ひとりぼっちになった僕は新しい家族に愛と幸せを教えてもらいました

波木真帆

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笑顔の写真

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<side絢斗>

直くんの変装も兼ねての女装だったけれど、可愛い直くんのドレス姿も見られたし、私も綺麗な着物を着たおかげで卓さんに褒めてもらえたし良いことづくめ。

敬介くんと尚孝くんにもその仲間になってもらうことに成功して、直くんと一緒に四人で衣装部屋に向かうと、敬介くんは数あるドレスの中からすぐに周平くんが特別に誂えただろうドレスを見つけた。

「多分これだと思うんですけど、ちょっと派手じゃないですか?」

「そんなことないよ。絶対に敬介くんに似合うよ!! ねぇ、直くん」

「はい。すっごく素敵で大人って感じがします」

「うんうん、だよね。敬介くんは着物も似合いそうだけど、ここはやっぱり周平くんのドレス一択だよ」

周平くんが喜ぶことを想像したのか、敬介くんは少し照れながらもそのドレスを手に取っていた。

そして、尚孝くんの衣装。
尚孝くんもドレスも着物も似合いそうだけど、志摩くんは着物が好きそうなんだよね。
それに奥ゆかしい尚孝くんには着物が似合うかなと思って敬介くんにも意見を求めると、敬介くんも着物が似合いそうだと言ってくれた。

ということで尚孝くんの衣装は着物に決定!

「直くん、着物のお部屋に行くけど直くんはどうする?」

「えっと、僕……」

答えに迷いながら敬介くんにちらっと視線を向ける。どうやら同じドレスの敬介くんに興味を持っているみたいだ。大人なドレスに見惚れちゃったかな。

「敬介くん一人じゃ寂しくなっちゃうだろうから、直くんはそっちにいてあげて」

「うん。僕も直くんがいてくれると嬉しいな」

敬介くんは私の意図を汲んでくれたようで、すぐに言葉を続けてくれた。こういうところの気遣いは大学生の頃から変わらない。

「はい」

直くんは敬介くんにも言われたのが嬉しかったようで笑顔で頷いていた。

「じゃあ、尚孝くんの着物選ぼうか」

たくさんのものから探し出したりするのは苦手だけど、さっき卓さんがしてくれてたことを見てたからやり方はわかってる。自分では動けないけれど、尚孝くんならやってくれるだろう。

まず、置かれていたファイルを見て、尚孝くんに似合いそうなものを選ぶ。

「うーん、どれも素敵で迷っちゃうね。あっ、これ……!! どう?」

パラパラとファイルを捲っていると、尚孝くんのイメージにぴったりな空色の着物を見つけた。

「わ! これ素敵ですね!!」

「じゃあ、実物を見てみようか。えっと……」

「この番号のところにあるんですね」

「うん、そうそう!!」

何も言わなくても尚孝くんの方から率先して動いてくれる。一緒にリースを作った時もすぐに理解してくれたし、本当に尚孝くんは頭がいい。

迷うことなく衣装棚から着物が入ったたとう紙を取り出すと、手慣れた様子でそれを開いていった。

「すごい、尚孝くん。慣れてるね」

「母が着物をよく着ていたので、その手伝いをしてたんです。着付けもできるようになっておいた方がいいと言われて、僕も兄も母から着付けを習いました。女性の着物を着たことはないですが、着付けはできるので問題ないです」

「そうなんだ! すごいね! それならヘアメイクをしてもらうだけで準備できちゃうね」

「はい。なので着物で良かったです」

そうか。尚孝くんに着物が似合うと思ったのは、幼い時から触れ合ってきたからこその凜とした佇まいがあったからだろう。

私が選んだ着物を気に入ってくれた尚孝くんと敬介くんのヘアメイクがすぐに始められた。

私と直くんは二人でその様子を見守っていると、衣装部屋の扉が叩かれ、卓さんの声が聞こえた。

「絢斗。もうすぐ櫻葉会長がいらっしゃるようだ。直くんも一緒にみんなで挨拶をしに行こうか」

「あ、それがいいね。敬介くん、尚孝くんをお願いしていいかな?」

「はい。大丈夫です」

「それじゃあ、直くん。行こうか」

家族で招待されたし、親族には挨拶しておかないとね。可愛い直くんを櫻葉さんにも紹介したいし。

私は直くんの手を取って衣装部屋を出た。
すぐ前に卓さんと昇くんが迎えにきてくれていて、一花ちゃんたちに見つからないように裏口からそっと庭に出た。

「わぁ、いい天気ですね」

「うん。本当に結婚式日和だね。直くんのドレス、日に当たるとキラキラ光ってとっても綺麗だよ」

「わぁ、本当だ」

外を自由に出られるようになって本当に良かったと思えるくらい、今日の直くんは昇くんの隣で笑顔いっぱいだった。
本当に家族で結婚式に参加できて良かったな。

私はそんな満面の笑みを浮かべた直くんと、それを見守る昇くんの二人をそっと写真におさめた。
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