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最高の結婚式
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「パパ、あやちゃんどこに行ったんですか?」
「また何かサプライズを考えているみたいだよ。直くんは心配せずに待っていたらいいよ」
「はい」
少し心配そうだったけれど谷垣くんが直くんに一緒におしゃべりしようと声をかけてくれたおかげで笑顔になっていた。
フランとグリと戯れながら、直くんがみんなと楽しく過ごしているのを見守っていると、
「着替えが終わったよ」
とスーツ姿の征哉くんが一花くんを連れて戻ってきた。
色打掛姿から私服に着替えに行ったのかと思っていたが、一花くんの衣装はなんとも可愛らしい桜色のドレス。
「わぁー! 一花さん、ドレスだ! すっごく綺麗です!!」
「本当! すっごく似合ってる!!」
「一花くん、綺麗だよ」
とても可愛らしいドレスに着替えた一花くんに直くんと谷垣くん。そして史紀さんが駆け寄ると一花くんと楽しそうに会話を始める。
誰一人征哉くんには目もくれない様子に、
「ははっ。会長の存在が忘れられてますよ」」
「ええ。あんなタジタジな貴船先輩を見るのは初めてです」
と志摩くんや安城くんが同情気味に笑っている。確かに珍しい光景だな。
一花くんが喜んでいるのを邪魔したくないからだろうが、さすがだな。
直くんも最初こそ征哉くんを怖がっていたが、お互いに誤解も解け、一花くんと友人となった今となっては征哉くんが怖い存在ではなくなったんだろう。それは本当に良かった。
しばらく抱きかかえられたままの一花くんを囲んでおしゃべりが続いていたが、
「みなさん、今日の結婚式に尽力してくださったこの方たちにもお着替えしていただいたわ。どうかしら?」
という未知子さんの声にみんなが入口に視線を向けた。
すると、この店の店主である天沢くんが美しいドレス姿の女性を連れているのが見えた。
しかも彼らだけでなくその後ろにも何人かいるのが見える。
「もしかして、千里さんか?」
征哉くんの声に天沢くんがこの上ない笑顔を見せて、説明を始めた。
「ああ、そうだ。よくわかったな。貴船の母君に声を掛けてもらって千里と和泉さん、そしてこの結婚式をプロデュースしてくれた日南さんも着替えさせてもらったんだ」
なるほど。絢斗が未知子さんと一緒にやりたいと言っていたのはこれだったか。
確かに彼らも美しいから着替えをしないのは勿体無いな。
だが、そうか……。彼らもまた恋人だったか……。縁は繋がるものだな。
本当にこの式は素晴らしい縁が繋がった最高の式になったものだ。
「征哉、一花くんをここに座らせて」
未知子さんの要望に応えるように征哉くんが一花くんを椅子に座らせると、途端に撮影会が始まる。
私たちはその邪魔をしないように少し離れた場所から新しく加わった花たちと絢斗たちの戯れを愛でることにした。
そんな中、
「それでこれからはどうなさるご予定ですか?」
という志摩くんの質問で話は大きく動くことになった。
志摩くんの質問は、東京のウェディングプロデュースの会社の佐久川社長とこの店の和菓子職人である小石川くん。
そして佐久川社長の会社の社員である日南くんとこの店の板前の麻生さん。この新しく誕生したカップルの行く末だ。
ここは東京から高速に乗っても数時間はかかる場所にあり、通常なら遠距離恋愛を強いられるだろう。
だが、私たちもそうだが運命の相手と出会い、離れ離れで週に一度会えるかどうかの状態で生きていけるとは思えない。
志摩くんも谷垣くんと出会ってすぐに一緒に暮らし始めたくらいだから、この二組が遠距離で続けられるか心配なのだろう。
彼らもそのことがネックのようだが、まだいい考えは思いついていないようだ。
「それならばいっそのこと、その会社を畳んだらいいんじゃないか?」
周平くんの突然の言葉にみんな驚いたものの、この店に新たに婚礼部を作り、この店での結婚式に力を注げば良いのではないか? という意見にただただ納得しかない。
周平くんの意見に天沢くんはもちろん、佐久川社長も乗り気で、あっという間に統合の運びとなった。
しかもこの縁で周平くんが自身のドレスやイリゼホテルの着物をこの店でも着られるようにすると言ってくれたことでかなりメリットの多い事業となりそうだ。
この結婚式が縁で新たな事業拡大に天沢くんも佐久川社長も嬉しそうに笑っていた。
優秀な人材ばかりが集まっているのだから話が進むのも早い。
せっかくだから顧問弁護士を決めようということで話した結果、有原くんに頼むことに決まったのは榎木くんの希望だった。
そう頻繁にここまで来る必要がないことと、来ても年に数回ということで二人で小旅行のついでに仕事もということらしいが、榎木くん所有の別荘や二人の行きつけの旅館が近くにあるということだからそれも楽しそうだ。
何か困ったことがあれば私も手伝うということで顧問弁護士の件はまとまった。
「じゃあ、みなさん。そろそろお開きにしましょうか」
そろそろ一時間というところで征哉くんが絢斗たちにも聞こえるように声をかけ、結婚式はお開きとなった。
見送りをするという佐久川社長の提案を断り、私たちも帰り支度を始めた。
「昇さん、みんなでメッセージアプリのID交換したんです」
「そうか。今日でいっぱい友達ができて良かったね」
「はい。すっごく楽しかったです」
「これから温泉だよ。楽しみだね」
「はい」
嬉しそうに昇と話をする直くんを見て私もホッとする。
温泉のことはまだ少し不安はあるが昇を信じるとしよう。
征哉くんと少し話をして、絢斗たちと共に駐車場に向かった。
今日の宿である保養所まではそこまで離れていないらしい。
家族でゆっくりとした時間を過ごすとしようか。
* * *
ようやく結婚式編終了です。
次回からはドキドキワクワクのお泊まり編。どうぞお楽しみに♡
「また何かサプライズを考えているみたいだよ。直くんは心配せずに待っていたらいいよ」
「はい」
少し心配そうだったけれど谷垣くんが直くんに一緒におしゃべりしようと声をかけてくれたおかげで笑顔になっていた。
フランとグリと戯れながら、直くんがみんなと楽しく過ごしているのを見守っていると、
「着替えが終わったよ」
とスーツ姿の征哉くんが一花くんを連れて戻ってきた。
色打掛姿から私服に着替えに行ったのかと思っていたが、一花くんの衣装はなんとも可愛らしい桜色のドレス。
「わぁー! 一花さん、ドレスだ! すっごく綺麗です!!」
「本当! すっごく似合ってる!!」
「一花くん、綺麗だよ」
とても可愛らしいドレスに着替えた一花くんに直くんと谷垣くん。そして史紀さんが駆け寄ると一花くんと楽しそうに会話を始める。
誰一人征哉くんには目もくれない様子に、
「ははっ。会長の存在が忘れられてますよ」」
「ええ。あんなタジタジな貴船先輩を見るのは初めてです」
と志摩くんや安城くんが同情気味に笑っている。確かに珍しい光景だな。
一花くんが喜んでいるのを邪魔したくないからだろうが、さすがだな。
直くんも最初こそ征哉くんを怖がっていたが、お互いに誤解も解け、一花くんと友人となった今となっては征哉くんが怖い存在ではなくなったんだろう。それは本当に良かった。
しばらく抱きかかえられたままの一花くんを囲んでおしゃべりが続いていたが、
「みなさん、今日の結婚式に尽力してくださったこの方たちにもお着替えしていただいたわ。どうかしら?」
という未知子さんの声にみんなが入口に視線を向けた。
すると、この店の店主である天沢くんが美しいドレス姿の女性を連れているのが見えた。
しかも彼らだけでなくその後ろにも何人かいるのが見える。
「もしかして、千里さんか?」
征哉くんの声に天沢くんがこの上ない笑顔を見せて、説明を始めた。
「ああ、そうだ。よくわかったな。貴船の母君に声を掛けてもらって千里と和泉さん、そしてこの結婚式をプロデュースしてくれた日南さんも着替えさせてもらったんだ」
なるほど。絢斗が未知子さんと一緒にやりたいと言っていたのはこれだったか。
確かに彼らも美しいから着替えをしないのは勿体無いな。
だが、そうか……。彼らもまた恋人だったか……。縁は繋がるものだな。
本当にこの式は素晴らしい縁が繋がった最高の式になったものだ。
「征哉、一花くんをここに座らせて」
未知子さんの要望に応えるように征哉くんが一花くんを椅子に座らせると、途端に撮影会が始まる。
私たちはその邪魔をしないように少し離れた場所から新しく加わった花たちと絢斗たちの戯れを愛でることにした。
そんな中、
「それでこれからはどうなさるご予定ですか?」
という志摩くんの質問で話は大きく動くことになった。
志摩くんの質問は、東京のウェディングプロデュースの会社の佐久川社長とこの店の和菓子職人である小石川くん。
そして佐久川社長の会社の社員である日南くんとこの店の板前の麻生さん。この新しく誕生したカップルの行く末だ。
ここは東京から高速に乗っても数時間はかかる場所にあり、通常なら遠距離恋愛を強いられるだろう。
だが、私たちもそうだが運命の相手と出会い、離れ離れで週に一度会えるかどうかの状態で生きていけるとは思えない。
志摩くんも谷垣くんと出会ってすぐに一緒に暮らし始めたくらいだから、この二組が遠距離で続けられるか心配なのだろう。
彼らもそのことがネックのようだが、まだいい考えは思いついていないようだ。
「それならばいっそのこと、その会社を畳んだらいいんじゃないか?」
周平くんの突然の言葉にみんな驚いたものの、この店に新たに婚礼部を作り、この店での結婚式に力を注げば良いのではないか? という意見にただただ納得しかない。
周平くんの意見に天沢くんはもちろん、佐久川社長も乗り気で、あっという間に統合の運びとなった。
しかもこの縁で周平くんが自身のドレスやイリゼホテルの着物をこの店でも着られるようにすると言ってくれたことでかなりメリットの多い事業となりそうだ。
この結婚式が縁で新たな事業拡大に天沢くんも佐久川社長も嬉しそうに笑っていた。
優秀な人材ばかりが集まっているのだから話が進むのも早い。
せっかくだから顧問弁護士を決めようということで話した結果、有原くんに頼むことに決まったのは榎木くんの希望だった。
そう頻繁にここまで来る必要がないことと、来ても年に数回ということで二人で小旅行のついでに仕事もということらしいが、榎木くん所有の別荘や二人の行きつけの旅館が近くにあるということだからそれも楽しそうだ。
何か困ったことがあれば私も手伝うということで顧問弁護士の件はまとまった。
「じゃあ、みなさん。そろそろお開きにしましょうか」
そろそろ一時間というところで征哉くんが絢斗たちにも聞こえるように声をかけ、結婚式はお開きとなった。
見送りをするという佐久川社長の提案を断り、私たちも帰り支度を始めた。
「昇さん、みんなでメッセージアプリのID交換したんです」
「そうか。今日でいっぱい友達ができて良かったね」
「はい。すっごく楽しかったです」
「これから温泉だよ。楽しみだね」
「はい」
嬉しそうに昇と話をする直くんを見て私もホッとする。
温泉のことはまだ少し不安はあるが昇を信じるとしよう。
征哉くんと少し話をして、絢斗たちと共に駐車場に向かった。
今日の宿である保養所まではそこまで離れていないらしい。
家族でゆっくりとした時間を過ごすとしようか。
* * *
ようやく結婚式編終了です。
次回からはドキドキワクワクのお泊まり編。どうぞお楽しみに♡
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