげようと思っていたんだよ。優しいね、直くん」
絢斗の言葉に私だけでなく、純弥くんも瑠璃さんも、それに龍弥くんも納得したようだ。
「直くん、ありがとう。直くんがいてくれるから安心してフランスに行けるわ。昇をよろしくね」
二葉さんは直くんの気持ちを素直に受け取って、嬉しそうに直くんを抱きしめてから毅と二人、保安検査場に入っていった。
毅も二葉さんも安心しただろうな。
昇が一方的に直くんを好きなのではなく、昇も直くんに愛されていることを知って出発できたのだから。
直くんは二人の姿が見えなくなるまで手を振り続け、二人の姿が見えなくなってしばらくしてからその手を止めた。
昇はその直くんの行動にお礼を言っていたが、突然
「昇さん……あの、ちょっと屈んでもらっていいですか?」
という言葉に、少々不思議そうな顔をしながらも直くんのいう通りにした。
私たちもいったい何が始まるのだろうと固唾を呑んで見守っていたのだが、
「大丈夫、寂しくないですよ。僕がついてますから」
そういって、笑顔で昇の頭を優しく撫でる直くんの姿に胸を打たれた。
「卓さん……あの子、本当にいい子ですね」
「ああ、そうなんだよ。本当にいい子なんだ」
あまりにも愛情に満ち溢れた光景に、私たちはそれを邪魔しないようにその場に佇むことしかできなかったが、
「これ、後で磯山に送ってやろう。きっと喜ぶぞ」
という龍弥くんの声にさっと視線を向けると、彼は撮影したスマホを私に見せて嬉しそうに笑っていた。
「ああ、昇にはいい友達がいて助かるな」
そんな心からの声が漏れた。私たち大人が茫然と見守ることしかできなかったのに、こうしてすぐに撮影できるとは。やはり今時の子は違うなと感心してしまう。
「あっ、俺。先に到着ゲートに行ってます。父さんたちは磯山たちと一緒に来て!」
スマホの時計が見えたのか、龍弥くんは私たち大人をその場に残し、急いで駆け出していった。
「あいつは一人で騒がしいな」
「それだけカールくんが来るのが待ちきれないのよ」
「ははっ。本当に変わったな。実際に会う時が楽しみだ」
そんな純弥くんたちの言葉に、今度は私たちが二人の素晴らしい瞬間をしっかりと映像でおさめてやろうと思わずにはいられなかった。
「直くん、昇。行こうか」
「はい。パパ」
大役を果たせたような満足げな表情を見せる直くんと、直くんの優しさに感動しまくっている昇。
その二人を連れて、私たちは龍弥くんの後を追うように到着ゲートに向かった。
* * *
ちょうど気づいたので一言。今回でちょうど150話を迎えました。
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