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みんなで挨拶に
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<side昇>
直くんたちが衣装部屋に向かって、部屋の中は俺と伯父さんと志摩さん。そして、伯父さんが周平くんと呼ぶ強面の人。
その迫力の凄さにビビってしまいそうになる。さっきあの優しそうな人といた時はあんなにも穏やかな雰囲気を出していたのに。
「伯父さん……あの、この人は……」
「ああ、昇はまだ会ったことはなかったか。彼は桜城大学のOBで志良堂のゼミにいた蓮見周平くん。今はClef de Coeurの社長でオートクチュールデザイナーだよ。お前が直くんに選んだあのドレスを作った人だ」
「えっ……あのドレスを?」
「ああ。ちゃんとお礼を言っておけ」
「は、はい。あの……磯山昇です。今日は素晴らしいドレスをありがとうございます。直くんの可愛い姿を見られてとても嬉しいです」
蓮見さんのあまりの迫力に、子どもみたいな感想しか伝えられなかったけれど、彼は表情を緩め笑顔を見せてくれた。
「いや、可愛い子に私のドレスを着こなしてもらって嬉しいよ。あの子くらいの年の子がドレスを着ている姿はあまり間近では見られないからね。私にとってもいい経験になったよ」
怖そうな人だと思ったのが申し訳ないと思ってしまうほど、口調も優しいし穏やかだ。
「あの子くらいのサイズの服も最近増やしているから、ぜひ店舗にも遊びに来てくれ」
蓮見さんは胸元の内ポケットから名刺入れを取り出し、俺に名刺をくれた。
「この青山店が彼にぴったりな服を用意しているよ」
「青山……。わかりました。今度ぜひお邪魔させていただきます」
とはいえ、セレブ御用達の店だから、そんなにたくさんは買えないだろうけど、これから冬になればコートのようなアウターもたくさん必要になってくるだろう。直くんが桜守に行くならなおさらだ。あそこは制服の上に着るアウターは自由だって話だし、俺が選んだアウターを着せるのも良さそうだ。そんなことを考えるだけで楽しくなってくる。
これも全部直くんが伯父さんの養子になって気兼ねなく外に出られるようになったからだ。
俺は大切にその名刺を財布にしまった。
「ちょっと失礼します」
志摩さんが突然スマホを取り出し、すっと部屋の隅に向かう。その所作に思わず見惚れる。本当にすごい秘書さんってこんな感じなんだろう。
画面にさっと目を通した志摩さんは、流れるような滑らかな動きで返事を送ったと思ったら、俺たちに声をかけた。
「もうすぐ櫻葉会長ご一行がお着きになり、そのまま会場であるお庭に向かわれるようです」
どうやらさっきの連絡はそれだったらしい。
「そうか、それなら挨拶に行っておいた方がいいな。昇、絢斗と直くんを迎えに行こうか」
「うん。分かった」
櫻葉会長といえば、経済界の重鎮ということだけではなく、なんと言っても新夫である一花さんのお父さんだ。ある意味、今日の主役と言ってもおかしくない。直くんを櫻葉会長に会わせることに不安がないわけではないけれど、一花さんと直くんが仲良くなっている以上、櫻葉会長が直くんを無下に扱うことはしないだろう。
それが分かっているからこそ、伯父さんだって直くんを連れて挨拶しに行こうと誘ったんだろうし。
「じゃあ、私は先に庭に出ていますよ。敬介はまだ支度に時間がかかるでしょうし」
俺たちが立ち上がると蓮見さんも立ち上がり、志摩さんと一緒に部屋を出た。そして二人で庭に向かっていくのを見送りながら、俺と伯父さんは直くんたちがいる衣装部屋に向かった。
この中で蓮見さんの相手である浅香さんと、谷垣さんが支度をしていると思うと少し緊張する。
伯父さんは扉の外から絢斗さんと直くんに櫻葉会長がそろそろ到着することを伝え、挨拶しに行こうと誘った。
すぐに絢斗さんと直くんが部屋から出てきた。うん、やっぱり直くんは可愛い。
貴船さんと一花さんに見つからないように裏口から庭に回る道を案内されて、外に出ると俺の靴の隣に可愛い女性用の靴が置いてあった。伯父さんの靴の隣には綺麗な草履が置いてあったからこれは直くんの靴なんだろう。
「大丈夫?」
「はい。サイズもぴったりで履きやすいです」
ヒールも低めだし歩きやすいようなものを選んでくれたんだろう。本当に何から何まで直くんのことを考えてもらってて安心する。
「それでも慣れないうちは転ぶかもしれないから、俺から離れないで」
「わかりました」
直くんは素直に俺の腕に絡みついてくれる。ああ、これ……最高だな。
「わぁ、いい天気ですね」
外に出られる幸せを噛み締めているんだろうか。笑顔の直くんが愛おしい。すると後ろからパシャっと音が聞こえて、直くんと二人で振り向くと、絢斗さんが俺たちにスマホを向けていた。
「あやちゃん」
「お似合いの二人の写真、撮っちゃった。これ、二葉さんに送るね」
そう言っている間に絢斗さんの手が動き、もう送られてしまったみたいだ。フランスは今はまだ眠っている時間だろうから、起きてすぐに連絡が来るだろうな。その時のためにいっぱい直くんの写真と動画を撮っておくとしよう。
可愛い直くんを見れば、母さんも父さんも喜ぶだろうな。ついでにじいちゃんと大おじさんにも送っておこうか。喜ぶ顔が目に浮かぶようだ。
直くんたちが衣装部屋に向かって、部屋の中は俺と伯父さんと志摩さん。そして、伯父さんが周平くんと呼ぶ強面の人。
その迫力の凄さにビビってしまいそうになる。さっきあの優しそうな人といた時はあんなにも穏やかな雰囲気を出していたのに。
「伯父さん……あの、この人は……」
「ああ、昇はまだ会ったことはなかったか。彼は桜城大学のOBで志良堂のゼミにいた蓮見周平くん。今はClef de Coeurの社長でオートクチュールデザイナーだよ。お前が直くんに選んだあのドレスを作った人だ」
「えっ……あのドレスを?」
「ああ。ちゃんとお礼を言っておけ」
「は、はい。あの……磯山昇です。今日は素晴らしいドレスをありがとうございます。直くんの可愛い姿を見られてとても嬉しいです」
蓮見さんのあまりの迫力に、子どもみたいな感想しか伝えられなかったけれど、彼は表情を緩め笑顔を見せてくれた。
「いや、可愛い子に私のドレスを着こなしてもらって嬉しいよ。あの子くらいの年の子がドレスを着ている姿はあまり間近では見られないからね。私にとってもいい経験になったよ」
怖そうな人だと思ったのが申し訳ないと思ってしまうほど、口調も優しいし穏やかだ。
「あの子くらいのサイズの服も最近増やしているから、ぜひ店舗にも遊びに来てくれ」
蓮見さんは胸元の内ポケットから名刺入れを取り出し、俺に名刺をくれた。
「この青山店が彼にぴったりな服を用意しているよ」
「青山……。わかりました。今度ぜひお邪魔させていただきます」
とはいえ、セレブ御用達の店だから、そんなにたくさんは買えないだろうけど、これから冬になればコートのようなアウターもたくさん必要になってくるだろう。直くんが桜守に行くならなおさらだ。あそこは制服の上に着るアウターは自由だって話だし、俺が選んだアウターを着せるのも良さそうだ。そんなことを考えるだけで楽しくなってくる。
これも全部直くんが伯父さんの養子になって気兼ねなく外に出られるようになったからだ。
俺は大切にその名刺を財布にしまった。
「ちょっと失礼します」
志摩さんが突然スマホを取り出し、すっと部屋の隅に向かう。その所作に思わず見惚れる。本当にすごい秘書さんってこんな感じなんだろう。
画面にさっと目を通した志摩さんは、流れるような滑らかな動きで返事を送ったと思ったら、俺たちに声をかけた。
「もうすぐ櫻葉会長ご一行がお着きになり、そのまま会場であるお庭に向かわれるようです」
どうやらさっきの連絡はそれだったらしい。
「そうか、それなら挨拶に行っておいた方がいいな。昇、絢斗と直くんを迎えに行こうか」
「うん。分かった」
櫻葉会長といえば、経済界の重鎮ということだけではなく、なんと言っても新夫である一花さんのお父さんだ。ある意味、今日の主役と言ってもおかしくない。直くんを櫻葉会長に会わせることに不安がないわけではないけれど、一花さんと直くんが仲良くなっている以上、櫻葉会長が直くんを無下に扱うことはしないだろう。
それが分かっているからこそ、伯父さんだって直くんを連れて挨拶しに行こうと誘ったんだろうし。
「じゃあ、私は先に庭に出ていますよ。敬介はまだ支度に時間がかかるでしょうし」
俺たちが立ち上がると蓮見さんも立ち上がり、志摩さんと一緒に部屋を出た。そして二人で庭に向かっていくのを見送りながら、俺と伯父さんは直くんたちがいる衣装部屋に向かった。
この中で蓮見さんの相手である浅香さんと、谷垣さんが支度をしていると思うと少し緊張する。
伯父さんは扉の外から絢斗さんと直くんに櫻葉会長がそろそろ到着することを伝え、挨拶しに行こうと誘った。
すぐに絢斗さんと直くんが部屋から出てきた。うん、やっぱり直くんは可愛い。
貴船さんと一花さんに見つからないように裏口から庭に回る道を案内されて、外に出ると俺の靴の隣に可愛い女性用の靴が置いてあった。伯父さんの靴の隣には綺麗な草履が置いてあったからこれは直くんの靴なんだろう。
「大丈夫?」
「はい。サイズもぴったりで履きやすいです」
ヒールも低めだし歩きやすいようなものを選んでくれたんだろう。本当に何から何まで直くんのことを考えてもらってて安心する。
「それでも慣れないうちは転ぶかもしれないから、俺から離れないで」
「わかりました」
直くんは素直に俺の腕に絡みついてくれる。ああ、これ……最高だな。
「わぁ、いい天気ですね」
外に出られる幸せを噛み締めているんだろうか。笑顔の直くんが愛おしい。すると後ろからパシャっと音が聞こえて、直くんと二人で振り向くと、絢斗さんが俺たちにスマホを向けていた。
「あやちゃん」
「お似合いの二人の写真、撮っちゃった。これ、二葉さんに送るね」
そう言っている間に絢斗さんの手が動き、もう送られてしまったみたいだ。フランスは今はまだ眠っている時間だろうから、起きてすぐに連絡が来るだろうな。その時のためにいっぱい直くんの写真と動画を撮っておくとしよう。
可愛い直くんを見れば、母さんも父さんも喜ぶだろうな。ついでにじいちゃんと大おじさんにも送っておこうか。喜ぶ顔が目に浮かぶようだ。
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